※この作品はR-18です。

催眠パワーでいけるのか!?   作:ヒミノまろ

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4話

「そう言えば前にテレビで見たんだけどさ。ちょっと試してみても良い?」

「なになにー?」

 

 お互いに対面に座りつつ話を進める。

 スッと五円玉に紐をつけ、右手で紐を持って五円玉の部分をなのはの目の所に持ってくる。

 それをプラプラさせて、言葉を発した。

 

「あなたはだんだん眠くなーる。眠くなーる」

「……。あ、これ知ってるの!! 催眠? とか言うやつだよね!」

 

 子供なら一度は出来るのか? と言うお遊びをはじめた。

「そうそう。これをプラプラさせるからじっと見てみて。しばらくして名前を呼ぶから返事してね」

「わかったの!」

 

 普通には何もかからず終了して、肩透かしを行うものであるがこれはある意味の本物であるはずである。

 そう考えながら膝上の左人差し指を向ける。

 

 1分ちょい経過した後、そろそろ飽きる行動が出る前になのはに声をかける。

「高町なのは」

 

「はいっなの!!」

 

 と催眠なんて掛かっていませんよと言う位に元気よく返事をした瞬間。

 

 

 空間が止まった。

 

 

 !? 

 想定とは別な形が発現され驚き周りを見ると自然に聞こえていた車の音、人の声など音も一切聞こえず、部屋にあった時計の秒針も動いていない。

 

 時間停止?? 

 

 と訳も分からず見回していると頭上から紙が落ちてきた。

 

 

 ▼▼

 

 やっほー。元気にしているかな?? 

 まずは初催眠おめでとー!! パチパチ

 

 今回は色々と説明があるので、ちょっとその世界の時間を止めました!! スゴイ! 

 

 ▲▲

 

 

 この手紙の文面を見る限りこの現象はリリーの仕業だと言うことらしい。

 やはり次元の違う存在なのだと言う事が強く意識されられる。

 

 

 ▼▼

 

 それじゃ、説明するねー。

 これで催眠をかける事が成功したので、催眠をかけた人はハーレムメンバーに無事追加されるよー。

 だけどね。それだけで終わりじゃ無いんだ。

 やっぱり釣ったお魚にも餌をあげないといけないよね!! うんうん

 そこでね。催眠を維持するために設定が追加されますー。

 

 まずは目の前にあるサイコロを振ってね。

 

 ▲▲

 

 

 そこまで目を通すと、紙はボッと燃え消えた。

 目を前に向けるとテーブルの上に6面の小さなサイコロが存在している。

 

 これを振らないと話が進まないのか……。

 まさかの展開に焦りが出てきているが、この段階で出来ることはなさそうだと思いサイコロを振る。

 

 出てきたサイコロの目は『2』だった。

 

 するとまた頭上から紙が落ちてくる。

 

 

 ▼▼

 

 おー。今回は2だね。と言うことで、催眠を維持させるためには

『1週間に1度、催眠実行者の匂いを嗅がせる』

 だよ。抱きしめて匂いをクンカクンカさせてあげてね。中々マニアックですな!! キシシ

 

 ▲▲

 

 

 …………

 

 

 ▼▼

 

 1週間の区切りは催眠をかけた日からスタートで、その7日目の24時に終了するよー。

 そこまでに維持させる行為をしないとペナルティが発生するから注意してね。

 

 ▲▲

 

 

 ………………

 

 

 ▼▼

 

 ちなみにハーレムメンバーが5名以上になるとサブメンバー報酬とは別に豪華な報酬があるから頑張ってね!! 

 それじゃーねー。

 

 ▲▲

 

 

 

 ………………………………

 

 

 断言しよう。

 

 これはクソゲーである。

 

 自身の存在が掛かっていなければ間違いなくプレイをしない。

 コンテニューも存在しない世界で、これは酷い。

 

 これは人数を増やせば増やすほど、雁字搦めになる。

 報酬とかあるらしいが、これも期待はしすぎるものでは無いと思う。

 

 あまりのめんどくささに投げ出すプランも考えるが、恐らくは自分の存在を消されて終了だろうと予想がつく。

 大体、あの話を思い出しても代わりはいるのだ。

 もし失敗したとしても、それをカバーしようと考えるよりも間違いなく次に移行するだけだろう。

 究極の存在または圧倒的権力でもあれば別だろうが、一般レベルであれば間違いなく切り捨てられる。

 よっぽど最後なのであれば救いもあり得るが、この世界をみてもこの現象も含め自由に出来ることから数などは想像出来ないほどいるであろう。

 

 ちきしょうと思いながも、ここでどうやって生き延びるかを考えた方がまだマシだ。と無理やりにポジティブに考えを持ち直しひとまずの行動を考える。

 先ほど見ていた紙は消え、時計を見てみると秒針が動きはじめた。

 恐らく元に戻ったであろうと推測して、なのはの方を見てみる。

 

 なのはは直立している状態で止まっていた。

 目の焦点は合ってなく遠くでも近くでも見ている感じでは無く、身動ぎもしないため人によっては精巧な人形にも見えるだろう。

 恐らくは催眠状態だなと予測し、ずっとこのままの状態だとそのうち怪しまれるだろうと思われるので、ひとまず簡単な命令を組み込む。

 ・鏡音奏の体の匂いを嗅ぐと安心する

 ・鏡音奏と会うと1回は抱きつかないと安心しない

 ・鏡音奏から「高町なのは」とフルネームを呼ばれると「はい」と返事をする

 

 ひとまずはこれで再度と継続は自然に出来るように思われるので、それ以外は後に考えるようにしよう。

 そう思い終了と声をかければ、なのはの目の焦点が戻り、こちらを見てきた。

 すると少しもじもじした仕草をして、こちらにどーんと言う感じで体を突っ込んできた。

 催眠後の状態を伺っていたのでいきなり行動をおこされた事に焦りつつなのはの様子を見てみると

 そのまま顔を体の部分に擦り付けるように埋め込んでいた。

 

 ……あ、1回目の抱きつきか。

 と先ほど自分が設定していたことを思い出し、とりあえずはそのまま好きにさせる。

 

 ……どれくらい経っただろうか。

 

 一向に離れる様子が見えないため、多少強引になのはの体を引き離す。

 なのははむーとした表情を見せたが、とりあえずは満足したのかうんうんとうなずきながら改めて対面に座る。

 

 ひとまずは話をしつつ、催眠前後の状況を聞き出した。

 分かったことは、何か自分と話していたのは覚えているが、あまり良く思い出せないとのこと。

 恐らくは指をさした辺りからきちんと催眠に入れば、その前後はあやふやになる感じだと思う。

 ある意味の事後処理や事前のカバーもやりやすくはなるなと考え、そのまま遊び続けた。

 

 夕方に差し掛かり、良い時間だと思い帰宅の準備をする。

 夕食の誘いもあったが、さすがに子供とはいえ初回からそこまで行くのは少し躊躇われたのと、色々と考えたいことも多いので、丁重にお断りをして、家路につく。

 なのはは多少残念がっていたのが少々印象的であったが。

 

 あの後、なのはの行動を見ていて多少触れ合うコミュニケーションが増えたように感じるが、予想以上の行動を行わなかった事にほっとした。

 あれであれば子供のじゃれあい程度ですむだろうし、流石に怪しむほどの違和感は出ないだろう。

 親御さんの動きとしては、父親はあくまで娘の友達として牽制の視線はあるが、まぁ、親バカと呼べる程度のものだ。

 母親の方は、見守るスタンスなのか特ににこにことしているだけで、普通に感じられた。

 

 とりあえず向こう側の家族の印象としては、概ね好印象で終わっただろうと総評する。

 催眠能力に関しては別だが……。

 

 正直、使いづらいが先立つ。

 相手側を意のままに操ると言う点で、恐ろしい能力である事は間違いないが、継続対応及び露見するリスクを考慮するとおいそれと使い続ける事は躊躇われる。

 とはいえ、何もしないと普通に世界が滅んでしまうので、ストーリーに絡みつつ誘導をかけるためにも使わざるを得ないと想定されるのが悪質だ。

 

 そう考え家に到着し、夕食を軽く食べ、シャワーを浴びつつ考えをさらに進める。

 

 触れたくはないが、ペナルティの度合いも検討しないとだな。

 浴室にある鏡に映る自分の姿を見る。少年の姿であり、余程不摂生な生活をしなければ、恐らくはイケメンと呼ばれるくらいに成長出来るのが想像つく。

 まぁ、逆に鍛えすぎてマッチョになるのも……と考えたが、まだ流石に早いだろう。

 あくまで常識の範囲内で肉体を鍛えるのは、必要だと思うが限界までいじめ抜くと言うのはその方向性しか見えない限りあまりやりたくない。

 能力的には相手の操作しか出来ないのだから極力自分が矢面に立つ行動は慎むべきだ。

 

 そう考えるとどう見ても主人公気質ではないな。

 

 と自虐した笑いを見せつつ左手首を見る。

 そこにある刺青を見て五芒星の部分に関しては、使い所は見えてきたが他の部分に関してはまだ未知数だ。

 蝶の羽のような部分を見て使われることがない方が幸せなんだろうなと考えつつ可能性としては何かしらの使いどころが出てくるだろうとあたりをつけておく。

 心構えの準備のようなものだ。

 今回も含めいきなり展開されることが多いはずなので、少しでも焦りを抑えられるように心をコントロールする気持ちでいようと思う。

 まぁ、理想と現実は別なのだが……突っ込む自虐をおいておいて、浴室から上がりベッドへと移動する。

 

 ベッドの中に入り込むとやはり気を張っていたのか、緊張の糸が切れたかのようにすぐに眠りに落ちた……。

 

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