※この作品はR-18です。

転生賢者は「加護なし」ですが、最強でした   作:nerd

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同室者

 エドウィンに連れられヴィクターは210号室に移動する。エドウィンがドアをノックする。

「エドウィン・パーシヴァルだ。新規同室者を連れてきた」

「はーい」

 女性の声の返答にヴィクターはエドウィンを見上げる。エドウィンはヴィクターを見て、ため息。

「ちょっとまってください! イェリーナさんちゃんと服着て!」

 別の女性の声がする。

「えーいいよ面倒くさい。減るもんじゃなし」

「羞恥心が減ります!」

「んなもんもともとないから気にするなって。エドウィンなら紳士だから大丈夫だし」

 ドアが開く。緩いシャツと下着姿の長身、金髪のロングウェイビーヘア、碧眼女性が立っている。

 エドウィンは視線を外し、ヴィクターを指差す。

「イェリーナ・フェデリシア・クァローリン、ヴィクター・ヴァレンだ。最年少の楯。あまりいじめるなよ」

 エドウィンはヴィクターを見ながら言う。

「ヴィクター、彼女はイェリーナ・フェデリシア・クァローリン。9年生。アルデカーンの男爵家の三女だから失礼のないようにな」

 イェリーナはしゃがみこんでヴィクターと視線の高さを合わせる。

「あら、美少年ね。イェリーナよ。イェルって呼んでね」

「ヴィクター・ヴァレンです……」

 ここでヴィクターは視線をそらす。

「挨拶の途中で視線をそらすなんて失礼よ?」

 イェリーナはヴィクターの顔を両手で挟んで向きを直す。ヴィクターは目を閉じている。

「あの、イェリーナ・フェデリシア・クァローリンさん」

「イェル」

「……イェルさん」

 しばらくイェリーナは考え込んでから返事する。

「そうねー、イェル姉さんのほうがいいかしら」

「いやその……イェルさん」

「んもう、しかたないなあ。なあに、ヴィクター?」

「胸、見えてます……」

 ヴィクターが小さく指摘するとイェリーナはケラケラと笑う。

「いいもの見えた? なんなら吸う?」

 ヴィクターはイェリーナの手を振りほどき、エドウィンの後ろに隠れる。エドウィンは盛大なため息。

「イェリーナ・フェデリシア・クァローリン、下がってくれ。ヴィクターが怯えている」

「かわいいなー」

 イェリーナが引っ込むとエドウィンはヴィクターを部屋に押し込む。

「ま、頑張ってくれ。この部屋にはあと二人、アイノ・ヴェステルとマリー・クラレンスという女性がいる」

 すがるような瞳でヴィクターはエドウィンを見上げるが、彼は首を振ってため息をついてからドアを閉じる。

「骨は拾ってやる」

 

 部屋にはベッドが4つ。ベッドに下に引き出しが設えてある。あとはライティングデスクが一つ。

「ヴィクターくん、正装だねえ」

 イェリーナがヴィクターの服装を見て言う。

「え、ええ。半成人式からそのまま来ましたから」

「んじゃ、紹介しましょうかね。あたしが仕切っていい?」

 イェリーナが同室の二人に聞くと、ふたりとも頷く。

「あっちの黒髪ぱっつんの平らな子がアイノ・ヴェステル」

 背中を丸めたボディのメリハリの薄い女の子がヴィクターに会釈する。

「そっちのブラウンのポニーテイルのロリ巨乳がマリー・クラレンス」

「誰がロリですか! 背低いの気にしているのに!」

 そこでイェリーナはふっと目を伏せる。

「なんであたしたちここにいるんだろうね。種族神下級の加護しかないのに」

 怒っていたマリーもそれを聞いて俯く。

「僕なんか加護なしですよ」

 ヴィクターはニッと笑いながらイェリーナに右手を差し出す。

「え……?」

「加護なしです。でもここにいます。ここに来れたってことは、きっと、ちゃんと理由があります。大丈夫」

 イェリーナはヴィクターの手を取るとそのまま引っ張り、抱きしめる。

「なんだろ、なんかすごく安心できた。ありがとう、ヴィクター」

「もごむごふご!」

 ヴィクターは豊かなバストに包まれてくぐもった声で抗議する。やっとのことで抜け出す。

「イェルさん、一応僕男なんです。もう少し気を使っていただけるとありがたいのですが」

「えー……だって可愛いんだもん。抱きしめたくなっちゃう」

 

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