※この作品はR-18です。

その音色は異世界まで響き   作:誰かさん

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遅れてしまい申し訳ないです……()


第十六楽章 親?

(音也くん! ミュウちゃんは無事!?)

(無事だ。今から地上に降りるから俺の気配の下に来てくれ)

「お兄ちゃん?」

「ん、大丈夫だ。それより今からお姉ちゃんに会えるぞ?」

「お姉ちゃん!」

 

変身を解除して露葉さんに集合をかける。その時の様子が不思議だったのかミュウが話しかけてきたが露葉さんと会えるぞと話したら目をキラキラさせた。

 

そのまま真っ直ぐ地面に降り立つと、露葉さんと雫が待っていた。

 

「あれ、雫も来たのか?」

「ちょっと気になってね」

「お兄ちゃん……この人、誰なの?」

「ん? こいつは雫だ。俺の……恋人だな」

「え……お姉ちゃんは?」

「雫の姉だな」

「……と、言いつつも?」

「茶化さないでくださいよ。露葉さんは雫の姉さん。ゆくゆくは義姉さんなのかな?」

「む~……」

 

何やら不満げに雫を見つめるミュウ。雫もまたミュウの目をジッと覗き込む。しばらく見つめ合っていた二人だが、その均衡は不意に破られた。

雫ががおもむろに進み出てミュウのことを俺から抱き取って……一言。

 

「……可愛い!」

 

ムギュ~っと抱き締める雫。そういえば雫は可愛い物に目がなかった。最近はそう言う素振りを見せてなかったので気にしてなかったが……そうだった。雫の部屋は可愛いぬいぐるみだらけだったし。

 

やがて一通り抱き締めた雫はミュウに慈愛の瞳を向けて呟いた。

 

「……よく、頑張ったわね。貴女はとても強いわよ」

「つよ……ふ……ふえええええええええん!!」

「おお……流石だ」

「間近でお姉さん見てきたからねえ……良い見本になれてたのかしら?」

「ま……それは雫を見てれば分かりますよ」

 

俺はまるで親子のような雫とミュウを愛おしげに見つめながらも露葉さんに貴女は間違ってないと伝えるのだった。

 

────────────────

「消滅した建物七十一棟、行方不明者数知れず、生還した人間は一人として見つからない……で? 何か言い訳はあるかい?」

「あるわけないだろ?」

「はぁ~~~~~~~~~」

 

冒険者ギルドの応接室で報告書片手にジト目で睨んでくるイルワの言葉を軽く躱して簡潔に告げる。それにしてもファイナルライジングブラストの破壊力は恐ろしかった。周囲の建物全部消し飛ぶんだもの。

 

あ、一般市民への被害はゼロだ。そこはユエとキバットが強力な結界を展開してくれていたので何とかなっている。

 

「まぁ、やりすぎ感は否めないけど私たちも裏組織に関しては手を焼いていたからね……今回の件は正直助かったといえば助かったとも言えるよ」

「ま、これから他の裏組織が動こうってなら俺たちの名前を出しな。なんならギルドお抱えのパーティーってことでも構わない」

「おや、良いのかい?」

「それぐらいはな。元々そういう犯罪者集団が二度と俺たちに手を出さないように見せしめを兼ねて盛大にやったんだからな。名前出すだけで相当な抑止力にもなるだろうよ」

「そうか……ならそうさせてもらうよ。あ、それとミュウくんの今後だけど……君たちに任せても構わないかな?」

「構わない。元よりそのつもりで助けに行ったんだからな」

「お兄ちゃん!」

「ただな。お兄ちゃん呼びは勘弁してくれないか? むず痒くて仕方がないんだよ。普通に音也と呼び捨てで構わない」

 

するとミュウは……恐らくこの場に居た人全員の予想を斜め上に行く答えを言ってきた。

 

「……パパ」

「へ? ミュウ、今なんて?」

「パパ」

「それは……言葉通りなのか? それとも海人族の中で〝お兄ちゃん〟とか〝音也〟という意味なのか?」

「ううん。パパはパパなの」

「うっそだろ……」

 

とはいえミュウは一度決めたらとことん芯を通す子だ。変えさせるのは無理だろう。

 

「まあ仕方ないか……」

 

無理やり変えさせて仲がこじれてしまうのはアウトである。俺は溜め息をつきつつもミュウの提案を渋々受け入れるのだった。

────────────────

オマケ

 

「ねえ音也」

 

「なんだ雫」

 

「……子供、欲しいわ」

 

「……俺らまだ十六だよな?」

 

「それでもよ。ほら……コレは要らないわね?」

 

「あ、こら……どうなっても知らないからな」

 

「……こうして二人で話すのは久しぶりね?」

 

「そういやそうだな。最近は忙しかったから……」

 

「別に毎日とは言わないわ。でも……たまにはこうしてゆっくり愛し合いましょう?」

 

「……ホント、変わったな。随分と積極的になったし奈落の底に居た頃より明るくもなったし」

 

「それもこれも音也の御蔭なのよ。以前まで関わった人たちは貴方みたいに心の奥底まで見てくれなかったもの。貴方は心の奥底まで見てくれてかつ真摯に対応してくれたでしょ?」

 

「そのつもりはなかったがな……ま、お前がそうやって素直に笑えるようになってくれて嬉しいよ」

 

「音也……」

 

「そうやって素直にお前が笑ってくれるなら……お前との子供を作ることだって拒否しないさ」

 

「音也!」

 

「どわっ!? いきなり飛びついてくるんじゃねえよ……」

 

「音也……音也……!」

 

「あれ……目がハートになってる。これは何言ってもダメだなあ……」

 

「ねえ……しましょう?」

 

「分かったよ。分かったからそんなに焦るな。俺はどこにも行かないから」

 

「うふふ……子供、作りましょう? 未来の旦那様♡」

 




次回からは再開のホルアド編に入ります。クラスメイトsideは…書くと粛清されかねないので省略させて頂きます。

恵里の処遇はどうする?

  • 勇者バカ之河の被害者だから救おう
  • 消せ(無慈悲)
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