クラス召喚されて、何の能力もないと思われ、いじめられていたらプレイしていたエロゲのキャラを呼び出せるようになった件~メイド・クリエイター~ 作:KeI77777
前略。とある高校のクラスが、異世界にある王国によって召喚され、
拉致された。
現代的社会からすれば立派な拉致行為に相当するものの、
既に異世界に連れてこられてしまった以上、生殺与奪を握っているのは王国側であった。
王の側近である白髭を蓄え、頭が身長が160cmほどの小柄な老人が、
淡々と連れてこられて戸惑っている生徒及び、教師に対して説明をしている。
「---どういうことなんだ!?俺たちを帰してくれよ!!」
「そうです!!」
ぎゃあぎゃあとわめくクラスの生徒たちや、その担任達。
だが、どれだけ騒ごうとも現状が容易に変わることはなく、
それどころか王族たちからの心証が悪くなる一方であった。
冷めた目で呼び出した道具たちの価値を見定めている王は、
騒ぐ生徒たちに対して、何かを言うまでもなく、
傍に立っていた大臣に対してあごで何かを指し示すと
再び押し黙り、ことのなりゆきを見守っていた。
「・・・・大臣よ」
「はい。マルク様。」
マルク、という男に呼ばれた大臣は、
にへら、と愛想笑いを浮かべながら生徒たちに対して説明を述べる。
「---ええ。皆さんがおっしゃる気持ちもわかりますです。はい。
・・・・ですが、呼び出してしまった以上、すぐに帰すことはできず、
帰るにはとある敵を倒していただくしかありません。はい。」
「・・敵、とは誰ですか?」
クラスメイトの一人、花咲結というクラスの中心的人物は、
冷製に大臣の方に鋭い目線を送りつつ、いぶかしむ様子を見せながら
質問する。
現状、彼らにとって王国の人間たちは信頼するに値しない人間であり、
大量拉致を実行した犯罪者でしかない。
ゆえに、警戒するなというほうが難しい状態であった。
「---我が国は5大国の機嫌を損ねないよう立ち回るしかない弱小国家でありまして・・・。はい。・・・・例えば、中央の"リーダス帝国"の有力貴族が我が国に振興でもしてきたら一貫のお終いなのですよ、はい。」
慇懃無礼に、いひひひ、とでも笑いそうなほほまで釣りあがった笑みをにたりと浮かべながら、大臣は説明していく。
この大陸、"リア大陸"において君臨する五大国。
極寒の地、傭兵国家の、北のリルド王国。
灼熱の砂漠が続く、交易地、西のアルス王国。
樹海が人の営みを隠す、南のローグ連合国。
100年の鎖国を続ける、東の軍事国家、アルバーツ連邦。
そして拡張主義にして、中央の最強国家、リーダス帝国。
それ以外の国は弱小国家として認識されており、
弱小ゆえの立ち回りをしなければ、すぐさま潰されることは目に見えていた。
酔狂もいえる、過去にあった"勇者召喚"なるものを実行した際には、
自国の有力貴族たちからの反発もあったが、それらを抑え込んだうえで実施したのにはわけがあった。
「---ご安心ください。異世界の勇者様たちは、高いステータスを持っているという伝説があります。召喚された貴方たちにも同様の才能がおありでしょう。はい。」
大臣の言葉に先ほどとは別の意味でどよめくクラスメイト達。
その言葉に一抹の希望を見出し始め、まるで修学旅行にきたときのような高いテンションで騒ぎ始める男子生徒も出始めていた。
「・・・納得されましたかな?それでは、ステータスを確認するのでこちらへ・・・。」
そう言って大臣の後をついていく生徒と担任達。
その中でも、中心に位置する生徒たちはこそこそと内緒話をし、
先ほどの発言に対して考えていた。
『・・・どう思う?結』
『そもそも、こんなわけのわからんところに無理やり連れてこられた時点で、
信用できる思う??』
『ですよねー。・・・・他のあほたちは・・・ああ、素行が悪いやつらが力をもって増長するのが目に見えるぜ・・・はあ・・。』
『女子に手を出さないように釘をさしとこう。私が女子をまとめるから、
カナタが男子をお願い。』
『りょーかい。・・・はあ、こういう場合って、もっと気楽に異世界を楽しめるもんじゃないのかよぉ・・・。』
『ここまで考えることができる時点で、あの騒いでいるアホどもとは違う。
だから、カナタ。一緒に生き残ろう。絶対に。』
『・・・おう。』
花咲結の隣に立ちながら答える、今時風に茶髪に染めた髪をツーブロックに刈り上げ、スポーツ刈りの髪型をしている幼馴染の米崎奏多はため息を吐く。
これから先、王族から仕掛けられるであろう罠と、それを回避するためにクラスメイトをまとめあげる労力の重さを想像し。
この話は、そんな彼らの苦労談----
(・・・・ああ。俺のハーレムがぁ・・・。400時間かけてクリエイトした俺のメイド達がぁ・・・。)
--ではなく、クラスの日陰者、カースト最下位の非モテ男。
角谷隆のエロい異世界物語である。
????「なんか、俺以上のクソザコが召喚された気配がする。」
??「なんか、俺と同じ匂いのする人間がやってきた気配がする。」