3話
家から何駅か離れたところに若い夫婦が住んでいる。
そこは都会からそこそこ離れたベッドタウンだ。
子どもが産まれたばかりで、奥さんは家に一日中いることが多い。
旦那はお金をたくさん稼ごうと仕事を必死に頑張っているようで、平日は遅くまで、下手したら土日も出勤になることがあるそうだ。
この2人は美男美女のカップルで地元ではそこそこ有名だったので、SNSなどで情報を上げる人がいて、そこで見つけた。
SNSはリテラシーが低い人や、嫉妬心からそういう情報を漏らしてしまう人も多いので割と役に立つ。
もちろん嘘や誇張であることも多いが、家から近ければ実際に見に行って盗聴器や隠しカメラなど仕掛けて検証できるのである程度は補強できる。
数を撃って当てていく感じだ。
意外と明らかな嘘をつく人は少ないので、体感だと6割くらいだろうか。
明らかなネタや情報源が1人だけなケースは除くが。
今回もそうやって情報の精度を高めて確証を得た。
美人は得だっていうけど、やっぱり総合すると損だと思う。
こうやってターゲットにされやすいのだから。
◇
確認した結果から、出会いは大学で、旦那の方から積極的にアプローチして結ばれたようだ。
旦那はあまり育ちはよくないが、勉強を必死に頑張って良い大学に入り、そのあと両親とは元々仲が良くなかったこともあり縁がほぼ切れている。
奥さんの方はそこそこ良いところの娘さんで、そのせいか両親からしたら悪い虫がついたと思われていて結婚どころか付き合い自体に反対されていて、なので今はほぼ駆け落ち気味で家を出ている。
結果としてどちらも経済的に頼れる当てがなく、生活は中々に苦しいらしい。
それでも夫婦仲は良く、苦しいながらも幸せな日々を送っていると。
子供という明らかな弱みがあり、夫婦の時間が少なく、頼れる先も少ない、狙い目だ。
そして奥さんの方の見た目が自分好みでたまらなかった。
長めの黒髪。
顔は綺麗というよりは可愛い系だがきちんと整っている。
体つきはさすがに出産しているので細身とは言えないが、決して太ってはいない肉付きの良いバランスの取れた男好きのするむっちりとした肉体だ。
そして何より、おっぱいが非常に大きい。
色々遊べそうで妄想が膨らむ。
おおよそ生活リズムも分かったので、さっそく遊びに行くことにする。
拘束・撮影系の小物を鞄に入れて。
時間は午前中、旦那が家を出てから1時間後だ。
旦那が帰ってくるまで基本的に彼女と子供の2人きりなので、何かあっても発覚しない。
旦那も仕事が忙しくてほとんど自分から連絡を取ることは無い。
まあ運悪く何かあったら諦めて撤退するか捕まるだけだ。
そこは仕方がない。
◇
夫婦の家の前に着いたので、隠しカメラで最後に家の中をチェックする。
奥さんは台所で洗い物をしていて、子供は寝ている。
よかった、予定通りだ。
子供は午前中からお昼過ぎくらいまでぐっすり寝ていることが多い。
さすがに子供に大声で泣かれてはレイプどころじゃなくなる。
子供が起きていたら今回は諦めていた。
さっそくインターフォンを鳴らす。
「はーい」
奥さんの声が聞こえる。
洗い物を止めて出て来てくれるんだろうが、その前にドアを開けて家の中に入り込む。
平日昼間とは言え鍵を掛けないのは不用心だな。
靴も脱いで家の中に入り込み、玄関で奥さんを出迎える。
台所から出てきたところで対面すると、当たり前だが奥さん側は戸惑っているようだ。
「あ、あの。 どちらさまでしょうか」
それでもいきなり大声を上げたり警察を呼んだりはしない。
そこまでの危機意識が高い人はそうそういないが、一安心だ。
一応営業マンっぽいスーツを着て、清潔感のある恰好をしているから、不審者と断定しにくいのだろう。
平和ボケともいえるが。
「あー、急にお邪魔してしまい申し訳ないです」
「旦那さん、ええと守さんから聞いてませんかね」
「私、佐藤と言いまして、旦那さんの中学時代の同級生なんですが」
「奥さんの加藤 雫さん、ですよね」
そうまくしたてる。
相手の個人情報を知っているアピールをして、知り合いである可能性を醸し出しておく。
まあ、あっさりとは信じられないだろうが、とりあえず警察を呼ばれずに会話が出来ればそれでよい。
「えっと、その」
「さ、佐藤さん、ですか?」
「すみません、夫からは特に何も聞いていなくて」
「夫に確認しますので少しお待ちいただけますか」
そう言ってスマホを取り出して連絡をしようとする。
当たり前の行動だ。
ただ当たり前すぎて予想通りなので、妨害するのも簡単だ。
ちょっとした妨害電波を出す装置を持ってきているので、それで連絡を防ぐ。
長時間は使えないし、距離的にも数メートルくらいしか使えないが、むしろ他の家に対して影響を与えないのでそれがちょうどよい。
「あ、あれ」
「ご、ごめんなさい、ちょっと電波がよくないみたいで」
これで連絡は取れなくなる。
一応事前に試して確認はしていたが、きちんと効果を発揮できて良かった。
「ああ、いえ、大丈夫ですよ」
「実は私が用があるのは、奥さんの方なので」
「すみませんが、少しだけお話させてください」
そう言って、ずかずかと家の中に入り込む。
奥さんも止めようとするが、スマホにも気を取られていて中途半端な感じになっており、止めきれない。
その隙をついて、子供がいる居間に入り、後ろからついてきた奥さんの手を取って強引にソファに座り込む。
「キャッ」
「さあ、これでゆっくりお話できますね」
小さな悲鳴を上げながらも抵抗しきれずソファに座らせることに成功した。
これでソファに2人で座っているという密着した状態で、じっくり話ができる。
「それで奥さん、いえ雫さん」
「さぞ混乱されているかと思いますが、私の用というのは至極単純なものでしてね」
「それを説明させていただきますね」
「ぜひ雫さんにご協力してもらいたいことがありましてね」
そう言いながらも雫さんの腕は握ったままだ。
痛くはないだろうが、逃げられないこと、連絡が取れない状態にあることは理解できたのだろう。
子供の方をちらと見てから、諦めたようにため息をついてこちらを見た。
「わかりました」
「まずはお話を聞かせてもらえますか」
思った以上の諦めの早さと理解力の高さに笑みがこぼれる。
こういう時は逆に頭悪くひたすら抵抗される方が嫌なものなんだが、そうした場合のリスクを自然と考えてしまって思い切った抵抗できないんだろう。
育ちが良かったり頭が良い人ほど、リスクを中心とした考え方をしてしまう。
まあ自分や子供の命を守るという意味では正しい。
相手がどういう人間か分からない以上は最悪を想定するべきなんだから。
下手に抵抗して自分が激高して暴れられたら、それで終わりだ。
「ありがとう、雫さん」
「まあ簡単に言ってしまうと、復讐ですね」
「旦那さん、守さんに対しての、ね」
「復讐、ですか?」
腑に落ちないという顔だ。
まあ旦那さんはコミュ力の塊というか、誰にでも好かれるような好青年だから当たり前か。
だれかに復讐される、恨まれるなんて想像もできないだろう。
でも雫さんは、大学以降しか知らない。
「疑問に思うのもよく分かりますよ」
「いまの守さんは本当に素晴らしい人に成長していますからね」
「でも中学時代は違いました」
「彼は子供のころから顔がよくて、頭もよくて、運動神経もよかった」
「大人、教師からの受けもよかった」
「まさにスクールカーストの頂点にいました」
「だから、自然な流れなのかどうか私にはわかりませんが、気に入らない奴は何の悪意もなく虐めていましたよ」
「自分のクラスに必要のない、邪魔な存在だったからですかね」
「その時の彼の気持ちは、正直いまだによく分からないです」
そう、高校以前のことは知らない。
そして、いじめっ子だったなんて奥さんに言うはずもない。
まあそもそも彼がいじめっ子だったのは本当だが、そこまで酷いいじめではなくちょっとしたからかい程度だ。
そして私は同じ中学ではない。
嘘ではないが本当でもないというやつだ。
「信じられない気持ちは分かりますよ」
「まあ信じてもらえるとも、信じてもらいたいとも思っていないです」
「ただ許せないだけなんですよ」
「あれだけ好き勝手しておいて、今更人並みの幸せな人生を送るなんて」
「自堕落で底辺な幸せを手に入れるならまだ許せたんですがね」
「雫さんみたいな良いところのお嬢様と結婚して幸せな生活を送るなんて、どうしても納得できないんですよ」
淡々と語る。
情報不足で困っているところに、なぜ自分がこんな目にあっているのかという理由説明が来ると、疑いはしてもどうしても頭の中にどんどん情報が入っていってしまう。
それが明らかな嘘であれば別だが、どちらとも言えないと保留扱いになり、そこにそれを前提に置いた情報が追加されていくと、もう前の情報は疑いにくくなっていく。
「すみません、長々と」
「まあ、全部一から説明する気はないです」
「お伝えしたいのは、端的に言うと、中学時代の彼のいじめに対する復讐です」
「そして、今、こうしているってことは、分かりますよね」
そう言って、雫さんの腕を掴んでいる手に力を入れる。
彼女の目をじっと見ながら、もう片方の手で、子供の方を指さす。
その後、彼女の胸を鷲掴みにする。
雫さんの体がピクリと震えた。
「分かりますよね」
「お子さん、大切ですよね」
そう言って、胸を揉む。
雫さんの全身に力が入っているのが分かる。
目線は下を向いて、ぎゅっと手を握りしめている。
色々、考えているんだろう。
「アイツが結婚して幸せにしているって話、実はSNSで知りまして」
「あなたたちのような美男美女が幸せに生活しているのを嫉妬した誰かですかね」
「それを見て最初はアイツを闇討ちしてやろうかと思ったんですがね」
「まあ私も今となってはそこそこ幸せな人生を送れているので、そこまでのリスクはかけたくないなと思いまして」
「だから、アイツが知らない間に雫さんを犯すことで留飲を下げようかなと」
「雫さんが誰にも言わなければ、それで終わる話になりますし」
「夫婦は苦しいことも2人で分かち合うらしいですからね」
「これで雫さんからアイツへの想いが減ったりしたら最高かなと」
「できれば離婚してくれると嬉しいですね!」
とにかく色んな情報を与えまくって、少しでも混乱させる。
そして私は異常者ではあるが、あくまで身体だけが目的であるとアピールする。
考える人は、平常時は強いけど緊急時には弱い。
どうしても最悪のケースを考えてしまうので、それよりも被害を軽くできる方法があるとそっちを選択してしまうのだ。
今回なら最悪のケースは、私が暴れて子供と雫さんが殺されることだろう。
最善のケースは、私が思いとどまるか、近所の人か警察が来て助けてもらうことだ。
ただそれが現実的でないことは十分理解できてしまっているから、それは自然と選択肢から消える。
次は全力で抵抗したり大声を上げて逃げることだ。
ただこの方法を取ることも難しい。
雫さん1人なら選択したかもしれないが、子供がいる以上はリスクが高すぎる。
そして今、もう1つの選択肢が提示された。
性的な意味で身体を許せば、それで終わりにする、という選択肢だ。
もちろん信じ切れてはいないだろうが、現実的に考えて自分と子供の命を危険にさらさずに終われる唯一の選択肢だ。
とは言え、そんなにあっさりと取れる択肢ではない。
自分から体を差し出せるわけがない。
だから、無理やり押して仕方がないという理由を作る。
命より大切なものなんてないんだから、仕方がないのだ。
「大丈夫です、雫さんが体を許してくれるなら、それで終わりにします」
「そうしてくれるなら、雫さんも子供にもこれ以上は絶対に手を出したりしません、約束します」
「アイツは憎いですが、雫さんや子供に罪があるわけではないのは分かっていますから」
そう言って、雫さんの体をソファに押し倒す。
「だ、だめです」
形だけでも抵抗しようとするが、力は入っていない。
抵抗して私の機嫌を損ねたらどうなるか、想像してしまっているんだろう。
そして抵抗せずに終われるかもしれないという希望を、持ってしまっているんだろう。
ここまで来れば、もう大丈夫だ。
若い人妻の体を、あとはじっくり楽しませてもらおう。