※この作品はR-18です。

その音色は異世界まで響き   作:誰かさん

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梅雨だとジメジメして思考がまとまらない(言い訳)


第十六楽章 ヒュドラ

なんやかんやと賑やかになりながらも俺たちは迷宮を下り続けた。人数が増えたことで攻略に掛かる時間は半減したし負担も減った。特に雫とユエの殲滅速度は凄まじかった……。

 

そのまま俺たちは数日ほどで最下層まで辿り着いてしまった。現在のステータスは……。

 

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紅音也 16歳 男 レベル:76

天職:ヴァイオリニスト

 

筋力:2740

 

体力:3200

 

耐性:2390

 

敏捷:2640

 

魔力:1920

 

魔耐:1930

 

技能:ヴァイオリン演奏技術[+超絶技巧]・共感覚・絶対音感・生命力増強・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・魔皇力耐性・全属性適正・胃酸強化・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・魔皇力操作[+魔力変換][+身体能力強化]・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・纏雷[+拡散]・風爪・夜目・遠見・気配感知・熱源感知・魔力感知・地獄耳・気配遮断・金剛・威圧・念話・言語理解

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こんな感じである。能力値は勿論軒並み上昇しており、新たな技能も数多く増えた。まあこれ以上魔物を食っても固有魔法は増えないみたいだが……きっと体質が変化してしまったのだろう。

とはいえこれでも十分すぎるぐらいに強くなれた。後は日々の鍛錬で自分を磨くのみだろう。

 

ちなみに雫なのだが……エグいことになってた。

 

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八重樫雫 17歳 女 レベル:70

天職:剣士

 

筋力:1600

 

体力:1820

 

耐性:1450

 

敏捷:3240

 

魔力:2160

 

魔耐:2090

 

技能:剣術[+斬撃速度上昇][+抜刀速度上昇][+残斬][+二刀流剣技]・縮地[+爆縮地][+重縮地][+震脚][+無拍子][+瞬光]・先読[+投影]・気配感知・気配遮断[+暗歩]・隠業[+幻撃][+分身]・言語理解

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なんというか……スピードスターだ。あまりに速くて視認することは結局できなかった。模擬戦したときにイクサにならなかったら負けていた。

 

ちなみにイクサは身体能力を5倍に、ダークキバは20倍まで跳ね上げる。ダークキバに至っては魔皇力が全身を駆け巡る状態になるため実質魔力が無限になったりもする。体力は削られるけど。

 

つまり魔力は減らないが体力は削られるのでタイムリミットが存在するというわけだ。

 

俺たちは万全の準備を整えて階段を下りきった。目の前には……壮大な空間が広がっている。神殿、と言えば分かりやすい。さらに最奥には巨大な両開きの扉が控えている。

 

「……反逆者の住処?」

「反逆者?」

「反逆者というのは神代に神に挑んだ神の眷属のことだ。世界を滅ぼそうとしたと伝えられているぞ」

「この迷宮も反逆者が作った……らしい」

「て、ことは……」

「魔法で地上とのルートを作っていてもおかしくない。神代の魔法でなら空間転移だってできる」

「相変わらず規格外だな……」

「音也、私たちをこの世界に召喚したのも……」

「神代魔法のはずだ。そうでなきゃクラスメイト丸々をこの世界に連れてくるなど不可能だろうね」

 

迷惑な神様だとはいえ……そんぐらいのことなら可能なのだろう。あまり認めたくはないが、確かに神の力は本物らしい。

 

「ま、とりあえず行くぞ。何が来ようと……邪魔するなら消し去るだけさ」

「違いないな」

「正しく……絶滅タイムか」

「そうね。私たちの愛を邪魔するなら誰であろうと消し去るわ」

「ん……私たちは最強。誰にも負けない」

 

みんなの声に俺はニヤリと微笑む。大丈夫だ。こいつらと一緒なら俺たちは負けることはない。

 

目の前の威圧感ある巨大な魔方陣を見ても俺の心に焦りは生まれなかった。それぐらいに頼もしい仲間たちだ。例えどんなに巨大な邪魔者が現れても勝てる。負けやしない。

 

俺は最後の一歩を踏み出した。途端に魔方陣が待ってました! とばかりに輝き始める。ヴァイオリンを取り出して一気に気を引き締め、目が潰されないように顔を腕で覆った。

 

 

やがて光が収まる。

 

俺たちの目の前に現れたのは……首が六つある蛇。いや、よく知る蛇ではない。これは大蛇だ。体長は30mはあるだろうか。言うならば……。

 

「ヒュドラ……」

 

そう、ヒュドラだ。神話に登場するヒュドラその物だ。その威圧的な赤黒い瞳は見る人間を恐慌させて心不全を誘発させるぐらいには恐ろしい。

 

俺はヴァイオリンを、ハジメはドンナーを、雫は刀を構える。ユエはキバットと共に魔法の準備を開始した。キバットが魔法使えるのはツッコまないお約束だ。

 

「「「「「「クルアアアアアアン!」」」」」」

 

今まで聞いたことのない不気味な絶叫を上げるヒュドラ。それを聞いた俺はすぐに「四季」のフルコースを弾き始める。それと同時に赤い頭がガパッと大口を開けたと思ったら火炎を寄越してきた。

 

「ハジメ!」

「おうよ!」

 

ドパンッドパンッ!! 

 

すぐに俺はハジメに指示を出し、自身は天井に立ち上がる。さらに目で雫に合図を送って突進させた。

 

「至上の一閃 〝絶断〟」

 

ハジメの砲撃と雫の斬撃で赤い頭が吹き飛ぶ……が、すぐに再生されてしまった。

 

「おいおい……白頭は回復持ちか?」

 

どうやら白頭が回復させたらしい。なるほど見てみればペカーと光って得意げな顔をしていやがる。

 

「〝緋槍〟!」

「〝魔波〟!」

 

ユエとキバットの合体魔法が白頭を狙って発射される。即座に状況判断したのだろう。まあ無限回復なんてされたらこっちも困るし間違ってない。

 

しかし……今度は黄頭が白頭の前に出てきてその頭を肥大化させた。さらに結界のような物まで張ってエグい威力のはずのユエとキバットの魔法を受け止める。攻撃に守りに回復。なんてバランスの良い編成なのだ。

 

「くそ……こいつでも食らえっ!」

 

演奏速度を上げて魔法弾をオールレンジ攻撃に切り換える。これで身動きを制限してしまえば回復役の白頭や盾役の黄頭を狙いやすくなるはずだ。

さらに〝念話〟という脳内に直接話しかける技能を使ってユエに黄頭を、雫に白頭を頼もうとした……。

 

その瞬間である。

 

「「いやぁああああ!!!」」

「んなっ?!」

 

突然二人が黒頭に睥睨されたと思ったら動けなくなった。思わず演奏を止めて二人の元へ駆け寄る。

 

勿論この隙を狙ってヒュドラが火炎やら氷塊やらを飛ばしてくるがなんのその。イクサナックルの衝撃波で全て押し返して無理やり封殺する。さらにハジメが閃光手榴弾と焼夷弾をドンナーで撃ち抜いてヒュドラを怯ませてくれた。

 

“ハジメ、コウモリモドキ。悪いがしばらく頼む”

“あいよ”

“任された。その代わりユエを……”

“分かってる”

 

縮地で雫とユエを回収して柱の陰に後退する。オマケのつもりで数発の衝撃波を放ち手持ちの手榴弾も投げつけたので少しは足止めになるはずだ。

 

「おい、二人とも大丈夫か?」

「あ……いやっ……」

「やめ……てっ」

「くそ、何しやがったんだあの頭は」

 

俺の問いかけに反応せずにガタガタと震える雫とユエ。俺は悪態をつきながらも手持ちの神水を飲ませ、二人をギュッと抱きしめる。

これしか思いつかなかったのだ……とほほ。

 

「あ……」

「おと、や?」

「お、気がついた」

「……う、うぅ……良かった」

「え、ちょ、何で泣いてるの?」

「おとや……」

「ユエまで……お前ら、一体どうしたんだ?」

「……私は、また貴方と離ればなれになる光景を見せられたわ」

「……暗闇……一人……見捨てられて……居場所もない……もういや……」

「……つまり、対象を恐慌状態にするってことか。本当にバランスの良い奴だよ」

 

思わず悪態を吐く。そんな俺のことを、二人は不安そうな瞳を向ける。二人にとっては恐ろしい光景だったのだろう。

 

「ねえ……また離れたりしないわよね?」

「……また一人はいや。音也……」

 

よっぽど恐ろしかったのか、涙目で俺の手を離そうとしない雫とユエ。随分と厄介なことをしてくれたもんだ。

 

雫はこれまで甘えることができたのは実の姉である露葉さんだけだった。本心を話せたのも露葉さんだけだ。

 

そこへ……俺が手を差し伸べてしまった。

 

後悔はしてないし、困ってるなら助けるべきだ。別に悪いことはしてないはず……だが、雫にとっては血の繋がりのない人物が親身になって聞いてくれるのが嬉しかったのだろう。

 

そんな人物と離ればなれになったら……壊れてしまうはずだ。実際ほんの少し離れただけで雫は豹変したぐらいである。永遠にお別れだなんてしたら……もうアウト。雫は世界を滅ぼしかねない。

 

そしてユエも300年もの間幽閉されていたところを助けられて、異種族にも関わらず特に何もなく接する俺に心を許してしまったのだろう。

 

彼女は一度裏切られ、信頼していた人物に見捨てられたと言っても過言ではない。もしもまた、見捨てられたら……結末は分かりきっている。

 

「……私、帰る場所もないのに……また見捨てられたら……」

「……ああもう、仕方ない奴だな」

「音也……また、離れたりなんかしないわよね?」

「するかよ。お前をこれ以上壊すわけにはいかない。それとユエ」

「……?」

「帰る場所なら……ここにある」

「……どこ?」

「ここだ。俺が……お前の帰る場所だよ」

「……!」

「雫、俺はもうどこにも行かないさ。ユエも……どんなことがあっても俺が帰る場所になる」

 

支離滅裂だしかなり小っ恥ずかしい。だが……臭い台詞だろうと言わなければならないことが、人生ではあるものだ。

 

全くの別人だとはいえ俺だって紅音也。女を泣かせるわけにはいかない。とはいえこれだけでは押し出し不足だろう。故に俺は雫とユエを抱き寄せる。

 

「ちょ……音也?」

「か、顔……近い……」

「いいか? 目を閉じろ……」

 

優しく話しかける。素直に目を閉じた二人に俺は……そのまま軽くではあるが唇にキスを落とした。ああ、俺もどうやら紅音也カッコガチルートまっしぐらか。

 

「音也……?!」

「んん……?!」

「……全く、恥ずかしいったらありゃしねえな。まあなんだ。俺はどこにも行かないし見捨てなんかもしない。これは絶対だ」

 

スクッと立ち上がってイクサナックルを取り出す。立ち直れるかどうか……後は二人次第だ。

 

『レ・ディ・ー』

「……俺の心は、お前たちと共にある。それを忘れるなよ」

『フィ・ス・ト・オ・ン』

「変身!」

 

俺は愛する二人を守るためにも、ヒュドラの元へと走り出すのだった……。

 




ハジメに車じゃなくて戦車作らせようかな()

今回も雑ですが能力紹介をさせて頂きます。

・魔皇力操作……魔力よりも純度の高い魔皇力を操ることが可能になる。魔力とは互換関係であり、魔力が枯渇しても最悪魔皇力で魔法を放つことが可能である。なお魔皇力で放つ魔法の威力は純粋に魔力で放つときよりも倍強くなっている。

恵里の処遇はどうする?

  • 勇者バカ之河の被害者だから救おう
  • 消せ(無慈悲)
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