その音色は異世界まで響き 作:誰かさん
ちなみに改筆はボチボチ進んでいます。現在はライセン大迷宮編まで完了しているとだけ報告しておきますね。
「と、言うわけで……僕もこれからよろしくね?」
「ああ。もう何も言わねえよ。お前らがそう思っているなら俺は尊重する。だが、覚悟しておけ。俺は決して逃がさないからな?」
「くふふ……承知してるよ。僕の王子様」
「そっか……遂に恵理ちゃんも陥落したか。ま、仕方ないわね。音也くんは魅力的過ぎるから」
「その通りだよ。僕も今日からライバルだから、よろしくね」
俺の左腕に抱きついて宣言する恵理と、彼女の決意に嫌な顔を一つもせずに受け入れる露葉。俺も試練を乗り越えたことで余裕ができたので、今なら何を言われても受け入れることができそうだ。
両腕に当たる柔らかな感触を極力無視しつつも俺は直進する。目の前には氷壁がこれまでと同じように存在し、その奥では光輝が虚像の己と激戦を繰り広げているのが分かる。
「ふむ、〝限界突破〟を使ってるのか。その割には虚像の方の力が異常だな。現実を突きつけられて強化させているのか?」
「逸らしに逸らし続けた現実を唐突に突きつけられたらどうなるか。特に彼の場合は……うん、簡単に想像が付くよ」
「お得意のご都合解釈で何処まで自分を追い詰めているかなあ。正直、嫌な予感しかしないよ」
その予想は、最悪の形で当たることになった。
氷壁を抜けた先で見えたのは、純白の輝きが大瀑布となって頭上から降り注ぐ光景だ。流星群のように俺へと降り注ぐ凶悪な砲撃。しかしその砲撃は恵理が咄嗟に展開した大結界によって防がれることになった。
誰が攻撃を、それも確実に殺意を持って行った人物を俺は直視する。もっとも、この状況で純白色の魔法を使える人物は一人しか居ない。
「……で? 何のつもりだ、天之河」
紛う事なき本人の方を睨みつけながら問いただす。正体はもちろん光輝だ。絶対に有り得ないのだが、仮に露葉に直撃でもしたらかなり良い傷を貰ったかもしれないので俺のボルテージはどんどん上がっていく。
その光輝は、地面をかち割り半ばまで埋もれたままの聖剣を握り締めながら、何かをブツブツと呟いている。前髪が垂れて目元が隠れているので表情はよくわからないが、明らかに尋常な様子ではない。
「……が…だ。……で、う……ら」
「何言ってんだ? とりあえず敵は俺たちじゃなくて向こう側でニヤついてる虚像のお前だ。サッサと殺してこいよ」
「……俺たち? まるで自分と恵理がワンセットみたいな言い方だな? えぇ? なに、自分のものみたいな言い方をしているんだ? ふざけてるのか?」
明らかに正気ではない様子で訳の分からない事を並べる光輝。いや、俺の物ってのは強ち間違っていないが……否定されれば手放すぐらいのつもりではある。
「ふざけてるのはお前だろ? まあ良い。早いところ終わらせろよ」
「……あぁ、終わらせるよ。お前なんかに一々言われなくても、全て終わらせてやるさ!」
そう絶叫するや否や、光輝は瞳孔の開ききった狂気を感じさせる眼差しで俺に向かって突進した。〝爆縮地〟で姿を霞ませながら一気に肉薄し、莫大な魔力を込めた光の斬撃を放つ。
流石に周囲への二次被害が大きいと察した俺は、ベルトを巻きながら光の斬撃を弾き飛ばしてイクサナックルを取り出し、跳び上がりながら変身を完了させた。
「堕とされたのか。無様なもんだな」
「黙れ! お前が死ねば全て元に戻るんだっ! さっさと死ねぇえええ!!」
「いっそ哀れにすら思えるな……あ、露葉。殺したいのは分かったが今は待て。手出しは無用だ」
「余裕のつもりかっ! 雫や露葉さんたちだけでは飽き足らず、恵理まで洗脳して! 俺の大切な仲間を傷つけて……絶対に許さないぞ! お前を倒して、ユエや他の女の子たちにかけられた洗脳も全て解いてやる! そして、彼女たちと共に、俺は世界を救う!!」
もはや歩み寄るのは不可能だと判断した俺は、鈴と龍太郎が多少は悲しむだろうという懸念事を振り払って一気に殺意のボルテージを上げた。
仮に光輝の友人が悲しんだとしても、それ以上に俺の愛する人たちがこいつへ殺意を向けるならば、俺も全力で排除に乗り出すだけだ。
とはいえまだ俺にも良心はある。今ならまだ、半殺しより少し上レベルで我慢するぐらいの理性は残っているのだ。これが崩れるのは、はたして今なのか、それとも……。
「なぜ、攻撃をするどころか受け止めもしない! 怖じ気づいたかっ!!」
「攻撃する価値も受け止める価値も見いだせないからに決まってるじゃないか」
「戯れ言をっ。すぐにその余裕も消し去ってやる!」
「これが戯れ言に聞こえるのか? 何処までも都合の良い耳を持っている奴だな。そんなんだから大切な人に見限られるんだぞ。そろそろ気づけよ」
聖剣をイクサナックルで受け止めながら冷めた目で光輝を見つめる。その聖剣はハジメが新調した物であり、俺の目から見ても超一級品のアーティファクトである。
様々な素晴らしい能力が隠されているにも関わらず、幼い子供のように癇癪を起こしている光輝にはまともにその力を扱えていない。何処までもバカな野郎だ。
「勿体ねえことしやがって。その聖剣も、お前がまともならもっと上手く使えただろうよ」
「なにをっ」
「まともではないお前は本気を出さなくても殺すことができる。ここまで反撃しなかったのは力を見極めていたからだ。ここまで堕ちてるならお前は殺した方が良さそうだ」
聖剣を弾き飛ばして光輝のことを思いっきり蹴り上げ、虚像の光輝の方向を目がけてイクサナックルを持った右手で殴りつけた。
ドパンッ! と殴ったときに鳴る音ではない、凄まじい空気の破裂音が鳴り響き、光輝は虚像の己を押し倒しながら氷壁まで吹き飛ぶ。
「ぐはっ!?」
『ぐっ……なあ、
「当たり前だっ。あいつを屈服させるだけの力が、俺は欲しい!」
『良いだろう。それなら融合だ。お前の望む“力”を与えてやる』
直後、虚像の姿が霞のように薄れていき代わりに赤黒い光の粒子が渦巻き始めた。
『さぁ、
「うるさいっ。お前の指図は受けない。今だけ使ってやるだけだ! 紅を倒したあとは、お前の番だということを忘れるなっ」
その言葉と同時に、赤黒い粒子は光輝の身の内へと入っていき光輝の体が脈動を始める。ドクンッドクンッと鼓動の音が部屋に木霊し始め光輝が纏っていた純白の光に赤黒い色が血管のように混じり始めた。
甘言に負けて虚像の己と融合した光輝の姿は、片目を赤くしたオッドアイに茶髪には白いメッシュ、、聖なる鎧には赤黒い血管のようなものが幾筋が入っているという物に変更されていた。更に、その手には、白と黒、二振り聖剣が握られている。
そしてそのタイミングで氷壁の一部が溶け出し、雫とユエ、ハジメとシアと香織、ティオと龍太郎と鈴がこの場にやって来た。
「お前さえ……お前さえ居なければ、全て上手くいってたんだ! 香織も雫も、恵理もずっと俺の物だった! この世界を勇者として救うはずだった! それなのにお前が全てを滅茶苦茶にしたんだ!」
「あくまでも俺が全て悪いと?」
「その通りだ! 人殺しのくせにっ。簡単に見捨てるくせにっ。そんな最低なお前が、人から好かれるはずがないんだ! ユエやティオ、あの南雲だってお前が洗脳したんだろっ。何処までも最低な屑野郎め! お前はもう、要らないんだよ!」
「……その言葉を何の考えもなしに吐き出して、お前は生きて帰れるのかな。雫たちが今にもお前のことを殺さんばかりの瞳で見つめてるぞ」
その言葉の通り、氷壁から現れた雫たちは光輝の絶叫を聞いて、今にも飛び出そうとしているのをハジメと香織に押さえられている。
そのハジメと香織ですらも青筋を立てていることから、あと二言三言余計なことを口走れば光輝の命はないだろう。幼馴染にすら毛嫌いされている辺り、彼がこれまでどれだけ多くの人を裏で自覚なしに傷つけてきたかが分かる。
「まあ、俺に対して恨みがあるのは構わないけどな。お前、誰の許可を取って雫のことを物扱いしてるんだ? そして誰の許可を取ってユエたちのことを呼び捨てにしてる?」
「お前が呼び捨てにしていること事態がおかしいんだっ。洗脳のやり過ぎで感覚が狂っているんだろっ。……そうか、お前があれだけヴァイオリンで脚光を浴びていたのも、多くの人を洗脳していたからなんだな? お前は何一つ努力していないんだな? そうなんだろ!」
「……なんだと?」
「どうせお前の言う“音楽”は人の心を洗脳する物だ。そんな物を、これ以上この世の中に広めるわけにはいかないっ! 音楽その物の存在を一つ残らず消すことだって俺は厭わないぞ!」
最後の言葉に俺は表情を消した。こいつは今、一番言ってはならない言葉を発した。音楽その物の存在を消すと言ったな?
俺は静かに怒りながらライザーフエッスルを取り出す。情状酌量の余地はない。幼馴染みや親友は絶句するか冷たい視線を向けているかで、俺の行動を止める者は居ない。それならば……。
『ジェ・ファ・ー・ヴェ・テ・エ・ゴ・ン』
「少しでもお前に疑いの心が生まれているなら、情状酌量の余地があった。だがお前は、その最後のチャンスすらも自ら手放した」
「何を言って……!」
「お前は、言ってはならないことを口にした。音楽その物の存在を一つ残らず消すだと? そして、俺が音楽を洗脳のために使っているだと? ふざけるのも大概にしろ」
俺の怒りに呼応するかのようにイクサが黒く変色していく。体の至る所からは電撃がバチバチと溢れだし、触れる物全てを焼き切らんばかりの熱線が辺りを駆け巡る。
今、この状況になって気がついたことだが、どうも黒いイクサの状態では感情によってスーツの戦闘力も比例して上下する機能が解放されるらしい。某ライダーシステムとそっくりである。
だが、今この場でその機能が発現したのは本当にありがたい。やっぱり母さんは最高だ。
「雫、露葉、香織。念の為、本当に念の為だが確認するぞ。此奴のことを殺しても問題ないな?」
「勿論よ。早いところ殺って頂戴」
「視界に映るのも嫌だから。お願いね」
「私も。二度とその顔を見たくないから」
最終確認を取り、とてもありがたいGOサインを頂いた。特に雫は親の仇でも見るかのような顔をしている。早いところ殺してしまった方が雫の精神衛生上的に最適であろう。
「みんな、そんなっ……! 紅、お前はどこまで腐っているんだ。どこまで俺から奪えば気が済むんだ! あぁ、そうか。檜山や近藤のことも、本当はお前が洗脳したんだろ? そしてあたかも自分が仲間を助けたという演出をして、より一層洗脳が解けないようにしたんだろ? それなら全て辻褄が合う」
「そこまでご都合解釈できるお前の脳味噌にはある種の尊敬の念すら送れるな。そんなんだから失うと何故気がつけないんだか。だが、それもあと数分後には考えられなくなる」
「御託はいらない。覚悟しろ、紅っ!! 〝覇潰〟!!」
数値だけ見ればオール一万を軽く超える光輝が常人ではとても見切れない速度で突撃してくる。濁った瞳。溢れだす憎悪の心。其れ等全てが合わさって生まれた、異常な、しかし直線的な双大剣の斬撃が俺の両肩に直撃した。
ガキンッ! と金属的な音が鳴り響くが、俺は微動だにしない。痛がるどころか、逆に双大剣を握りしめて首を傾げた。
「大したことねえなあ……?」
「ぐっ……だがこのぐらいっ!」
「このぐらい、か。だがお前如きに何が出来る? 無様に抵抗するぐらいだろ」
「く……黙れっ! 〝天翔剣・嵐〟!!」
そうして放たれたのは、広範囲に拡散する幾百の斬撃。見える光の刃だけで百はあり、その影に潜むようにして三百近い風の刃が追随している。既に殲滅魔法レベルだ。
超至近距離で殲滅魔法を放てば一発ぐらいは当たるだろうと踏んだのか、光輝は得意気な顔をしている。しかし俺からすれば、ただ無策に大魔法を使って数撃ちゃ当たる戦法に賭けているバカにしか見えなかった。
「無駄なんだよ。お前の放つ攻撃は、俺には届かない。その心が汚れている限りは、俺には届かない。雫や露葉、そして香織から認められることも永遠にない」
故に、イクサキャノンを使って一発反撃を加えた以外はゆらりゆらりと木の葉のように揺れて弾幕を回避することに成功した。
血飛沫を撒き散らしながら少し離れた場所にドシャ! と生々しい音を響かせて落下した光輝は、それでも殺意を収めることはない。より一層、凶悪な形相になりながら突撃を繰り返す。
血走った瞳が狂気の色を添えられて、更に凶悪な様相になっている。既に、人々の夢と希望が詰まった勇者の面影はない。
「お前がっ、お前みたいな奴がっ、全てを分かったような口を利くな! 雫たちのことを本当に分かっていて、理解しているのは俺だっ。三人のことを誰よりも大切にしているのも俺だっ。俺こそが三人と共にあるべきなんだっ。お前なんかじゃない! 絶対に、お前みたいな奴なんかじゃ!」
「本当に分かっているなら何故、傷つけたことも分からずに困ったような笑顔を浮かべる? お前のせいで三人がどれだけ傷つけられたか分かってるのか?」
『ヴァ・シュ・タ・ク・ト』
「本当に三人のことを思っているなら、何故自分の都合の悪い部分には目を向けなかったと聞いている。それすらにも気がつけないんだったら……お前はもう生きる価値はない。用済みはお前だ」
「ふ、ふざけるなっ! 今にもお前のことを殺すのは俺だっ!」
一度距離を置いた光輝が雄叫びを上げて双聖剣をかかげた。激しく渦巻く魔力の奔流。余波だけで周囲の地面が吹き飛び天井が消滅していく。膨大な魔力にものを言わせて〝神威〟を放つつもりのようだ。
俺はあえて追撃はしない。莫大の隙を晒している光輝を殺すのは簡単だ。しかし、それでは面白みがない。せめて後悔だけでもさせて死なせてやりたい。
「〝神威〟!」
「来い。お前の攻撃が届くかどうか、その目で確かめてみろ」
「言われなくてもっ!」
大気がうねり、軋みを上げる。太陽がそのまま落ちて来たのではないかと錯覚しそうな光量が大広間を純白一色に染め上げた。少し遅れて発射された光の砲撃は、一瞬で俺の体を包み込んだ。
対する俺は特に動じない。視界が赤黒く染まり、聞こえる音が轟音のみだとしても動揺することはない。むしろ、この程度なのかと少しだけガッカリした。
『イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ』
「所詮はこの程度、か。やはりお前の攻撃は俺に届くことはない。己の弱さを呪いながら地に墜ちろ」
山吹色の光が一気に赤黒い光を飲み込み、再生されたがたった数秒で一時的にこの空間を完全に破壊するほどの電磁波をイクサナックルが放出した。内包している魔皇力や魔力を一気に解放したこと、ここまで吐きかけられた罵詈雑言に少なからず腹を立てているが故に強化されたイクサスーツ。
全ての条件が噛み合ったブロウクン・ファングは、光輝の放つ全力の〝神威〟を嘲笑うかのような勢いで光輝本人をあっという間に飲み込んだ。一切の容赦がない電磁波は、光輝の鎧は勿論のこと、聖剣や生皮まで溶かすに至った。
「ぐあああああああ!?」
「無様なもんだ。これが世界を救うために召喚された勇者か? 見るに堪えないなあ……」
「ぐ、は……まだ、だ。まだ俺はっ!」
「お前に何ができる? 死の足音がこんなにも近い、この状況で」
焼き爛れて浮き彫りになった光輝の胸を踏みつけ、既に死に体の光輝が完全に身動きを取れないように押さえつける。グリっと足で胸を抉れば、目の前には露出した肋骨が見える。
その肋骨も軽く踏みつけてへし折り、声のない悲鳴を上げた光輝のことを冷たい目で見下ろした。
「こんな、ところで……負けられないっ。絶対に雫たちを俺の元へ取り戻すんだ……だからっ!」
「一つ勘違いしてるらしいから言っておくぞ。雫の体も心も、全ては彼女の物だ。お前の物じゃない。そして雫は、自ら俺の物になると決めた。それは他の奴らも同じだ。自ら望んで俺の元へ来ている」
『リ・チャ・ー・ジ』
「俺の大切な人たちに、これ以上手出しはさせない。俺の命に代えても……お前を殺す!」
再度チャージが完了したイクサナックルを下に向けた。銃口に電磁波が集まっていき、今にも溢れださんばかりの量がチャージされているのが一目で分かる。
龍太郎や鈴が今にも飛び出そうとしているが、ハジメが機転を利かせて先に睨みつけて硬直させた。“邪魔をするならお前らも殺す”という意思が丸見えである。だが、この場でその脅しはとてもありがたい。
「嘘、だ。こんなはずじゃ……そうだ……これは罠だ。卑劣な策略なんだ……あいつが仕組んだんだ……俺は嵌められただけ……俺は悪くない。俺は悪くないんだ。あいつが俺の大切なものを全部奪ったから。悪いのはあいつだ。あいつさえいなければ全部上手くいったんだ。なのに……」
「光輝、一言、言わせてもらうわね」
「し、ずく?」
「貴方のこと、私は大嫌い。私だけじゃない。姉さんも、香織もそう。ユエたちだって同じ。貴方が近づこうとした人間は、みんな貴方のことが大嫌いだから」
「しず――」
「終わりだ。あの世で後悔しながら、俺たちが幸せに暮らすところを見ていろ」
戸惑いはない。躊躇もしない。後悔もゼロ。眼下で倒れているバカな男を殺すことが、俺たちの幸せに繋がると俺は確信している。
かつて先生が言っていた“寂しい生き方”。残念ながら、俺の生き方とはあまりにもかけ離れていて結果的には受け入れることができなかった。
だが、それでも俺は引き金を引く。
それが未来の、俺たちの幸せに繋がるならば……寂しい生き方だとしても躊躇なく引き金を引く。俺はそう、決意したのだ。
ドゴアアアアアアアアアアアン!!!
「……」
「うそ、だろ? 光輝……」
「ねえ……どこなの? 光輝くん、何処に行ったの? 鈴には見えないよ……」
「〝魂斬〟。はあ……現実を見なよ」
天之河光輝。享年十七歳。その存在は、この世から体一つ、魂一欠片も残さず消えることになった。
後に残されたのは、少数の悲しみと多数の喜び。俺は天を仰ぎ、改めて決意するのだった。
俺たちが幸せになるために、妨げになる者は何であろうと殺す、と。
勇者(笑)、死亡です。殺した理由としては、原作とは異なって幼馴染みたちが光輝に憎悪の念を抱いていること、ハジメ以上に音也は光輝のことを嫌っていること、そして最終章が酷似することを防ぐためです。
殺し方、そもそも殺したことについて思うところはあるかもしれませんが、この作品での結果はこのようになったことを理解して頂けると幸いです。
恵里の処遇はどうする?
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勇者バカ之河の被害者だから救おう
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消せ(無慈悲)