※この作品はR-18です。

その音色は異世界まで響き   作:誰かさん

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胃袋に穴開きそう()



第十二楽章 ライセン大迷宮

俺たちは翌日、必要な物を買い揃えてからライセン大迷宮を探す旅に戻った。宿の部屋から出てきたハジメの顔が少しやつれていたのはきっと気のせいに違いない。

 

まあハジメからしたら現在片思い中の人がいるのにシアから猛アタックを受けてるのである。かといってシアのことが別に嫌いではないハジメはアプローチをすげなく斬り捨てることが出来ないのだろう。

 

いくら俺が共感覚だとしてもハジメの深層心理まで理解することは出来ない。だから先ほどまでの見解はあくまでも憶測の域を出ない。

 

さて、そんなこんなで色々と思うところはあるのだが俺たちはなんやかんやでライセン大渓谷をバイクで疾走中である。オスカーの日記にはライセン大渓谷のどこかに迷宮があるらしいのだが……あまりにもザックリとしすぎて中々見つからない。

 

勿論移動中に魔物がこぞって襲いかかってくるのだが……。

 

「退け」

 

ズパアアン! 

 

「うぜえ」

 

ドパンッ! 

 

「身の程知らずね」

 

ザシュッ! 

 

「……邪魔」

 

ズガア! 

 

「一撃必殺ですぅ!」

 

ドゴアン! 

 

例外なく近づけば死亡していく魔物たち。俺と雫、そしてシアに関しては魔法がなくとも普通に動けるので余裕しゃくしゃくであるしハジメとユエに関しても魔力の保有量がえげつないので比較的余裕そうではある。

 

「それにしても見つからないなあ……もう二日は探しているが」

 

適当な場所にテントを張って野営する。なぜかこの辺りからうざったい音楽が聞こえてくるが、それは気のせいだろうか。そうではない気がするのがなんとも言えない。

 

「それにしてもハジメの錬成は便利ね……こんな快適なテントを作っちゃって」

「……野営なのに涼しくて布団も完備。ハジメもありふれていない」

「褒められてるのか分からねえな」

 

ハジメが制作したテントがあまりにも快適すぎてたまに目的を忘れるのは内緒である。

 

飯も食ったしもう寝るか……ということで布団を用意したところで突然、外に用を足しに行ったシアがバタバタとテント内に入ってきた。

 

「み、みなさ~ん! 大変ですぅ! こっちに来てくださぁ~い!」

「なんだ残念ウサギ。夜中に騒ぐとは良い度胸してんな……」

「その不機嫌そうな顔もきっと喜色に溢れる顔になりますよぉ!」

 

興奮しているシアに若干呆れながらも俺たちはテントの外に出て宝物庫にテントをぶち込んだ。そして半信半疑の状態でシアを追従する。

 

シアが連れてき場所は一種の洞窟のようなところだ。意外と大きな空間であり、人が数十人はゆうち入れるぐらいの広さはある。

 

シアはその空間の最奥の壁をビシリッと指さす。そこには……。

 

〝おいでませ! ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪〟

 

「……見間違いか?」

 

〝おいでませ! ミレディ・ライセンのry──〟

 

見間違いではないらしい。非常に、それはもう非常にうざったい文字が壁に掘られていた。〝!〟や〝♪〟のマークが妙に凝っている所が何とも腹立たしい。

 

「コウモリモドキ。ミレディ・ライセンってのはこんなにもうざったらしい奴なのか?」

「らしいな。キングがそういえば会いに行ったことがあった……」

「ほう……それなら間違いなさそうだな?」

「うむ。ここまでとは知らなかったが……」

「信憑性に今一欠けるが……これから別のとこに探しに行くのも面倒だな。とりあえず行ってみるか……」

 

壁を調べようとペシペシ叩いてみる。するとガコンッ! という音が唐突に響き渡った。

 

「うおっ!?」

 

視界がグルリと暗転する。どうやら忍者屋敷の回転扉のような物だったらしい。

 

と、その時である。ヒュンヒュンと無数の何かが飛来する音を俺は聴き取った。

 

「ちっ……」

 

ファンガイアスレイヤーモドキとファンガイアバスターモドキで飛来してきた物体を叩き落とす。数にして約二十といったところか。よく見てみると全く光を反射しない漆黒の矢であった。

 

とはいえこの程度なら目を閉じても対処できる。俺は怪我一つすることなく全ての矢を叩き落とした。

さらに後からハジメたちが迷宮内へと入ってくる。どうやら無事入れたらしい。

 

「いきなり物理トラップが飛んできたぞ……変身しておいた方が良いかもしれない」

「マジかよ。この世界のトラップは魔法で動くのかとばかり思ってたが……それは間違いだったようだな」

「少し慢心してた……気をつけよう」

「だな」

 

とりあえずベルトを取り出す。ハジメもイクサベルトを取り出して腰に巻き付けた。

 

『『レ・ディ・ー』』

「「変身」」

『『フィ・ス・ト・オ・ン』』

 

変身完了。俺とハジメが先行して歩き出す。途中途中で現れるであろうトラップは俺の義眼で予め発見してハジメが壊すという方法を取った。

 

結果、俺たちは止まることも傷つくこともなくスイスイと進んでいくことになった。たまにシアが調子乗って起動したトラップもハジメが制作したイクサカリバーと俺のイクサナックルでバキバキベキベキ破壊したので問題ゼロ。

 

「突入から約三時間でここか……オスカー・オルクスの住処と似たような扉だな」

「よっしゃ。ちゃちゃっと終わらせるぞ」

 

ズドバアアアン! と扉を蹴破るハジメ。753はきっとやらない……いや、やるか? もしかしたらやる?

 

扉の奥に入ってまず目に入ったのは無数のゴーレム騎士だ。甲冑に身を包んで大剣を装備している。さらに整列したゴーレム騎士の奥には……いかにも親玉のような装飾でフレイル型のモーニングスターを手にした超巨大のゴーレムが鎮座していた。

 

「……コウモリモドキ」

「良かろう」

 

間違いなくここ最近見てきた魔物とは一線を画する超巨大ゴーレムを見て俺はイクサを解除。キバットを手に持った。

 

ハジメもイクサカリバーとハンマーを装備して構えている。雫も何時でも抜刀できるように腰を落とし、シアは大槌で肩をトントン。ユエは最後列からではあるものの魔法の準備を開始した。

 

正しく一触即発。一人でも大きく動けばすぐにでも殺し合いが勃発するに違いない。

しかし……その空気は意外な言葉でぶち壊されることとなった。

 

「やほ~、はじめまして~、みんな大好きミレディ・ライセンだよぉ~」

「「「「「「は?」」」」」」

 




大迷宮内がとても簡潔かつアッサリしてる理由は全て原作のように書いていくと運営さんに粛清される可能性があるからです。そこのところはご理解いただけると嬉しいです。

恵里の処遇はどうする?

  • 勇者バカ之河の被害者だから救おう
  • 消せ(無慈悲)
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