※この作品はR-18です。

その音色は異世界まで響き   作:誰かさん

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光輝嫌われてますね()
感想見ていて思わず失笑しました。流石勇者(笑)でありご都合解釈+お花畑頭ですわ()


第十九楽章 心・想いは一つ

「お前空気を読めよ。バカなん? アホなん?」

「人殺しが何を……!」

「いやお前バカか? あの状況で死を望んでいる敵が居るなら殺してやるってのが普通だろうが。第一誤魔化すんじゃねえよ」

「いきなり何を……」

「自分の胸に手を当ててよく考えてみろ。お前は、俺があの女を殺したから怒っているんじゃない。人死にを見るのが嫌だっただけだ。だが自分たちを殺しかけ、騎士団員を殺害したあの女を殺した事自体を責めるのは、流石に、お門違いだと分かっている。だから、『無抵抗の』相手を殺したと論点をズラしたんだろ? 見たくないものを見させられた、自分が出来なかった事をあっさりやってのけられた……その八つ当たりをしているだけだ。さも、正しいことを言っている風を装ってな。タチが悪いのは、お前自身にその自覚がないこと。相変わらずだな。その息をするように自然なご都合解釈」

 

冷めに冷め切った瞳で光輝のことを射貫く。ここまでアホだとは思っていなかった。こいつは根本的に勘違いしていることにすら気がついていない。

 

「ち、違う! 勝手なこと言うな! お前が、無抵抗の人を殺したのは事実だろうが!」

「殺したな。それがどうした? そうでもしなければこの世界では生きていけない」

「んなっ!?」

「愛する人を守りながら生きるなら尚更だ。これは俺が奈落の底で培った価値観であり変えるつもりは毛頭ない。別にお前らに俺の生き方を強制するつもりはないけどな」

 

いい加減ウンザリしてきたので威圧展開。何故かビキビキと頬の辺りで音が鳴っているが気にしないでおこう。

 

「ただし心に留めておけ。気に入らないからと言って俺たちの邪魔をするのなら……それか俺の愛する人たちに手を出すというのなら、元クラスメイトであろうと俺は殺す」

「お、おまえ……」

「勘違いするな。俺は戻ってきた訳ではない。ハジメが香織の安否を確認したかったらしいからわざわざここに来ただけだ。お前らのことを仲間とは思っていないし関わりたくもない。なぜ仲間と思っていないかはお前らが一番分かってるんじゃないか?」

 

威圧を解いて後ろを向く。こいつとはもう話したくない。顔も見たくない。早いところ俺の視界から消えてくれ。

 

その意思を態度で示した俺は未だに引っ付いていたハジメと香織に声をかけながらイクサハンマーで開けた大穴からファンガイアバスターを使って地上に向かうことにした。

 

後ろからクラスメイトがゾロゾロと付いてくるのは無視して道中に現れる魔物をサクッと殺していく。

 

「な、なあ香織……流石に離れないか?」

「嫌だよ。ものすっごく久しぶりなんだもん。離れたくなんかないよ」

「お、おう……」

 

バカップルが誕生しているがこれも無視。俺はサクサク歩いて迷宮の外に出た。

すると急速にこちらへ向かってくる気配が一つ。俺は即座に誰が来たのかを理解して頬を緩めた。

 

「パパぁー!! おかえりなのー!!」

 

ステテテテー! と可愛らしい足音を立てながら俺の元へと一直線に駆け寄ってきたミュウ。その勢いのままピョンと抱きついてきた。

 

「ただいまミュウ。ティオはどうしたんだ?」

「うん。ティオお姉ちゃんが、そろそろパパが帰ってくるかもって。だから迎えに来たの。ティオお姉ちゃんは……」

「妾はここじゃよ」

「あれ、お前こんな人混みで離れたら不味いだろ」

「目の届く所にはおったよ。ただ、ちょっと不埒な輩がいての。凄惨な光景はミュウには見せられんじゃろ」

「始末は?」

「妾が済ませたよ」

「そうかい。まあ始末してなくても俺がやったけどな」

「相変わらず甘いのお」

 

ミュウを肩車しながらほの暗い笑みを浮かべる。とはいえティオが始末してくれたのなら問題はないだろう。彼女のお仕置きは俺の受け売りだ。容赦の欠片など有りはしない。

 

「お、支部長。こんなとこで何してるんだ?」

「ティオが付いてこい、もうすぐ勇者たちは帰ってくると言ってきたのでな。この場で依頼達成の印でも押そうかなと」

「そいつは助かる。俺はサッサとこの町を出たかったんでな」

「俺も引き留める用はないからな。好きにしろ」

 

依頼達成の印と報酬を貰って支部長と別れる。もうここに留まる理由はない。俺はハジメたちを連れて町の出口まで歩いて行った。

 

するといざ、別れをしようというところで……香織が俺たちのことを引き止めた。

 

「あの……ハジメくん。音也くん。私も付いて行かせてくれないかな? ……ううん、絶対、付いて行くから、よろしくね?」

「おう?」

「は?」

 

いきなり決定事項を聞かされて間抜けな声を出す。が、俺はそれがどんな意味なのかを察したのでハジメを香織の前に押し出した。

 

そして「俺のことは気にするな」という視線を飛ばした。

 

「……ありがとう、音也くん」

「は? え? おい説明しろよ音也」

「るせえ。今は香織の話を聞いてやれ」

「ハジメくん。貴方が……貴方が好きです」

「……俺のことが?」

「初めて見たときからずっと好きでした。離れている間でもこの気持ちは変わらなかったよ?」 

「俺なんかよりもずっといい男がいるだろうに。例えば……勇者とか」

「そんなに自分を貶めたらダメ。私にとってのハジメくんはヒーローなんだからね?」

「ヒーロー……」

「ハジメくん。答えを……聞かせてほしいな」

「俺は……」

 

一度黙りこくるハジメ。彼にも思うところはあるのだろうが……サッサと決断したらどうだ。これじゃあチキンにしか見えないぞ。

 

「……一つ、聞いてくれるか」

「……うん」

「元の世界にいた時は正直言って怖かった。何か裏があるのかとずっと思っていたんだ。でも……お前はずっと真っ直ぐなんだな。裏も表もない。真っ直ぐなんだよな」

「ハジメくん……」

「全く締まらないなあ……こういうのは男から言うべきなんだが、俺がチキン過ぎたか」

 

一歩前に歩み寄ったハジメ。そのまま香織の細い体をギュッと抱き締めた。

 

「は、え、ハジメくん?」

「……俺も、好きだ」

「!」

「言うのが遅くなってしまってゴメンよ。俺は……お前の事が好きだ。いや、愛してる」

「は、ハジメくん。流石に恥ずかしいよ……」

 

なんかイチャつき始めた。俺や雫たちは慣れてる光景なので特に何とも思っていないがクラスメイトは砂糖をオロロと吐き出している。

 

そしてハジメと香織がイチャイチャしているのを見て対抗心を燃やしたのか、雫が俺の腕に引っ付いてきた。

 

さらに露葉さんとユエも引っ付きハーレム完成。ハアハアしているティオは重力魔法で地面と熱烈なキスをさせる。嬉しそう。

 

だが、そんな空気に異議を唱える者が……もちろん、〝勇者〟天之河光輝だ。

 

「ま、待て! 待ってくれ! 意味がわからない。香織が南雲を好き? 付いていく? えっ? どういう事なんだ? なんで、いきなりそんな話しになる? それに雫、そんな男から早く離れた方が良いって何度言えば分かるんだ! おい紅! 南雲! お前たち、どんな強力な洗脳をしたんだ!」

「What the fuck are you saying now? (今になってお前は何を言ってるんだ?)」

 

思わず英語でツッコむ。そのぐらい勇者(笑)の言い分はおかしかったのだ。こいつは学校で何を見てきたのだろうか。

 

……いや、自己解釈しかしないこいつには香織が突然奇行に走ったように見えたのだろう。さらに俺がハーレムしてることに嫉妬したに違いない。

 

クラスメイトも光輝の様子に見かねたのか、谷口鈴が前に進み出て光輝を止めにかかる。

 

「光輝くん。二人が何かするわけないじゃない! 冷静に考えなよ。光輝くんは気がついてなかったみたいだけど、カオリンはずっと前から南雲のことを想っていたんだよ。それこそ日本にいるときからね。どうしてかおりんがあんなに頻繁に南雲に話しかけていたと思うの? それにしずしずが紅くんのことを好きなのはずっとのことじゃない!」

「鈴……何を言っているんだ……あれは香織が優しいから南雲が一人でいるのを可哀想に思ってしてたことだろ? 協調性もやる気もない、陰キャでオタクな南雲を香織が好きになるわけないじゃないか。それに紅は……」

「雫、俺もうそろ限界」

「私もよ。ねえ、勘違いしているようだけど私の心は昔から音也の物なの。今更貴方のような人間と一緒にはなりたくないわ。それに香織だって貴方よりもハジメのことをずっと好いていたのよ。日本に居た頃は人気があったからって調子乗らないで頂戴」

「嘘だろ? だって、おかしいじゃないか。香織と雫は、ずっと俺の傍にいたし……これからも同じだろ? 香織と雫は、俺の幼馴染で……だから……俺と一緒にいるのが当然だ。そうだろ、香織、雫」

「ウゼえ……コウモリモドキ、来い!」

「……流石に今回ばかりは俺もイライラする。徹底的にやってしまえ」

 

言葉の節々は厳しいものの、実はかなり心が広いキバットですらもイライラしている。どこまでアホなんだ、この勇者。

 

「分かってる……おい天之河。そんなに気に入らないなら俺と決闘しろ。お前が勝ったらこれから先好きにするんだな」

「言ったな? ヴァイオリニストのお前が勇者の俺に勝てるなど……」

「その慢心が命取りだと気がつけよ……」

「絶滅タイムだ。喜べ! ガブリッ!! 」

 

このバカに絶望を見せるためにダークキバに変身する。案外寛容なキバットが気を悪くした光輝の物言いに俺がブチ切れない訳がない。

 

「聖剣や魔法。何でも使って良いぞ。使えたらの話だけどな」

「舐めた口を……! 刃の如き意志よ 光に宿りて敵を切り裂け 〝光刃〟!」

 

光輝の持つ聖剣が光刃を付与された状態で振るわれる。しかし俺からしたらあまりにも緩慢な動きである。

 

「……ザンバット」

 

ガキンッ! 

 

「〝閃爆〟」

「ぐあっ!? 目が……!」

「雑魚が……」

 

ドガア! 

 

目を眩ませた後に蹴り飛ばして光輝を吹き飛ばす。本当に弱い。ダークキバが圧倒的なのもあるがこいつの強さは俺が奈落の底に落ちる前にイクサを使った状態と同等レベルである。

 

「くそ…… 〝限界突破〟!」

「おっと……それ以上はさせないぞ」

 

みんな大好き安心と信頼の紋章を作り出して光輝の足下に設置。身動きが取れなった所に俺はシールフエッスルを取り出した。

 

一応最初はイクサハンマーで股間スマッシュしようかと思っていたのだが、今回だけは見逃してやろうと思ったのである。

 

とはいえシールフエッスルで封印するのだ。ラモン曰く苦しいらしいのでお灸すえるには丁度良いだろう。

 

「ぐ……あ。離せっ」

「非力な自分を呪うといいさ」

「封印だ。死ねずに苦しむと良い」

 

バリバリと手から雷が迸る。と、同時に光輝の体が光に包まれてグングン身長を縮めていく。最終的には手のひらサイズの人形に変わった。

 

地面にコトッと落ちた光輝人形を拾い上げて近くに居た鈴にポイッ。

 

「明後日ぐらいには封印が解ける。死んでないから安心しろ」

「え、えっとお……なんかゴメンね」

「今回だけはこの程度にしてやる。次やったら(男としての)命はないからな」

「う、うん。ちゃんと伝えとくよ」

「はあ……余計に体力使った。早いところ宿を探して今日は休むかな」

「うむ。それにしても闇のキバの鎧の扱い方が随分と上手くなったな」

「そうか? 特に何も変えてないけどな……やっぱり慣れたのかな」

 

変身解除して雫たちの元へ行く。もの凄くニコニコしてるのは気のせいではないはずだ。

 

てか香織も良い笑顔してるのはハジメと一緒だからなのか、光輝が粛清されたからなのか……分からないな。

 

もうここには居たくないので俺たちはサッサと立ち去ることにする。途中檜山たちが引き留めようとしてきたが紋章サンドイッチで気絶させたので邪魔者は消えた。

 

天気は快晴。目指すは【グリューエン大砂漠】にある七大迷宮の一つ【グリューエン大火山】。新たな仲間を加え賑やかさを増しながらも俺たちの旅はまだまだ続く……。

 




光輝の処遇に対して不満を持つ人もいるかもですが…今回は封印です。ちなみにここで光輝を抹殺する構成もありましたが…話がおかしくなりそうなので止めました()

恵里の処遇はどうする?

  • 勇者バカ之河の被害者だから救おう
  • 消せ(無慈悲)
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