「アベル……」
あたしは両手で脚の付け根の肉を抑え、陰唇が開くように左右に肉を引っ張った。アベルは右手で陰茎を摘み、その先端を開いた肉の間に向けて角度を調節する。
「ん……」
あたしの陰唇に肉が押し当てられる感覚があった。
「挿れるよ」
そう言って、アベルはゆっくりと腰を前に突き出した。
「んっ……!」
容赦なく、あたしの中に陰茎が侵入する。
さっきまで散々と身体を触られていたお陰か、膣は十分に濡れ、陰茎との間に摩擦は起こらなかった。アベルの侵入を拒むのは、あたしの体内の圧力だけ。もちろん押し返すだけの力などあるはずもない。
「は、あぁ……」
アベルは後退せずに奥へ奥へと進んでくる。急激に腹の底を押し広げられたあたしは、無意識に喘いでいた。
膣の中程まで侵入すると、アベルは動きを止めた。あたしの膝に当てていた手を離し、シーツの上に突いた。あたしの肩がベッドに深く沈んだ。
二人の上半身が近づく。あたしは自由になった両脚をアベルの腰に、両手を首の後ろに回した。
「デイジィ……痛くないか?」
「ああ……大丈夫。続けよう」
アベルは微笑んで、あたしに口づけをした。そして両腕を背中に回し、頬と頬をくっつけて抱きしめた。
あたしは、不思議な安心感に包まれた。今、腹の中に侵入され、動きを封じられている。今から何が起こっても抵抗する術はないのだ。でもこの男になら、全てを任せられる。
アベルは一度腰を後退させ、何度か前後に振った。膣の入り口付近で陰茎が往復する。愛液を陰茎に馴染ませているようだった。こうしておけば、更に奥へ突き刺す際にも摩擦がなくなって、あたしは痛みを感じなくて済む。
あたし以外の女を知らないはずのアベがそんなことをどこで覚えたのかと訝ったが、今までの旅の中で海賊連中の誰かに聞いたのかもしれない。
アベルはその動作を何度も繰り返しながら、少しずつあたしの奥へ奥へと侵入していく。その度に、身体の中に膣を介した快感が走る。
「ア、アベル……」
あたしはアベルの名前を呼んでいた。別に何かを訴えたいわけではなかった。ただ、今まさに一つになりつつある最愛の男のことで頭がいっぱいになっていた。
遂にアベルの下腹部とあたしの下腹部が合わさった。その瞬間、あたしの身体の奥に強い快感が走り、全身が痙攣した。陰茎が膣に収まり、最深部まで到達したのだ。
「くぅ……デイジィ!」
アベルは上半身を起こし、苦しそうな声をあげながらあたしの顔を覗き込んだ。しかめ面になり、何かを必死に耐えているようだった。
どうしてかその顔がたまらなく可愛く感じ、あたしはいてもたってもいられなくなった。下から抱きつき、腕の力で身体を引き寄せた。腰が離れないように脚にも力を入れた。
身体の奥でアベルを感じる。
「嬉しいよ……アベル。やっとあんたと一つになれたんだな」
あたしの背中に回されたアベルの腕のチカラが強くなる。
「愛してるよデイジィ。一生離さない!」
そう言った瞬間、膣の中の陰茎が一気に膨張した。そしてアベルはあたしにキスをした。唇の間に熱い舌を突き刺す。あたしは顔から力を抜き、アベルに任せた。その舌が、口の中を貪り始めるのと同時に、腰が前後に動き始めた。
「あふっ! あっ……」
膣の中で陰茎が蠢く。奥に突っ込まれるたびに、塞がれている上の口から声が漏れた。
「くぅっ! 気持ちいいよ、デイジィ!」
アベルは叫ぶように言うと、腰を前後させる速度を速めた。アベルの下腹部があたしに激しくぶつかり、連続して大きな音を立てた。
「あんっ! あ!」
腹の中を掻き回される圧迫感と快感に、あたしは言葉にならない声をあげ続けるしかなかった。ただ、このまま続けられると頭がおかしくなりそうだった。
目の前であたしを覗き込むアベルは真剣そのもので、まるであたしを仕留めようと闘いを挑むような顔だった。
「ア、アベル! ダメだ! もっと……ゆっくり!」
やっとの思いで叫ぶと、アベルは動きを遅くし、根本まで突き刺した状態で止まった。
叫び続け呼吸もままならなかったあたしは漸く呼吸ができるようになった。強い疲労感があったが、アベルの動きを封じるために巻き付けた腕と脚に力を入れた。
「ご、ごめん。痛かったか……?」
アベルも荒い息を立てながら、呆然とした顔であたしを覗き込んだ。
「い、痛くはないさ……。でも激し過ぎるだろ? あたし……こういうことには慣れてないんだ」
「そ、そうか……つい夢中になってしまって……。お前が可愛くて仕方なかったんだ。オイラも慣れてなくて、どうしていいかわからないんだ」
アベルはベッドに手を付いて、身体を離そうとした。
「デイジィ、一度休もうか……?」
「ダメだ!」
あたしはアベルを引き寄せた。せっかく気持ちが盛り上がっているのに、途中でやめるなんて考えられない。
「このまま……抱きしめたまま最後までシテくれ。もっとあんたを感じていたいんだ」
アベルの喉が大きく鳴った。
「わ、わかった……」
そう言うのと同時に、膣の中で陰茎が膨れ上がった。そしてゆっくりとした抜き差しが始まった。
今度は、十分に余裕を持ってアベルを感じることのできる速さだった。奥まで突き刺されても高い声をあげるほどの刺激はない。口や鼻から息を漏らす程度だった。今のあたしはこれくらいのペースでないと、頭が変になってしまう。
「ア、アベル。いいよ……そのまま続けて……」
アベルの背中に回した掌が濡れてきた。アベルが汗をかき始めたようだ。
「くっ……気持ちいいよ、デイジィ」
あたしがお願いした通り、アベルは身体を密着させたまま、腰だけをゆっくり動かして行為を続けた。もう激しくなることはなかった。
アベルもあたしの耳元で微かな声をあげ続ける。その声が徐々に甘いものに変わっていく。アベルも高まっているようだ。肉体で愛する男を悦ばせてあげられる幸福に、あたしは満たされていた。
「あっ……オイラ……そろそろ逝きそうだよ……」
しばらく同じ動作を続けていたアベルは、そう言って動きを止めた。あたしを見つめる顔は目も虚で、深い疲れが見えた。
「うん……いいよ、アベル」
アベルはもう一度あたしの背中に両腕を回して抱きしめ、腰を動かし始めた。あたしの首筋に向けて熱い息を吐きながら、苦しそうに声を漏らす。
もうすぐアベルが逝くのだと意識すると、あたしの身体はさっきよりも敏感になった。目を閉じて、快感に没頭した。
「うぅっ!」
陰茎が思い切り奥まで突き刺さったとき、アベルが小さく呻いた。アベルの背中に回した掌の下で、湿った皮膚が鳥肌立つのがわかった。そして全身に力が籠ったかと思うと、腰を前に突き出してのけ反った。
アベルは達したようだった。
「ああ!」
陰茎を膣の奥に突き刺した状態で、断続的に身体を震わせる。その度に陰茎が膨れ上がり、膣を押し広げた。
「アベルぅ……」
あたしは膣内で痙攣するアベルを感じていた。今まさに、抑えきれなくなった愛があたしの中に放出されている。
その衝動はしばらく続く。あたしはしっかりと身体を密着させて、全てを受け止めた。動きを止めたアベルの身体から徐々に力が抜けていく。あたしを愛するがために体力を使い果たしたこの男が愛しくてたまらなかった。
あたしたちは荒い息をあげながら抱き締め合っていた。