その音色は異世界まで響き 作:誰かさん
これ自体は30分とかで書いてたのは草‥‥()
彼との出会いは中学二年生の時だった。
イジメられていた私にわざわざ会いたいと言い、姉さん以外で初めて女の子扱いしてくれた。
高校もクラスも奇跡的に同じで嬉しくて。
暇があればいつも彼に話しかけていた。
光輝とは違った。音也には善悪がハッキリと別れていて私としてはとても有り難く思えた。
しかも彼は優しかった。ちょっと乱暴な口調になることはあっても内面は穏やかだったのだ。
私が嫉妬するぐらいに彼は他人から人気だった。それでも彼は私をしっかりと見てくれていた。
あの夜、私のわがままを聞いてくれた。
困ったような笑顔を浮かべながらも私のことを優しく、強く抱きしめてくれたのだ。
はしたない姿を見られてしまっが‥‥今ではそれすらも幸福に感じられた。彼と繋がれたことが何よりも嬉しかったのだ。
初めて魔物を殺害した時にも真っ先に私の心境の変化に気がついてくれた。
道中で何度も何度も私に声をかけてくれた。そのタイミングはまさに絶妙で心折れそうな時に決まって話しかけてくれた。
ロックマウントの攻撃で動けなくなった私たちの代わりに粉砕してくれたのも音也だった。
ベヒモスとも南雲くんと共に立ち向かい、善戦して私たちを救ってくれた。
なのに彼はどこにいるの?
ねえ‥‥私の最愛の人はドコ?
遠くで聞こえるような悲鳴が実は私の悲鳴と気がついて。
目の前には崩れた橋が見えて。
何があったかをもう一度理解して‥‥。
私の中の何かが弾けた。
「いやあああああああ! 音也あああ!!」
「ま、待て雫!」
「一度落ち着けよ!」
「離しなさいよ光輝、龍太郎! 助けに行かなくちゃ! 私も今すぐ行かないと!!」
「やめろ! 紅と南雲は‥‥もう無理だ! 死んでしまったんだ! このままでは雫も駄目になって‥‥!!」
「残念だけどここは逃げないとダメだっ!!」
「無理ってなによ?! 音也に無理なことなんてない! 彼は死んでなんかいない! それを確かめに行くだけよ!!」
「いい加減にしろ! 雫まで死にたいのかっ!!」
「ふざけないで! 音也は生きてる! いい加減離さないと喉を掻っ切るわよ!!」
「「?!!」」
「退きなさい‥‥退けえええええ!!!」
「あがっ?!」
「ぐっ?!」
「光輝くん! 龍太郎くん! 雫ちゃん落ち着いてよ! 深呼吸してっ!!」
「香織までっ‥‥やめてよ。私は彼のことを──」
突然首元に衝撃が走った。何が起きたのか‥‥それを確認する間もなく私の意識は途切れてしまうのだった。
──────────────
「‥‥ん‥‥ゃん‥‥く‥‥ちゃん‥‥」
声が聞こえる。止めてよ。起こさないで。私は今とても良い夢を見てるの。邪魔はしないでよ。
「‥‥ずくちゃん! 雫ちゃんっ!!」
「んん‥‥何よお‥‥結婚式の邪魔は‥‥って香織?!」
「雫ちゃん! 良かった‥‥やっと目が覚めたね」
「やっと‥‥?」
私は‥‥確か突然意識が途切れて、それで‥‥。
「もう3日も寝てたんだよ。心配したよ‥‥」
「3日‥‥はっ、音也は?」
「っ‥‥」
「どこのいるの? 別室かしら? そうよね。いくらなんでも女子の寝てるとこには来ないわよね」
「雫ちゃん‥‥」
「お礼言わないといけないわよね。ベヒモスから私たちを守ってくれたんだもの。だから香織、その手を離してくれるかしら? ねえ‥‥」
「雫ちゃんっ!!」
香織に両肩を掴まれた。あまりの迫力に思わず二の句を封じられる。
「音也くんは‥‥いないの」
「‥‥いや」
「雫ちゃんの覚えてる通りだよ。確かに音也くんは私たちを守ってくれた。でも‥‥!」
「やめて‥‥やめて!」
「落ちたの! ハジメくんと一緒に!!」
「いや‥‥いやあ!!」
あの時の様子がフラッシュバックする。今にも死んでしまいそうな目で私の方を見て‥‥あの夜と同じような困ったような笑みを見せて‥‥。
「‥‥なら」
「し、雫ちゃん? どこに行くの?」
「訓練場。どうせすぐには大迷宮に戻れない」
「まだ起きたばかりなのに‥‥無茶は」
「音也は無茶してでも私たちを守ってくれたのよ。私も無茶してでも強くならないと」
「そんなっ‥‥雫ちゃん、待ってよ」
「それ以上反対意見を具申するつもりならその首が胴体から離れる覚悟をしなさい。良いわね?」
ギロッと香織を睨み、私は立ち上がって部屋を後にした。
「許さない‥‥ベヒモスも、私のことを止めた光輝と龍太郎も、私自身も‥‥」
「雫‥‥ちゃん」
全てを憎む決意をし、私は訓練場へ向かうのだった‥‥。
「私だって‥‥私だって悲しいし寂しいよ。でも雫ちゃん‥‥このままじゃ壊れちゃうよ」
香織の寂しげな声を、私は知らない。
光輝撲殺ルートまっしぐらです()
あの勇者(笑)はホントに無理‥‥まあいい悪役なんですがね。
恵里の処遇はどうする?
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勇者バカ之河の被害者だから救おう
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消せ(無慈悲)