※この作品はR-18です。

9-nine- にじいろ「九天、春雪」   作:氷桜

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書いて? って言われたから書くよ!
本編よりも此方希望者が多いのは笑う。

*83.知り得る先で。 の中での話。
みゃーこ(病み)成分だらけなのでキニシナイデネ!


夢現の中の-Kujo Miyako02-
夢現か、現夢。


 

静かに聞こえ始めた吐息と言うか、寝息の音に。

それを邪魔しないように、私はゆっくりと頭を横へ傾けた。

 

い(・)つ(・)も(・)見(・)て(・)い(・)る(・)顔(・)。

い(・)つ(・)も(・)見(・)て(・)い(・)た(・)顔(・)。

 

そんな今の/前の記憶が、私の中の「彼」を想う。

少し照れ屋で、人に対して気を使って。

「友人」というのも余り多くはないけれど、それでも。

彼のことを深く知る人間は、嫌おうとは思わないんだろう。

 

そんな当たり前のことを思いながら、そっと手を伸ばす。

髪に、顔に。

幾度か触れて、当たり前のように近くにあったようにも思えて。

けれど簡単に失ってしまうものだと、私は知っている。

知ってしまっている。

それは、私自身の罪でもあって。

それは、私自身が負うべき罰のようでもあった。

 

(……どうなんだろうね。)

 

私は最初に「仲良くなりたい」と思って。

ふとした切っ掛けで、「仲良くなっていた」事を思い出して。

その記憶が全てとは、決して私は言わないし。

言いたくもないけれど――――それでも、「今の私」はどうなのだろう。

 

(引っ張られてるのかな、それとも。)

 

頬を、額を。

時折変わる顔色を眺めながら。

指先で触れて、熱を感じるだけで……安(・)心(・)す(・)る(・)。

 

(今の私には、分からない。)

 

昨日見てしまった過去。

無かったことにはならない、別の世界(えだ)。

彼を悲しませた。

私が悲しんだ。

共に歩んだ。

永劫に別れた。

本来の私では知るはずもなかったそれらは、彼の言う「相棒」に依って齎されたモノなのだろうか。

或いは、悪意ある誰かの干渉によって送り込まれた思考(ウィルス)なのか。

……昨日から、その境目が薄れてしまっている。

 

手を、彼から離した。

少しだけ起き上がる。

かさり、と布団が服から落ちて。

彼の匂いから、少しだけ離れた気がして。

 

「ね、翔君。」

 

彼には決して聞こえないように。

彼を決して起こさないように、囁くよりも小さな声でそれを呟く。

 

「絶対、いなくならないでね。」

 

そうしてしまえば。

私達はどうなってしまうか分からない。

そんな、確信にも似た言葉で彼を想う。

 

彼は答えるはずもなく。

私もそれを告げる気もなく。

歪な私達の関係は、歪なままで進むのだろうか。

――――多分、それは違う。

今の私達は、歪だからこそ成り立っているのだから。

 

だから。

だからこそ。

 

「大好き。」

 

額に、頬に、首筋に。

触れる程度に唇を重ねる。

それこそが、私の思いを伝える方法なのだと。

言葉には出来ない、ココロの中にある黒い何かを伝える方法なのだと。

彼の中にある、背負わざるを得なかったモノを引き取る方法なのだと。

そんな錯覚を、自分に思わせながら。

 

私はまた、彼に口付けた。

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