「元太刀の勇者の立ち直れない」で魔王に君臨していた福山龍二が別世界に転生して乙女のように恋をしてしまうお話です……。ドタバタ、エロあり、笑いあり、涙ありを目指して頑張ります!
白と黒のタイルで作られたチェスの様な場所に椅子の前に立って巨大なモニターで何やら誰かと話している女神がいた。その女神は髪は銀色で紫色の法衣を纏い、眼が大きくてとても美しい姿であった。
なにやら揉めて居るようだった。
「エリスよ……何がどうなってアクアが異世界に転生されたのだ?えっ?答えなさい!」
「創造神様……それは……ですね……?」
モニターの奥からとても偉そうな神様がエリスと呼ばれた女神は歴史の人物であるザビエルをの様な見た目で創造神と呼ばれた中年男性にガミガミ文句を言われてしょぼんとしていた。
「アクア先輩は佐藤和真さんという転生者にチート能力として連れて行かれました……」
「なんだと!? ええぃ! あのアクアのせいで適当に転生者を送った者達が異世界で大暴れしているではないか!!お陰で私も残業だよ!私だって定時に帰りたいよ!どーしてくれるんだ!!ええ!?」
「すいません、すいません……」
創造神と名乗った禿げた男はモニター越しに一方的に文句を言い放つとエリスはペコペコと頭を何度も下げた。
「ったく……仕方ない……ネメシスを呼んできてくれ」
「ネメシスをですか?」
「うむ、掟の女神ネメシスは『盾の勇者の成り上がり』の世界を担当していたが、そこの元転生者が魔王になってしまってな?」
「はぁ……っえ!?転生者が魔王に!?」
「これが彼の情報だ、目を通してくれ」
創造神はモニターに魔王と呼ばれた男の情報を写した。
「これが……魔王ですか……?見た目はそうでもなさそうですよ?」
「見た目はな……彼の罪名を見てみろ」
「わわ……勇者殺害、大量殺戮、国家転覆、女神殺し……魔界や地獄でもこんな人そうそう居ませんよ!?むしろこちらの魔王が小さく見えますよ!」
「流石のエリスもそう思うか……だが彼は好きで魔王になった訳では無いのだぞ?」
「え?どういう事ですか?」
「それはだな?」
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「なるほど……それで天界監獄に?」
「うむ、ネメシスなら彼を連れて来れるだろう」
「分かりました、ネメシスに連絡を取ってみます」
創造神のモニターの隣にもう一つのモニターを呼び出して別世界を担当している掟の女神ネメシスに応答を求めた。
「ネメシス、聞こえますか?」
「あらエリスじゃない?、どうしたの?」
「実は……」
ー説明中─
「え!?あのアクア先輩の尻拭いさせる為に彼を解放するの!?」
「はい、あなたと一緒なら心を許してここに来てくれると思うのですが?ダメでしょうか?」
「えぇ!?……多分……あの人監獄から出て来ないんじゃないかなぁ?罪を償う為に自分から入った訳だしぃ?」
「創造神様からのご命令なので……なんとかなりませんか?」
「えぇ!?創造神様!?」
すると創造神はネメシスに声を掛けた。
「ネメシスよ、この度は申し訳ない……」
「創造神様!?おっお疲れさまです!」
「なんとか彼を説得して来てくれないだろうか?」
「えぇ〜!?厳しいですよ!?何かメリットが無いと彼も動かないかと思います」
「うーむ……まずはエリスの元に連れて来てはくれぬか?話しはそこでしよう」
「ん〜分かりました〜やってみます」
露骨に嫌そうな顔をしてネメシスは渋々承諾して天界監獄に向かって行った。
ーー天界監獄ーー
そこは現代言う所の外国の刑務所の様な所で牢屋には様々な悪魔や様々な魔王が収監されている所だった。そして、その転生者が収監されているのは最下階だった。ネメシスはエレベーターで最下階まで降りて行くとそこは真っ白の空間に牢屋があり、そこには紫色と金色の鎧を纏って兜からは不気味に目を光らせる彼がいた。
ネメシスは彼に声を掛けた。
「お久しぶりです……リュウジさん。天使との戦い以来ですね」
「おー、ネメシスじゃん!久しぶり!、どうした?」
「実は……」
ネメシスはリュウジと名乗る転生者に事情を説明した。
「はぁ!?また別の異世界に転生されんの!?」
「はい、すいません折角服役している時に……」
「また転生か…………ってかさ?、あの戦いから何年経ったの?」
「えーっと……神界の年数だと、約500年ですかね?」
「500年!?って事は俺今500歳!? それで!?リファナ達はどうなったの?」
「リュウジさんのお仲間達は異世界の魔界を作って真っ当に生き終えました、リュウジさんは人気者ですね、皆さんリュウジさんとまた生きたいと言って平行世界に行きました、そうです、リュウジさんは今500歳超えてます」
俺もう500歳超えてたのか……うわぁ……まぁ魔王だからな、人間じゃねぇもんな……。
「そっか、良かった……皆幸せになれたようだな……」
「はい……あの、よろしければ話だけでも聞きに行きませんか?」
「魔竜も一緒にか?」
「はい、構いませんよ?ってか一体化してるんでどの道一緒ですよね!?」
「そうだよ!あはは……分かった、話しは聞くよ……聞くだけだからな?」
「すいません……行き辛いですよね?」
ネメシスはペコペコ頭を下げて手錠を掛けられた俺を連れて女神エリスの元に転送された。
「ここは……?」
《リュウジ様、ここは何処でしょうか?》
「まぁ転生される場所って所かな?」
「異世界の魔王・福山龍二さんですね?」
「あぁ?あんたは?」
「はじめまして、私の名前は幸福を司る女神のエリスと申します、この度はお呼びして申し訳ございませんでした……」
「女神……女神!?」
「えぇ!?あっはい女神ですよ?」
「ちっ」
俺は過去の記憶がフラッシュバックのように蘇り、思わず舌打ちをした。
けっ……また女神かよ、あーアレか?また俺をオモチャにする感じですか?ここはちょっとカマかけてやるか、そしてこの幸福を司る女神…コイツがどんな奴なのかも知りたいしな……。
エリスにも舌打ちが聞こえたらしく俺に食ってかかって来た。
「えぇ!?舌打ちしましたよね!?私何かしました!?」
「別に……ちっ」
「ほらまたしました!?ネメシス!?この人なんなんですか!?」
ネメシスは慌ててエリスとリュウジの間に入り仲裁しようと試みた。
ネメシス、演技中だから邪魔しないで!
「リュウジさん!落ち着いて下さい!」
「はぁ!?女神なんざクソ喰らえだっつうの!こんな奴信用出来ねぇよ!」
「クソっ!?いきなりなんですか!?初対面なのにこの言い草は!?ふんっ!所詮は魔王ですね!理由はどうあれ悪魔とアンデッドはみんな滅べばいいんですよ!」
「なんだとゴラァァァ!!」
「なんですかぁぁぁぁ!!」
幸福の女神エリスと異世界の魔王と呼ばれた俺は額をゴンっ!とぶつけ合う。現代で言う所のボクサー選手が乱闘寸前の様な距離で揉め始めた。ネメシスは呆れて創造神に声をかける。
「創造神様!2人を止めてくださいよ!呼び出したの創造神様ですよね!?早くして下さいよ!ケンカになっちゃいますよ!」
「落ち着いてくれ魔王龍二よ、服役中に呼び出してしまい申し訳ない……エリス、少し彼から離れなさい」
「ガルルルルルルルルルルルルルルル……」
「がるるるるるる……」
離れようとしない幸福の女神と異世界の魔王。
もはやケンカ勃発寸前。
「だから離れなさい!エリス!お前はホントに魔族を見ると豹変するな……まったく……」
「創造神様!こんな人私嫌ですよ!?大っ嫌いです!」
「こっちこそお断りだっつうの!この白髪頭がっ!」
「しっ!白髪!?よく見て下さいよ!銀ですよ!銀!!貴方目が腐ってるんじゃないですか!?」
「近づくんじゃねぇよ!女神くせぇのが伝染るわ!」
「なっ!?まだそんな事言いますか!?いい加減にしないと天罰下しますよ!?」
「エリスもリュウジさんも離れて!」
2人はようやく離れて創造神が話しかけて来た。
ここからようやく本題に入るらしい。
「で?なんで俺が呼ばれたんだよ、この白髪頭のせかいによぉ!?」
「白髪じゃないって言ってるでしょ!?このヘンテコ頭!」
「ヘンテコじゃねぇし!ドラゴンだしぃ!」
「ねぇ話し進まないから聞いてくれる!?実はな……」
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「なるほどな、そのアクアって言う水の女神と佐藤和真っていうバカタレが異世界に転生して向こうでグダグダになってるからぶち殺せって訳だな?」
「全然聞いてないだろ!助けてやって欲しいって言ってるんだけど!?」
「なんで俺がしなきゃ行けないんだよ!そこの白髪頭がやればいいだろ!」
「ほらまた白髪って言った!」
「事実だろ!?」
「違うって言ってるでしょ!?魔王の癖にバカなんじゃないの!?」
「あぁ!?もっぺん言ってみろ!」
「何度でも言うわよ!このバカ!」
「「オラァァ!」」
「だから2人共話聞けって言ってんだろぉが!……そこでなのだがリュウジ君……自由になりたくないか?」
「あ?自由……?」
自由……自由か……。
俺はその言葉で悩んでしまった。
「もちろんタダとは言わん、魔王討伐に君が協力してくれるなら特別報酬として君の要求を全て呑もう、どうだ?悪くないだろ?」
「ふーん……おいテメェら、また俺をおもちゃにする気じゃねぇだろうな?だとしたら……」
俺は魔力を高めて瞳を紅く輝かせ、バリバリと黒い稲妻を纏わせ、ネメシスは慌てて俺を宥めた。
「落ち着いて下さい!この方々はそんな事しませんよ!?」
「すぐそうやって怒る、短気過ぎでしょバカ魔王」
「おい、今バカって言ったよな!?この白髪頭が!」
「聞こえませんでした!?バカ魔王って言いましたよ!」
「何が幸福の女神だ!超胡散臭せぇ!」
「胡散臭い!?ホントにいい加減にしないと天罰下しますよ!?」
「やって見ろよ!」
「このぉ!!!」
再び額をぶつけ合い睨み合う女神と魔王。
マジ無理、この女神大っ嫌い!なんなの?呼び出しといてこの態度腹立つわぁ。
《リュウジ様!そろそろ落ち着いて下さい!話が全然進みませんよ!》
エリスは声が聞こえたらしく辺りをキョロキョロし始めた。
「なんですか?今の声は?」
「あ?耳かっぽっじってよく聞いとけや!この鎧がしゃべってんだよ!」
「鎧が喋った!?」
俺はちょんちょんと紫色の鎧を指さしてエリスに説明した。
「コイツは魔竜、俺がいた世界とは別の異世界を支配していたドラゴンで俺の能力で吸収しちゃって俺達は一体化したんだよ」
「吸収……」
「理解出来たか?白髪頭のババアかてめぇは?」
「バッ……ババアって言いました!?自分だって500歳超えてるじゃないですか!」
「仕方ねぇだろ!監獄に入ってたんだからよぉ!この仕事受けねぇぞ!」
「あーいいです!受けなくて良いですよ!さっさと帰って下さい!」
「あー!言われなくても帰るわボケェ!」
「ちょっとエリスも焚き付けないでよ!リュウジさん!私からもお願いします!協力して下さい!」
マジかよ〜この女神マジ嫌いだわ〜まぁネメシスには世話になったからなぁ……けど、自由になればあの退屈な時間もなくなるって事だよな……仕方ねぇ受けるか……
「ネメシスに免じて受けてやるよ、この仕事」
「ホントかね!?リュウジ君!?」
創造神はモニターに顔を押し付けて俺に尋ねた。
「ただし……取引しよーぜ?」
「もちろんだ!君が協力してくれるなら特別報酬として今から行く世界の魔王を討伐したあかつきにはどんな願いを『5つ』願いを叶えよう!」
「その特別報酬とやらでその現場の資料、水の女神と佐藤和真の情報、あとその世界の金、そしてそこの魔王を倒したら……うーん……」
「魔王を倒したら……?5つまでならなんでもいいぞ?」
「それはターゲットの魔王を倒してから決めるわ」
「うむ、分かった!」
「ではエリス、彼に要求された物を渡しなさい」
「……はい」
ふんっ、所詮神だな……チョロい。
俺はエリスからアンティーク感を醸し出すトランクを受け取った。
このまま行くのかな?もうちょいカマかけて見るか……。
「てかこの格好でその世界に行くのか?」
「何言ってるんですか!ダメに決まってるじゃないですか!」
「はぁ?んじゃどーすんだよ!この約立たず!」
「約立たず……あったまきたぁぁぁ!もう天罰下します!」
エリスが指パッチンをすると俺は光に包まれて体の禍々しい鎧が消されて若々しい体に変化した。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
《何かビリビリするんですけどぉ!?》
俺と魔竜を包んだ光柱が治まると……俺は人間に戻っていた。
「おい!てめえ!何しやがった!?」
「何って、魔王の力を全て消してあげましたよ?喜んで下さい、人間に戻りましたよ?”元”魔王さん?」
「てめぇぇぇ!!やりやがったなぁぁぁぁぁ!」
「あはは!!もう魔王ですらなくなったんですよ!」
「この野郎!ぶち殺す!『ドライファ・ダークネス』!!」
俺は強力な闇魔法を唱えエリスに向けて放とうとした。
しーん……。
あっあれ?魔法が出ない……!?。
「ウソだろ……魔王の力が……なくなった……おい、魔竜?魔竜!?てめぇ!魔竜を殺しやがったな!?」
「もう……うるさい人ですねぇ……魔竜さんも消えちゃったか……」
エリスは頬をポリポリかいて考え込むと手を叩いて閃いた。
「なら魔竜さんの魂をリュウジさんの体に入れて行ってはどうですか?今まで通りに話したりも出来ますし?」
「まだ生きてんのか!?」
「生きてますよ?ほら?」
エリスは指パッチンをすると魔竜の魂を呼び出して俺の体に入れた。魔竜は俺に念話が出来るようになった様だ。
《リュウジ様!?何が起こったんですか!?》
《おー、魔竜!おかえり、俺人間に戻されたんだけど……》
《はぃぃ!?何があったんですか!?》
「まだ何かありますか?」
「はぁ……とりあえず、今度行く世界の事を説明してくれるか?」
「はい、分かりました」
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「なるほどな、んじゃ冒険者登録とかしなきゃいけないのか」
「はい、多少お金はかかりますがね?」
「はぁ!?金かかるシステム!?」
「一応私の名前が通貨の単位になってますから」
「1円が1エリスなのは理解出来た、ダッセェ通貨だな」
「人間に戻ってもまだその態度を改めませんか!?」
「ふんっ!、まあいい、さっさと送れよ」
「その前に……リュウジさん、マリューさん以外に何か1つだけ持って行く事が出来ます、なんでもいいですよ?強力な武器、能力、防具なんでもです」
「なっなんでも!?」
「はい、この世界の転生者全員に渡してありますのでこの中に何かありますか?」
エリスは束になったカードを床に並べて俺に見せた。
「うわ……剣、槍、弓、盾、刀色々あるなぁ……うーん……」
「能力も入ってますけど、早く決めてください貴方の顔を見てるとイライラして仕方ないので」
「そのセリフそのまま熨斗付けて返してやるよ!わーったよ!」
俺はしゃがみこんでカードを急に集め始めた。
「どうしたんですか?いらないんですか?」
「よく見とけ!こうすんだよ!」
カードをばらまいてその散らばったカードから1枚を手に取った。
「【完全武装】?」
「その能力はどんな職業になってもどんな鎧も装備が出来る能力です」
「ふむ、なるほど……んじゃコレで」
「良いんですか?そんな適当で?」
「はぁ……人殺しはうんざりなんだよ、俺の資料見たんだろ?」
「えっ…?見ましたけど……」
「なら分かんだろ、クソ女神」
「またクソって言った!もう1回天罰下します!」
エリスは指パッチンをして魔法陣を展開して俺の体を浮き上がらせた。
「天罰なんて起こってねぇぞ?」
「もう起こしてます!それでは……”元”魔王・フクヤマリュウジさんに祝福を!」
「おい!エリス!何しやがった!?おい!」
「行ってらっしゃーい」
「てめぇえぇ!覚えてろよぉぉぉ!!」
俺は喚きながらエリス、ネメシス、創造神に見送られて転送されて行った。
するとネメシスはエリスに心配そうに尋ねた。
「エリス?ホントに大丈夫?あの人……悪女神や悪神に散々騙されてたから信用されるのに時間かかると思うよ?」
「はい……なんとかして見ます……はぁ……あんな人を助けなきゃ行けないのかぁ……回収作業も済んでないのに……」
「まだやってたの?『神器回収』?」
「はい……アクア先輩が悪いんですよぉ……転生者を適当に送るから……」
「ちなみにあの人根は悪い人じゃないからね?」
「そうなんですか?」
「前の世界ではエリスみたいにあたしは邪険にされなかったわよ?」
「えぇ!?」
「多分……エリス試されてるよ?あの人あんな凶暴な人じゃないしね」
「やっぱり……だと思いましたよ……はぁ……」
エリスは不安そうに上を見上げた。
リニューアルオープンです!