ふうま災禍さん!? 邪眼の使い方間違ってますよそれ! 作:ごきまる
10 所帯じみた対魔忍と任務中のふうまの執事
「あの、災禍。本当にすぐ帰るのか?」
小太郎は少し拗ねたような口調で聞いた。隙さえあれば抱きしめてきそうな気配がある。
災禍ははにかむように微笑んで、それを受け流す。
「申し訳ありません。アサギ総隊長との約束ですので」
そう言いながらも、一ヶ月ぶりに会った小太郎の顔を見ているうちに、災禍は身体が火照っていくのを感じた。
対魔忍のくノ一とは業の深い存在だ。
特に容姿に恵まれ、己の忍法が色仕掛けによる『諜報』『籠絡』『暗殺』等の適正に優れている者は房中術や淫術の修練を積むことも多い。
結果として男を惑わす色香が増すわけだが、これはくノ一にとって諸刃の剣となり得る。
官能を研ぎ澄ますことで身体は感じやすくなり、淫蕩の気質を胸に、唇に、舌に、股座に、腰の裏に根付かせることになる。
それらは男を色狂いにさせる武器になるが、まかり間違えば自分自身が肉欲に支配・服従させられる危険を内包しているのだ。
ましてや心を開いている、いとおしい存在が相手となれば・・・・・・。
(っと、いけない。しっかりしないと。)
災禍は下腹――臍の下の丹田あたり――に意識を集中し、蕩けそうになっている心身を御する。
「それでは若様。夕食に何が食べたいですか?」
「・・・・・・パスタで」
居間でテレビを見ながら小太郎は料理ができあがるのを待っていた。
(なんだかなぁ・・・・・・あのとき以来の再会なのに、反応が淡白だよなぁ)
盛りのついたガキと思われたくはないから平静を装っているが、胸中では悶々と様々な感情と思考が渦巻く。
対魔忍として危険な任務にもつくようになってからというもの、それまで昼行灯で自由にやってきた日常は一変し、人との出会いが激増した。
対魔忍の指揮官ともなれば同組織の忍だけではなく、臥者(ガチャ)という人材契約法に則って、外部の傭兵や時には魔族とも一時的に共闘することもある。
死と隣り合わせの生き方というものはやはり人を変えるのだろうか。
知り合った女性達とは、なんやかんやあって刹那的な肉の交わりを持ったりもしている。
否、認めよう。隙あらば女を喰いにいってる。
しかし、その中でも災禍は小太郎にとって特別な存在だ。
――こ、これ以上ずっと一緒にいたら、私が若様と離れられなくなりそうですから。
そう言って真っ赤になった彼女の顔が忘れられない。
「~♪ ~♪」
キッチンの方をあえて見ないようにしていた小太郎だったが、可愛らしい鼻歌が聞こえて来て少しびっくりする。
(機嫌いいなぁ。災禍はお菓子作りが得意だし料理するのが楽しいのかな)
そうではなく、おそらくは確実に小太郎に自分の料理を食べてもらうのが嬉しいからであろうが、そこには思い至らないふうま当主であった。
ふらりと立ち上がり、キッチンを覗いてみた小太郎はくわっと左目を見開いた。
(は!?)
いそいそと災禍は夕食作りに取りかかっていた。
スープやサラダも用意されており、今はフライパンでパスタを調理している。
おそらくはケチャップで味付けした、昔ながらのシンプルなスパゲティ・ナポリタンだ。
しかし小太郎が見入ったのはそこではなく、災禍の姿である。
対魔忍スーツの姿は見慣れている。
しかし、今はその上にエプロンを着用していた。
たすき掛けの、前部分しか布地が無いタイプのやつである。
ただでさえ、災禍の姿態は艶めかしい。
彼女が対魔忍であるという認識を持つ者が見ても、その装束は扇情が過ぎるシロモノだ。
小太郎はふうまの書庫で本の整理をしている災禍の後ろ姿に欲情した時を思い出す。
これでもかと肌色を晒している、あの腰、あの尻・・・・・・。
「~♪ ~♪」
それが今、調理をしながら鼻歌交じりに体でリズムを取っているため、ふりふりと小刻みに揺れている。
さらにはエプロンというアイテムが、濃艶さに所帯じみたいやらしさを付け加えていて・・・・・・。
(こんなの、裸エプロンよりエロいじゃねえか・・・・・・)
女の裸エプロンを生で見たことは無いが、そんな感想を心の中で呟きながら、思わずスマホを取り出して災禍の姿を録画する小太郎。
――いけるいける。というか、
心の中の色餓鬼が囁く。
(・・・・・・そうだな。こんなん我慢できるはずない)
カチリと、自分の中で何かのスイッチが入ったのを小太郎は感じた。
「~♪ あ、若様。もう少しで出来上がりますから――っっ!?」
「災禍っ!」
「だ、だめっ。ダメです若様。本屋敷の、しかもこんな所で――ひゃう!」
「災禍がそんな格好してるのが悪いっ。その装束の上にエプロン着るとか・・・・・・誘ってるとしか思えないでしょ!?」
「そ、そんなぁ」
いきなり抱きしめられて股間をまさぐられ、災禍は急いでフライパンの火を止める。
「ほら、見なよ。こんな姿見たら我慢できるものもできなくなるってば」
小太郎はスマホで録画した十秒にも満たない動画をループ再生して災禍に見せる。
「これは・・・やんっ! わ、若様ぁ、い、あっ、ちょ、ちょっと――」
壁際に追いやられながら、災禍にはスマホの動画が脳裏に焼き付いていた。
災禍が動画の中で目を引いたのは小太郎が欲情したのであろう自分の尻や腰つきでは無い。
表情だ。
(私はこんな穏やかな表情をして、笑みすら浮かべていたのか――あぅ!)
――災禍様はお変わりになりましたね。
――お優しくなられた。
元ふうまの忍達にそういわれた時のことを思い出す。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
勘所を的確に愛撫されながら、災禍も次第に
ちらりと、フライパンのパスタを見る。
料理が冷めてしまうのはちょっと悲しいが・・・・・・。
自ら壁に両手をつき、少し足を開く。
「ごめんな。すぐに終わらせるから」
挿入が始まればすぐに終わるはずがない。
一ヶ月前も結局、朝まで小太郎は萎えることは無かった。
「・・・・・・でも、本当によろしいのですか、若様」
含みのある言い方に小太郎は怪訝な顔をする。
「え、なんだ、なにかあるのか?」
背を向けたまま、腰を少しだけ突き出し、災禍は振り返る。
「・・・・・・あくまで可能性の話ですが、時子です。去り際のあの様子では、
「え? 何言ってるんだ? 時子は今家にいない――あっ!」
小太郎は色を失って愛撫の手を止める。冷水に浸かったように、体の疼きが鎮まっていく。
「『千里眼』で視界を飛ばして、監視してるかもってことか???」
小太郎の腹違いの姉でありふうまの執事。
ふうま時子は邪眼『千里眼』の持ち主である。
眼を閉じた時に発動するタイプの邪眼で、視覚だけを遊離させることができるというもの。
所謂、超能力者の
なにしろコンピュータなどの情報端末に遊離した視覚で接触すれば、その情報を読むこともできるというのだから。
「私は構いません。若様との関係が皆に知れ渡っても。でも、若様は」
こちらを試すような眼差しに射すくめられ、小太郎は引きつった笑みを浮かべる。
「まさか、まっさかぁ! いくら何でもそんなことに邪眼使わんでしょ? しかも任務中にだぜ?」
(いや結構
「五車施設の見回りぐらいなら、合間をぬって邪眼を使うことも可能なのではと――」
その時、ある意味完璧なタイミングで携帯の着信音が鳴る。
小太郎のスマホである。
画面を見て小太郎は硬直する。発信者名は時子だ。
「・・・・・・」
「若様」
「・・・・・・・・・・・・」
「あの、電話に出た方がよいのでは」
「・・・・・・ですよね」
「もしもし」
「・・・お館様」
もし千里眼で見られていたとするなら大目玉を食らうかと思ったが、時子の声はか細く、わずかに震えていた。
「あの、その、今・・・何をなさっていますか?」
「い、今から、メシを食うとこだけど」
「・・・・・・・・・・・・そうですか。お館様、さきほどはガミガミとお館様を子供扱いするような物言いをして、申し訳ありませんでした」
「時子?」
「あなたも一部隊を指揮する立派な対魔忍・・・・・・学生とはいえもう立派な大人なんですよね。ただ、それをお伝えしたくて」
「な、なんだよ急に改まって」
「いえ、それではお休みなさい。お館様」
「・・・ああ」
通話は終了した。
「・・・・・・時子の奴、千里眼で見てなかったのかな」
小太郎の側で聴覚を研ぎ澄ましていた災禍は会話の一部始終を聞いていた。
頭脳明晰な小太郎だがこの手のことに恐ろしく鈍感なことに災禍はため息をつく。
(そんなはずはない。時子は全て見ていたはず。)
これは本当に後日、時子とじっくりと話し合う必要がある。
もそもそと少し冷えた夕食を食べるテンションの低い小太郎を見届けた後、災禍はふうま屋敷を後にし、五車の居酒屋『おふくろの味 さな』へと向かう。
ふうま災禍は日々の日常が鍛錬と考え、常に対魔忍スーツを着込んでいる。
しかし・・・・・・。
――普段は私服を着用するか。
そんなことも考える災禍であった。
特に修羅場とかにはならない予定です。
あとで加筆修正はいるかも。。
個人的・対魔忍スーツのままエプロン着けてほしいキャラベスト3
1位 ふうま災禍
2位 スウ・ジンレイ(アクション対魔忍から)
3位 鬼崎きらら
殿堂入り:不知火ママ(同人誌で見た気がする・・・)
あとアンケート作りました。
色々話のネタは考えてるんですが、迷っているところもありまして。
ご協力いただけたら幸いです。(投票期間は8月8日くらいまでで)
どんなエロ要素込みの話を読んでみたいですか?
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ひたすら災禍さんメインのイチャラブ
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ふうま三従者を中心としたドタバタ劇
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RPGX登場キャラのハードエロ
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初期に鬼畜モードの若様がいた件について