※この作品はR-18です。

転生賢者は「加護なし」ですが、最強でした   作:nerd

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踏破開始

 箱に棒が複数突っ込まれている。順にリーダーが引いて、マーシャに渡す。

 ヴィクターも同じように引き、マーシャに渡す。

「6番入り口、16番目エントリー」

 受付から洞窟に至るまでの地図を渡され、整理券が渡される。ヴィクターは3人のところに戻る。

「6番入り口だそうです。ここからだと少し歩きますね。行きましょう」

 ヴィクターは地図を見ながら歩き、考え込んでいる。

「おそらく僕たちは終わりの方のエントリーです。露払いが終わっているので最初は楽……ただし、初戦はかなりキツ目の相手に当たる、と」

「なんで?」

 イェリーナが不思議そうにヴィクターに聞く。

「人間の寮が5棟、他にエルフ、ドワーフ、リザードマン、ライカンスロープたちの寮が合計7棟、人間側は割と埋まっている印象がありますが、妖精族などはさほど埋まっているとは思えないので平均75%で見積もっています。そうするとざっくり計算して160チームくらい。そして地図には入り口が8番まである」

 アイノとマリーはお互いの顔を見て、首を振る。

「さて、大雑把にでも作戦を考えましょう。僕が前衛をやります。突っ込んだらマリーさん、支援を。イェルさんは適当に魔術ぶっ放してください。僕が合わせます。アイノさんは全体を見てできれば指示出し、難しかったら治療に専念してください。大丈夫。僕たちは強い」

「ヴィクターくんは戦闘訓練してるの?」

 マリーが問いかけるとヴィクターは頷く。

「ええ、少なくとも風邪っ引きアダム卿とやって勝てるくらいは」

「……アダム卿、健康マニア。病気なんてしない」

 アイノがぽつりとつぶやく。

「でさー、あたし適当に魔術ぶっ放せって言うけど、そんなにできないよ?」

「そうですかね……? 中級はいけるでしょ?」

「やれないことはないけど、それ撃ったら倒れるよ?」

 ヴィクターは足を止め、イェリーナの左手を取り、手の甲に人差し指で何かを書く。

「リン・アヴァ・デウィルの紋章です。今日一日は持つはず」

 続いてヴィクターはアイノの左手の甲に何かを書く。

「サフィーヌ・キファ・オリ・エンディ。紋章の力は一時的ですが、でもあなたのポテンシャルを開くはずです」

 マリーの手の甲にも何かを書く。

「アーグ・ヴァンデル。それぞれ今は閉じられている本来の力を一時的に開く紋章です」

「リン・アヴァ・デウィル?」

 イェリーナが不思議そうに繰り返す。

「気にしないでください。ただ、その紋章は本物ですよ。直(・)接(・)教えてもらったものですから」

 

「6番入り口からエントリーするパーティ! ブリーフィングするぞ!」

 入り口に立つ教官が大声を張り上げる。

「まず、パーティのエントリーは2分間隔で行う。

 終了は3日後。期間が過ぎたら強制排出される。

 ダンジョン内にはセーフティエリアがあるからどうにもならない場合はそこへ逃げ込め。

 セーフティエリアは見りゃわかる。光る水晶が真ん中に置かれている。

 あるいはこのあと渡す救助ホイッスルを吹け。強制排出される。

 入り口は同じだがパーティごとに洞窟は異なる。よかったな! 小賢者に感謝と怨嗟を! 以上だ」

 3人は顔を見合わせて、その後ヴィクターを見る。

「ちょっと計算外だけど……ま、なんとかなるでしょ」

「なるの? ヴィクターくんのご飯とか水とかどうするの?」

 マリーの言葉に曖昧な微笑を返すヴィクター。

「マリーさんはバックパックにご飯と水、持ってますか?」

「一応3日分くらいは……」

「イェルさんもアイノさんも同様ですか?」

 二人は頷く。

「なら大丈夫です」

 

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