※この作品はR-18です。

催眠パワーでいけるのか!?   作:ヒミノまろ

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34話

 

 ちゃんと節約出来ていたのだろうか……。というかそもそも大丈夫だろうか……。

 

 

 フェイトがなのはの攻撃を受けて気絶したかのように無防備な姿で空に放り出される。

 なのはの攻撃はそのピンク色の砲撃でフェイトの姿が一瞬かき消えたようにも感じられてしまった。

 それほどの魔力の量や勢いがあった。ユーノなんてそれを見て怯えるようにガクガクと震えているようにしている。

 確かにあれは喰らいたくない……。と思ってしまった。

 

 

 恐らく魔力を外からかき集める動作をしていなかったので、彼女の全力全開最強の一撃ではなかったのであろう。

 それでもこの威力である。天才というのは成長速度はどこまでも速い。やはり比べられるものではないなと改めて感じてしまった。

 

 

 フェイトが無防備になっている状態を見て慌てたかのようになのはがフェイトへと近づく。

 そして優しくフェイトを抱え込むのであった。

 

 

 意識が飛んでいたのは一瞬だったのだろう。程なくフェイトも意識が戻ったかのようになのはに抱えられつつも体を動かしはじめる。

 そして伝えていた通り、バルディッシュからジュエルシードをアウトプットする。

 

 

 フェイトが集めていたジュエルシードが空に舞う。

 それを見つつフェイトもなのはから体を離すのであった。

 

 

 そしてそのジュエルシードがなのは側に回収されそうになった瞬間、空から雷が落ちてくる。

 プレシアが介入してきたことを告げるかのようにその紫色の雷はフェイトへ直撃してしまう。

 

 雷の直撃を受けたフェイトはバルディッシュも破損させるくらいの強い攻撃を受け再度、なのはに寄り掛かる。

 その隙に宙に舞っていたジュエルシードはプレシアの元に回収されていくのであった。

 

 

 

 アースラへ帰還を行う。

 フェイトは武装解除されている状態である。バルディッシュなどは持っているがプレシアの攻撃で破損しているだろうから、まだ使えない状態であるはず。

 

 

 そしてみんなでリンディさんの元へ向かう。

 リンディさんの所に到着するとリンディさんがモニターを見つめていた。

 

 そこには先ほどジュエルシード回収時に座標を割り出したのであろう。

 時の庭園と言う名前の移動庭園。プレシアの所へ武装局員が突入している画面が表示されていた。

 リンディさんからはなのはとフェイトが行う戦闘の際にプレシアの居場所を割り出す予定は個人的に聞いていたが、それぞれの展開の速さはさすがだと思わざるを得ない。

 しかしその画面を見て武装局員って結構居たんだなと場違いな感想を持ってしまった……。

 

 そんな心境は関係無く展開は進む。武装局員がプレシアに容疑を伝えて捕縛へ向かっていると、ある場所に気づいたらしい。

 その場所に武装局員が突入を行う。そこにあったのはフェイトと瓜二つの少女の姿があった。

 少女は大きなカプセルのようなものに入っており、中には液体が充填されている。その中で眠るように漂っている。

 

 

 

 アリシア・テスタロッサ。

 

 

 

 フェイトと瓜二つと言ったが、本家はアリシアの方である。

 アリシアの遺伝子を使い作成された少女。それがフェイトであった。

 

 武装局員はそんな事は知らずアリシアの元に近づこうとする。

 だがプレシア・テスタロッサはその行動を許さず、近づく武装局員を吹き飛ばす。

 

 武装局員達はプレシアのその行動を見て臨戦態勢に入った。

 そして射撃攻撃を行うのだが、その攻撃はプレシアに一切ダメージを与えられない。

 むしろプレシアはその攻撃が邪魔だと言わんばかりに魔法を使うのであった。

 

 紫色の雷撃が空間を支配する。一瞬にも感じられたその雷撃が終わった時には、武装局員は全て倒れ伏していた。

 

 リンディさんは慌てて武装局員の回収転送の指示を出す。エイミィ達はそれに従い武装局員の回収を行いはじめる。

 

 そんな様子を全く気にしないまま、プレシアの独白が始まったのだ。

 

 

 

 

 時間がない。だから終わりにする。

 今あるジュエルシードの数でアルハザードへ行けるのか分からないけど構わない。

 

 この子を亡くしてからの暗鬱な時間を終わりにする。

 この子の身代わりの人形を娘扱いするのも。

 

 

 その言葉を聞いたフェイトはビクッと身を竦ませる。

 しかしプレシアの独白は続くのであった。

 

 

 聞いていて……? あなたの事よ。フェイト。

 せっかくアリシアの記憶をあげたのにそっくりなのは見た目だけ。

 役立たずでちっとも使えない。私のお人形。

 

 

 

 

 エイミィがプレシアの実の娘。アリシア・テスタロッサが事故で亡くなっていた事実をみんなに伝える。

 そしてプレシアが行っていた研究。それは人造生命の生成。死者蘇生の秘術。プロジェクトコード「F.A.T.E」と呼ばれるものであったと。

 

 エイミィのその声に応えるかの如く、よく調べたわね。と伝え話を続ける。

 

 

 

 

 だけど、駄目だった……。ちっとも上手くいかなかった。

 作り物の命は所詮作り物。失ったものの代わりとはならないわ。

 

 

 

 

 そしてフェイトの胸をえぐるような言葉が伝えられた。

 

 

 

 アリシアはもっと優しく笑ってくれたわ。

 アリシアは時々わがままも言ったけど私の言うことをとてもよく聞いてくれた。

 

 アリシアはいつでも私に優しかった。

 

 フェイト……。やっぱりあなたはアリシアの偽物よ。

 記憶も与えたけどあなたでは駄目だった。

 アリシアを蘇らせるまでの間、私が慰みに使うだけの人形。

 

 ……だからあなたはもう要らないわ。どこへなりと消えなさい! 

 

 最後に良いことを教えてあげるわ。フェイト。

 あなたを作り出してからずっとね。私はあなたが大嫌いだったのよ。

 

 

 

 

 最後の言葉を聞きフェイトの身体はその言葉を受け入れられないように崩れ落ちた。

 慌てて倒れそうになるフェイトをみんなで支える。

 

 だが、そんな事は関係無いとばかりにプレシアは行動を開始する。

 

 観測班から時の庭園に魔力反応が複数出現したことが伝えられる。

 これからの行動を邪魔されたく無いようにその数はどんどん増していくのであった。

 

 そしてプレシアは眠ったままのアリシアを魔力で持ち上げた。

 プレシアが最初に居た玉座のような場所に戻りジュエルシードを展開する。

 

 

 

 忘れられた都。アルハザードへ行くとこちらに伝えて。

 

 

 

 次元震の観測が伝えられる。アースラ内のアラートは鳴りっぱなしだ。

 

 倒れそうなフェイトを抱え、改めて考えていた。

 

 プレシア・テスタロッサが救えるのかどうか。

 救うと言う言葉は語弊があるかも知れない。要するに今後使()()()かどうかである。

 元々、崩壊へ一直線に向かう彼女である。それ自体はストーリー的にもそうなっている為、恐らくはその通りになるであろう。

 

 ただ、そう言う存在だからしょうがない。で終わらせるのは勿体無い。

 どんな時でも念のため可能性は検討すべきだと思っている。結果は変わらないかも知れないが、検討した内容は自分の心に経験を蓄積させる。

 

 しかし、今回は何度検討をしても処置無しという結論になっていた。

 プレシアの侵されている病気の解消方法。またそれをクリアしたとしても催眠の設定及び時空管理局との立ち回り。どれを取っても解決方法が自分では見えなかった。

 

 なればこそ、彼女は悪役としてその役目を全うしてもらうべきだと考えた。

 では何故、検討を複数回重ねていたかと言うと個人的にはプレシアの気持ちは理解出来なくもなかったからであった。

 先ほどのプレシアの言葉にも人によっては解釈は分かれるかも知れない。プレシア自体に未来は無いのは自分自身理解しているであろう。

 だから突き放した言葉をフェイトに掛け、その未練を断ち切って欲しいという裏側の感情の解釈も受け取り方によってはあるかもと思うのだ。

 

 そしてプレシア自身の行動自体も理解出来なくも無い。

 自分に子供が居たという記憶は無いが、イメージだけでも最愛の子供が亡くなり蘇らせられる力や道筋があったのなら縋り付くかも知れない。

 そして本人はもはやそれしか道は無いと信じているので、彼女の幸せを求める感情の行為は理論では止める事はできないだろう。

 

 ただ、確証無くその行動を行うのは愚策であり、その結果世界を巻き込むのであれば勿論こちらは死にたく無いので止めるべきである。

 

 そして何よりも当事者であるフェイトの気持ちを考えないその行為は彼女の裏の意図があったとしても、どうあっても分かり合えないだろうなと思っていた。

 

 検討結果でもありそしてストーリー上でも問題無い悪役としての役割を全うをして貰おうと改めて結論を出し、これ以上の検討をストップさせて心を割り切る。

 

 ともかく個人的感情はおいておいて、それぞれの対応を見守る。

 正直、現段階では悲しいことに自分に出来る事はほぼ無いのだ。

 フェイトを倒れないように支えるだけであった。

 

 クロノは最初にプレシアを止めるべく時の庭園に向かう行動を進めている。

 リンディさんはアースラを次元震からの影響を抑えるべく各員に指示を飛ばしていた。

 

 なのはを見てみる。一緒にフェイトを支えていたが、雰囲気がいつもと違っているようにも感じられた。

 あの詠唱のように不屈の魂を胸に秘め、何よりもその瞳には許せない怒りと言うべき感情が現れているようにも見える。

 なのははこちらを見てきた。その真っ直ぐな瞳を見て、「分かっているよ」と言う視線で返す。

 その時に見せたなのはの笑顔はどこまでも真っ直ぐで凛々しくも綺麗であり本人の魅力を伝えるのであった。

 

 フェイトを支える役をアルフに変更して、なのはは行動を開始する。クロノと合流してプレシアを止めるべく時の庭園へ乗るこむのであろう。

 ユーノにもなのはをフォローしてあげて欲しいと伝える。ユーノは勿論!! と言わんばかりになのはと一緒にクロノと合流すべく移動するのであった。

 

 そしてこちらはアルフと一緒にフェイトを落ち着かせるように別室へ移動を開始する。

 こちらはこちらで準備を進める必要がある為、準備を行う。

 

 

 

 別室にフェイトとアルフで待機してもらい、自分の部屋に戻る。

 そして対プレシア用に準備していた機器や戦闘用の服を装着する。

 

 この辺りはリンディさんと相談しつつ何よりも優先して作ってもらった機器や戦闘用の服である。

 正直、それらが役に立つかはまだ未知数であるが、最初に魔法に触れるイベントをこなす時と同じように準備をしておく。

 

 ちなみに戦闘服はあくまで武装局員のものを流用しており、魔力が無い自分が装着しても紙よりもマシ程度のものであるが……。

 まぁ、無いよりはマシと思いつつ、気持ちの問題であると思っている。

 

 そしてピルケースから使いたく無い薬を取り出す。薬と言っても唾液とかで溶けたりしないので、それを飴を舐めるかのように口に放り込む。

 緊急事にすぐ飲み込めるように頬へそれを溜めておくのだ。

 

 どんな影響が出るかは分からないがそれでも準備は少しでも多く重ねておく。

 そしてこちらの準備が終わり、改めてフェイトとアルフの元へと向かう。

 いよいよ最終局面で最も事故の可能性が高い場所。プレシアと対峙する為に行動を開始するのであった。

 

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