ユニークスキルのせいでモテない俺は、酔っ払った勢いで奴隷を買いました。 作:☆あきつしま☆
「お客さん……お加減は如何ですかぁ〜?」
「……う、うん……問題ないぞ」
モミモミ……モミモミ……
「ここをこう……刺激するとぉ……血流が良くなるんですぅ〜」
「……な、なるほど……勉強になるな……」
モニュ……モニュ……
「呼吸に合わせてぇ……リラックスさせる感じで揉むとぉ……ほ〜ら、段々と気持ちよ〜くなってくるんですぅ〜」
「……た、確かに……そう……だな……」
スズナはソファに座っている俺の後ろから、肩をモミモミとしている。
肩をもんでもらったことなんて無いから良く分からないが、上手いと思う。だって気持ちがいいもの。
しかし……この妙にエッチな感じのしゃべり方は何なのだろうか? キャラが変わってしまっているのだが。
それと、スズナが喋る時、必ず俺の耳元でささやくような感じだから興奮して仕方ないんですが……。今はなんとかドラゴンに追いかけられることを想像して萎えさせているけど、これも限界があるぞ……。
こうしてしばらくは変な気分になるけど気持ちがいいマッサージを受けていたのだが……突然、なんというか端的に言えば激痛が走るようなマッサージへと変わった。
グッ! グッ! グッ!
スズナは親指を肩の筋肉に差し込まんとするかのような力でグイグイと押してくる。
「お、おい!? なんだこの――グッハッ! い、痛い! 痛いぞ!」
「これもマッサージや! さっきまでのは準備運動! これからが本番や! この痛みが徐々に体に効いてくるはずやで! 知らんけど!」
「だ、大丈夫なんだろうな!? ちゃんと知識があってやっているんだろうな!?」
「いや! なんも知らんで! なんとなく、雰囲気でやってるで! まあ、大丈夫や! 最悪シエナさんに治してもらったらええし!」
「適当だなぁ!」
俺は肩から首にかけて断続的に走る激痛に顔を歪めつつも、スズナのマッサージを受け続ける。
正直今すぐ手を払い除けてご退場願いたいところではあったが……俺の労をねぎらってくれているのは確かなのだし、悪意があってしているわけではない……はずだ。
だから俺は耐えた。筋肉から『ブチブチブチィ!』という断裂音が聞こえてきても耐え続けた。痛みが消えて感覚が無くなってきても耐え続けた。
そして……三十分後。
「ふぅ。これでウチのマッサージは終わりや! なんかそこら中にあおたんが出来とうけど……大丈夫や! 安心せえ!」
バンバン! と俺の肩をスズナは叩いてくる。
……それ……大丈夫……なのか?
「ま、まあ……ありがとうな」
俺は一応お礼を言った後、震える手でポケットから回復ポーションを取り出して、それを飲む。
ミラさんが張ったアイギスを粉砕して大怪我を負ったことを教訓にして、クエスト以外でも常に回復ポーションを持ち運ぶようになったのだが、早速それが役に立ったな。
ポーションのおかげで元通りになった肩の筋肉に安堵しつつ、俺はソファから立ち上がり、背後にいたスズナと向き合う。
「……まあ、テンションが上がるのはいいが、程々にな? あと、俺以外の人にマッサージは絶対にするな。事故というか事件が起きるから」
「…………ご、ごめん……」
スズナがしゅんとする。
今日は一日中テンションアゲアゲだったし、それはそれでいいんだけどな。
俺はスズナの頭を撫でる。
「俺を労いたいという気持ちは伝わってきたから大丈夫だ」
「そ、そうかいな。それなら良かったわ」
スズナはニカッ! と俺に眩しい笑顔を見せてくれた。
その後。明日に備えて今日はもう寝るように言ってスズナを部屋へと戻らせた。
で、静かになったところでガス抜きをし、すっきりしたところで俺も自室へと戻り、最大で三人同時に寝ることが出来るベッドで就寝した。
まあ、先にシエナとメリッサ、そしてスズナがすやすやと寝ていたのだが。いや、別にいいんだよ? でも……流石に狭い。
これはなるべく早いタイミングでもっと大きなベッドを買ったほうが良さそうだな。