※この作品はR-18です。

その音色は異世界まで響き   作:誰かさん

41 / 126
コロナ心配ですね…東京では四日連続で陽性反応出た人が200超えたとかなんだとか。手洗いうがい消毒は徹底しないと…。

そういえばいつの間にかユニークアクセスが50000を超えてました。ユニークアクセスが何かサッパリですが…()


第十四楽章 演技?

もうもうと煙が舞う。俺は仰向けに倒れたミレディゴーレムのことを見つめる。どうやら完全に硬芯徹甲弾が貫通したらしい。見れば奥の壁がそこの見えない穴を開けている。

 

「…………」

 

そして変身を解除。ドッと疲れが押し寄せてくる。どんなに分解されにくいとはいえ……結局分解されてるには変わりない。しかも魔皇力を使うには通常より多くの体力を使うのだ。分解した分まで上乗せして、さらに紋章を連続展開して……正直今すぐ寝たい。

 

が、せめて神代魔法を手にしてから休むつもりだ。そうでないと永遠に起きることが出来ない気がする。

 

「は、は……本当に凄いよ。君たちは……」

「……生きてたのか?」

「そうだよ。とは言っても後数分しか保たないかな。最後の力振り絞って質問に答えようと思ってね」

「そうかい……それなら他の大迷宮の場所を教えてくれないか? 殆どが失伝していて分からないんだよ」

「あぁ、そうなんだ……そっか、迷宮の場所がわからなくなるほど……長い時が経ったんだね……うん、場所……場所はね……」

 

声が弱々しくなってきたミレディから他の大迷宮の場所を教えてもらった。中には驚くような場所にもあったが……今は割愛する。

 

「……以上だよ」

「助かった。まあ……神殺しをするつもりはないが、邪魔するのなら蹴散らすさ」

「そっか……ふふ、面白い人だね。でもそれでいい……君の信じる道をただひたすら突き進めば……それで……」

「…………」

 

なんとなくヴァイオリンを取り出す。口調はうざったかったがせめて送るための曲ぐらいは構わないだろ? 

 

~~♪ ♩♩♪ ♬……

 

「……その曲、とても落ち着くなあ。心が浄化されていく気分だよ……」

 

ミレディ・ゴーレムの体が燐光のような青白い光に包まれる。その光が蛍火の如く、淡い小さな光となって天へと登っていった。死した魂が天へと召されていくようだ。

 

静かで切なげなヴァイオリンの音色も合わさってとても、とても神秘的な光景である。

 

「……さて、時間の……ようだね……君達のこれからが……自由な意志の下に……あらんことを……」

 

オスカーと同じ言葉を残して……ミレディは淡い光となって虚空へと消えていった。

 

同時に俺もヴァイオリンの演奏を終える。ほんの少しだけ……寂しい気分がした。

俺は黙ってミレディゴーレムの残骸を少しだけ見つめ、そのまま奥にあった扉を開けた。

 

扉の奥は通路なっておりトラップは見受けられない。真っ白な壁に囲まれた廊下……といったところだろうか。

 

「音也……大丈夫?」

「雫……いや、大丈夫だ。少しだけしんみりとした気分になっただけさ」

 

構わず歩き続ける。通路の奥にはさらに扉があった。そこを俺は迷わず開けて……。

 

「やっほー、さっきぶり! ミレディちゃんだよ!」

「は?」

「あら?」

「……ん?!」

「ふえ!?」

「……やっぱりか」

「まあ分かってはいたが……それにしてもひん曲がった人間だ」

「あれぇ? あれぇ? テンション低いよぉ! そんな暗いんじゃ幸せが逃げちゃうよぉ!!」

 

……ちっこいミレディゴーレムが俺の目の前に現れたのである。俺は俯いてミレディにボソリと話しかけた。

 

「……さっきのは?」

「さっきの? ああ……もしかして消えちゃうと思った? ざんね~ん! ミレディちゃんはそう簡単には消えないよ☆」

「……まるで魂が天に召されるかのような物を俺は見たが?」

「あれはただの演出! 死にかけの演技も光る物があったでしょお?」

 

なるほど、全て演技だったようだ。先ほどまでのしんみりとした感情に関しては……完全に要らない感情だったらしい。

 

「へえ……なるほどなるほど。あれは全て演技ね。まるで幻想的な演出を見せられたわけだが……ふーん。あの演奏もその辺りに落ちている犬の糞ぐらい価値がないってことか……」

「え、えっと~」

「そうかそうか。俺は価値のない演奏を無駄にしたということかあ……」

『レ・ディ・ー』

「…………」 カチッ

『フィ・ス・ト・オ・ン』

「……テヘ、ペロ☆」

「とりあえず殴らせろコラァ!!!」

「ご、ゴメンて! てかこの体は壊れたら本当に不味いの! 謝るから許してぇ!!」

 

流石にキレた。雫たちもなんとなく察したのか苦笑いしながら見つめてくる。それを良いことに俺はミレディをひっ捕まえてアイアンクローしながら持ち上げた。

 

「あだだだだだ!?」

「やりやがったな……人の善意踏みにじりやがって」

「そ、それはゴメンって」

「むしろ俺で良かったな? 雫たちなら間違いなく殺しに来ただろうよ……」

「え、ええ。そうだったの……」

「とりあえず神代魔法を渡しやがれ。早くしろ」

「あの~……言動が完全に悪や『ベキベキベキ』了解であります! すぐに渡すであります! だからストープ!」

 

ジタバタしだしたミレディを見てなんとなく毒気を抜かれた。思いっきり溜め息を付きながらもミレディを下ろす。んで変身を解いた。

 

トコトコとミレディは奥の方にあった魔法陣の元へと走る。それを見て俺たちも魔法陣の元へ向かった。

 

ミレディが魔法陣を起動させたのを確認して魔法陣内に入る。以前のように魔法が脳内に直接刷り込まれていく感覚に俺たちは何ともなく平然としてたが……シアは「うっ」と呻き声を上げた。

 

「こいつは……重力魔法か?」

「そうだよ~ん。ミレディちゃんの神代魔法は重力魔法。天井を落としたのは見たよね? 鍛錬すればあんな感じに自由に重力を操れるよ~」

「ふーむ……なるほどな。説明サンキュー。それと迷宮攻略の証みたいのはあるか?」

「はいはい……これだよ~」

「指輪……ね。次から次へと要求して申し訳ないがアーティファクトや鉱石なんかも譲ってくれるか?」

「そのぐらいなら構わないよ~」

 

宝物庫から色々取り出すミレディ。どうやら解放者は全員が宝物庫を持っているようだ。オスカーが恐らく制作したのだろう。

 

それにしてもやけに協力的である。まあこんぐらいなら支援はしてくれるってことか。

 

「んじゃ……そろそろ行くか?」

「あ、待ちなよ。今外に出ても真っ暗だから私の住処に泊まって行きなさいな~」

 

どうやら泊めてくれるらしい。ならば断る理由は一つも無い……はず。

 

「んじゃあ頼む。飯は俺らで何とかするぜ」

「お、飯か?」

「私たちの出番ですねぇ!」

 

シアが腕まくりする。シアは料理が上手なので雫と組んで俺たちの胃袋管理をしてくれているのである。なお日本料理(モドキ)を食べたければ雫中心であり、異世界料理を食べるのならシア中心である。

 

俺たちはミレディの住処で今日だけはゆっくりと過ごすのだった……。

 

──────────────────

 

オマケ

「君の演奏本当に凄かったよ~」

「煽てても何も出ねえよ」

 

飯を食って疲れ果てた美女~ズを寝かしてから俺とミレディは二人で話に花を咲かせることとなった。ミレディは人と話すのはどうやら数千年ぶりらしい。

 

だからなのか、心底ウキウキしているのがこれっぽっちも隠せていない。

 

「いやいや本心だよ。音楽自体久しぶりに聞いたけど……君ほどの音楽家は見たことないかな」

 

遙か昔のことを思い出しているのか、懐かしそうな物を見る雰囲気となるミレディ。俺はその様子を見て……またなんとなくヴァイオリンを取り出した。

曲は……音也のテーマでいいか。

 

「……懐かしいなあ。ヴァイオリンの音色」

「…………」

「オーちゃんは分かるよね? 彼、音楽を聴くのが好きだったんだよ。私はよく音楽について色々と聞かされた。あの時は適当にあしらってたけど……こうして聴いてみるとオーちゃんの言いたいことも分かる気がするよ」

「…………」

 

オスカー・オルクスは音楽が好きだったらしい。もしも出会えていたのなら……良き友人になれたのだろうか? 

 

そんなことを考えているうちに俺の体から少しずつ魔皇力が零れ出す。特に気にせずに俺は演奏を続けた。

 

「それ……魔皇力だよね。純度の高い魔力だっけ。扱える人間は私も知らないなあ……」

 

♬♬~ ♩♪♪ ……

 

「あ、あれ?」

「…………」

「あれ、あれれ? なんでミレディちゃんの体は光っているんだ? てかヴァイオリンから鎖のような物が巻き付いてるけど何これ? ねえねえ」

 

構わず続ける。別にこの曲に殺傷力はなかったはずだ。物の修復に多少使えたような気はするが……それ以外には特に何もないはず。

 

「あ、あれえ~? なんか活力がみなぎってくるような……というかゴーレムちゃんな感覚じゃなくて人間的な感覚を感じるよ~?」

「……うるせえな。演奏ぐらい静かにやらせって何だそれ」

「私が知りたいよ! てかこの鎖解けないんだけど! しかもゴーレムの体が崩壊してるしてきてるし!」

「は、はあ? さっきの曲は多少の修復機能以外は何も……」

 

カッ! 

 

「「!?」」

 

純白の光が迸る。俺は思わず目を瞑った。そのぐらいに……明るい。眩しい! 

 

やがてその光が収まったので俺は目をゆっくりと開いた。

 

「……は?」

「え?」

「どちら様?」

「失礼だなあ~君は。ミレディちゃんに決まってるじゃないの」

「え、ミレディ? あのミレディ・ライセン? 何で人間の姿してんの?」

「へ? は?」

 

俺の目の前に映っているのは……金髪蒼眼の美少女であった。思わず目を見開く。見間違いではなく……確かに人間が目の前に立っているのだ。

 

「う、うそおおおおおおお!?」

 

……ミレディの悲鳴のような、喜びのような声が住処に響き渡るのだった。

 




はい、ミレディが人間に戻りました()
とはいってもここから役割が大幅に変わるわけではないんですけどね…一時期オスカーとの恋愛も混ぜようかと迷ってましたがキャラ多すぎて書き切れる気がしないので諦めました()

恵里の処遇はどうする?

  • 勇者バカ之河の被害者だから救おう
  • 消せ(無慈悲)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。