※この作品はR-18です。

ふうま災禍さん!? 邪眼の使い方間違ってますよそれ!   作:ごきまる

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災禍さんとアサギ校長と志賀あさつきと上月佐那が酒飲みながら語らってます。
ほんとそれだけです。


対魔忍もしもシリーズ
【もしも志賀あさつきが五車町の居酒屋『おふくろの味さな』の常連だったら】
の内容を組み込んでます。


13 五車対魔忍は奥手なのか?

「・・・・・・桐生佐馬斗の主張は少し極端すぎる気がしますが」

一通りアサギの話を聞き終えた災禍はそう所感を述べた。

「そ、そうですよ。てゆーか“お前が言うな”ってやつじゃないですかそれ」

そう言いながら上月佐那はアサギと災禍の酒席に飛び入り参加したことを激しく後悔していた。

(なんちゅー話題だよ・・・・・・結婚とか子供作るとか。今はまだ考えたくない事なのにぃ・・・・・・)

 

「確かに、危険な媚薬や人体改造術を産み出した人間に言われたくはないわよね。でもまあ、それに関しては桐生がやらなくても他の魔科医や米連の科学者、魔界の魔術師連中が確実に開発してたでしょうし」

そういってアサギは手酌でグラスに酒を注ぐ。

酒が回って肌がうっすらと赤くなっているが、表情には殆ど変化が無い。

 

「冷静っすねぇアサギさん。恨んでないんですか」

思わず佐那はそう聞いていた。カオス・アリーナや東京キングダムで筆舌に尽くしがたい悲惨な目にあっているはずなのにどういうメンタルをしているんだろう・・・・・・。

「あら、あの男への怒りが無いわけじゃないのよ。さくらなんて斬りかかりそうな勢いで怒っていたし」

「えっ、あのさくら先生がですか?」

「表向きはいつもの陽気な雰囲気を装ってたしギリギリのところで抑えてたけど・・・・・・殺気がね、滲み出てた。私よりもあの子はもっと酷い目にあってきたわけだし」

「う、うーむ」

佐那は学生時代を思い出していた。

井河さくらが時折、自らの陵辱体験をあっけらかんと話しながら、対魔忍としての心得を説いていた時の事を。

 

「・・・・・・復讐心や過分な怒りの感情は、忍には必要ないということですね」

ぽつりと呟く災禍。

「――でなければ“正道から外れて外道に墜ちる”って奴でしょ。五車学園でも逸刀流の道場でも教わりましたわそれ」

「話が逸れたわね。どう? 桐生の言う通り対魔忍の総数が減っていることも、婚姻率や出生率が低下していることも確かなのだけれど、今さら古い忍の因習を復興させて、縁組を強引に増やすってのも・・・・・・ねえ?」

「あ、あさつきさんはどう思います?」

佐那はずっと沈黙してちびちび酒を飲んでいた志賀あさつきに話を振る。

 

(わ、私に話を振るんじゃない上月ぃ!)

 

元来堅物で必要最小限の事しか話さない性格の彼女は、この場は空気と化してやり過ごそうと思っていたのだ。

 

(そもそもなんでお前はこの場に私を巻き込んだんだ・・・・・・恨むからなッ)

 

志賀あさつきはアサギの細胞を用いた治療を受けたことにより、見た目も対魔忍としての能力もアサギに酷似したものに変化している。さらには、肉体改造・陵辱・調教を受けた身体の性質をも受け継いでいてある悩みを抱えている。

どんな悩みかといえば――。

時折、淫蕩の気質を抑えられなくなり、妊娠してもいないのに母乳を噴き出す羽目になったり、発情した心身を慰めるために、理性では望んでいない性交を行わなければいけなかったり等々――。

佐那はとある一件(※1)によりあさつきの体の問題を知っている。

あさつき本人に秘密にしていてくれと言われているので黙っているが、おそらくアサギに体の異変を報告・相談した方がいいと考えているため、この酒席に強引に同席させたのだろう・・・・・・。

 

だが、あさつきはあさつきで、彼女なりの考えや意地というものがあった。

それはアサギへの対抗心に近いものなのかもしれない・・・・・・そして、警戒心も。

桐生の独断的な治療により、見た目も能力も自分に酷似してきたあさつきの変容をアサギは心配しているように表面上は見える。

だがどこか、自分を監視しているような・・・ともすれば危険視しているような気配をあさつきは感じていた。

とにかく、今は自分の身体の異変をアサギに報告するつもりは無いあさつきであった。

 

佐那のお節介に対する苛立ちと怒りが呼び水となり、本来の彼女には無かった強気な側面が鎌首をもたげた。

 

「・・・・・・確かにこの数十年で数は減ったかもしれませんが、質は上がっているのでは?」

「質?」

「魔の者との戦いが激化した影響なのかどうか分かりませんが、強い忍法や伝承にしか無かったような特異系忍法に目覚めた者は一昔前に比べればかなり増えているでしょう? 上月、お前の『酒遁』だってそうじゃないか」

「あ、あー・・・・・・そういえば・・・・・・あたしはともかくとして、くっそ強い忍はどんどん増えてる感じっすよねぇ。逸刀流の使い手の獅子神(ししがみ)自斎(じさい)って後輩がいるんですが、あいつなんか千年に一人なんていわれてる神遁使いだし」

「古くから忍の家系である一族からも、希な強さの対魔忍が現れていますね」

と、災禍が佐那の見解を補足する。

「確かに死傷者や行方不明者は増えましたが、五車町に核ミサイルでも落ちない限り対魔忍が壊滅するとは思えません。それに技術の発達によって武器や忍法を補助する装備などは飛躍的な進化を遂げています。まあ・・・・・・私の場合は特殊すぎる例かもしれませんが」

そう言ってあさつきは自嘲気味な笑みを浮かべた。

「そ、そうそう。だからそんなに気にする必要はないと思うなあ――ね、アサギさん」

急に饒舌になったあさつきに驚きつつも同調する佐那。

アサギはというと「確かにそうね」と同意しながらも表情は曇ったままだ。

 

少しの間、誰も発言せず気まずい沈黙が流れる。

 

「フフフフ・・・・・・やっぱり、みんな結婚とかの話はあんまりしたくないわよね」

「(また話題がそれに戻った!?)そ、そりゃあ・・・・・・え、えっと災禍さんはご結婚は?」

おずおずと聞く佐那に「残念ながら」と災禍はさらりと答えた。

「じゃあここにいる四人全員、未婚・・・ですよね? やっぱり――任務こなしながら家庭作るってのは難しいんじゃ――」

「現役対魔忍が恋愛や結婚をするのは難しい――というのは言い訳だぞ佐那」

「あ、あさつきさん?」

「むしろ昔は子孫を残すことは対魔忍としての責務とされていたんだ」

そう言ってからチェイサーの水を飲み干し、「――優秀な者ほど、ね」とあさつきは付け加えた。

「そ、そうなんですか?」

「・・・・・・上月さんは、五車学園でそういうことを習わなかったのですか?」

災禍は不思議そうに尋ねた。まるで、なんで知らないのかといった調子だ。

「い、いやぁ・・・・・・歴史の授業でチョロッと習ったかなぁ・・・・・・」

「さらに言うなら、結婚の契りは対魔忍同士で結ぶことが望ましいとされていたんだ。血筋が良ければ優秀な対魔忍が生まれやすいんだからな」

「・・・・・・耳の痛い話ね」

「気分を害されたのならお許しください。でもこの話題を振ったのは総隊長ですよ?」

「わかっているわ。これは・・・・・・お酒がすすんじゃうわね・・・・・・」

 

ここまでの話を聞いていてふうま災禍は思った。

 

たしかに、派閥の垣根を取り払い、組織を統一化し、五車学園で対魔忍の養成を集中させることで技量や能力の面では効率的かつレベルの高い育成が出来ているのかもしれない。

精神面でも、今の忍が昔と比べて、たとえば“死の危険を伴う任務への覚悟”などが足りないなどということも無いだろう――無いだろうと思いたい。

 

だが、なにか重要なものがオミットされているように思えてならなかった。

 

「災禍さんの目からみてどうかしら」

アサギは聞くタイミングを見計らっていたようだった。

「お察しの通り、血統存続とその繁栄。一族の血を絶やさぬ事・・・・・・その古い掟や因習を今の五車は形骸化させてしまった。良くも悪くも今の我々は結婚や家庭を築くといったことに一般人と同じ感覚を持っているの。ただ、さっきも言ったけど、今更昔には戻れない。五車幹部衆会議でもいい答えは出なかったわ・・・・・・正直、このことに関しては、失策だったかもと私、考えて――」

 

「一概にそうとは言えないんじゃないでしょうか」

(ふうまの元秘書である私に意見を求めるとは相当お困りのようね・・・・・・)

内心そう思いながら、慎重に言葉を選んで災禍は発言を続けた。

「政府の力を借り、全国に散らばっていた対魔忍達を井河の本拠地――現在の五車町――に集結させ、公的機関となって盤石な基盤を築く・・・・・・そういった中で対魔忍達の意識が現代化していったのはある意味当然かと。そうしなければ、地上に進出した魔族に対抗し続けることは出来なかったでしょう。甲河家のように各個殲滅されていたかもしれません」

 

(それに、もしあなたが旧態依然とした井河の忍だったら今のふうま宗家は無かったんですから)

 

「じゃあ、未婚の対魔忍が増えても問題ないですねっ」

「いえ、それはそれで何とかしないといけないと思います」

パッと話を締めくくろうとした佐那だったが災禍に即応されてがっくりと項垂れる。

「ふうまの古書に『異聞万川集海※2』というものがあるのですが、そこにはこう記されています“ひとりの対魔忍にはひとつの忍法が宿る。ある忍法使いが死ねば、その血統からやがて同じ忍法を使う者が現れる”と」

「井河家にも似たような伝承はあるわね・・・・・・」

「代々対魔忍を輩出していない忍の血が薄い一族からも、時折強力な忍法使いが生まれることからこの伝承は真実だと思います。ですので、忍法に目覚めていなくても対魔忍の血をわずかにでも引いている者が子孫を残すことはやはり重要なのです」

 

佐那とあさつきは顔を見合わせる。

「ってことは・・・・・・」

「五車町に忍の血を全く引いていない者なんて・・・・・・殆どいないんじゃないか。」

 

「ですので、五車町の人口が激減でもしないかぎり、対魔忍の数がこれからも極端に減り続けるということはあり得ないかと。あとは志賀あさつきさんのご指摘通り、忍法・邪眼に覚醒している現役の対魔忍達が奥手になっていることを何とかすればこの問題は解決です!」

「結局、そこに戻るんじゃないっスか・・・・・・」

「結構・・・・・・話してて自分に突き刺さる・・・・・・」

「大丈夫よ災禍さん! 私にもじゅーぶん刺さってるからッ」

そういって災禍とアサギはグラスをカチンと合わせてもはや何杯目か分からない冷酒をあおる。

「お、お二人ともかなり酔っ払ってたんすね・・・・・・」

「四人全員が酔いつぶれるわけにもいきますまい。私は席を外してこの・・・会議(?)が終わるまで待機していますね。上月、お二人のお相手、しっかりなっ」

(あーーーーーーー!!! あさつきさん逃げるんですか!!!!!)

(お前、私が酔いつぶれたらヤバいの知ってるだろッ。ここはまかせた!)

 

座敷から退出するあさつきを見送りながら、

「奥手か・・・・・・でも、そりゃ奥手にもなるわよ。周りは五車頭領として支えてくれはしても、私になんて・・・・・・」

ついにぶつぶつと愚痴を言い始めたアサギ。

「い、今はアサギさんをはじめとして強者の比重がくノ一に偏ってるじゃないっすか。そこも問題じゃないっすかね」

「あらあら、男のせいにする? 佐那ちゃん、剛毅ねぇ」

「(佐那ちゃんときましたか・・・)い、いやそういう意味では無くて。ほ、ほら女は妊娠しちゃうと出産までは任務から外れないといけないし、その後の子育てだって――」

「・・・・・・子育てしながら現役を張り続けたくノ一もいるわよ。たとえば――」

 

アサギと佐那が話しているのを酩酊してぼうっとした頭で聞き流しながら、災禍は小太郎のことを思い浮かべていた。

学生の身にて自分の身も心も満たしてくれる『ふうまの男』

頑なだった時子でさえもどうやら我慢できなかった様子だし・・・・・・。

 

“恋は戦い”という言葉もあるが、お家が決める縁組以外の忍の情交なんて、あらゆる手練手管を弄して心を落とすか、体を墜とすか。あるいは、搦め手を使わない正道で相手を魅了するか・・・・・・。

所謂“何でもあり”

そういうものではないか。

ふうま一族はそうやって敵対者を籠絡し、味方に引き入れてきたからこそ最大勢力を誇っていた。

ふうまの書庫にある、房中術や拷問・調教の書物などはそれを物語っている。

故に秩序や倫理に重きをおかぬ者もいたわけだが――。

 

なんというか、井河主導で組織された五車対魔忍はそういったことに関してはお堅すぎるというか何というか。

攻めっ気が無いというか、そういうものが欠けているのではないか。

 

そう思うのだが・・・・・・これは言うべきか言わざるべきか。

思いあぐねながら今はグラスを重ねる災禍だった。

 

 

※1

エピソード【もしも志賀あさつきが五車町の居酒屋『おふくろの味さな』の常連だったら】参照

 

※2

対魔忍RPGのチュートリアル参照 (図書館機能【その他】で閲覧可能)

 




さくら「攻めっ気は無いけど誘い受けなら自信あるかも! ・・・・・・誘いにのってくれる人がいないけど! 。・゚・(ノД`)・゚・。 」

静流「一応、ハニートラップに長けた部隊とかもあるんですけど・・・・・・え、そういうのとはまた違う?」



なにげに重要っぽい伏線がチュートリアルで張られているんですよね・・・・・・。

そろそろHシーン書きたい。
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