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「いらっしゃい〜」
「お邪魔します」
幼さを感じさせる声。まだまだ成長を感じさせられる少女の小さな声が、お互いから発せられる。
片方は足に不自由がありながも、それを感じさせないような陽気な雰囲気を持つ人物。
もう片方は、その幼さを感じさせないような精神的成長が高さを感じさせて礼節を持ってしっかりとした雰囲気を感じさせる人物であった。
ある意味では、年齢通りの言葉を発する子供と呼ばれる存在は、この空間には居ないのであった。
「今日は何をして遊ぼうか〜」
だが、話す内容は年齢相応であった。
お互いがお互いに親睦を深める行為。
お部屋の中でコミュニケーションを図る行為は、まだまだ未成熟な幼さを印象付けさせている。
「はやてちゃんの持っている本を見てみたいな」
目元もにこやかな感じで、お互いの共通する趣味の話題を出す。
そして、その少女が発する雰囲気は「興味津々です」と言った感じで、相手側に純粋な好意を伝えるのであった。
勿論、その好意は相手側の少女にとって、とても嬉しい出来事である。
共通する話題をお互いに遠慮なく話せる。
それだけでも満足してしまうくらいに、少女は触れ合いに飢えていたのだ。
だから……率先して少女は行動する。
「ええで! こっちや」
そう言っていそいそと部屋の奥へ移動を行う。
それに付いていくようにしつつも、深紫の髪を持つ少女は玄関である行動をさり気なく行った。
カチャ
訪問した時に、頑張ってはやてがロックしていた玄関の鍵を解除する。
そうして……月村すずかは、笑顔を浮かべたまま「待ってよー」と呟きながら、はやての後を追い部屋の中へ入って行ったのだった……。
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……
…………
……………………
共通する話題に花が咲く。
「その本面白いよね」
「そうなんや!! この作者の本は全部持っているで!」
……
…………
「このお話って……」
「あかん。あかん。それは最後まで言わんのがお約束や」
自然と自然と会話をすることで、友達としての心のハードルが低くなっていく。
お互い心底楽しい笑顔を浮かべて、読書していた本の感想を言い合う。
一見、言い方は悪いかもしれないが、年齢的に考えると地味にも見えてしまうその行為。
本人達にとっては心底楽しい内容であるし、そして夢中になれる遊びの一つである。
そして……話題は、はやてのさらなる趣味。
料理関係にも発展する。
「はやてちゃん料理得意なんだ!?」
「そうやで!! 作ってあげるから……夕食食べていかへん?」
楽しく会話をしているが、一瞬、縋り付くような目線がはやてに浮かぶ。
ずっと、友達と過ごすこの楽しい時間を経験していたい。
そんな欲求は誰しもあるだろう。特に経験が浅い子が、その楽しさを覚えると時間も忘れるぐらいに、のめり込むことなどよくある話である。
はやて自身、抑え込んでいた欲求が、自然と出てしまうことは無理も無い話であった。
だが、ここで相手側の少女。月村すずかは別の話題に移そうとしていた。
「実はね。私も得意なものがあるんだ」
一瞬、話題を逸らされた事によって、はやては少しだけ悲しそうな表情を浮かべたが、それを見せないようにすずかの振ってきた話題に乗る。
「なんなん?」
「私、いろんな声を出すことが出来るんだ」
声帯模写
俗に言う声のモノマネである。
芸能人であったり、有名所の声真似だったり、時には動物のモノマネのような形も合ったりするのだが……。
すずかはそれが出来ると言ってきたのだ。
「ほえぇ〜。どんな声が出来るんや?」
「えっとね……」
恐らくは誰にとってもすずかが声真似が出来る等、初耳であろう。
だが、すずかは精神的余裕を持った形で本当に声のモノマネが得意だよ! と言う体を持って話始める。
「例えば……男性的な声とか」
「どんな感じなん?」
「えっとね。クラスメイトの男の子の声に似せれるの」
「クラスメイト?」
「そうだよ。ちょっと待ってね」って言ってすずかはバックの中から1枚の写真を出す。
その写真には自分が写っていた。
「<<鏡音奏>>くんって言うんだ〜」
ほーん。と言いながら、はやてはその写真を見つめる。
爽やかな笑顔を見せるその男の子を見て「男前やな〜」と感想を呟く。
そしてはっと築いて悪戯な笑顔を浮かべる。
「こんな写真を持ち歩いているってことは……ずばりすずかの想い人やなっ!!」
すずかはそんな悪戯な質問を軽くあしらうように
「違うよ〜。仲が良い友達なんだよ」
そういって次は「高町なのは」「アリサ・バニングス」の写真も取り出す。
「仲の良い友だちの写真を撮るのも好きなんだよ」
「だから、はやてちゃんの写真も撮らせてね♪」
そう言って無垢な笑顔をはやてに向ける。
「……そんな……照れるわ」
悪戯したバツが悪かったのか、純真無垢な笑顔はそれを彼女に実感させたのか、それとも仲が良い友達と言うワードに照れてしまったのか分からないが、はやては純粋に照れたような声音で返事を行う。
それじゃ、試してみるから部屋のドアの向こう側から喋っていい?
実は……声真似すると変な顔になっちゃうので……喋る時の顔はあんまり見せたくないんだ。
テヘッっと軽くおちゃめに舌を出す仕草を見せながら話してくる。
実際、声を似せる為に喉を動かしたりと準備が必要なパターンも多い。
勿論……その有名人とかに似せる為に、顔芸も入れているパターンもあったりするので……何とも言えないのが実情であった。
が、恐らくはテレビとかで見ていて簡単にイメージがついたのだろう。
はやては、ぷーくすくすと言う表現がぴったりのような感じで、すずかが変顔と言うギャップに笑いが抑えられなかった。
もう〜。とすずかはそのはやての笑い転がる姿を見て、照れたような可愛らしく怒ったような姿を見せる。
それが、またはやての心を擽るのであった。
そして……
「それじゃ、やってみるね」
そう言って、すずかは部屋から出て空いているドアの後ろ側に隠れる。
ドアはそのまま半分は開いているので、声ははやてに十分届く形であった。
「それじゃ、男の子の声で、はやてちゃんって呼ぶから返事してね」
「わかったで〜」
さてどんな声が聞こえてくるのだろうと、はやてはドキドキしていると
「八神はやて」
本当に男の子の声のようなものが聞こえてきた。
その声は男性と言うよりもまさしく男の子の声である。
しかし、はやてはその声に驚いてしまった。
何故なら、まるで<<別人>>と言われてもおかしくない声だったのだから。
俗に言う声真似の難易度は、同じ音域や声質が近ければ近いほどやりやすい。
そして別な領域であればあるほど、その難易度は難しいであろう。
いくら同年代に近いとは言え、男声と女声なのだ。
それの難易度はかなり高いと言わざるを得ないだろう。
なので、はやてはびっくりして相手の言葉に対して返事が出来なかった。
「八神はやてちゃん?」
続いて男の子の声のまま続いて声が掛けられる。
そこでやっと先程「返事をしてね」と言う内容を思い出した。
掛けられた声に反応するために、はやては声を上げる。
「せやでっ!」
後で、すずかを沢山称賛したいという想いをのせながら、ウキウキした気持ちで返答するのであった……。
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▽
指輪が振動による設定時間が、告げた後、行動を実施する。
左手による色も『赤』……メイン対象者として確認済みだ。
……
取り敢えずは、いけただろうか。
半開きのドア越しから人差し指をかざして、「八神はやて」の名前を呼んだ。
2回目の呼びかけで彼女が返事をしてくれた後、念の為、少し様子を見ていると目の前にサイコロが現れたので、催眠が完了したのだろう。
無事に完了したことに、ふぅ……と一息いれた所で先程の会話の内容を思い出す。
会話を聞いて……自分は思ってしまった。
『女は怖い』と。
あの会話自体は自分の写真を見せるのが主目的であり、更に言い訳の材料として彼女らの写真を使っていることは間違いない。
その辺りを上手くきちんとすずかは捌いてくれた。素晴らしいと言いたいぐらいである。
ただ、匂いの消し方だ。
はやての悪戯心を完全に叩き潰すその純真無垢な温度。
これは一朝一夕で出せられるものではない。
勿論、すずかはお淑やかな性格でもあり、他人を思いやれる気持ちも強い。
普通に淑女と言っても差し支えない少女であることは間違い無いのだが、だからこそ思う。
嘘を混ぜ込んだ話をあそこまで純真に話せる事実。
そう。淑女であるからこそ嘘を付くことにズレが出ても可笑しくはない。
だからこそ、もし更に突っ込まれたら照れ笑いで最悪逃げることすら伝えていたのに、そこまで行くこと無く完封である。
まだ子狸状態で羽化していないとは言え、はやてを理論ではなく感情で完封出来るすずかの力量はある種の恐ろしさを感じさせる。
そんな戦慄を覚えながらも、次への行動をおこしていく。
一先ず第一段階のハードルはクリア出来た。
リンディさん側では、監視者全員の行動抑止。
擦り合わせを行った結果、やはり注意すべき人員としては三名であった。
ギル・グレアム
その使い魔である
リーゼロッテ
アリアロッテ
彼自身が内密で行える人員達である。
それらをリンディさんに抑えて貰うように動いてもらった。
そして……すずかによる手助けによって、はやて家の内部の侵入に成功。
こうして、自身の存在を隠しながら催眠を実行出来ている。
一応、喜ばしい内容ではあるが、懸念点も勿論あった。
「月村すずか」の存在である。
これで彼女の記憶の中に「名前を呼ぶ」と言うキーワードが入り込んでいる。
ドアの後ろに回った時に、すずかはこちらを確認しないようにさせており、更に現段階においては別途の場所で待機させていた。
催眠を実施している現場は見られていないし、最終的な催眠の手順までは見せてはいないので、今の所大きな問題では無い。
懸念しているのは、「月村すずか」が何かの兼ね合いで『催眠』が解除された場合である。
勿論、ペナルティになったら<<基本終了>>である為、彼女の継続対応も含め催眠状況下を無くす事は絶対にしないのだが、以前の検討事項において、かの御方の気まぐれによって、何が起こるかは分からないのも事実である。
……催眠内容を弄ってきた事実は、その辺りを変更される可能性を否定出来ない。
なので、もし、催眠されたと言う事実を彼女に認識された場合、「名前を呼ぶ」ということに対して警戒感を生む可能性がある。
警戒感だけならまだマシであろう。そこから最悪に転がり込む可能性は山程生まれてしまうことも想定出来てしまう。
可能性の想像は……チクチク心を蝕みと精神を追い詰めていく。
疑われればそれだけで、ある意味終了でもあるため、実際、彼女の重要性はこれによって一段回上がったと言っても過言ではない。
魔法があると言う世界。それを使わない欄外の世界において、超常的に活動出来る彼女は、元々重用すべき存在である。
しかしこれらの状況を含めると、更に重要度が上がったと言っても良いだろう。
まぁ……ただ基本的に催眠対象者は誰もが破綻させることは出来ないので、対応的には大きな変化はない。
自身の心によるマップの位置づけを策定しているだけだ。
基本的に心構えの問題ということである。
イレギュラー時において、冷静さを少しでも維持させるための動きを持つための思考でもあった。
さて、思考を元に戻して、はやての部屋に入り込む。
部屋の中で、視線が宙に浮いたまま、はやてはぽつんと佇んでいた。
実際に見ることで、はやてがきちんと催眠状態に入っていることを確認する。
そして……継続対応による催眠内容を決める為、サイコロを振るのだった。
閲覧頂き本当にありがとうございます。
下記、アンケートはお試しでやってみました。
ご参加頂ければ幸いです。
※12/9追記:続きを書くため締め切りたいと思います。ご協力ありがとうございました。
※53話 はやてに出てきたサイコロの目は……?
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1:???
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2:匂い(なの、ふぇ 三人仲良く♪
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3:身体を舐める(リンディ
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4:???
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5:精液(すずか
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6:仕込むぜ俺は!!!(自由 ※アルフ