ユニークスキルのせいでモテない俺は、酔っ払った勢いで奴隷を買いました。 作:☆あきつしま☆
チュンチュンチュン……
朝になり、俺の耳に小鳥の鳴き声が入ってくる。
「……ふふっ、おはようございます、エリック様」
シエナに目を向けると、彼女は乱れた髪をとかしながらお目覚めの挨拶をしてくる。
「……ああ……おはよう」
俺も挨拶を返す。
次にメリッサに目を向けると……
「あっ……い、今の私の顔は見ないでください……その……よだれとかで汚くなっているので……」
敬語モードでイヤイヤと顔を隠してしまった。
…………はい、見ての通り流されてヤってしまいました。
いやー、チョロくないとか言っていたんだけど……メリッサとシエナが交互に俺と濃いキスをかましてきたり、全身を撫で回してきたり、しまいには息子に手を出してきたから、ついつい理性が吹き飛んで、気がついたら二人を欲望のまま貪ってました。
ちなみに、気がついたのはさきほどのシエナの『おはようございます』でした。そこまでの記憶がないです。
何が起きたのか調べるため、まずは息子を見てみると……断末魔のようにピクッとしてから……応答しなくなってしまった。俺の特S級レベルの息子がこんなことになるなんて……シエナとの初夜以来だぞ……それに、今回はめちゃくちゃ溜まっていたはずだから、こんなことになるのは普通ありえない。ということは……相当ヤリまくった……のか……?
「なあお前達。夜の俺ってどんな感じだった? プツンといっちゃって記憶がないんだが」
「……あぁ、なるほど。だからずっと無言だったんですね。そうですね……今までにないくらい激しかったです。二人相手によくあそこまでの立ち回りができるものだと感動しました」
シエナが拍手を送ってくる。
……変なところで感動しているなぁ……まあ、スッキリしているような顔を見せているし、悪くはなかったんだろう。
「で、メリッサは?」
「……き、気持ちよかったです……」
湯気が出そうなくらい顔を真っ赤にしながら感想を述べてくる。
……こっちまで赤くなりそうだわ。ただ……それなら良かった。惜しむらくは、彼女たちとシた記憶が無いということだろうが……まあ、このクエストが無事に終われば何時でもする機会はあるだろうしな。
色々とやったせいでベタベタになっていた体を部屋についているお風呂場で洗い流し、落ちた体力を回復するポーションを使った後……元気になった俺達は街を出発して新たな目的地へと向かった。
パカラッパカラッ……!
いつもどおり魔術障壁を張り、スピードアップの魔術を付与しながら俺達は軽快に移動する。といっても、目指すべき地は現在進行系で決めているわけだが。
「エリック様。ここなどはどうでしょうか?」
俺が手綱を握りながら広げていた地図のある箇所を指差しながら、御者をしている俺の隣に座っていたシエナが提案をしてくる。
……ふむふむ。大昔にドラゴンが降り立ったと言われている火山か……たしかにいそうではあるが……毒ガスなどが出ると噂されている場所だ。毒ガス対策防具も一応あるにはあるが……この馬車を引いている馬がやられそうなんだよなぁ……
「たしかに良さそうではなるが、今行くのはよそう。それに同じ火山であればもっと先にあるこちらのほうが候補としては有力なものだ」
「そうですか……」
シエナが少し落ち込む。まあ、気持ちは分からんでもないが……
『いい目の付け所ではあったから、これからだよ、これから』と言って彼女の頭を撫でる。
「じゃあ、こちらはどうですの?」
今度は私の番、というようこれまた俺の隣に座っているメリッサがシエナとは違う箇所を指差す。
……ほう、ドラゴンが出たとは言われていない山にある洞窟か。
「なんでそれを選んだんだ?」
「洞窟探索ってしたことがないんですの。なので、一度してみたいなー、なんて……」
……緊急クエストを受けていることを忘れてないか? このエルフ。
しかし……理由はどうであれ面白そうではある。今まではドラゴンがそこで寝ていたとか、そこに降り立ったとか、そんなところばかり行っていたのだが……よし、いいだろう。
「決まりだな。メリッサのその理由はどうかとは思うが、この洞窟に行ってみよう。ここからもそう遠くないし」
『よくやった』と言ってメリッサの頭を撫でる。彼女は耳を目に追えない速度で振動させて喜びの笑みを浮かべていた。
なんかあれだな。シエナとメリッサが左手の薬指に指輪をつけているのがチラチラと見えてきて、その……いつも以上に幸せな気分になるな。あ、ちゃんと俺も付けてますよ?
して、俺達はメリッサが提案してきた洞窟に向けて馬車を走らせ始めた。
ものの三十分ほどで目的地に到着し、馬車から降りて早速洞窟を探索することにした。今回もいざというときのために初めからユニークスキルは発動済みだ。
「地図ではどんな洞窟なのか分からなかったが……入り口がめちゃくちゃでかいなぁ……」
洞窟の中に入りながら俺は第一印象をつぶやく。
いや、冗談抜きで本当に大きいのだ。例えるならそうだな……大人が二十人ほど肩車した時の大きさみたいな。分かりやすいようで分かりにくい例だが……なんせそんな感じなのだ。
洞窟に圧倒されながらも何時何処からモンスターに襲いかかられてもいいように、俺を先頭にメリッサ、シエナの順でいつもの陣形を組みながら少しずつ進んでいく。
最初は順調だったのだが……前に進むにつれて洞窟が暗くなっていって、しまいには周りがほとんど見えなくなってしまう。
「え、エリック。松明とか付けたり、魔術で光を焚いたりしないんですの?」
……あ。すっかり忘れてた。
「教えてくれてありがとう。……えー、《フラッシュ》!」
瞬間。俺達の頭上に光の玉のようなものが出現して、暗い洞窟をかなり先まで照らし出してくれた。
「……今まで結構な回数の魔術を使ってきたが……やっぱりローラって凄いな。普通、『フラッシュ』ってここまで明るくならないし」
「エリックの使った魔術って、同じものだとは思えないくらい威力や効果がありますわよね。ローラもそうですが……エリックの魔術も凄いのでは?」
俺の後ろを歩くメリッサがお世辞? を言ってきてくれる。
まあ、嘘だとしても悪い気はしないよな。
「そんなこと言っても何もあげられないぞ〜? まあ、でもあれだな。今度、お前のお願いを一つ、聞いてやろう」
「な、なんでも一ついいんですの!? 嬉しいですわ!」
「いや、俺は意図的に『なんでも』を抜いたのに自分から付け足すのね。いや、まあいいけどさ」
「え、エリック様! 私も! 私もエリック様のご活躍には日頃から感服するばかりで!」
「シエナ。無理にひねり出そうとしなくていいから。もちろん、お前のお願いもなんでも一つ聞いてあげるぞ。というか、基本的に俺はお前たちの頼みならなんでも聞いているんだけどな」
俺の言葉を聞いて、シエナとメリッサがきゃあきゃあと騒ぐ。いやー、ドラゴンがいるかも知れない洞窟の中でするような会話じゃないんだが、昨日の今日だからな。少しくらい許して欲しい。