クラス召喚されて、何の能力もないと思われ、いじめられていたらプレイしていたエロゲのキャラを呼び出せるようになった件~メイド・クリエイター~ 作:KeI77777
「---うし。」
ごそごそ、とレイ・ザルドルフと名乗る人物が使っていた小屋になったものを物色し、麻作りの袋に詰めて荷物をまとめる隆。
今まではこの小屋を拠点にレベルアップをしつつ、脱出への準備をしているところだったが、二人ともレベルが15を超えたことで、今日はさらにダンジョンの奥深くまで潜り、あわよくば脱出することにしたのだった。
彼の隣では、同じように小屋の中を整理し、
使えそうなものを持って行こうとする杏。
そして、いまだにスマホの中にいるルゥは、そんな二人に指示をしながら、
おいていった方がいいもの、使えそうな物を判断し、
助言をしていく。
「ルゥ。こんなもんでいいか?」
『はい。マスター。』
「・・・うんしょっ、と・・・わわっ。」
「おっと。・・・気をつけろよ。」
「あっ。・・えへへ・・ありがと・・・。」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
袋を背中に背負い、立ち上がろうとした杏がよろけ、
それを後ろからそっと両手で支える隆。
二人がちょっといい雰囲気になり、ルゥはまた頬を膨らませ、
ぶすー、と不機嫌そうな表情を浮かべる。
「---とりあえず、こんなもんか。・・・ルゥ。文字の解読は出来たか?」
『---最低限度はわかるようになりました。・・・しかし、難解な文字については今しばらくの時間がかかるかと。』
スマホの中にいるルゥに向かってそういう隆。
彼は、ルゥにこの小屋の外にある慰霊碑の名前を解読するよう、
ルゥに命じていた。
なんの意味があるかはわからないがこの世界の文字であるならば、
今のうちにルゥに解析し、分解してもらうことにより、
将来、彼女からこの世界の文字を教わろうという魂胆である。
『・・・あの慰霊碑の一番下、"機械王"レイ・ザルドルフと書かれた名前は、
映像記録の人物が名乗っていた名前と一致いたします。』
「・・・そうか。しかし・・・"機械王"ね・・・。お前も体を持てるように、そっち系の手掛かりが欲しいところだな。」
『・・・・エッチなことをするためにですか?』
「エッチなことをするために決まってんだろ。・・・・お前は俺が作った最高の女だからな。」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・そ。そうですか・・・・・・。』
まさか、ストレートに褒められるとは思っていなかったルゥは、
顔を真っ赤に染め上げ、ぷしゅうう、と蒸気が経ちそうなほどに羞恥心を覚え、
下を向き、自分の緩み切った表情が見えないように隠そうとするルゥ。
言外に、お前が一番だ、と自分のマスターに言われた彼女は、
エラーが起きそうなほどに演算を続け、マスターが喜んでくれそうな言葉が何かを探し続けるも、隆の方をちらりと盗み見るだけで、声をかけようとしても喉に言葉が詰まってしまい、上手くできないのだった。
「・・・・むう。ほら!隆くんっ!いこっ!!」
「うおっ!!ちょっ!!お前の方が力が強いんだから、もうちょっと手に込めた力を緩めてくれよ!」
「だめ!!・・・・女の子に向かって力が強いとか、あんまりいわないほうがいいよ?」
『・・・・・・・むううううう・・・。』
自分が体を持たないばかりに軽々しくマスターを触れ合うことができず、
見せつけられてうなるルゥ。
対して、杏は自分のアドバンテージを活かすかのように
精神的に隆と距離が近いルゥを出し抜くために、精一杯アプローチをしていた。
「(・・・・・・・・・???あれ?これってモテ期・・・・?
・・・な、わけないか。)」
答えに一瞬たどり着いた隆は、すぐさま自身の結論を撤回し、
気のせいだと誤解するのだった。
好意を異性から浴びたの事ない男にとって、
女子の気持ちを察することは不可能に等しかった。
◆
ダンジョンの最下層、レイ・ザルドルフの小屋がある湖地帯から、
更に下のほうまで進む2人と1人のAI。
下に行けば行くほど強い敵がさらに出ているような気もしているが、
進めそうな道をとりあえず進んでいるだけで、
上よりも下からの脱出ができないか模索している所であった。
「・・・でも、本当に上に行かなくっていいの?」
「ん?ああ・・・・。」
隆は首を傾げながら尋ねてくる杏に対して、答える。
「あの湖から、更にどこに水が流れているのか。・・いや、そもそもさらに下流があるのか。小屋の周りを歩き回って調べてみたんだが・・・。」
ばさり、と隆がスマホをぴぴ、と押すとスマホの画面から立体映像が投射される。
まさかの機能に驚いた表情が感嘆の声を漏らす杏。
「え?!なにこれ!!?」
「レベルアップしたおかげなのか、なんか今日使えるようになっていたわ。」
『・・・お二人のレベルは15を超えました。おそらく、この世界ではレベルがあがればあがるほど、タレントでできることが増えていくのでしょう。・・今回は、疑似的な地図を作り、それをマップとして空中に出すことができるようになったらしいです。』
「すごーい!!」
ぴ、ぴ、とスマホの画面を指でスライドさせ湖のはじっこ、
更に水が流れている先について地図を移動させ、とんとん、と二回スマホをタッチすると拡大される。
「ほら。この湖のはしっこからさらに下に流れているだろ?
・・・ということはだ、まだ下の方があるってことだ。」
「ほえー。よく気が付いたねー。」
あそこで水源が打ち止めかどうか、隆が空き時間にルゥと調べたところ、
まだ下に水が流れ続けており、どこかにつながっていることが発覚した。
「ん?でも、やっぱり上に行った方が・・・。」
「・・・・・それもそうなんだが、ちょっと、な・・・。」
「?」
隆は最初、ルゥに相談してどこから脱出をしようか考えていた。
手堅いのは、確実に出口がある上を目指すことだったが、
今回、何が原因でここに来る羽目になったのかを思い出し、
苦い表情を浮かべる。
問題ない、とされていたダンジョンで、レベル100超えの化け物と遭遇してしまったのは、ひとえに王国側の情報力不足だと感じていた。
たまたまあのような化け物に出会ってしまったとしたら単なる不幸でしかなかったとも言えるが、そもそも、この世界にああいう怪物がいることについて彼は教わっていなかった。
レッド・スネークが到来した時の兵士たちの迅速な行動を見るに
ああいう怪物から逃げる想定はしていたはずだ。
とうなると、王国側は召喚した生徒たちに対して、まだ出していない情報があると
隆は考えていた。
つまり、情報制限し、誘導することによって王国の操り人形にしようとしているのではないかと彼は疑っているのである。
上に行けば、捜索隊として出されているかもしれない王国の兵士たちと出会ってしまい、生きていることがバレ、また王国に行かないといけなくなるかもしれない。
膨らんだ疑心暗鬼により、王国とのつながりを完全になくしたい、
接触したくない、というのが隆の考えである。
「・・・・それに・・・いや・・・これはいいか・・・。」
「?」
隆はさらにとある可能性について話そうとしていたが、
未だ確信を持てないそのことについて、下手に杏に話して混乱させないよう
口を紡ぐ。
レイ・ザルドルフが映像で告げていた、世界の敵となるその人物の名。
・・・・"マルク"。
彼は最近、その名前をどこかで聞いたような気がしたのだが、
ここ数日の怒涛のイベントによって、すっかり頭から抜け落ちてしまっていたのだった。
彼はルゥに聞いてみたが、この世界の知識、情報が足りないのか
彼女でも演算で割り出すこともできなかった。
そんな歩き続ける彼らの前に、モンスターが通路の奥から姿を現す。
サビた剣と、鎧を身にまとい、一見して普通の人間に見える生物。
・・・だが、頭は骸骨であり、それがとうに死んで、骨だけになった元人間が動いているだけであることを示していた。
『----補足。仮名、"スケルトン"と命名。・・・レベルはおおよそ20。
勝てない相手ではありません。』
「・・・下手に逃げて、他のモンスターに挟み撃ちされても厄介だな・・・。
・・・やるぞ!!杏!!」
「うっ、うんっ!!」
---ダンジョン最下層にて、たった3人の脱出行が始まりを告げるのだった。
????「俺の20倍強いのか・・・(困惑)」
??「結構強くない・・・?レベル20って・・・。」
感想くれ。
れれれのれ
KEY(ドS)