ふうま災禍さん!? 邪眼の使い方間違ってますよそれ! 作:ごきまる
災禍と小太郎は居間にいた。テーブルを挟んで向かい合って座っている。
小太郎は学生服姿。
災禍は薄手のセーターとデニムパンツに着替えていた。
乾かす余裕が無かったため、災禍の髪はしっとりと濡れている。
もう陽は落ちて、掃き出し窓の外は真っ暗になる寸前だった。
「風呂に入ってたのに悪いな。変な時間に来ちまって」
「いえ、そんなことはありません・・・・・・そうだ、私ったら――お茶をご用意しますね」
「い、いや、いいよ」
席を立ちかけた災禍を小太郎は手を上げて制す。
「そうですか・・・・・・」
・・・・・・気まずい沈黙が続きそうな流れだったが、災禍が微笑を繕いながら話を促そうとした。
「それで、今日は何のご用でしょうか。若様」
ほんの少しの間だけ小太郎の顔を見つめ、すぐに目を伏せる。
(だめだ・・・今はまともに若様の顔を見られない・・・・・・)
「うん・・・・・・その前に、災禍。あの、大丈夫? なんかその、上半身がすこーしだけどフラフラ揺れてるぞ」
「えっ」
言われて初めて気づく。
どうやら、思った以上に体力を消耗しているようだ。
無理も無い。長時間、邪眼を使っていた上にあの長風呂である。
平静を装おうとして見事に失敗していることに、ただでさえのぼせていた頭に血が上ってきた。
のぼせているのは体だけではない。
今の自分が通常の心理状態ではなくなっていることに災禍は改めて気づかされた。
ただ一時的な精神的疲弊であるところが大きいので、もうしばらくすれば回復するはずである。
「申し訳ございません。その、長湯のせいで少しのぼせてしまったようで・・・・・・」
「ちょっと横になった方がいいんじゃないか?」
「大丈夫ですから・・・・・・」
「いやいや、災禍がそんな風になってるの見たことない――あ」
言いかけて、小太郎はばつが悪そうに頭を掻く。
(どうされたのですか、若様。思い出したのですか? この前の、私の、姿を)
「と、とにかくっ、ソファーで少し横になれって!」
小太郎はそう言って席を立ち、災禍の手を取る。
「ちょ、本当に熱があるんじゃないか? ものすごく熱いぞ」
「あ・・・はぁっ・・・」
手を触れられただけで熱い吐息が漏れた。胸が高鳴ってしまう。
災禍はそのまま小太郎の身にしなだれかかりたくなる衝動を抑えて、立ち上がった。
ソファーに座らされた災禍は小太郎に肩を支えられながら、身を横たえた。
仰向けになった災禍は小太郎を見上げた。
若きふうまの当主は、心配そうな、不安げな表情をしてじっと災禍を見つめていた。
「あの、若様。それでご用というのは?」
「いや、いいよ・・・・・・また日を改めて――」
「いいえ若様。おっしゃってください。今の災禍は、風邪をひいてるわけでもないし、長湯でのぼせているだけでもないのです」
「・・・・・・」
災禍は顔を逸らし、両手で我が身をかき抱いた。
腕で寄せられた双乳がこんもり盛り上がる。
まだ水気を含んでいる黒髪が乱れて、災禍の朱を帯びた頬や顎に垂れかかり、美貌に妖艶さが彩られる。
石けんとシャンプーの香りに、濃密な甘い匂いが立ち籠め、混ざっていく。
目の毒になりそうな艶姿と女の匂いに、小太郎は息を吞む。
「このまま放っておかれたら、どうにかなってしまいそうです・・・・・・」
「災禍、お前・・・・・・わかった」
小太郎はそっと災禍の手の甲に触れた。
その手を災禍は握り返し、自分の乳房へと誘導する。
求めに応じて小太郎はセーターの上から優しく揉み回した。
「あ・・・ん」
それはどこか、愛撫というより母親に甘える幼児のような手つきに災禍は思えた。
(これは・・・)
小太郎はジーンズのボタンを外し、災禍を半裸に剥きながら、堰を切ったように語り出した。
「あのな、災禍。ずっと顔を見せなくてごめん。独立遊撃隊の任務で忙しかったってのもあるけど、それは言い訳なんだ」
「そんなの・・・・・・私は気にしておりません・・・・・・んっ」
互いに身を寄せ合い、口づけを交わす。
チュッ・・・チュッ・・・と、啄むようなキスをしながら抱きしめ合う。
「ン・・・その、この前はかなりひどいことをやって、強引に災禍を抱いただろ・・・・・・災禍は、すぐに許してくれたけど。後になって、冷静に考えてみると・・・・・・んおッ?」
災禍は小太郎のズボンのチャックを下げ、股間に手を差し入れた。
「つ、次に、災禍に会うとき、どういう顔をすればいいのか、どう、接すれば、いいのか。わから、なくなっちまって・・・ぐぅ、くぅぅ! 災禍――」
的確すぎる刺激を与えられて、みるみるうちに小太郎のペニスが硬く張り詰めていく。
「若様、奥の部屋に参りましょう。ベッドがありますから・・・・・・」
「あの、ホントに体調は大丈夫なのか?」
「もう回復いたしました」
「さすがだな・・・わかった」
一糸まとわぬ姿となった二人は、明るい居間から薄暗い寝室へとやって来た。
災禍は小太郎に抱きかかえられている。
(あ・・・これ、邪眼で見たのと同じ・・・・・・)
だが夢の中の小太郎と違い、現実の小太郎はそっとベッドの上に災禍を下ろす。
まるで絶対に壊してはいけない宝物のように扱われるのが胸に染みいるように嬉しい。
だが同時に、もどかしさも感じる。
(・・・若様)
枕元のスタンドライトが災禍の肢体を照らし出す。
ダークオレンジの光が作り出す陰影が、ふうまの女をさらに淫靡に染め上げる。
「若様、お立ちになったまま・・・こちらへ」
「お、おう」
邪眼が露わにならない程度に乱雑に髪を手で梳いて整えると、災禍はにじり寄り、挨拶でもするように屹立した小太郎のそれに頬ずりする。
「若様のオチンチン・・・逞しいっ」
「災禍――」
「お話を、お続けくださいませ? 若様。その間、災禍はご奉仕をいたします」
「わ、わかった」
「――俺は、あの時“また抱いてやる”とか言っておきながら、後から怖くなったんだ・・・・・・うおうッ!」
「ん・・・おむぅ・・・ちゅ、んく、んぐぅ・・・んぐっ、んぐっ」
仁王立ちになった小太郎に跪いて、すがりつく。
災禍は舐める。唇で擦り、頬をすぼめて吸う。頭を前後させて扱きあげる。
「い、一時の勢いで、災禍を犯して、これまでの関係が壊れてしまったんじゃないかって」
「うぐ・・・うぐ・・・んぐっ、ちゅ――」
くぼんだ頬。ひそめた眉。たまらなく淫らだった。
先走り汁が出続けている。災禍はそれを飲み続けていた。
肛門まで爪でつつきながら、災禍のフェラチオは激しさを増した。
「イ、イク! 災禍!」
喉の奥でも咥えられて――小太郎は射精した。
「ぶぐ! ゴク・・・」
災禍は喉を鳴らしてそれも飲んだ。
だが一部をゴプリと口から溢れ出てしまう。
「はぁ! はぁ、はぁ、はぁ・・・な、なんかもう話をするなんて無粋だと思うが続けるぞ。災禍」
「はい。私はこちらをお掃除させていただきます・・・」
「俺は災禍をもう一人のお姉さんのように思っていたから・・・・・・そ、それからガキの頃は母親の代わりもしてくれてただろ? だから家族だと思ってる」
(若様・・・)
丹念に舐め取った後、首を傾けて災禍は小太郎を見上げた。
その上目遣いにビクリとして小太郎は災禍に確認する。
「災禍も・・・・・・そうだよな? ふうまの主従とか関係なく、昔から今も家族・・・・・・だよな?」
口周りの精液も指ですくってジュルリと舐め啜った後、災禍はにこりと微笑んだ。
「今更ですわ。申し上げたはず・・・・・・“若様のお望みのままに”と。若様のためならこの災禍、『お姉さん』『従者』『秘書』・・・・・・『お母さん』にだって、なって差し上げます。『恋人』でも『愛人』でも『淫らな牝』でもかまいません・・・」
「さ、災禍ぁ。それなんか、違う気がするんだよなぁ」
どかりと腰を落としてあぐらをかく小太郎。
「うふふ。まあ、そう深くお考えなさらず。でも若様のそういうところを私や時子、天音もお慕いしているんですよ」
――嘘をつくなよ、災禍。
心の奥底で声が聞こえる。
それは夢の世界の、あの不敵な笑みを浮かべる小太郎の声に思えた。
――そうよ。本音は『牝』一択 でしょうに。あきれ果てるほど女の欲情の塊。
――どこどこまでも、ふうまの主を独占して、自分だけがその子を身ごもりたい。
――それがお前の本性ではなくて? ふうま災禍。
もう一人の自分の声もする。
冷酷で、情念と憤怒に燃える、左目の邪眼を燃え盛らせるもう一人の自分の声が。
(黙れ)
内なる声を打ち消して、災禍は小太郎に問う。
「では、若様。今この時、災禍には一体『何者』をご所望なのでしょうか?」
「んー・・・・・・『妻』とか?」
「!? わ、若様」
思わぬ不意を突かれ、災禍は目を白黒させる。
「いや、さっき羅列してたワードの中に無かったから言ってみたんだけどさ。別に恋人とかでもいいんだけど・・・・・・だってセックスしてるのにさすがに母親だとか言えないだろ」
「フ、フフフ。若様は歴史にお詳しいはず。血統存続のため、対魔忍の一族の近親婚は少なくないはずでは?」
「お、おれはイヤなの。おかしいだろ・・・・・・狂ってるだろそれ。ああ、でも」
「?」
「そんなこといっても結局、お姉さんだ、母親代わりだと思ってる災禍とこうやってエロい事をしてるわけで、俺もやっぱり狂ってるのか」
「少しは狂ってでもいないと――」
「え?」
「やっていられませんよ。『対魔忍』なんて」
「と、とにかく、この話はまた今度にするとして――」
「あっ」
「今度は俺が攻める番だな」
「あ、あん・・・・・・」
「人がまじめな話をしてる時にとんでもないフェラチオ攻めをしやがってからに。たっぷりとお返ししてやる・・・・・・今日明日、時子は屋敷にいないからな」
(つまり一晩中一緒にいられる・・・・・・)
そう思った瞬間、災禍の体は弛緩し、目尻がとろとろと垂れ下がっていく――。
仰向けになり、災禍は自ら両膝を開いた。すでに陰唇はぱっくりと開いていて、止めどなく淫らな汁を流して股間を濡らしていた。
「わかりやすいな災禍は。そういうところ。すっげえエロい」
「は、はい・・・存分に災禍のことを、いじめて、可愛がってくださいませ・・・・・・」
「ぁ、んん・・・・・・」
災禍は口で奉仕した何倍もの時間をかけて小太郎に秘所を舐められていた。
災禍の陰唇は愛液を滴らせ続けており、それを小太郎は舐め続けていた。
「はぁ・・・んん」
「ん・・・・・・じゃあ、入れるよ。災禍」
愛撫をしている間、何の刺激も受けていなかった小太郎の陰茎はそれでもさほど萎えておらず、それを見た災禍はこくりと頷いた。
先端があてがわれたのを感じ、災禍は唇をわななかせて口を開けた。
「あああっ」
「くう!」
同時に二人から声が漏れる。
“たっぷりとお返しをしてやる”といいながら、小太郎の抽挿は自分が予想したものとは全く違ったものだった。
どこまでも甘やかしてくるような――同時にこちらに甘えてくるような感じ。
「ああ、若様。す、素敵です。こ、こんな風にシてくるなんてっっ」
もっと深く味わうため、災禍は膝を曲げた状態で、自らほほ百八十度、股を開く。
小太郎は無言だった。歯を食いしばって快感に耐えているようで、きつく目を閉じている。
災禍の下腹は独立した生き物のように勝手にいきみ、膣肉は蠢いて小太郎のを食い締めていた。
肌と肌のぶつかり合う音、男の息づかい、女のあえぎ声が室内に響く。
「ッ! ッ! ッ!」
「んあ! ひい・・・いい、あひぃ!」
ふうま災禍はあえぎ続けていた。
「さ、災禍のオマンコ、凄すぎるんだよなぁ」
「も、申し訳ありません」
「いや・・・褒めてるんだ・・・・・・で、出る!」
膣内で小太郎は吐精した。
「あ、あああっ」
痺れるような快感。
今まで災禍が体験してきた――そして、求めていた――怒濤が押し寄せ、子宮口まで貫かんとするような、意識が寸断される激しい快楽地獄とはまるで違う。
甘痒い絶頂。新鮮な刺激。
災禍にとって初めての経験だった。
その感覚がじんわりと広がっていくにつれ、この数週間、自分の心身を囚えていた妄念が洗い流されていくのを感じるのだった。
変わりに何やら甘やかで、嬉しくもあり、胸が締めつけられるような気持ちに満たされる。
「わかさまぁ!」
「うお!?」
災禍は小太郎をひしと抱きしめ、頬をすり寄せる。
「今宵ぃ、さ、さいかはこのまま、若様のお情けに・・・もっと、もっと甘えてもいいですか?」
舌っ足らずになった口調で耳元で囁かれ、小太郎が否とこたえられるはずもない。
「お、おう? でもこの体勢、今度は災禍が動いてくれるのか?」
「はいっ」
言うが早いが、腰をまわして膣を締め上げながら尻を振る。
「くっ!! 災禍!」
「すごひぃ! 立派です!わかさまぁ! さっきよりもおく! おくにきてるぅ!」
こうして――。
二人は夜更けまで、正常位と対面座位でセックスをしながら、お互いを与え合うことを続けた――。
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―――
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そう。
若様が私のような女に母性を、家族であることを、お求めなら。
私はそれにお応えしましょう。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
1章終わり、といったところです。
また何かエピソードを思いついたら更新する予定です。
あと番外編を一編上げるのは確定しています。
(こっちは雰囲気が全然違います)