俺の大切な婚約者が、知らない間に元カレのオナホ兼売春婦にさせられ、廃棄寸前の全穴ガバガバ肉便器に堕ちて婚約破棄を迫ってきた件 作:幻闇
――真琴が失踪した。
意味が解らない、心が張り裂けそうに痛い、頭の中で幾つもの悪い予感が駆け巡り俺の心を蝕んでいく。体はパニックを起こした頭と同期する様に無意識に動き回り、住んでいるアパートの部屋の中で一人、壊れた機械の様に意味の無い動作を繰り返す。
何で どうして 何故 解らない 真琴 理解出来ない 逢いたい おかしい 愛してる 逢えない 何が 有り得ない、俺の心の中で様々な言葉が浮かんでは暴れまわり、ぶつかり合っては砕け散る。
――シャキン
スマホのチャットアプリの通知音が鳴ると同時にビクン! と俺の心臓が跳ね上がった。
発信者は真琴、実家にもアパートからも居なくなった彼女のスマホから夜になると変わらず届くチャット。恐る恐る画面を確認した俺の目に飛び込んでくる文字の羅列。
【心配かけてごめんね。次の週末は帰れるかも? 私が居ないからって浮気したらダメだよ♪じゃあまたね(*´ε`*)チュッチュ】
心臓が早鐘を打つ……雷を司る神が怒りのままに雷鼓を乱打する様に不規則な鼓動を繰り返す。
震える手で画面をスライドさせて過去のログを確認していく俺、何度繰り返した行為だろうか……真琴が居なくなったと気づいた時に送ったチャットの返信……その文章が齎す意味に気付いた時に俺は、自分の立つ地面が崩れ去っていくような感覚に襲われたのだ。
【今週行けなくてゴメン、今女友達の家に泊まってるんだ。彼とトラブって不安定になっちゃっててさ~連絡遅れちゃってm(__)mマナーモードにしてて気づかなかったよ。私の事は心配しないで大丈夫だよ、またね(^_-)-☆】
三日前に送られて来て、何度も確認しなおした真琴からのチャットログ、最初読んだ時に強烈な違和感に襲われたのを覚えている。この文章はおかしい、何故か解らないがおかしいのだと。
あの時、前日に送ったチャットに既読が付かない事に異常を感じた俺は家を飛び出して真琴のアパートに向かった。その後送られてきた先程の文章を読み……意味を理解した瞬間に俺は凍り付く――――――
毎日決まった時間に真琴の良く使う顔文字を使って送られてくるチャット。だがそれは決して真琴では無いのだ。それを送信している人物は、真琴のスマホを使い真琴の振りをして俺のスマホにチャットを送っている。
その意味を考えた時にどう考えてもネガティブな考えにしか至らない……警察に届ける? その結果万が一真琴が悪意を持つ者に囚われていた場合、その命の保証があるのだろうか。
チャットには帰るという一文がある、もし何者かが俺が失踪に気付いていないと思っているならば、事を荒立てなければ無事に真琴は帰ってくるのでは……。
希望的な観測に過ぎないかもしれない、さりとて今は何もできない。絶望的なまでの無力感に苛まれた俺は自らの行為で荒れた部屋の中で独り蹲り……真琴が居なくなった日の事を思い返していた。
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いつも通りの金曜、少しだけ残業をして真琴が好きなスィーツを駅前の洋菓子店で買った俺は婚約者の待つであろう自宅アパートへの道を歩いていた。夏の暑さも過ぎ去り商店街の垂れ幕や並木通りの樹々達が赤く染まって秋めく時期、秋冬と様々な食材達が旬を迎えてくる季節なだけに今夜の真琴の手料理にも期待がかかるというものだ。
「なんといってもこの時期しか食べられない生サンマ、おろしポン酢で食べるか、おろし醤油で食べるか悩むところだが……いや鮭も旬だよな、同じく旬のキノコと併せてホイル焼き……。んー何が出てくるか楽しみだなぁ」
相変わらずにやにやと頬を緩ませながらぶつぶつと呟きつつ家路を急ぐ俺、どうみても不審者です本当にありがとうございました。等とふざけ半分に考えていた当時の俺をぶん殴りたい。
この後、アパートに着いて部屋のドアを開けた俺の目に映った真っ暗な部屋、珍しく残業で遅れているのか……いやその場合はスマホのチャットアプリで連絡が来るはずだ。そんな事を思った俺は真琴と二人だけのチャットルームで文章を打ち込み送信をする。
「これでよし、後で返信が来るだろ。一応冷蔵庫に食材もあるし二人分くらいなら何か作れるな」
真琴が来たらすぐに食べれるように下拵えを行いながらスマホの通知音に耳を澄ます…………――しかしこの日は結局チャットログが既読になる事すら無く、不審には思いつつもまだ何処か心の中で楽観的に考えていた俺は一人で食事を済ませいつも通り自家発電を行って床についたのだ。
「おかしい……送信してから半日も経っているのに既読が付かないなんて……サーバーの不具合か? ……――いや障害情報も出てないしSNSにもそんな話は無い」
翌朝起きてすぐにスマホのチャットアプリを確認した俺は流石に異常事態に気付く、日本人スマホユーザーの八割が導入していると言われるアプリで不具合が出ればSNSで話題にならない筈が無いのだ。ならば真琴は……。
まず頭をよぎったのは病気だ、何か突発性の急病で部屋で倒れているのかもしれない、交通事故等であれば病院や警察から真琴の実家を経由して俺に連絡が来るはずなのでその線は薄いだろう。そう思い立った俺は急いで寝巻から着替えると朝食や整髪などの朝の支度をする事も無く家を飛び出し、最寄駅から三駅離れた真琴のアパートへと急行した。
改札口にスマホを叩き付ける様にして駅のホームまで駆け上がる。次の電車は三分後……永遠にも感じられる三分と電車に乗っているたった10分間が、こんなにももどかしい。小刻みに足踏みをしながらぶつぶつと呟いている挙動不審な俺を、車両内の人間がちらちらと横目で伺っているのが解るが気にしている余裕なんて無い。
自分で動くことが出来ない時間がこんなにも辛いとは……走るよりも断然早く辿り着ける電車という文明の利器の便利さを、頭では理解していても感情を落ち着かせる要素には成り得ない。
目的の駅に到着し扉が開いたと同時に脱兎のごとく駆け出して改札を抜け、真琴のアパートまで全力で
普通に歩けば10分ほどの距離を、全力疾走による息苦しさと胸の痛みも置いてけぼりにしてひたすらに走り抜ける。まだか……邪魔だ……信号なんてどうでもいい、どうせ俺が飛び出せば止まるだろう。
独りよがりのままに道路を横断し、背後で慣らされる甲高いクラクションの音を聞き流しながら真琴の住むアパートに辿り着いた俺は、ポケットの中から何度も取り落としそうになりながら合鍵をとりだすと震える手で鍵を開けた。
声を掛けるまでもなく見渡せるワンルームの狭い部屋、綺麗に整えられた女の子らしい部屋の中は荒らされた形跡もなく倒れている人影すらない。最悪の想像が外れていた事を悟った俺はへなへなと畳半畳も無い玄関口で崩れ落ちるように座り込んだ。
「良かった…………けど、じゃあ何処に行ったんだ?」
俺の部屋に来ていない、自宅にもいない。ならば実家か? 何か緊急の……それこそ親御さんに何かあって慌てて帰ったけど、この部屋にスマホを忘れてしまったとか? あり得なくはない。そう考えた俺はスマホのチャットアプリを起動してボイスチャット機能を選択する。
「もしそうなら、これでこの部屋の何処かから通知音……マナーモードでも振動するはず……」
真琴が好きな歌手の曲が設定された通知音、もしくはマナーモードの振動音を聞き逃すまいと耳をそばだてながら待機する…………――だが部屋の中に何も変化は無かった。
「くそっ! どうしたってんだ。神隠しなんて今日び……念の為まこちゃんの実家に電話して――」
――シャキーン
「ッ!!」
真琴が帰っていないかを問い合わせようと画面に目を向けた瞬間だった。チャットアプリの通知音が鳴り響き昨日の送信に対する返信がチャットアプリのログに刻まれていく。画面を確認して、ほっと安堵の息をついた瞬間に感じた強烈な違和感――この後は最初に語った通りだ、何者かに真琴が拉致されている可能性が高い事に気付いたが彼女の身の安全のために何か行動を起こす事すら出来ずに自宅に閉じこもっている。
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「体調不良を理由に休んで、念の為有給を一週間取った……こんな状態で働くなんて無理だ……」
三日前のことを思い出しながら、ひたすらに真琴の帰りを信じて待ち続ける拷問の様な時間。今週末に帰ってくれば良し、彼女の命さえ無事であればどうにでもなる。もし帰って来なければ……警察に行くしかないだろう。
「ご丁寧にスマートフォンの設定を変えて位置情報を特定できない様にしてやがる……くそが……誰か解らんがまこちゃんに何かあったら絶対に許さねぇ……」
やり場のない怒りをぶつけるように正体不明の犯人に向けての憎悪を燃やす、真琴への愛情と、それを失う恐怖。そして犯人への憎悪でぐちゃぐちゃになった意識の片隅で、いまだ冷静な部分が静かに思考を続ける。
考える事を止めてはならない、表面がいくら怒りで燃え盛っていても良い、だが心の芯である意識の最奥――ここだけは絶対零度に凍らせて思考を諦めない。
「考えろ……思考を止めるな。おさらいをしよう、まずは目的だ、金か? 有り得ない。それなら実家に身代金要求がいくはず、俺の方に真琴に成りすましてチャットの返信がされる意味がない」
――考えを整理する為に口に出して思考をまとめていく。
「本当に友人の家、一人称が私になっているのは友人が書いて送信してるから。これも有り得ない。何故友人が代わりに打つ? 何故設定が変わっている? ……実は俺は自分では気付いていないが狂っており、耐えかねたまこちゃんが友人の家に逃げて俺と会わせないようにしている、しかしそんな素振りは……それに俺の正気を俺自身が狂っていないと証明できない」
――この思考は危険だ、カットカットカットカットカットこれ以上は不毛。
「あとはもう……アレしか……考えられない」
意図的に考えぬ様にしていた状況。だが……もはやこれしかないだろう、真琴は身代金目的では無く拉致されたのだ。下手な金銭などよりも遥かに価値のあるモノ……真琴のあどけなさと妖艶さが同居したかのような色気と可愛らしい顔。手に余る程に巨大な双丘と豊かな尻、なのにウエストは信じられない程に引き締まっている細い肢体。
間違いない。真琴は今、何処か解らない場所で監禁され凌辱の限りを尽くされているのだろう……心が引き裂かれる様に痛む……俺の大切な真琴が……そんな目に。犯人は一人とは考えづらい、複数のチンピラの様な男達に弄ばれ泣き叫びながら犯されている真琴の姿が脳裏を
恐らくそういった状況で間違いないだろう、もしそうであれば命の危険はそれほど無いのかもしれない。殺してしまえば大事件、殺さなければ発覚してもただの強制性交罪、将来を考えてどうせ泣き寝入りするだろうと動画も撮って帰すのではないだろうか。
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部屋の中で
水曜、特に連絡もない。
木曜、真琴を騙った何者かの元気だよという内容のチャットが来たが定型文のように無味乾燥な内容に、こちらも不信感を与えない程度に簡単に返信を出す。
金曜日、もう週末だ、早く彼女の声が聞きたい。結局この日も帰ってくることは無かったが、チャットアプリに連絡があった。どうせいつもと同じ定型文の様なモノだろうと思い込み、画面をのぞき込んだ俺は驚愕する。
【今日行けなくてごめんなさい、明日は必ず行きます。ボクは大丈夫だよ】
この一人称は間違いなく真琴だ。そう思った俺は冷蔵庫をひっくり返して、残っていたなけなしの材料を使ってしっかりしたメシを作り、喰らう。ここ一週間まともにメシを喰えていなかったのだ、万が一、荒事になった時の為に備えはしておくべきだろう。
監視されているだろう真琴。当たり障りない文章であるがゆえにここで軽挙妄動に出る訳にはいかないのだ。真琴が今生きていて、帰って来てくれるなら、それに越した事は無いのだから。
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部屋の中で座り込み、うたた寝とネガティブな思考を繰り返しながら土曜を迎える。
ここ一週間まともに睡眠はとれていない、覚醒と
思わずバッと顔を上げた俺は、目の前に立っていた最愛の女性に飛びつく様に抱き付いて声にならない嗚咽を漏らしながら泣きじゃくってしまう。
「あっ……あっ……まこ……ちゃん……まこちゃん!! う゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ! まこちゃんだ!! 無事で良゛がっだよお゛お゛…………」
「ッ! バカっ……こんなになるまで心配して……ボロボロじゃない……そんな価値なんて無いのに……――あのね、聞いて欲しい事があるの」
「う゛ん……う゛ん…………き゛く゛よ……」
「ボクとね……別れて欲しいの……急にごめんね……慰謝料もちゃんと払うから、くーちゃんはもっとボクなんかより良い女の子をみつけて欲しいんだ」
――ズキン!
「は……? なに……を…………ちょっとまって……くれ……顔を洗ってくる」
真琴の無事に安堵した俺の心が、致命的な言葉の槍で貫かれて消し飛ばされる。一瞬何を言われたかすら解らなかった俺だったが、寝起きのぼやついた頭では致し方ない。一言断って洗面所に向かい涙でグチャグチャの顔を洗い流して両頬を平手でバチンと叩き、意識を完全に覚醒させて真琴の前に戻る。
「まこちゃん――いや真琴。一体どういう事だ? 暫く連絡がつかなくて失踪したかと思ったがチャットアプリには真琴じゃない別人から返信が来るし。俺はてっきり拉致とか事件に巻き込まれたかと思ってたんだが」
すっきりと冴えわたる意識、俺は真琴に何があったのかと問い掛ける。
「あー……やっぱバレてるよね……アイツ、私って送信してるんだもん……くーちゃんなら当然おかしいって思うもんねぇ。誤魔化しは出来ないか」
「教えてくれ、一体君に何が起きていたんだ」
俺の問い掛けに暫くの間沈黙を守っていた真琴は、重い扉をゆっくりと開く様にぽつり……ぽつりとその昏い過去と追いかけてきた過去の話をはじめるのだった。
「長くなるんだ、話すと。聞いてくれるかな……? 始まりはもう七年前の事なんだけどね――」
本日はここまで。
明日から一話ずつ六話までを投稿し、金曜日に七話と最終話を投稿予定です。