橘君の野望・青藍島立志伝 作:メスガキ救急隊員
「がるるるぅ!ライトチカチカ逃走者は抹殺する」
「うおっ。何しやがる」
カーテンを開け朝の陽射しで妹の覚醒を待っていた淳之介は間一髪でひっかきを避けた。だが下手人は未だ夢の中。憎き敵を血祭りにあげているのかにへらと笑う顔を引っ張ることで許す。
「むにゃ…おはよう兄。近年稀にみる清々しい朝だよ」
「兄は血を見るところだったけどね」
制服に着替えさせて2人で食卓につく。パンにかぶりつきながら話すのは今日の指針だ。
「それで妹よ。システムエロシュンはどうだ?」
「一応物にはなった。問題は手持ちのタブレットじゃ情報処理が間に合わないこと。マニュアル操作な上アンテナが1個だから性能に制限がかかること。あと電気代がマジヤバい」
「現状情報量を削るしかないな」
「補助AIを育ててるけど…まだ時間がかかるね」
衝撃の初登校日の夜半。俺たちは島上空を飛び交うエロ通信を傍受するシステムを急造した。俺は通信を拾うアンテナを、妹は情報を選別するシステムを担当している。
主な狙いは島民が持っているSHO支給タブレットの位置情報。
俺はタブレットでSHO公式アプリ
「普通に校内のハメ撮りが上がってる。敵を知り己を知れば…ってやつだな」
「百戦チン乾かずって絶倫だよねえ」
「どこでそんな言葉覚えたのアサちゃん!」
「SHK事後性語。クラスの人はこれで勉強してるんだって」
「あの電波塔戦車で引き倒したろか」
もし昨日の時点でこれを見ていれば校内の危険を察知できたのだ。こんなことでもなければ開こうともしなかったアプリだけれども。
「時間か」
「アサちゃんやっぱ家に兄といる。一緒に掲示板のマウント合戦を切り抜いて晒して評価をたくさん貰おう?」
「そんな陰湿なことしちゃめーでしょ」
「やっぱ学校行きたくないんだもんよぉ…!20人斬りの兄とは違って」
「むぐっ何で5人くらいにしなかった昨日の俺!」
昨日の嘘の口裏を合わせるために妹に白状した時はマジ泣きした。天国の両親への妹に九九を覚えさせるという誓いも陰っていく。
「ああ、もう学校とかどうでも…俺職人として生きる。45億総括約オナホ―ルで人類を滅ぼすんだ」
「え”っ。お、お母さんとの約束もあるしやっぱアサちゃん学校行こうかな…」
「…妹を1人あんなところへ行かせるわけには…」
「ほらいくっよ!」
重い足取りで家をでる淳之介であった。
「はっ!?俺は何を?」
「もどにもどっだあああぁ。よがっだよお”お”おっ!」
何か深い暗闇に囚われていた気がするが良く覚えていない。そのまま家の目の前でアサちゃんと抱き合っているとSHOガードマンが笑顔で通りすぎて行くのが見えた。肝が冷える。
「よく分からんが行くぞ。遅刻はいけない」
「ふっ寛大な妹は今だけ許す…」
■
幸い何事も無く学園に着いた2人だが昇降口で足止めをくらう。列の前では煽情的な制服を着て腕章を付けた少女達が鞄の中身をチェックしていた。そう言えばクラス委員長の花丸蘭も同じ制服を着ていたと思い出す。
「何だあれ」
「ちょっと待って…持ち物検査みたい」
タブレットで何やら検索した妹によると彼女達はSHO奨学生通称SS。SHOの下部組織だとのこと。学園まで及ぶSHOの脅威にうんざりする。
「そこのお前!列を崩すな」
「す、すみません」
その場でドスケベセックスに発展している様子は見られない。むしろ少女達が何やら書き込んでいるチェックボードが気になる。素直に受けた方がいいだろう。
見た感じ茶髪の真面目で厳しそうな女子の指示で全員が動いている。
「教科書にタブレット、筆箱、バイブが…3本、SHO製コンドーム、アナルディルド」
「行ってよし」
「やっぱそうなるか…」
本土でも似た光景は見てきただけにその差異がショックだ。
「いや待てっ!」
「おお?」
「その白いバイブはマッサージ用高出力タイプだ。使い方は気を付けるように!」
そこかよ!と折れそうになる膝を必死で堪え前に進む。
「次、そこの男子!」
「はい…」
「教科書…ペンケース…タブレット…財布…これは?」
「ええと、オナホ―ル、です…」
「おな、ほーる?これは何をするためのものだ?」
「…」
これもえっちな小道具のはず。そう俺は勇気を振り絞って答えたがその反応は予想を逸していた。これは新たな羞恥プレイか何かなのだろうか?
「おいっ!これらはナニをするためのものだと聞いている!」
「おちんぽを突っ込んで射精するプレイのためのものです!」
「ふうん?そばにまんこがあるのに精液を消費するとは
あまりの理不尽に涙が出かけた。我が子達をSS隊員に引き渡していると青髪の少女が近づいて来る。美少女ではある。だがその膨らみを隠すのは二プレスだけの痴女だ。
「レイちゃんレイちゃん。この子たぶん転校生だよ。後の流れも教えてあげなきゃ」
「む、そうか。物は1週間後職員室で反省文と交換で返却される。次から気を付けるように」
「またね~」
だんだんとこの島の傾向が読めてきたが要塞の要を没収されてしまった。幸いなのはドスケベが絡むと審査が甘くなることか。後ろでは携帯ゲーム機を取りあげられた妹が悲鳴をあげていた。そらそうよ。
「えぐっえぐっ。兄ぃい!」
「はいはい、しょうがないなーアサちゃんは」
SSの説教を受ける妹を待っているうちに廊下からは人気がなくなっていた。それぞれの教室へ別れようとした時校内放送が入る。
『本日は学園全校集会があります。まだ体育館にいない生徒は、性行為を中断し、速やかに体育館で再開してください』
「だって。どうする?」
「嫌な予感しかしないけど…SSが見てやがる」
検査を終え体育館に向かうのであろうSSが後ろから迫っていた。ここで脇道に入ろうものなら怪しすぎる。今日は全校集会とやらに参加するしかあるまい。
「アサちゃん」
「あいよ」
以心伝心。アサちゃんが俺の腕に飛びつき一見いちゃいちゃ歩くカップルの完成だ。体育館の壁際を確保し2人して座る。予想通り体育館は嬌声の飛び交い熱気がこもっていた。
マットや跳び箱に身体を預けるオーソドックスなものからギャラリーに登る梯子に身体を固定したアクロバティックなものまで多種多様。体育館の設備を使ってヤリたい放題だ。
「うおおお。女子がまんピラミッドを作っているぞ」
「あっちじゃ男どもがチン馬を作って突撃し始めた!あ、あれは勃起の陣!」
「来るぞ!究極合体すふぃ淫クスだ!」
妹と騎乗位のふりをする俺の隣を騎馬が駆け抜けて逝った。
「頭おかしい」
唯一の救いは周りがセックスに夢中で俺たちを見やる者がいないことか。それ以上に精神を削られるので安全ではあっても安心ではない。
「警戒は怠るなよ」
「がっでん」
そして俺は視界の端で蹲る少女を見つけた。周りがドスケベセックスに興じる中彼女だけ1人。声をかける者はだれもおらず顔を伏せて周りから目を逸らしている様にも見える。もしかして?という期待が湧いてきた。
「どうかした?」
「あそこにドスケベしていない子がいてだな…」
「ああん?いないけど。ついに兄が幻覚を?」
確かに目を放せば見失いそうな存在感だ。第六感から瞬きも我慢して目印を妹に伝える。
「あそこだよ。ええっと手押し車と背面騎乗位の間」
「わかるかい!」
そして一瞬の暗闇を経て俺の視界から彼女は消えてしまう。そんな馬鹿なと目をこすって探すが見つからない。
「あれ?やっぱ幻だったのか?」
「本当だいじょうぶ?」
「あ、あぁ…」
その時会場の空気が変わった。無秩序に見える体育館で誰も登る者がいなかったステージ。そこを圧倒的な存在感をもって少女が歩いている。
マイクの前に立った彼女をセックスに夢中だったはずの全生徒が見つめていた。
『…おはようございます、皆さん。生徒会長の冷泉院桐香です』
「桐香様ぁあああー」
「ぉおおおお!凛々しい姿だ」
水那月学園の生徒会長。一癖も二癖もある生徒達を束ねる長がどんな者か。その性格を知れれば俺たちが学園生活を送る上で役に立つ、はずなのだが底知れない雰囲気に圧されている自分がいた。
「あの子同じクラスだよ…昨日話しかけてくれた子」
「なにっ!」
『どの生徒もセックスを楽しんでいらっしゃいますね。セックスをすれば、よりよく相手を理解できる…そう、私は考えています』
あの風格で自分より年下。恐らく生徒達の圧倒的な支持はエスカレータ式の学園内で固められた盤石なものなのだろう。背後に控えるSS隊員達の目には尊敬、信奉の念がありありと浮かんでいた。そして彼女の考えは青藍島に相応しい。
『身体を重ね相手を理解し、素晴らしい学園生活を送ってくださいね』
俺たちと相いれないものだった。
■
休み時間に入り生徒たちのセックスが活発になった。先程まで真面目に勉強していた真面目っ子もイケメンも体育会系もオタクも皆ドスケベに興じる。
「うぉおおおおおおっ!」
今日も嬌声響く廊下を一陣の風となって駆ける。立ち塞がる女子たちを小刻みなステップで惑わせ片手でいなし脇をすり抜ける。この生活が続けばそのうち分身して音速の壁を越えて時を止めてしまうかもしれない。俺は勢いのまま物陰に設置されたゴールに飛び込んだ。
「きゃあ!」
「あぁん。はぁ、はぁ。まってぇよぉ~!まんこレーダーからは逃げられないわよ~」
「わたしの囚淫殿タックルが効かないなんて…彼は100年に1人のチン材よ!」
追手の遠ざかる足音を息を殺して待つ。しばらくして嬌声が遠くから聞こえるだけになったことで止めていた息を吐きだした。意外と大きなロッカーに安心する。美化委員が設置したのか背に当たるクッションが心地良い。
「はぁ。精神をすり減らしてもう童貞じゃないって嘘ついたのに何故だ!」
「…」
これからどうしたものかと思案する。このロッカーもSSに出鼻を挫かれ援軍のない籠城状態。もしもこの状態を女子に見つかろうものなら。
「…ねえ。もしかしてわざとやってる?」
「うわぁあああっ!」
「ちょっ声抑えてっ!」
「むごぉおおっ!ふごぉおおお!」
その細い手が首に回り口を塞いでくる。妹よ、お兄ちゃんはお前の健勝を草葉の陰からお前を見守るよ。静かにするなら放すと言われ頷く。首をギギギッと回して背後を見ると胸元を大きく開いた泣きぼくろが特徴的な明るい髪色のギャルがいる。その瞬間俺はロッカー内に漂う女子の化粧と汗の混じった香りを意識した。
「あなた昨日来た転校生でしょ?」
「ち、ちげ~し。お、俺はばきばきの生えヌキ性乱島民ダゾ」
「じゃあ私の名前知ってる?」
「…」
知るわけないだろ意識過剰かと内心で罵倒する。顔にも出ていただろうからここが薄暗くて助かった。彼女の機嫌を損ねるのはまずい。
「…アタシの名前は片桐奈々瀬。生粋の青藍島民ならアンタの反応はおかしい」
「女子と見ればセックスする奴等と一緒にするな!」
「ほら違う」
「あっ」
ここまで話して違和感を覚える。俺の話した男子像はそのまま女子にも当てはまる。彼女が”まともな”青藍島民なら余計な話などせずドスケベセックスをしようとするはずだ。これはもしかして、もしかするとだ。
「…なんで君は」
「ふんふふふ、ふぅ~ん!一旦掃除してもらおっと」
「はわわわわ、逃げ場がない。そ、そそ、そうなのだわ!」
1人の男子がズボンから逸物を出して此方に近づいてくる。だが隣にいる片桐はしゃがんで掃除体勢を取るでもなくテンパっていた。そして衝撃の台詞を吐きながらこちらを小突いてくる。
「あっあっダメ、ロッカーとおちんちんに挟まれて子宮の鍵も開けられちゃう~」
「ほらっアンタもっ!」
「お、おう。は、はらめおらー」
「おっと、ロッカーと3Pセックスしてたのか。邪魔したら悪いな」
逸物を入れる丸い穴から外を覗くと遠くの女子に突撃する男子の背中が見えた。さて目下の問題は片桐が俺の敵か味方かなのだが…。
「っぷ。アンタ何その棒読み。ふ、くくく童貞は声でわかるってやつ?」
「俺はふざけた淫語実況なんてできないんだよ!そういうお前はビッチに相応しい喘ぎ声だったな!奴のイチモツギンギンだったじゃないか!」
「なぁんですってぇ~!」
俺と片桐奈々瀬の出会いは強烈なものだった。
キンタマーニ山登レ61085