ふうま災禍さん!? 邪眼の使い方間違ってますよそれ! 作:ごきまる
「あうっ! ・・・・・・彼女、かけられて、飲んだだけで、イッちゃうなんて・・・ッ、んん!・・・・・・私は、私たちは一体なにを見てるのかしら・・・・・・ンあっ!」
「あー・・・・・・年の差対魔忍カップルの、その、なんだ。ラブラブセックス?」
不知火の尻を抱えて、ズコズコと肉槍を突き上げながらやれ男は答えた。
「ッッん! オゴ、オ、おおっ♡」
「むぐ、むぐぅ!? んんんん! ンむぉ~!!!!」
三体のやれ男の幻影に三点責めを受けて悶絶しているシアリーの穴と、不知火の淫裂。
粘膜がたてる淫らな水音が絶え間なくモニター室にジュプジュプと響いている。
そしてセーフルームを映し出すモニターには、顔を横に向けて寝転がったまま口で奉仕する災禍の姿があった。
『んむ、んぐ・・・んぐ・・・ん~、んむあ・・・ちゅ――』
その顔は安らかともいえる表情で、険が取れて一気に幼くなったような表情をしていた。
親指と人差し指で輪っか状にした指を陰茎に添えながら、動くことなく亀頭を口に含んでいる。
技巧を凝らすわけでもなく、激しく吸い付いているわけでもない。
まるであめ玉にしゃぶりつく幼児だった。だが、長大な肉棒のカリに唇を引っかけるようにして舐めている様子は、あどけなさと妖艶さが合わさっていて、見る者の――女の不知火の淫ら心を昂ぶらせた。
『おいしいか? 災禍』
『んっ、んんっ、ン―――――――――――――――――!!!???』
コクコクと頷く最中、災禍は不意打ちのような射精を口内にぶちまけられて、目をカッと見開いた。
くぐもった歓喜の呻きを上げながら、涙を流し頬を窄め、喉を鳴らして嚥下する。
しかし、全てを飲みきれず、肉棒と唇の間、そして鼻からも鼻水混じりの精液が噴き出た。
だがそんな痴態を晒しながらも、肉傘を咥え込んだまま、一心不乱に舐め、チュウチュウと吸い続ける・・・・・・。
「・・・・・・いくら何でも年の差がありすぎじゃない? ふうま災禍ってたしか私と同年だ――うふあ! お、奥ぅ!」
「ほら、子宮口に当たったときに自分から押し付けてみな」
「ハァ、ハァ、ああァ! ・・・・・・うまくいくのかしらあの二人。いくら何でも盛りあがりすぎじゃ――あひっ!」
「なんでちょっと苛ついてんすか(笑)」
「うるさいわねっ。アァ、で、でもイキたいっ。あの二人の幸せな様を見ながら私もイキたいぃ!」
「ッ、出すぞ不知火」
やれ男は息遣いを荒くして抽挿のテンポを速め、不知火が声をあげるポイントを正確に打ち付けて吐精した。
「あああああっ!」
絶頂を告げ、もたれかかる不知火を抱き止めながら、やれ男はふと何かを察したように周囲を見回した。
その視界がぐらり揺れた。モニター室に震動がはしった。小さな地震に似ている。
「・・・・・・これは?」
不知火も異変に気づく。
直前まで乱れに乱れていたのが嘘のように、冷然として乾いた口調だ。
不知火は首をもたげて壁やモニター、デスクを見る。それらは振動で震えているように見える。
だが違った。揺らいでいたのだ。まるで空間そのものが波打っているようだ。
「災禍の邪眼の効果が解けたみたいだな」
「どういうこと?」
「物質世界からこの夢幻世界へ転移する半ば、災禍は小太郎に邪眼を仕掛けた。“今宵だけ、他の全てを忘れて、私だけのものに”とな。俺がすんでの所で介入したから、他の全てを忘れることはなかったが、目抜けの小太郎はこの夢幻世界に縛り付けられてしまった」
「“今宵だけ”ね・・・・・・でも夢幻五車町に居続ければ、その一晩は“永遠”になってしまう、といったところかしら?」
「そんなところだ。しかし、おかしいんだよな・・・・・・
不知火はやれ男から離れて、モニターに近づく。
愛し合う男女の映像は先ほどよりも不明瞭でノイズによって荒れていた。
「彼女が無意識にそれを望んだからじゃないの?」
「だが、それにしても・・・・・・いや、なるほど。そういうことか・・・・・・」
「?」
「あ・・・・・・うう・・・・・・」
シアリーが弱々しい声を上げながら立ち上がった。いつのまにか幻影達は消え去っていた。
「ん・・・・・・急激に夢幻五車町の空間構築度が通常レベルにまで戻っていくのを感じます」
「うむ。これで迷い込んだ奴が抜け出せなくなる心配は無い」
モニターの中の小太郎と災禍を見つめながらシアリーは疑問を口にする。
「でもなぜマスターがこの世界に縛られると、紫藤凜花さんのような、他の人たちの意識体も抜け出せなくなったんでしょうか。シアリーにはそこがわかりません」
やれ男はため息をついた。
「そいつは説明が難しいな。まあ、あいつは多くの対魔忍や魔族と因縁があるとだけ言っておく」
「マスター・やれ男さんも同じなのですか?」
「どうかな・・・・・・ところで、お前なら元の世界に戻るのは容易だろう。それとも、もう少し遊んでいくか?」
「ま、またの機会にします。マスター・やれ男さん、不知火さん、シアリーはお先に失礼しますっ」
身繕いをしてからぺこりとお辞儀すると同時に、シアリーの猫耳カチューシャのライト部分が輝き始めた。やがてボディ全体が淡い光に包まれて明滅し、次第に半透明になっていく。
やれ男と不知火の目の前で、シアリーの姿は煙のように消えていった。
「ふむ、4Pは少しばかり刺激が強すぎたか」
「あなたねえ・・・・・・」
――お館くん。
不知火は、やれ男の背後から突然聞こえた声に目尻を微かにつり上げて首を傾けた。
やれ男は背後からの声にすぐには振り返らず、目を伏せた。そして口元に笑みが綻ぶ。
それは軽薄でも、ふざけた笑みでもなく、魔門の邪眼を持つふうま小太郎が始めてみせる心の底からの笑顔だった。
「出てこられたのか、紫水」
現実の五車学園の図書館にだけ現れる、実体を持たぬ波遁使いの対魔忍。
ふうま小太郎と前世からの宿縁を持つ白い髪をした少女。
「うん。この世界は『前世の記憶』の影響で生み出されたものだから・・・・・・それにしても、前世の記憶を持つもう一人のお館くんが出てきたときはビックリしたよ。わたし、何度も・・・何度も、出てこようとしたけど・・・・・・」
「俺も、“もう一人の俺”の目を通してお前の姿を見たとき、声をかけようか迷った。いっそのこと奴の体を奪おうかとすら思った・・・・・・・・・・・・思いとどまったけどな」
「・・・・・・」
「幾つもの世界を覗き見しながら探したぞ、お前のことを。俺の世界にはお前は存在しないからな。いや他のどの世界にもお前はいなかった」
「・・・・・・そうなの?」
「お前が存在しているのはあの目抜けの小太郎がいる世界だけだ。奴の魂にお前がくっついているということは、因果の本線は奴の世界にあるってことだ。記憶があろうと前以上の力を持っていようと俺は所詮、分化世界の平行同位体に過ぎない。あいつの側にいてやれ、紫水」
「なんか変。そんなに“いい人”だったっけお館くん」
「“強くてニューゲーム”繰り返して、異なる世界を巡っていれば多少変わりもするさ」
「お館くん・・・・・・あ」
やれ男に近づこうとした紫水だがその姿が急激に薄らいでいく。
「災禍と小太郎が現実世界に転移しかけてるな――わずかの間だったが話せてよかった、紫水」
お館くん――もう一度、紫水は名前を呼ぼうとして、口を開きかけるが、その姿は次の瞬間には消えていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだ? 聞きたいことがあるなら言えよ不知火」
「あなた、ああいう優しい顔もできるのね」
「フン」
忍達の記憶・意識が堆積し、疑似物質を構成する夢幻五車町。
まだ留まるつもりなのか、やれ男と不知火はモニター室に存在し続けている。
ディスプレイが映し出すセーフルームにいた小太郎と災禍の姿は、いつの間にか無くなっていた。