その音色は異世界まで響き 作:誰かさん
『フィ・ス・ト・オ・ン』
胸に十字架が追加されたイクサを身に纏う。とはいっても着心地は相変わらず快感だ。むしろウェポンが増えたのならそれで万々歳である。
「ほらほらどうしたあ!」
「グルガアアアアアアア!!!」
ドパンッ!
猛然と突撃してくるティラノサウルスモドキ。とりあえず跳び上がって左の頭に飛び回し蹴りを見舞っておいた。
「ギギィ?!」
「そらもういっちょ!!」
ドパアン!!
降下しながらイクサナックルから衝撃波を飛ばす。イクサハンマーを作る過程で多少は破壊力が増している……はず。
スーツ内に回る電圧が以前の1.7倍になっているのでそれに併せてその他の道具の威力も上昇するはずなのだ。そしてその威力は……すぐに分かった。
ビチャア!!!
「ギイヤアアアア?!!」
蹴り飛ばしてグラグラと揺れた左の頭に命中したのだが……一撃で顔が吹き飛んでしまった。顔の残骸がビチャビチャと地面に落ちているのがなんとも言えないところである。
「おいおい……こんなに強くなってたのか。負担もそれ相応に上がっているがこいつは使えるな」
「グガアア! ギャアアア!!」
「煩い……トドメ刺すか」
宝物庫よりイクサハンマーを取り出す。備え付けられたチューブをベルトに置いてあるイクサナックルに繋ぎ……腰からイクサハンマーフエッスルを取り出した。
『イ・ク・サ・ハ・ン・マ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ』
バチバチと蒼い雷がハンマーの先っぽを迸る。ちなみにイクサハンマーは右腕に装着する形になっており、インパクトの瞬間に杭が打ち出される仕組みになっている。
なお形状は十字架状のパイルバンカーである。色はイクサのスーツとは対極の黒だ。
「行くぜ……覚悟しろよ?」
「グルウ……?!」
頭を片方失ったティラノサウルスモドキが一歩後ずさりした。表情から読み取るに無意識のうちに下がったようだ。
その顔は恐怖で引き攣り、身体が小刻みにプルプルと震えている。このハンマーがいかに恐ろしく、殺意たっぷりなのかを嫌というほど理解したのだろうか。
「……グルガアアアアアアアッ!!」
「また突進か? 芸のない奴だな」
右足を一歩下げて構える。向かってくるなら迎撃してやる方が楽だ。
「グゥルァアアアア!!!」
その巨大な脚を俺の真上に持ってきて押し潰そうとしてくる。まあそうなるよな。なんせ俺はあのティラノサウルスモドキからしたら豆粒ぐらいなんだし。
実に懸命な判断だ。普通の人間なら恐怖で動けないだろうしティラノサウルスモドキの体重なら人間などぺしゃんこだ。
しかし、だ。それはあくまでも……普通の人間の場合ならであろう?
イクサが人間? 笑わせるなよ。
こいつは母さんが開発した人類最強の超兵器だ。その程度の攻撃でくたばるような柔な出来はしてない。なんせ……母さんは天才なんだぜ?
ゴォガガガガガン!!!!
そしてこのハンマーは……神代に扱われた魔法で制作された武器だ。ティラノサウルスモドキ程度の装甲で受け止めることなど不可能なんだよ。
「けっ……ざまあみろ」
動きの止まったティラノサウルスモドキを蹴り飛ばして杭を引っこ抜く。死に絶えた魔物には興味ない。
「し、死んでます……そんな、ダイヘドアが一撃なんて……」
ある程度汚れが落ちたウサ耳少女がハジメの後ろからひょこっと顔を出す。そして驚愕したような顔をして声を出した。
てかあのティラノサウルスモドキはダイヘドアって言うらしい。ティラノサウルスモドキはティラノサウルスモドキだと思うけど。
それにしてもあのウサ耳少女、大分やつれてはいるがかなりの美少女だ。白髪碧眼でウサ耳。さらに美少女とおまけ付き。並の男だったら姿見ただけで堕ちるんじゃねえの?
「ハジメ、事情聴取は?」
「できた。それと回復もさせといたぞ」
「優しいじゃねえの」
「あ、あの……助けて頂きありがとうございます! 私は兎人族ハウリアの一人、シアといいますです! 取り敢えず私の仲間も助けてください!」
「はあ?」
なんとなく残念な感じが見えた。ハジメとくっ付いてほしいけど大丈夫なんかな。
「とりあえず事情プリーズな」
「は、はい!」
変身を解きながら俺は誰にも気がつかれないように溜め息をつくのだった……。
筋肉痛って辛いの分かる人います?()
それはさておきコロナ第二波が来そうで怖いですねえ……皆さんも気をつけてくださいね。
恵里の処遇はどうする?
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勇者バカ之河の被害者だから救おう
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消せ(無慈悲)