矢を
弓を扱っていた頃、私は後衛を務めることが殆どだった。
擬装した私の力が剣だったのは、きっとラグナロクの影響なのだと思う。
誰よりも仲間の背を見てきた私には、前線で軍旗を掲げ続ける彼女の姿は余りにも眩しかった。
エンシェントキラーズとして私が担う徳は「勇気」。
時折考えてしまう。
「勇気」の徳を担うのに私よりよっぽど相応しい人物は幾らでもいるのではないか、と。
……私は皆に勇気を示せているのだろうか、と。
(……いけない。集中しないと)
心を揺らせば狙いが逸れる。
迷いは剣筋を鈍らせる。
私は矢だ。
仲間達を弓と見立てて、私という矢を射る。
代えの効かない弓とは異なり矢は幾らでも使い捨てられると考えると、恐怖が幾分か薄れていくのを感じた。
誰よりも前に立ち、仲間を奮い立たせることこそが己が勇気だと言い聞かせて。
だから。だから。
「スイハ、無謀と勇気は違うよ」
マスターから掛けられた言葉に、矢尻で胸を抉られた様な痛みを感じた。
「恐怖を踏み越えなければ、その先の勇気を成し得ることはできません。ですから、」
「違う。退くことだって立派な勇気だよ」
マスターの言っている事が分からない。
分かりたいとも思えなかった。
「……申し訳ありませんが、今はその様な戯言を聞く気分ではありませんので」
歩き去ろうと背を向けて、密かに握り拳を震わせる。
私が見せたいのはラグナロクの様な頼もしい背中だ。
決してこんな情けないものでは無い。
己の無力が酷く恨めしかった。
「先に戻ります。失礼し…」
「スイハ」
続く言葉を紡ぐ事は出来なかった。
後ろからマスターに強く抱き寄せられてしまったから。
「…………何のつもりですか?」
(え…?えぇええええええええ!!?)
内心では叫び声を上げているが、長年の鉄面皮で表に出すのを堪える。
どうしていいか分からずにジッとしていると、マスターがゆっくりと語り始めた。
「……僕は、後ろから皆を眺めているだけで何も出来ない。だからスイハの事が羨ましかったんだ」
「……」
マスターの声には、私と同じく己の無力への悔やみが滲んでいた。
その告白に、浮ついた気持ちは一瞬で消え去る。
「皆、スイハが後ろから援護をしてくれるから安心して背中を預けれた。スイハじゃないと、安心出来なかった」
「それは…」
「だからスイハも皆を頼って欲しい。僕なんかが後ろで控えていても、頼りないだけかもしれないけど…」
「そんなことは、ありません…」
(私達が全力を尽くせるのは、あなたが私達を
声を大にして伝えたかったが、肝心な時に唇が動いてくれない。
向き合うことに逃げてばかりの自分に嫌気が差す。
「……今の私には
「うん」
どう在りたいのか。
どう在ればいいのか。
不確かに揺れ動く自己の居所が分からない。
「勇気とは何なのか、いつも考えてしまいます。マスターは分かりますか?」
「……ううん。スイハが納得できる様な確かな答えを、僕は多分持ち合わせていない」
「……そうですか」
他人に答えを求める者が、何かを示せる筈もなく。
やはり私は勇気を担うに相応しい器では無かったのかもしれないと考えかけて…。
「だから一緒に探そう。スイハ、僕と付き合って欲しい」
「ーーー」
ーーー僕と付き合って欲しい。
その言葉が、男女の交際を求めてのモノではないことは分かっている。
分かってはいるけれどーーー。
「……はい」
気が付けば小さく頷いていた。
私を抱き締める彼の腕にソッと手を添える。
私を案じてくれるマスターの優しさが心に暖かく染み渡っていった。
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
僕の心がスイハに惹かれていくのに、時間はそう掛からなかった。
凛とした佇まい。
静謐な眼差し。
その少女が弓を絞る所作は美しく、目を奪われている自分が居た。
ーーー私が皆を援護します。マスターは戦況に応じて指示を。
彼女の放つ矢は的確に敵を射抜き、仲間の窮地を淡々と救っていく。
ラグナロクが前線で皆を鼓舞し、スイハが後ろから皆を守る。
スイハの様に皆を支えられる存在になりたいと憧れさえもした。
彼女は寡黙で多くを語らない。
故に、人から理解され辛い所がある。
気付けたのは、スイハをずっと目で追っていたからなのだろう。
彼女は平然とした表情をしていたが、弓を
(……スイハは皆を支えてくれている。だったら、誰がスイハを支えてあげれているんだ…?)
スイハは自分を
自己を擦り減らして仲間の為に尽くしていく。
戦闘においてスイハは孤独だ。
馴れない前線にも関わらず、スイハは誰よりも前に突き進んだ。
どれほど困難でも、どれだけ傷つこうとも。
日に日に傷付く姿を見てられなかった僕は、気が付けばスイハを抱き締めていた。
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
マスターと共に「勇気」とは何かを探し始めて半月が経った。
マスターに抱き締められてからというものの、主人としてではなく男性として意識してしまっている。
マスターの優しさに触れ、暖かさを知って、どうしようもなく好きになってしまっている自分がいた。
(うぅ…、マトモに顔が見られない…)
そんな私の心境を他所に、その日も戦闘が終わってからマスターの部屋で反省会が開かれた。
「敵陣に突貫するんじゃなくて、仲間の援護や助けを期待して前線を維持するのはどうだろう?」
「…………」
(夜にマスターと部屋に二人きり…。嬉しいけどドキドキする…)
「スイハ…?」
「……続けてください」
「あ、いや……、僕の意見はその…、どうかな?」
「……そう、ですね」
(ど、どうしよう…!緊張して聞いてなかったなんて言ったら、きっと失望される!そ、それとなく……、もう一度聞いてみようかな…?)
思考が纏まらない。
顔が熱い。
嘗てない程にテンパっていた。
「考えを纏めさせてください」
「うん」
「…………」
「…………」
長く痛々しい沈黙に堪えられず、お茶をズズッと啜った。
「…………ふぅ」
思えばこの半月、マスターには世話になってばかりだ。
奏官としての責務もあるのに、私の反省会に毎晩時間を割いてくれている。
(どうしてマスターは私なんかに良くしてくれるんだろう…?)
隊員の一人に過ぎない私の面倒を見る理由。
私が他の皆よりも心配されているからか。
それとも。
(私のことを好きだから、だったら嬉しいな…。まぁ、そんな訳…)
「ごめん、スイハ。全部聞こえてる……」
「…………」
照れ臭そうに視線を逸らすマスターの顔は少し赤くなっていた。
一瞬で思考がフリーズした。
「……何のことでしょうか?」
「その、僕がスイハをーーー」
「何のことでしょうか?」
「あぁー、えっと…、僕の勘違いみたいだ」
「……明日も朝が早いので、この辺りで失礼します。おやすみなさい、マスター」
「う、うん。おやすみ」
心を無にして自室に戻った。
ドアを閉めて鍵を掛ける。
ボフっとベッドに身を預けて、枕に顔をうずめた。
ーーー(マスターが)私のことを好きだから、だったら嬉しいな…。
人目がなくなり、先程の失態による羞恥心が時間差でぶり返してくる。
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
(あぁああああああ!!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいいいい!!!)
枕に顔を押し付けながらベッドの上でジタバタと悶える。
半刻程して漸く落ち着きを取り戻すと、今度は気落ちしてきた。
(マスターが好きって、知られちゃった…。うぅ…、次からどんな顔をして会えば……)
どの様な態度を取るべきか暫く考えたが思い付く筈もなく、夜も遅いので湯船に浸かりながら一人反省会を開いた。
(そういえば、反省会は久しぶりな気がする……)
ここ半月はマスターと毎晩反省会を開いていたのでご無沙汰だった。
彼と一緒に居るのが当たり前の毎日は居心地が良くて…、同時に居場所が失われたことに酷く落胆する。
(もう、あの時みたいに、抱き締めて貰えないのかな…。マスターにだったら、私は……。…………。)
色んなことを考えている内に
のぼせた身体を冷やすべく、夜風に当たりに外に出た。
涼やかな風が身体の熱を奪っていくのを感じながら、近くのベンチに腰を降ろす。
ーーー無謀と勇気は違うよ
無謀と勇気。
それらが紙一重であることは理解している。
ただ、それらが明確に区分けられる境界を私は知らない。
ーーースイハ、僕と付き合って欲しい
彼が私を案じているのは、あくまで隊員として。
異性として気に掛けられてる訳では断じて無い。
「ふう……」
目を閉じ、深呼吸をして心を落ち着ける。
悩みが尽きない。
それどころか課題は日毎に増していく。
いずれ頭がパンクしてしまうのではないかとさえ思う。
「あれ?スイハ…?」
「鍛錬不足かな…。こんな時でもマスターの声が聞こえる…」
「こんな夜にどうしたの?珍しいね」
「…………」
恐る恐る目を開けると、そこにはマスターの姿があった。
「…………こんばんは、マスター」
「あ、うん…。こんばんは」
(あぁああああ!な、何でマスターがこんな場所に!?こんな時間に…!?)
マスターに「隣、いいかな」と訊ねられ、内心でテンパっている私は条件反射で「どうぞ」と答えていた。
マスターが私の隣に腰を降ろす。
そこで始めて彼が汗を掻いていることに気がついた。
「……運動をされていたのですか?」
「うん。その辺りを走ってたんだ。僕も何かの役に立てる時が来るかもしれないから、一応ね」
奏官はキル姫を指揮する事が職務だ。
力仕事等をする必要は全く無いのに、マスターは努力を惜しまない。
(凄いなあ…。私も見習わないと)
「……コレを始めたのは、夜更けにスイハが鍛錬しているのを見かけてからだけどね。スイハの頑張りを見たから僕も頑張りたいと思えたんだ」
「え?」
マスターが優しく微笑み、心臓がドキリと跳ねた。
人目につかない様に修行していた筈なのに、
今ではマスターが見てくれて嬉しいと感じている。
「少し、付き合って頂いてもいいですか?」
「うん。構わないよ」
誰よりも私を見てくれるこの人に打ち明けよう。
この人になら本当の自分を曝け出せると、知って欲しいと思えるから。
「皆の前では取り繕っていますが、本当の私は……、臆病な人間です」
「……スイハが臆病?」
「ええ。戦うことが怖い。向き合うことが怖い。……本心を伝えることが怖い」
勇気を皆に示さなければならないのに怯えてばかりいる。
それで「勇気の徳」を担っているなど、とんだお笑い草だ。
「
「弱さ、か…」
胸の内に溜まっていたものを吐き出し、少しだけ楽になる。
自身の弱さを晒せたのはきっと、そんな惨めな私でもマスターは受け止めてくれると信じていたから。
だから、
「僕はやっぱり、勇気の徳を担うのはスイハ以外には考えられないかな」
(え…?)
「勇気は、恐怖に立ち向かえる人の為にある言葉だと思うんだ」
マスターの言葉に心を揺さぶられた。
「君は戦うことを恐れながら、それでも仲間の為に前に進んでる。勿論、行き過ぎれば無謀になり得るかもしれないけれど、スイハには皆がついてる。今までスイハが皆を後ろから支えてくれてたからこそ、皆もスイハを支えてくれる」
嬉しさで溢れそうになる涙を堪らえ、肩を震わせる。
他の人に同じ言葉を掛けられたとしても、こうは響かないだろう。
他の誰でもなく、
「スイハ以上の適任なんて、きっといないよ」
マスターは私の目を見て、そう言い切った。
優しい表情だった。
彼の真っ直ぐな眼差しは、私が勇気に相応しいと……、本当にそう信じて疑ってないと伝わってくるから。
胸の内で彼への想いが張り裂けそうな程に膨れ上がっていた。
「……ありがとうございます。ですが、私は未熟です。私を信じてくれるあなたに応えるべく、もう少しだけ勇気を示そうと思います」
「うん」
先程の反省会でバレてしまったマスターへの想い。
伝えれば今までの関係を失ってしまうのではないかと今までずっと怯えていた。
そんな私の背中を押すように、マスターがソッと私の手を取ってくれた。
「私は、話すことが苦手です。ですが、マスター。あなたにだけは…、少しずつですが、打ち明けていきたいと思っています」
無かったことにするのではなく、今度こそキチンと向き合う為に。
勇気をもって踏み出した。
「……あなたをお慕いしています」
マスターと向き合い、顎を少しだけ上げて目を閉じた。
少しして、唇に柔らかな感触が伝わってくる。
月明かりに照らされながら交わした口付けは優しく、けれど身体と心を熱くさせていった。
マスターの恋人になって一年が経ち、世界は緩やかに平穏を取り戻しつつあった。
それに伴いマスターと二人きりで過ごす時間もより多くなったが、仲間達と過ごす時間を蔑ろにしている訳では決してない。
今はエルキュールを誘ってショッピングに興じているところだった。
「それにしても…、マスターと付き合って一年のお祝いをしたいなんて、とっても素敵ですね!」
「エルキュール。あまり、からかわないでください」
(は、恥ずかしい…)
「からかってなんていませんよ。私もお二人の記念を陰ながら祝ってますから!」
「ありがとうございます」
笑顔を浮かべたエルキュールに釣られて、頬が少し緩む。
私の部屋でマスターと二人きりでお祝いをする為の準備にエルキュールは付き合ってくれている。
日が傾く頃まで、買い出しは続いた。
「これでケーキはオーケーですね!えっと…、ケーキと、服と…、後は何が要るんでしたっけ?」
「あまり大仰なお祝いにする訳ではないので、それだけで充分です。エルキュール、ありがとうございました」
「ふふっ、また呼んでくださいね。約束ですよ?」
「ええ」
本当に少しずつだけど、仲間に対しても自分の思いを打ち明けられる様になってきた。
それも全てマスターのお陰なのだろう。
(お祝い、喜んでくれるかな?)
期待を胸に、エルキュールと他愛もない話をしながら帰路についた。
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ーーー今晩、私の部屋に来て頂けませんか?
昨日、いつもの反省会の後にスイハからお誘いを受けた。
夜に女の子の部屋で二人きり。
遂にその時が訪れたが、僕はスイハの部屋の前で立ち尽くしていた。
健全な男としてドギマギするのは仕方ないことだろう。
「すう……、はぁぁ……。よしっ」
深呼吸の後、意を決してドアをノックする。
「どうぞ」という声を聞いてから、僕は恋人の部屋へと立ち入った。
「お邪魔します」
「お待ちしてました。どうぞ掛けてください」
「うん。…………ぁ」
ソファに座っていたスイハの格好に目を奪われる。
エンシェントキラーズとしての装いではなく、
白を基調にした普段とは異なる洋服姿に、胸がドキリと跳ねた。
「この服はエルキュールが勧めてくれたんです。この様な装いは初めてで、あの、……どうでしょうか?」
「あ、いや…。…………すごく良いと思う」
「そ、そうですか…」
月並みなことしか言えない僕だったが、スイハは嬉しそうに微笑んでくれた。
そして僕に見つめられていることに気付いて少し気まずそうに顔を逸らし、頬を紅くしてクッションを抱いた。
スイハの照れてる仕草が可愛くて抱き締めたくなるが、どうにか堪える。
ソファの前に置かれたテーブルの方に視線を移すと、二人分のケーキが用意されていた。
「ケーキ…?」
「き、今日は…、マスターとお付き合いした記念日ですから……。一緒に食べませんか?」
「う、うん」
ぎこちないやり取りを交わしつつ、ソファに座る彼女の隣に腰を降ろす。
「「…………」」
(どうしようどうしようどうしよう何て話を切り出せばいいかなでももしマスターに嫌な思いをさせたらだけど、ど、どうしよう)
小声で漏れ出ている内心を聞くに、僕よりもスイハの方が遥かに緊張している様だ。
「……ケーキ、頂いてもいい?」
「……どうぞ」
スイハがクッションを他所へ置き、ケーキをスプーンで掬って僕の前に差し出す。
「あーん」をされると思っていなかったので固まってしまった僕を見て、スイハは「しまった」とでも言いたげな表情を浮かべた。
「これはその、今日はお祝いなので、ぁの…」
「こ、恋人同士なら当たり前だよね。頂けきます!」
スプーンを咥えてケーキを食べると、甘い味が口の中を満たしていった。
「どうでしょうか?」
「美味しいよ」
「マスター……」
スイハが僕にゆっくりと顔を寄せてくる。
「れろ…♡」
彼女の舌が僕の唇の端を撫でた。
「す、スイハ…?」
「……ケーキが付いていたので」
(す、少し大胆だったかな…?こ、恋人同士だし、これぐらいいいよね…?)
心の声が小声で漏れているのが可愛いらしくて、意地悪をしたくなる。
今度は僕がスプーンでケーキを掬って、スイハの前に差し出した。
「……スイハ、あーん」
「頂きます。……ぁむ」
スイハがケーキを口に含めるのを見届け、スプーンをテーブルの上へ置く。
「んむっ♡ちゅ…♡ちぅ…♡」
そして、スイハを抱き寄せて唇を奪った。
「ん♡ちゅ…♡ま、マスター…♡」
「スイハ、舌を出して」
「は、はい…♡れぇ…♡んむっ♡ちゅ♡ん♡ちゅううう…♡」
口の中から小さく覗いた可愛らしい舌をケーキごと吸い上げる。
互いの舌を擦り合わせながら味わうケーキの甘さは格別だった。
「ちゅ♡ちゅぷ…♡……ケーキ、まだ召し上がりますよね?」
「うん。食べさせて欲しいな」
「分かりました」
(食べさせて欲しいって、こういうことだよね…?)
スイハがスプーンで掬ったケーキを舌に乗せて、僕に差し出した。
「れぇ…♡どうぞ…♡ん♡ちゅ♡ぢゅる♡ぢううう…♡」
舌を絡ませながらお互いの口の中でケーキを突き合う。
そしてスイハが僕の胸に手を添えて身を寄せてきた。
「ぢゅっ♡ぢゅる♡んくっ♡ぢゅっ♡ちゅぷ…♡」
スポンジを舌でほぐし、クリームを舐め、互いの唾液が入り混じったモノを喉を鳴らして飲み下しあう。
ケーキとスイハの甘さに脳が段々と蕩けていく。
唇を離すとスイハの口から僕の口へと唾液の糸が伝い、ゆっくりと時間を掛けて垂れていった。
スイハの瞳は心なしか蕩けている様に見受けられた。
「もう一口…。ぁむ♡れえ…♡ンっ♡ぢゅる♡ぢゅっ♡ぢゅうう…♡」
始めはぎこちなかった舌の動きも、回数を重ねるごとに積極的になっていく。
「ぢゅっ♡ぢう♡ぢううう…♡ンっ♡はぁ…♡ケーキ、一つなくなりましたね…♡」
「もう一つもスイハと一緒に食べたいな」
「はい♡私の舌も、一緒に召し上がってください…♡」
「スイハと一緒に」というのは、そういう意味では無かったが特に訂正はしなかった。
スイハが目を閉じ、小さく開けた口から舌を伸ばして続きをねだった。
クリームのせいで白み、唾液に濡れた舌が興奮を掻き立てる。
「ん♡ちゅ♡ぢゅく♡ん♡んうっ♡」
そうしてまたケーキとスイハを同時に味わった。
スイハを抱き締めて、身体を擦付け合いながらキスをする。
「んうっ♡ぢゅっ♡ぢゅく♡ぢううう♡ぢゅる♡んうううっ♡」
最後の一口を食べ終える頃には、とっくに止まれなくなっていた。
「ぢゅる♡ちゅ♡ちゅぷ…♡はぁ…♡マスター…♡次は、私を召し上がって頂けませんか…♡」
長い夜が始まった。
「っ♡ぁ♡ぁ♡ますた♡っうう♡♡」
ソファにもたれかけた状態でスイハに股を開かせ、彼女のナカに肉棒を突き入れて早数時間。
汗まみれになりながら、お互いの気持ち良さに浸り合う。
ソファの軋む音と蜜壺で掻き立てられる水音、そして彼女の甘い声が部屋を満たしていく。
「スイハ…!」
「はぁ♡ぁ♡っ♡っ♡もっと♡もっと私で気持ち良くなってください♡ぁ♡っ♡」
僕のモノにねっとりと絡み付く膣ヒダ。
絶えず溢れて卑猥な水音を立てる愛液。
精液を絞ろうと締付けてくる膣肉。
彼女のナカは何もかもが気持ち良かったけれど、頬を紅潮させて声を我慢しようとする姿が一番唆った。
「ねぇ、スイハ。ちゃんと声を聞かせて」
「ぁ♡っ♡そ、それは…♡」
(エッチな声を聞かれるの、恥ずかしい…♡)
心の声が小さく漏れているので、恥ずかしがっているのが筒抜けだ。
スイハは恥ずかしげに身を捩らせ、ナカを更にうねらせた。
「乗り気じゃないみたいだから、エッチな声が我慢出来なくなるまで気持ち良くしてあげるよ」
「ふえ?んううっ♡〜〜〜〜〜〜っ♡♡」
腰を掴んで逃げられない様にしてから亀頭で膣奥をゴリゴリとイジると、スイハは身体を震わせた。
「ンっ♡んうううっ♡んうううううううっ♡♡」
喘ぎ声を聞かれるのが恥ずかしいのか、スイハは口元を手で抑えて悶ていた。
そのせいで僕がスイハを無理矢理犯しているみたいで、却って興奮は増していく。
「ンっ♡んうううっ♡ふっ♡ふうううう♡♡」
ピストンを速くすると、手で抑えていても大きな喘ぎ声が漏れていった。
恥ずかしがり屋で内気なスイハが気持ち良さを我慢する姿も良いが、今はそれよりも乱れる様を見たかった。
だから僕は、
「っ♡♡あああああぁああああ♡♡♡」
腟内を肉棒で掻き回しながら、クリトリスに甘く爪を立てる。
直後、スイハは抑えきれなかった甘い嬌声を部屋一杯に響かせて絶頂した。
「やっと聞かせてくれたね」
「ああ……♡はぁ…♡ま、ますた…♡気持ち良かった、です…♡」
膣肉が痙攣しながら僕のモノを締め付ける。
スイハは瞳を涙で潤ませ、身体をビクッと断続的に跳ねさせていた。
「スイハ、君のナカに出してもいい?」
「はぁ…♡……っ♡」
言葉にこそしなかったけれど、スイハはコクリと頷いてくれた。
それを了承と受け取り、イキたての蜜壺を肉棒で掻き回して恋人の身体の気持ち良さを愉しんだ。
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
「ますた♡まっ♡ンっ♡待ってくださ…、ひゃん♡」
彼にイかされて敏感になった身体が悦びに震える。
お腹の中のおちんちんが暴れる度に、ビリビリとした快感が全身を駆け抜けた。
「あっ♡あっ♡ぁ♡ンっ♡」
「スイハ…!」
目の前には私に夢中で腰を振るマスターの姿。
意中の男性に求められることの嬉しさに勝るモノなど存在する筈もなく。
(マスターが私で気持ち良くなってくれて嬉しい♡だめ♡気持ち良すぎてどうにかなる♡くる♡くるっ♡)
「んぐうううぅううううっ♡♡♡」
マスターのおちんちんでオマンコをグチュグチュにされる気持ち良さで頭が一杯になった。
何度も果てて、その度に肉棒が刺さった膣口から淫汁が飛び散る。
マスターにも気持ち良くなって欲しいと、ビクビクと痙攣する膣肉でおちんちんを締め上げた。
「スイハ、そろそろ…」
「はぁ♡ぁ♡ぁ♡っ♡はい♡きてください♡」
(ドロドロの熱い精液を私のナカにたくさん出してくださいっ♡全部受け止めますから♡孕ませていいですからっ♡)
表向きは取り繕っているが、内心では卑猥におねだりして媚びていた。
本当は私がこんな淫乱だと知られたら、きっと恥ずかしさでどうにかなってしまうだろうから。
だから、
「スイハ、聞こえてるよ」
「ふえ…♡」
マスターのその一言に頭の中が白くなった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」
直後、子宮口に亀頭を押し付けられながら彼の射精を受け止めた。
「あっ♡あああぁあ……♡」
彼の放った熱さに子宮が満たされていく。
「スイハ」
「ま、ますたぁ…♡」
愛おしげに微笑むマスターの顔を見て、火照った身体が更に熱を増す。
淫乱な自分を知られた羞恥心と彼の子種を受け止めた幸福感で頭は半ば理性は崩れかけている。
「スイハ、続きをして欲しそうな顔をしてる」
「はい♡もっと…♡シて、欲しいです…♡」
「じゃあ上手におねだりをして、僕をその気にさせないとね」
「お、おねだり……?ンっ♡」
膣から肉棒が引き抜かれて、お腹が急に寂しくなる。
精液でチャプチャプになった子宮が「もっと、もっと」と精液をねだって疼いていた。
やはり私は淫乱だ。
恥ずかしさよりも何よりも、マスターに虐められて、辱められて、求められたいと切望してしまっている。
「どうすれば、悦んで頂けますか♡」
「イミテイトして貰っていい?」
「はい…♡」
何で?と疑問が浮かぶことは無かった。
自身の全てはマスターを気持ち良くして、満足させる為に。
イったままでビクつく身体に鞭を打ち、マスターの目の前で立ち上がる。
深呼吸の後右手を前にかざし、自身の内に宿った新たな力に呼び掛けた。
「
エンシェントの紋章が浮かび上がると共に、武士を思わせる黒衣を身に纏う。
「これで宜しいですか?」
「うん、ありがとう。そのままにしてて」
「……っ♡」
マスターの視線が
「……こんなにエロい服で戦うなんて、スイハはムッツリだね」
「ぇ…?」
戦闘や修行以外で
かろうじて乳首を隠せてはいるものの、服の横から溢れてしまいそうな乳房。
大胆に曝け出された太腿。
そして何よりも、
「下着はちゃんと付けてるのかな?」
(あ…♡ぁ……♡)
擬装したこの戦闘服において、私は
戦闘で激しく動けば当然服の裾は捲くれあがり、下着の付いてない下半身を晒してしまう。
自身が痴女だと自覚させられ、興奮と火照りを更に煽られた。
(も、もしかして…、今まで全部見られて…♡)
「スイハ、服の裾を託し上げて僕に見せて」
「ふえ…♡」
マスターの求めに情けない声を出してしまう。
だけどマスターに悦んで貰う為には仕方のないことだからと自分に言い聞かせて、震える指で服の裾を摘む。
マスターの視線が私の下半身へ釘付けになった。
「ま、ますたぁ…♡私の、イヤらしい所を…、見てください…♡」
ゆっくりと服の裾を託し上げ、お腹から下を全て彼の視界へと晒していく。
「…………」
マスターは何も言わずに私のアソコを見つめ続けた。
「はぁ…♡ぁ……♡ぁ……♡」
(う、うぅ…、恥ずかし過ぎて死んじゃう…♡)
お腹が疼いて膣口がヒクつく。
膣から漏れた愛液と精液が、太腿を濡らしながら伝っていく。
興奮に息が荒くなる。
マスターに恥ずかしいトコロを見られていると意識する程、快感がゾクゾクと駆け上がってくる。
「あ♡ぁ……♡ま、ますたぁ…♡」
「ねぇ、スイハ。ナカもしっかり見せて…♡」
「ぁ……♡ぁ……♡は、ぃ…♡」
マスターは私のオマンコに息が掛かる距離まで顔を寄せてきた。
(恥ずかしい♡恥ずかしい♡気持ち良いっ♡)
片手で服の裾を摘んだまま、空いた手を膣口にあてがう。
人差し指と中指で膣口を拡げ、淫汁で溢れ返ったソコをマスターに見せつけた。
「スイハのナカ、凄くイヤらしいね」
「ーーー」
(あ…♡そう、だったんだ…♡)
知らなかった。
恥ずかしいことが、こんなにも気持ち良いことだったなんて。
吹き掛けられた彼の吐息の生暖かさがクリトリスをくすぐる。
注がれた彼の視線の熱さが蜜を溢れさせていく。
「っ♡……っ♡」
唇を結び、瞼を下ろして快感を堪える。
一時でも気を抜けば、視られているだけで達してしまいそうで…
「我慢しなくてもいいよ」
「っ♡♡〜〜〜っっ♡♡♡」
許可を貰った途端、堰き止めていた快感が潮となって吹き出した。
ピチャピチャと足元に愛液が跳ねていく。
「はぁ…♡ぁっ♡あぁー…♡」
(イッてるところ、マスターに見られちゃった…♡)
本当はイヤらしい雌に過ぎない自分をマスターは受け入れてくれた。
その安堵感に別のモノを催してしまうが、理性も身体もソレを止めようとはしてくれなかった。
(ますたぁは、どんな顔をしてくれるのかな…♡)
どこまでも溺れて、どこまでも堕ちていた。
膣とは別の穴から
「スイハ…」
「オシッコを、漏らしてしまいました…♡」
愛液と精液、そしてオシッコを股から滴らせる私を見て、マスターの表情が雄のモノになる。
犯されて、嬲られて、虐められて。
私はきっとこれから、女に生まれた悦びを分からせられてしまうのだろう。
それこそ、孕まされてしまうまで。
「お仕置きをください…♡」
「……たっぷりと躾てあげるよ」
理性という名のブレーキが壊れる。
もう止まることは敵わない。
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ーーーオシッコを、漏らしてしまいました…♡
そう言ってスイハはだらしなく頬を緩ませた。
丸見えの下半身から透明な液体と黄色い液体を溢すスイハの表情はあまりにも淫らで、普段の清楚さはどこにも無くなっていた。
ーーーお仕置きをください…♡
滾らない訳など無かった。
ムッツリな恋人への躾けが始まって数時間が経とうとしていた。
「あっ♡っ♡っ♡ンっ♡」
ベッドの上に座った僕に背を預ける様な体勢で、スイハに肉棒をナカへと受け入れさせた。
彼女の服の隙間から手を差し入れて胸を揉み、感じ入るスイハの痴態を愉しむ。
指に吸い付く様な柔らかさと、精液を欲してイヤらしく蠢く膣肉に締め付けられる感触は堪らないモノだった。
「あっ♡ぁっ♡ますたぁ♡だめ、です♡そこは、ンっ♡」
(先っぽクリクリされながらオマンコされるの気持ちい♡っ♡頭がバカになっちゃぅぅ♡♡)
「全然ダメそうに見えないないけどなぁ…」
現にスイハは服の裾を両手で摘まみ、肉棒の入った膣口を僕に見える様にして、快感を貪るべく自ら腰を揺らしていた。
スイハの腰が降ろされる度に、膣口から漏れた愛液がパチュパチュと跳ねていく。
スイハの乱れっぷりが僕の情欲をこれでもかと煽っている。
「スイハ、出すよ…!」
硬くなっている乳首をギュウッと抓ると、スイハの身体がビクビクと跳ねた。
「ああ♡あっ♡あぁああああああ♡♡」
イキ続けて尚、スイハは腰を振ることを止めない。
快楽を貪る為に、僕のモノを悦ばせる為に。
「あっ♡やっ♡ぁ♡ぁぐ♡〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」
その甘い声と蜜壺の気持ち良さに誘われ、欲望をスイハのお腹へと吐き出した。
僕の精液を受け止めて達したスイハは、緩みきった表情を浮かべながらベッドへ横になった。
「あぁ…♡はぁ…♡ますたぁの精液…♡お腹の奥が…、熱い、です…♡」
スイハが艶かしく息をつく。
少し赤らんだ肌に浮かぶ玉のような汗。
仄かに漂うスイハのイヤらしい匂い。
彼女の全てが僕を酷く狂わせる。
「ねぇ、スイハ。もっと虐めてもいい?」
「はい…♡ますたぁ♡私のからだ…♡もっと♡もっと愉しんでください♡ンっ♡」
スイハは僕に尻を向ける様に四つん這いになり、媚びた声を出した。
丸見えの彼女の尻穴はヒクつき、精液が太腿から膝へと伝いシーツへ落ちていく。
「スイハ、またお漏らししちゃったんだ?」
「せっかく頂いた子種を、溢してしまいました…♡聞き分けの無い私のオマンコを、その逞しいおちんちんで躾けて…、孕ませて、頂けませんか…♡」
あまりにも卑猥なおねだりに、理性の糸がブツンと完全に切れる。
「んっ♡んうううううううっ♡♡♡」
彼女の腰を掴み、Gスポットを亀頭で抉った。
一突きで達してしまったスイハに構わず、そのまま敏感な場所を責め立てた。
「やっ♡あ♡あ♡あ♡ま、ますた♡っ♡い、イッて♡イッてますから♡っ♡♡」
「スイハは躾けをして欲しかったんだよね?ほら、我慢しないと」
「は、はい♡んむっ♡っ♡っ♡っ♡♡んっ♡んうううっ♡♡」
シーツを咥えて快感を堪えようとするスイハの姿に、レイプしている様な錯覚を覚える。
更にシーツをギュッと握って必死に声を我慢するスイハの
「ふっ♡ぐっ♡ふううううううう♡♡んううぅううううっ♡♡♡」
クリトリスとGスポットをイジられることによる凄まじい快感がスイハの膣肉をうねらせる。
グチュグチュのスイハのオマンコが僕のモノを扱き、孕ませて欲しいと精液をねだっていた。
限界は直ぐに訪れた。
「んぐ♡ふっ♡ふうううう♡ん♡」
「スイハ、出る…!」
「んううっ♡♡ふっ♡ふうっ♡ん゛うううぅううううううううううううううう♡♡♡♡」
とびっきりに甘い彼女の喘ぎ声が僕の耳を癒やし、射精したばかりの僕のモノを再び硬くさせる。
その後もスイハのお腹に精液を何度も注ぎ、僕らは愛を確かめ合うと共に快楽に溺れていった。
翌朝、僕達は同じベッドで目を覚ました。
「スイハ、おはよう」
「……おはようございます。マスター」
スイハとの情事は夜中遅くまで続いた。
付き合い始めて一年が経った今でも、恋人の新しい一面を見れて幸せを感じている。
こんな毎日がずっと続けばいい。
僕はそう思っているが、
意識が覚醒するにつれて、スイハの表情は固くなり肩がプルプルと震え出していた。
(ど、どうしよう、ま、マスターにオシッコしてる所を見せつけちゃった、変態だっておもわれてないかな思われてるよね?し、死んじゃう、恥ずかし過ぎて死んじゃうぅ…)
スイハは両手で顔を覆い縮こまってしまったが、真っ赤になった耳までは隠せていなかった。
小声で内心が全て漏れている。
こんなにも慌てふためくスイハを見るのは初めてだ。
「ぷっ、ははは…」
人前では完璧なクールビューティーを演じているスイハが僕に対してだけ見せてくれる姿に、思わず笑みを溢してしまう。
ずっと眺めていたいけれど、そろそろ止めないと落ち込んでしまうので助け舟を出すことにした。
「あ〜……。昨晩は激しかったから、凄く記憶が曖昧だなー」
「!」
(え?もしかして、マスターは覚えてない…?や、やった!のかな…?少しだけ残念な様な…、い、いや!)
スイハはコホンと咳払いをして、僕を真っ直ぐに見つめた。
「私も少し記憶が曖昧なのですが、昨晩は何かありましたか?」
「スイハが可愛かったことは覚えてるよ」
「そ、そうですか」
スイハは少し照れた後で、(あれ…?覚えてるか、覚えてないのか…。結局どっちなんだろう…?)と呟く。
嘘をつかない様に濁したけど、このままだと多分思い悩みそうだったので話を逸らすことにした。
「そういえば、今日はヒョウハの特訓に付き合うんだよね?僕も付いて行っていいかな?」
「構いませんが、見てて面白いものでは…」
「久しぶりにスイハが弓を射る姿が見てみたいから」
「分かりました」
(マスターが見てくれるなら失敗しないように頑張らないと…!)
特訓に意気込むスイハを微笑ましく見つめる。
思えば、彼女を意識し始めたのは弓を絞る姿に惹かれたからだ。
そうしてスイハのことを一つずつ知っていった。
完璧な振る舞いの裏にある臆病さ。
それをおくびにも出さず、仲間の為に踏み出す勇気。
そして恥ずかしがり屋で、ムッツリで、口下手な所も含めて、僕はスイハのことをーーー。
(そんなスイハだからこそ、どうしようもなく好きになった。なんて、スイハ本人は思いもしてないんだろうなぁ…)
「…………」
そこでやっとスイハが顔を真っ赤にして黙りこくっていた事に気がついた。
「スイハ?」
「ぁ、あの…、………」
少し言い辛そうに、それでいて照れ臭そうに、スイハはモジモジとしだして…。
「………………全部聞こえてました」
「ぁ、あはは……」
どうやら内心が声に漏れていたようだ。
もうスイハのことを言えないな…、なんて思いながら恥ずかしさに頬を掻く。
身を寄せ合い心地良い沈黙に浸っていると、ドアの向こうから元気な声が響いた。
「おーい、スイハ!もう起きてるだろ?特訓を始めようぜ!」
「……分かりました。直ぐに向かうので先に行ってください」
「おう!今日こそは負けないからな!」
ドア越しに交わされるヒョウハとスイハの遣り取りは、仲の良い姉妹のソレだった。
「初めの頃と比べると、随分と慕われるようになったね」
「えぇ、マスターがくれた勇気のお陰です」
ヒョウハは元々、己の超えるべき壁としてスイハを敵視していた。
しかしスイハが勇気を示し続けたことで、
「それじゃあ、行こうか」
「私の勇気、しっかりと見届けてくださいね」
僕もまたスイハの新しい一面を知り、昨日よりも好きになっていく。
だから見届けよう。
スイハの勇気を。
君の傍で、生涯を掛けて。
fin
普段は格好良い振る舞いをしているスイハですが、実は可愛らしい少女…、というギャップが(個人的に)凄くグッときます。
スイハに限らず、
そんな彼女の魅力が少しでも伝われば幸いです。
ボイス一覧から「サマーシーズン2」を聞くと、スイハをより好きになると思います。それ以外のボイスも建前と本音が入り乱れてとても可愛らしいので、お迎えされている方は是非彼女の心の声に耳を傾けてあげてください。
次回はファンキルR18集の海上編特別編を9月中にあげる予定です。前・中・後編の3つに分ける予定でしたが、ボリュームが多くなりそうなのでEPISODE1〜4の4編構成にして、EPISODE3を9月中、EPISODE4を10月中に投稿しようと思っています。遅筆ですが、投稿の際には(気が向いたら)見て頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました!