アースラから無事に家に到着した。
あの戦いの際にアースラ側もプレシアに攻撃されていたらしく、フェイト達の足取りはまだ不明のままである。
そしてなのはにどうしてフェイトと向き合い続けていたのかという所も聞いてみた。
返ってきた答えは「フェイトちゃんと魔法の話でどうしても納得出来ない事があったの」と。
それを聞いてうーん? と思ってしまい更に話を聞いてみると、力がどうとかの話となり、魔法戦闘関連の話なのかいまいち中身を読み取ることが出来なかった。
最初から魔法へ傾倒しているなのははそれこそ戦闘民族の血を受け継いでいる証拠を見せるように力と力のぶつかり合いを求めている節もある。
それが今回暴走させたのか? と思ったが、とりあえずフェイト側の方も聞いてみてから判断しようと思った。
なのはがアースラ側からの音声に反応しなかったのはフェイトの方に意識を集中させていたため聞こえていなかったとのこと。
これに関しては、リンディさんから直接注意という形でひとまず終わってくれた。
そしてクライマックスに向けて、もう一息だなと気合を入れて行動を開始する。
ちゃんと進んでくれればアルフが先に戻ってくるはずなので、そこに合流しておく必要があると考えていた。
ちなみになのはは、リンディさんと共になのはの実家の方に挨拶に行っている。
魔法関連のフォローはそのままリンディさんに完全に任せるつもりであった。
アルフは確か……プレシアに反抗して怪我を負ってしまい、アリサに発見されてそのまま一旦保護されるはず。
その後になのは達がアリサの家に遊びに行ってそこでアースラ側へ説得される。
そして、フェイトを助けてほしいという願いを申し出る流れだったはず。
これ自体はそのまま進めるべきだと思っている。ただ懸念として説得の際にきちんと応えるように話をしておかないと、どうすべきかアルフが困惑してしまう可能性がある。
何も会話せずに行けるならそれに越したことは無いが、アルフはそこまで読み切れるのか少々不安なところがあるのも事実である。
下手に自分と繋がっていることがバレないようにするためにもアルフとは擦り合わせておく必要があると考えていた。
そう考え携帯電話を手に取る。そして連絡を開始するのであった。
「あんたも戻ってきているんだったら、ちゃんと連絡しなさいよね!」
そのツンとした声だけでも相手が誰だか分かってしまうのでは無いかと思っているアリサと現在、一緒に車で移動している。
電話にて連絡を行い、丁度下校に合わせてアリサと一足先に合流したのだ。そしてアリサ宅へ遊びにいくと言う体を利用して行動を共にしている。
アリサと話をしつつ状況を聞き出す。まだ、アルフは見つかって無いらしい。
そうなるとしばらくはアリサと行動を共にする必要があるなと考えつつ話を続けて行った。
それなりに好感度は稼いでいるはずなので、それを利用しつつ上手く進めようと思っている。
「けど、なんで下校から話をしたいって思ったのよ」
しかも二人っきりで……とそっぽを向きながら小さく呟く声も聞こえてきた。
「しばらく話が出来なかったから……少しでも長くアリサとお話ししたいと思ったんだけど嫌だったかな?」
「イヤじゃ無いけど……」
こう言うのは順序が……と何の順序? と突っ込みたくなる呟きを聞きつつ車の窓から周辺を見てみる。
会話に集中しすぎないように念のため辺りを確認する。以前のサブイベントのようなものに巻き込まれると面倒なので、せめて周囲は確認しておこうと思ったからだ。
とはいえ、あんなイベントは早々起こるものではなく、周囲は至って平和にも感じる状況であった。
それこそ何か不穏なことがあれば違和感にすぐ気づく位の平穏な状況である。
「あんたもなのはと一緒に居たってことで良いのよね?」
「うん。そうだね。詳細はまだ言えないけど一緒に居たことは間違いじゃ無いよ」
「詳細って……なのはが時々ぼーっと考え事をしている時があったけどその件なの?」
さすが友達である。しっかりと様子を見て心配しているのがよくわかる。
その答えには素直にコクリと頷いてアリサに肯定を伝えるのであった。
「何で? 友達には相談出来ない内容なの?」
友達の概念は人それぞれであろう。人によっては損得勘定で付き合う人も友達としてカテゴライズされる場合もある。
しかしアリサの場合は違うであろう。友達とはお互いの信頼を預け、そして悩みごとは一緒に悩んで解決していきたいのであろう。
その考えはとても尊いと思う。そしてそれを尊重して上げたい。綺麗な考えは年齢と共に色んな濁りが出てしまうから、そういったことはさせたく無いと思ってしまう。
ただ勿論その考えは自分の独り善がりの考えであると言うことも理解しているので、あくまで尊重するようにアリサと話を続けるのであった。
「相談はしたいんだと思う……」
「ただ、なのはの考えもあるだろうし、話の内容自体が色々とありすぎて中々相談出来ないのもあると思うんだ……」
「アリサもジレンマはあるかもしれないけど、出来ればなのはから相談があるまで待っていてほしい」
なのははちゃんとアリサを信頼しているよとフォローも伝えておく。
更に「実際、僕もアリサの事はとても信頼しているよ」と優しく笑顔で持ち上げることも忘れない。
それを聞いたアリサは照れ隠しのように頬を軽く染め「ふんっ!」とそっぽを向くのであった。
そうしてそっぽを向いていたアリサが何かに気づいた様子を見せた。
「鮫島! 車を止めて」と運転手へと伝える。
恐らくは鮫島と呼ばれていた人が本来の運転手であったのだろう。
お嬢様の急遽の要望にもしっかりと余裕で応えてくるその動きは素晴らしいものであった。
車を問題なくストップさせるとアリサはドアを開ける。
そして道路から側の通り道を進んでいくのであった。
自分もそれに続いてくと、その道に転々と血のような物が赤く滲んでいた。
アリサの動きが止まる。その止まった場所には犬のような狼のような姿の大型の動物が寝転がっているのであった。
ピンクに近いその毛並みは、アルフの獣形態の姿である。
ジャストタイミングとは思ったが、やはり怪我をしていたので、そちらの方を優先すべきである。
アリサとも話を行なって、アルフの保護を一緒に実施するのであった。
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私を呼ぶ声が聞こえ意識が少しずつ覚醒しはじめるのが分かった。
そして目を開くと母さんが側に居てこちらに話かけてきた。
ジュエルシードの数がまだ不足しているとのこと。
それを伝えてくる母さんの声は優しくもあり不満にも聞こえる。
そして私は自分の不甲斐なさ、力不足を感じてしまうのだ。
まだ不足しているジュエルシードを集めてきて欲しいと母さんから伝えられる。
私はそれに応えるように体を動かすのであった。
辺りを見渡す。いつも一緒に居たアルフの姿が見えない。
母さんが言うにはアルフは怖くなって逃げ出したらしい。
こんな私じゃ見限られてもしょうがないよね……と自分を責める。
そしてこう思ってしまう。一人になっちゃった……と。寂しさが心に包まれてしまうのが分かってしまった。
ただこうも思ってしまった。奏に会いたいと。
幸福や安心というずっと浸っていたいあの感覚。そして掛けられる声や匂い。それは私を優しく包み心を震わせ何でも出来るという万能感にも似た感覚を与えてくれる。
その感覚を知ってしまうと次へ次へと求めることもそうだが、枯渇した時にはそれを強く求めてしまう。
そしてそれを求め続ける事は勿論、何も間違ってないと思っている。
特に最近はその成分が干上がってしまっているのが自分でもよくわかる。
だからこそどうしてもそれを強く求めてしまうのであった。
私は渇いた喉を水で潤したいようにそれを常に求めてしまう。
だから行動しようと体を動かし始めた。
そう心に決めた瞬間、それを
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アルフを無事、アリサの元で保護することが出来ていた。
鮫島さんの手助けもありアルフの治療は無事行われ、夜にはご飯も食べれるくらいに回復している。
そしてこちらに気づいた時にアルフは動揺していたが、毛並みを撫でつつ、大丈夫だよ。落ちついて。と動物を宥めるような形で言葉を伝える。
素直にその言葉を聞き、アルフは落ち着いたので様子を見て他に聞こえないように注意を払いながら擦り合わせを行う。
アルフは他にバレないように喋る事はさせず、こちらから内容を一方的に伝えるだけではあったが無事それも行うことが出来た。
そうして無事にアリサ邸から家に戻る。
時間はもう夜になり、明日以降からの予定を考えつつ家の前まで辿りつくとそこにはフェイトが一人で立っているのであった。
フェイトは泣きそうにも見える表情でじっと明かりのない自分の家の方を見つめている。
恐らくはプレシア関連にて色々とあったのだろう……。その様子は追い込まれ衰弱しているようにも感じられた。
早く何とかするべきだなと思い、フェイトの方に近づく。
フェイトは近づいてきた自分に気づき、寂しそうなその表情が少し緩和されたようにも見える。
だけど、他人のふりをするという命令に従っているため、フェイト側から声をかける事はしてこない。
ただ周囲の目が無い状況は理解しているのであろう。チラチラと視線でこちらを伺ってくる。
そのいじらしい様子に心の奥で可愛らしさや儚さを生み出し庇護欲がどうしてもかき立てられてしまう。
それらの欲求に反抗する事なく、フェイトをしっかりと受け入れるように両手を広げて「おいで」と許可を出した。
すると許可を得たフェイトは先ほどよりも更に笑顔を輝かせてこちらの胸に飛び込んでくるのであった。