ふうま災禍さん!? 邪眼の使い方間違ってますよそれ! 作:ごきまる
(※エロ無しです)
お久しぶりです。
対魔忍もしもシリーズ4
対魔忍ふうま一族当主であるふうま小太郎は深刻な危機を感じていた。
近年、精神干渉系の異能や魔術を無効化する技術が急速に広がり始めていたのである。
それは相手の精神に干渉する邪眼使いにとっては深刻な問題だった。
特に、ふうま災禍のような、対象の意識を乗っ取る邪眼の使い手にとって致命的な脅威だ。
災禍の主君であり、恋人でもある小太郎は、彼女の能力が通用しなくり、敵に不覚を取る日が来ることを危惧し、対抗策を模索した。
そこで彼が招聘したのは、以前から親交のあったパワーレディ。
彼女は対魔忍とは近年同盟関係にある人魔結託の組織ノマドの魔界格闘士だった。
彼女は巷で流行し始めた対精神干渉テクニックの第一人者であった。
元々その名に冠するとおりパワー一辺倒の魔族だったのだが、今では良き師を得て肉体の自由を奪われても、体外に発した闘気を意識の一部で操り、身体操作を可能にする境地に達していたのである。
小太郎はパワーレディと災禍の模擬戦闘をセッティングした。
模擬戦闘の場は、対魔忍の本拠地であり養成施設でもある五車学園地下の訓練場。
のっぺりとしたドームの中は、外部に影響を与えないよう特殊バリアで囲まれ、特殊VRシステムでいかなる環境をも演出することができるように設計されている。
小太郎が見守る中、ふうま災禍と、パワーレディはすでに訓練場内で対峙していた。
災禍は黒白の対魔忍スーツ姿で、すでに赤く輝く邪眼を露わにし、真剣な表情を浮かべている。
一方、パワーレディはタイトなボディスーツに身を包み、血煙のような闘気が全身から溢れ出ていた。
以前は膂力強化の魔法の刺青・魔繍を発動させないと可視化されなかった闘気が通常状態でも見えるようになっているのだ。
パワーレディの目は鋭く、闘志に満ちている。
「ふうま災禍。あんたの邪眼の力が、もし無効化されたらどうなる? それがこの訓練の目的だ。遠慮なく来きな」
「――はじめ!」
小太郎の声が響く。
災禍は無言で頷き、邪眼を活性化させた。赤い光が閃き、パワーレディを視界に捉える。
瞬間、パワーレディの意識に災禍の意識が忍び寄る。邪眼による精神支配だ。
意識を、思考を災禍に奪取され、パワーレディの四肢が硬直する。
普通の相手なら、ここで終わりだ。
邪眼発動中はまったく身動きできなかった災禍だが、今は違う。
災禍はゆっくりと近づき、彼女の首筋に手を伸ばす。
この模擬戦の勝利条件は相手の動きを完全に封じた方の勝利――と、取り決められている。
パワーレディの唇に、かすかな笑みが浮かぶ。
「まさかっ――」と、災禍が声を漏らした。
パワーレディは試合開始と同時に、自らの意識をすでに一部を体外に離脱させていた。
飽くなきと肉体鍛錬と精神修行の賜物……自己意識と闘気操作の極致。
パワーレディの闘気がギュッと凝縮し肉体に絡みついた、肉体の、脳から独立した「影の意志」として機能する。
邪眼の支配が及ぶのは肉体に宿る精神と脳神経系だけだ。
離脱したパワーレディの意識は、闘気を操り糸のように手繰り、硬直した身体を外側から動かす。
(いくよ!」)
「!?」
災禍には、そんなパワーレディの気合いの声が聞こえた気がした。
「チッ!」
災禍の邪眼がパワーレディの意識をさらに蝕もうとする中、彼女の右腕が突然動き、闘気で強化された拳を災禍の腹部に叩き込む。
ドン!
衝撃波が訓練場を震わせ、災禍は数メートル後退する。
災禍は衝撃をかろうじて受け流していた。だが……。
(邪眼の支配下で、こうも動けるものかッ)
災禍の眉がわずかに動く。
「邪眼の力は強力だ。だが、遙か格上の相手には通用しないらしいね。あたしとあんたの間にそこまでの力の差は無いが、私の闘気は肉体を超える。意識の一部を外に逃がせば、身体は操り人形のように動かせるんだ」
説明しながら、パワーレディの身体はまるで幽霊のように滑らかに動く。
闘気が彼女の四肢を「持ち上げ」、高速で災禍に迫る。
災禍は肉弾戦に備え、邪眼の力で、彼女の動きを阻害しながら動きを見切ろうとするが、闘気の渦が邪眼の影響を散らし、さらに支配力を乱す。
彼女のキックが災禍を掠め、四枚羽のスカートが裂ける。
災禍は邪眼の幻惑を加え、パワーレディの視界に自分の幻影を生む。
パワーレディの視界が歪み、肉体の感覚がさらに麻痺する。
だが、離脱した意識は闘気を通じて自分の姿や周囲を俯瞰して視ているような「外部視点」を得ており、幻影を見破る。
朱い闘気が爆発し、幻影を吹き飛ばす。パワーレディは身動きせずに、闘気の波で災禍に浴びせた。
「これが、今の世に浸透しつつある精神支配無効化の技術っ!」
災禍がつぶやく。
小太郎の危惧通り、こんな技術が横行すれば、災禍のような邪眼の使い手は不利になる。
災禍の邪眼の瞳孔が大きく開いた。すると、彼女の額に、眼を模した文様が浮かび上がった。
それは千里眼の対魔忍……ふうま時子が眼を閉じて発動する第三の瞳に酷似していた。
彼女はパワーレディ本体だけではなく、周辺の空間全体を額の邪眼で
見えない手で脳髄に直接まさぐられる感覚にパワーレディの意識はたじろいだ。
パワーレディの離脱意識にすら災禍の邪眼の力が及んだのだ。
闘気の制御が一瞬乱れる。
その隙を突き、災禍の前蹴りが彼女の腹筋にヒットした。
パワーレディの身体が震える。だが——彼女の闘気が再び膨張。災禍の蹴足をいなし、その懐に飛び込んだ。
カウンターの手刀を放つ。災禍の頰に赤い線が走る。
模擬戦は激化。
災禍の邪眼が全開になり、それに対抗してパワーレディは魔繍を発動した。
赤紫色に光る呪術の文様が彼女の小麦色の肌に表れる。
膂力だけでない、反射神経や皮膚の防御力などすべてが強化される。
肉体の支配を巡る攻防は、互いの限界を試すものとなる。
模擬戦は最終的に、小太郎の介入で終了した。
「うっ……はぁ、はぁ……」
災禍は片膝をついて息を荒げ、パワーレディは肩で息をしながら立ち尽くしていた。
互いに無言で敬意の視線を交わす。
「これで、対策のヒントは得られたな。災禍は邪眼を発動しながらの身体操作術をもっと磨く必要がある」
小太郎がそう言うと、パワーレディは頷いた。
「こっちもいい鍛錬になったよ。また手合わせ願いたいね」
「ハァッ、ハァッ……ッ」
パワーレディの言葉に返事しようとして、災禍はその場で倒れ込む。
「災禍ッ」
この戦いは、ふうま災禍の弱点を露呈しつつ、精神支配に対する有効な対抗策が世に出回り始めていることを示した。
もし本気の闘いなら、互いに一歩も引かず、長期戦になっただろう。
災禍の邪眼が優位を取るか、パワーレディの闘気が突破するかは、状況次第――だが、この模擬戦では、パワーレディの適応力と耐久力が一枚も二枚も上手だった。
別個に対魔忍R18小説の短編集書いてます。
そっちのほうでパワーレディのエロありトレーニングありストーリーを書いてますので興味がある方は読んでみてね。
(若い災禍さんが稲毛夏に色々されちゃう話から始まってるから、そこは注意)
https://syosetu.org/novel/400612/