冒険者の頂点に君臨するS級ランクの俺は、自分だけを愛してくれるハーレムパーティを作ることにしました 作:☆あきつしま☆
「ロエ様! いくらなんでもあれはないです! めちゃくちゃ痛かったんですよ?」
現在、俺はエレノアの部屋で正座をさせられてお説教を受けている。
俺が予想したとおり、彼女は目覚めるなり俺に怒涛のごとく文句を言ってきて『お説教です!』という展開になった。
「それは悪かったって。エレノアのお尻が神秘的すぎてついつい……」
「……女神だから神秘的に決まってます! というか、そんな神秘的なわたしくしのお尻を加減なしに叩くとは頭がおかしいのですか!?」
「いや、それを言い出したらSMプレイが出来ないじゃん」
「それはそれ、これはこれです!」
エレノアは可愛らしいネコのキャラクターがプリントされたパジャマを着ながらプンプン! と怒る。
こうなった彼女は面倒くさい。何を言っても『関係ありません!』とか言って聞く耳を持たないし、機嫌が中々直らない。
こういうときにはあまり使いたくなかったんだが……仕方あるまい。
「聞いていますか? 私は怒っているーー」
「『許せ』」
すると……今まで説教モードだったエレノアが
「もう、全く仕方がない人ですね……今回だけですよ? 次からはもうちょっと優し目のプレイでお願いしますね」
コロッと態度が急変してお許しを貰えた。
今、俺はエレノアに対して能力を使ったのだ。
彼女がこの能力を俺にくれたのだが……女神であろうと女には変わりないエレノアもまたこの能力の影響を受ける、ということについ最近気がついた。
ただ……彼女に使う場合は、効果が持続せず一瞬であり、すぐに俺が能力を使ったことに気づいてしまう。
効果が切れるまであと数秒。
俺は正座から立ち上がって、エレノアに近づき、彼女に顎クイをする。
効果が切れるのと同時に俺はエレノアにキスをした。
「………〜〜〜〜! んぷはっ! ロエ様! また私にーー」
口を離したエレノアの背中に手を回し、再び彼女の口を塞ぐ。
舌を口の中に入れて、彼女の脳に刺激を与える。
初めは抵抗をしていたエレノアもだんだんと体の力が抜けていき……最終的には俺にされるがままの状態になった。
キスを止めて、エレノアの目を見る。
「本当にごめん。次からは気をつけるから許してくれ」
「…………約束……ですよ……?」
トロンとした顔をしながらも俺のことを許してくれた。
「で、今日はどうでしたか?」
夕飯を食べながらエレノアが俺に質問をしてくる。
あの後。彼女が『晩ごはんを作りますね』と言って夕飯を作ってくれたのだ。
食事はいつもエレノアが作ってくれる。
前までは交代制だったのだが俺が『エレノアの作る料理は美味しいな』と言ったら『じゃあ、これからは私が作ります!』とやる気満々な顔でそう宣言して……それ以来ずっとエレノアが作っているという感じだ。
「どうって何が?」
「ルミさんのことですよ。今日も会ったのですよね?」
……俺は食事の手を止める。
「……まあな。ただ、いつもどおりだったよ。能力を使って女とセックスをするのは止めろ、とか。そんなんばっかりだ」
「ロエ様。もうそろそろわたくしを頼っても良いのでは? 今までは『自分の力だけで堕としてみせる』とおっしゃっていましたが……」
……そうだな。
当初はルミを俺の力で屈服させる、と意気込んではいたが……このままじゃ埒が明かない。
エレノアはこの世界を裏から牛耳っている女神だから何でも知っている。もちろんルミについてもなんでもお見通しだろう。
そろそろアイツと決着をつけて、ヤリたい。
というか、あんなギクシャクした感じだとクエストをろくに受けられないからな。
「そうだな……もうそろそろ年貢の納め時だよな。……よし! エレノア、ルミのことについて教えてくれ。具体的に言うと、何をしたらアイツを俺の女に出来る?」
エレノアはご飯を食べながら俺の質問に答える。
「なにも難しいことはありません。押して押して押し続けるんです」
「……どういうことだ?」
エレノアは食べる手を一旦止めて『よく聞いてくださいね?』と俺に言ってくる。
「ルミさんがロエ様にそっけない態度をとっている理由。それは彼女の持っている能力が関係しているんです」
「能力……?」
冒険者であれば誰でも能力を持っている。というか、その能力を授けているのがエレノアなんだけどな。
しかし、確かに俺はルミの能力を知らなかったな……アイツ、頑なに見せようとしなかったし。
「そうです、能力です。彼女の能力は『好きな人に反発すればするほど戦闘能力があがる』というものです。この反発、というのはツンツンとした態度を取ったり、言うこと全てに対して反論してきたり、と多岐にわたりますが」
「……つまり、自分の戦闘力を上げるために俺の告白を断ったり突っかかってきたりしているってことか?」
「そのとおりです。『大好きな』ロエ様に反抗的な態度を取ることで、自分の戦闘力を上げているのです。元々の性格もありますが、ツンデレのような態度をとっている原因は能力に起因しているものが大きいと思います」
女神であるエレノアは嘘をつかない。つまり、これらは全て事実であり、ルミが俺のことを好きだということもまた事実だということだ。
……それは分かったが……一つ引っかかることがあった。
「なんでルミはそんなに自分の戦闘力を上げようとしているんだ?」
ズズズとエレノアがお茶を飲みながら答える。
「S級ランクのロエ様の隣に立っていても恥ずかしくない冒険者になるため。ただそのためだけですよ。彼女のランクはB級です。S級ランクのロエ様のパーティーにいるのが本当はおかしいんですよ?」
俺のパーティーメンバーはルミ以外誰も居ない。つまりルミは俺のバディであり、いざというときには背中を任せる相手になるのだが……別にアイツになら任せられる。
それに確かにS級とB級というランクの差が原因で周りからやいのやいのと言われたこともあった。でも、そのたびに俺が『黙れ』といって周りの奴らを蹴散らしていたのだ。
俺はそういうのには全く関心がなかった。というか、いざというときが起きないほど強い冒険者がS級ランクというものになるのだ。
「俺はそんなことは気にしていないと言った。それでも気に病んでいたというのか?」
「だと思いますよ。彼女は頑張り屋さんですし、ロエ様のことを大事に思っていますから、自分のランクのせいでロエ様の名前に傷がつくことを恐れているんだと思います。だから彼女は自分の戦闘力を上げるためにずっとロエ様にツンツンとした態度を取っていたというわけです」
……なんてやつだ、アイツは。
そこまで俺の事を思っていてくれていたとは……なのに俺は他の女とヤリまくって……
今までの俺がしてきた行動を後悔し、意地を張らずにもっとエレノアに早く聞いておくべきだったと思っていると……彼女が俺の手を握ってきた。
「ロエ様。後悔することはありません。ルミさんはロエ様が他の女とセックスしている現場を毎度毎度覗き見ては影でこっそりオナニーをしている変態さんですから」
エレノアの顔を見ると……彼女はニヤニヤとしていた。
……変態度でいえばお前も変わらないんだがな……
「なんでアイツがいつもいつも俺がセックスをしていることを知っているのか理由がわかった。で、色々分かったが、最初に言った『押して押して押しまくれ』とは結局どういうことなんだ?」
「もう、せっかちですね。でも良いでしょう、伸ばすのやめてさっさと言ってしまいますね」
ズズズともう一度エレノアがお茶を飲む。
「……うん、お茶美味しいですね」
「おい、さっさと言わないとSMプレイをやってやらないぞ」
「――つまり! ルミさんは攻撃力を上げるためにツンツンしているのですが、彼女も女です。ロエ様の能力の影響は受けています。ただ、鋼の精神で今までは耐え続けていたわけです。なので、ロエ様が能力をしつこく使い続ければ……確実に堕ちます」
ニヤリという顔をエレノアがする。
……たまに女神とは思えない発言とか顔をするんだよなぁ……いや、そういうのも好きなんだけどさ。
しかし……能力の影響を受けていなかったわけではなかったのか……
どこまで精神が頑強なんだよ……
「よし、じゃあ明日早速ルミを堕としてくる」
「行動が早いですね。ただ、一つ補足事項を」
エレノアがちょっと待ったと言ってくる。
「なんだ?」
「ルミさんはツンツンという態度を取れば取るほど戦闘力が上がる能力を持っています。ただ、一度デれると上乗せされていた戦闘力がリセットされて元のルミさんに戻ってしまいます。つまり、せっかく頑張って耐えてS級ランク相当の力を手に入れたのに、デれるとB級ランクに戻ってしまうんです」
それでもいいのですか? とエレノアが聞いてくる。
……あいつの心情を思うのであれば、このまま何も知らないフリをして今まで通り反発し合う関係でいるのがいいだろう。
だが、俺はルミと付き合いたいのだ。デレデレしたアイツが見たいんだ。
それに、あいつがB級だから俺の名前に傷がつく? そんな事あるか。
俺のパーティーに相応しい人になりたい? 俺はアイツがそばにいてくれるだけでいいんだ。
自己中心的だろう。だが、S級ランクの冒険者である俺にはそれが許される。
あいつを一生守ってやる。というか、能力に頼らずともS級ランクになれるようにしてやる。
俺は無言でエレノアの問いに首肯する。
彼女は……『それこそ私の選んだロエ様です! この強引さがたまらないんですよねぇ……えへ、えへへへ』とダラシない顔で反応してきた。
……後半の言葉さえなければ良い感じで締められたんだけどなぁ……