今更ながらダンまちを3期、外伝を見終えました!。ベル君かっこいいですねぇ……。
旧校舎の大講堂でオオドクマンドラゴラを発見した俺達。そして予想を遥かに超える大きさのオオドクマンドラゴラは耳を塞ぎたくなるほどの咆哮を上げた。
「──グオオオオオオオオオオ!!」
オオドクマンドラゴラを見上げたアオイは驚きを隠せなかった。
「あわわわ……こんなに成長するなんて……どうして!?」
ユニは分析したのか、オオドクマンドラゴラが巨大化した原因を推測した。
「環境の違いだろうな、エルフの森と学院では、土壌に含まれる栄養素も、大気中に含まれる魔力の質も違う……諸君、頭上を見たまえ」
「うっわ、なんか毒々しい花咲いてるんですけど。かわいさの欠片もないんですけど」
「ぷー……まいったわ、花が咲いてるってことは、もう成長しきってるわコイツ」
「成長しきってると、どうなるんです?」
「テレ女がやばみ……」
「って事は……戦うしかないんだよね……」
「はぁ、その成長スピードが羨ましい──」
「グオオオオオオオオオオ!!」
オオドクマンドラゴラは俺達に向かってツルを伸ばし、鞭の様にしならせて攻撃を仕掛けてきた。俺達はバラバラに散って回避した。
「ちょ、攻撃してきたんですけど!?あのツルやばいんですけど!?」
「てめぇ!!嫌味か!?俺に対する嫌味かゴラァ!!」
「アンタは何キレてんの、ってかコイツ、植物の分際で腕白過ぎでしょ」
「諸君、あのマンドラゴラは毒を持っている。端的に換言すれば、あの触手に当たらない様にね!!」
各自、警戒していると、オオドクマンドラゴラはツルを振り回し始め、辺り一体を攻撃し始めた。なかよし部達は逃げるのに精一杯だった。
「無茶ぶりすぎるんですけどー!?」
「これ無理ゲーっしょ……」
だけど、大体コイツの攻撃範囲は分かった。ならっ!!
俺はブレザーを脱ぎ、ネクタイを外して右手の拳に巻き付け、オオドクマンドラゴラに攻撃を仕掛けようと駆け出した。
「グオオオオオオオオオオ!!」
「『魔眼』!!」
オオドクマンドラゴラはツルを振り回して近付けない様にしていたが、俺は『魔眼』を発動させてツルを全てかわした。
「リュウジ先輩すごーいっ!」
「ふむ、死角から迫る触手も全てかわしている……大した反応速度だ」
「ゆんゆん!援護よろしくっ!」
「任せて下さい!友達を傷付ける奴は許さないんだから!『ライトオブセイバー』!!」
俺が交わしたツルをゆんゆんがライトオブセイバーで全て切り裂き、オオドクマンドラゴラの触手を全て切り落とした。
「リュウジさん!今です!」
「任せろっ!『ブルー・インパルス』!!」
バチィン!!
俺のブルー・インパルスでオオドクマンドラゴラの腹部を狙い、風穴を空けた。突然動き出した俺とゆんゆんを見たユニ達は驚いていた。
「あの動き……伊達に冒険者をやってるだけあるなフクヤマ氏、ゆんゆん君、あれぞまさしくぼっちの極意だ!」
「アレ、ぼっち関係あります!?普通にスタイリッシュに戦ってるようにしか見えないんですけど!?」
「いや無理だし、てか無理だし。前々から思ってたけど、あの人ら人間離れしてるわ」
「グオオオオオオオオオオ!!」
オオドクマンドラゴラは雄叫びと共にブルー・インパルスで空けた風穴とツルをあっという間に再生させた。
おいおい、吸魔石1個分の攻撃を再生するのかよ。もしかして弱点は『体』じゃねぇのか?
様子を伺っていた俺にオオドクマンドラゴラは再びツルで襲い始めた。
「リュウジさん!危ないっ!『ライトオブセイバー』!!」
ゆんゆんのライトオブセイバーでツルを再び切り裂こうとしたが、僅かに当たらなかったツルが襲いかかった。
やべっ、間に合わねぇっ!
ガキーン!
俺がガードを解いてみると、俺の前には魔力で出来たバリアの様な物が展開していた。俺は後ろを振り返ると、ユニが魔法を放っていた。
「僭越ながら、援護をさせてもらうよ!」
「ユニちゃん!助かった!」
「パイセンその、斧みたいなの使わないんだ。ウケる」
「リュウジ先輩、抜け駆けはズルいですよ!肩借りますね。ちぇーるるん!」
「チエルさん!私が援護射撃しますね!はっ!」
チエルは俺の肩を踏み台にしてオオドクマンドラゴラの顔に一撃を入れた。それに続き、アオイの矢が数本顔に刺さり、オオドクマンドラゴラはバランスを崩した。
「いや、うちのやる配当減るじゃん。しゃーない、若干やる気出して、ゆんゆんに合わせますかね……」
そう言ってクロエは隠し持っていたククリナイフを手にし、ゆんゆんに、アイコンタクトをしながらオオドクマンドラゴラに向かって行く。ゆんゆんは悟ったのか、『インフェルノ』を放った。そして、クロエはククリナイフをクルクルと回して炎を纏わせながら斬りかかり、触手を焼き切った。
「クロエさんすごいっ!。皆さんこんなに強かったんですね!」
アオイがなかよし部の実力に驚いていた。
「そう褒めないでくれたまえ。騒ぐほどのことじゃえへへへへへ」
「喜びだだ漏れっすよ」
「かわいいうえに強い、ちえるんの多才さに恐れおののきましたー?」
「あーくそっ!弱点どこだよっ!」
「アオイ!マンドラゴラの弱点はどこなの!?」
ゆんゆんの言葉にアオイは思い出すかの様に、考え込み始めた。
「えーっと……花……そうだ!『頭の花』です!オオドクマンドラゴラの花を狙ってください皆さん!」
「あそこ!?高くてとどかなくない!?」
「リュウジ先輩!ジャンプして壊して来て下さいよっ!」
「無茶言うなよっ!」
「流石の我々では難しいな……」
オオドクマンドラゴラの花を見ながら悩んでいると、ゆんゆんが覚悟を決めたのか、魔法を放つ準備をした。
「私が……私がやります!」
「ゆんゆん!」
「ゆんゆんちゃーん!」
「ゆんゆん君、後は任せたぞっ!」
「1人で行けんの?触手は全部斬ったけど」
「大丈夫です!」
すると突然ゆんゆんは変なポーズをとり、オオドクマンドラゴラに向かい、紅魔族流で名乗り始めた。
「……我が名はゆんゆん!!。アークウィザードにして上級魔法を操る者。そして、学院の友人達を護りし者……!!」
あっ、ここでやっちゃうんだ。
突然名乗り上げたゆんゆんを見たなかよし部達は、唖然としていた。
「えっ、急にどうしたのゆんゆんちゃん!?」
「噂には聞いていたが…本当にあったのだな、紅魔族流の名乗り方」
「いや今するとこ!?……嫌いじゃないけど」
「ゆんゆんかっこいい!!私も、負けてられないっ! 特別講座で使った爆発するポーションを矢尻に塗って……」
「アオイ!行くよ!!」
「うんっ!はぁぁぁぁぁっ!」
アオイは『爆発するポーション』を矢尻に垂らし、オオドクマンドラゴラの顔面に向けて放った。矢が刺さった瞬間爆発を起こし、オオドクマンドラゴラの動きを封じた隙にゆんゆんが最大威力で魔法を放った。
「ライトオブセイバー!!」
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
巨大な光の刃がオオドクマンドラゴラの花から体にかけて縦に一刀両断した。真っ二つにされたオオドクマンドラゴラは爆散してバラバラに散って行った。
「あーあ、思った以上に派手に爆発しちゃってくれて……」
「すっげぇ〜威力だなぁ……流石はゆんゆん、俺も新しい必殺技でも身に付けようかなぁ……」
「オオドクマンドラゴラの悲鳴は噂通りの轟音だったな」
「皆さーん!」
「ユニさん!クロエさん!チエルさん!怪我はありませんか!?」
先程攻撃したアオイとゆんゆんが走ってなかよし部の元に走って来た。
「へーきへーき。儲けられなくなったケド」
「儲け?おい、クロエちゃん。なんの話をしているんだ?」
「えっ!?あっいや、その……」
「ちょっとこっちおいで、オーナー命令」
「うっうす……」
俺はオオドクマンドラゴラの生態を知ったクロエが先程から様子がおかしいのに気付いて、アオイ達から離れ、ヒソヒソと事情を尋ねた。
「何企んでた?」
「えっいや……ごめん、マンドラゴラ捕まえて売ろうと思ってた……」
「なっ!?」
「うん、けどもう諦めたから」
「実は俺も素材狙ってたんだよね」
「えっ!?アンタも!?」
「俺はアオイに”新装備”を作って上げようと思ってたんだけどね。まぁ、バラバラに散った破片集めるさ」
俺はそのままオオドクマンドラゴラの端材を拾い集め、辺りを片付けて俺達は旧校舎を後にした。
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数日後、アオイとゆんゆんが聖テレサ女学院を去る日。アオイとゆんゆんを見送る為に、俺達校門までやって来た。アオイとゆんゆんは頭を下げ始めた。
「……お世話に、なりました」
「名残惜しいですけど、皆さんと出会えて私、良かったです!」
「俺はまだここに残るけど、アクセルの街の方は頼んだよ?」
「大丈夫です!」
「任せて下さいっ!」
来る時とは比べもんにならないくらいいい目をしているなぁ…。こりゃミツルギ達も驚くぞ?
俺がアオイ達と話していると、なかよし部達が遅れてやって来た。
「アオイちゃーん!ちぇるーん☆」
「チエル。一発目にそのクソ寒い挨拶やめてくんない。どーせやるならゆんゆん見たいなのにしてくれる?」
「我が名はユニ!!アークウィザードにしていろんな魔法を操る者!!」
「やんのかい。なんでよパイセン、頭ちぇるってんじゃないの?」
「クロエ先輩……ついにちぇる語を……!?でもソレ使い方違います。クソ誤用です」
騒がしくなったのに気付いたアオイとゆんゆんはユニ達に言い放った。
「みっ皆さん!?」
「どうしたんですか!?」
「どうしたって、皆で見送ろうってなってな?声掛けたんだよ」
「最初のお迎えもしていただいたのに最後のお見送りまで……」
「嬉しい……私……けど、いいんですか?こんな扱い受けて…」
今更何を言っているんだと言わんばかりに俺達は笑いながら答えた。
「何言ってんだよ、いいに決まってんじゃん」
「つーか、こっちが勝手にしたいからしてるだけだし」
「そーそー、2人とも、校舎の方見てご覧?」
「「えっ?」」
アオイとゆんゆんは校舎の窓を見上げて見た。そこには……1年教室、2年教室の同級生達や担任教師ががいた。
「アオイさーん!ありがとー!」
「ゆんゆんさーん!豚の丸焼き美味しかったよー!」
「いつでもお待ちしていますよー!」
アオイとゆんゆんは信じられない光景を目の当たりにし、目を赤くしていた。
「あわわわ……あんなに大勢……」
「夢じゃないよね……ドッキリとかじゃないよね……!?」
今にも泣きそうになっているアオイとゆんゆんにユニが訳を話した。
「うむ。彼女らも皆、間近で見送りたいと主張していたのだが、それではアオイ君とゆんゆん君が恐縮してしまうと思ってね」
「チエルが根回ししておきました!チエルは気の利く女なのです!」
「わっ私……こんなの初めてです……私なんかのために…」
「レッドプリズンでもこんな私にしてくれなかったのに……嬉しい!」
喚起回ったアオイとゆんゆんの所にクロエが近付き、肩を叩いた。
「なんかでも、こんなでもないし」
「「っ!?」」
「あんだけ頑張ったんだから、胸張りなよ……アオイ、ゆんゆん」
「クロエさぁぁん!」
「うわぁぁぁぁん!」
耐えきれなくなったアオイとゆんゆんはクロエに抱き着き、泣き始めた。それを見たチエルは駆け寄って2人の頭を撫でながら頷いた。
「うんうん。涙は乙女を強くする。びちゃびちゃ流しとこー」
「実にいい場面だ」
「いい話だねー、神回だねぇ」
「感動中のところ大変申し訳ないのだが、アオイ君ちょっといいかね?」
ぐしゃぐしゃに泣きじゃくっていたアオイにユニが声を掛けてきた。
「ふぇ?なんで……すか?」
すがりついていたクロエも2人から離れ、とんでもない事を言い出した。
「ぶっちゃけマンドラゴラ……アレもっと手に入る?」
「えっ!?」
「ほら、アレってエルフの森に生えてるんでしょ?ちょこっとだけチエル達に横流し……じゃなかったプレゼント?してくれないかなーなんて?」
「えぇぇっ!?」
感動の場面でなんて事を……クロエめ、チエル達に話したな!?
俺とアオイは金の欲に溺れた3人を見てドン引きした。ゆんゆんは何の話か分からず首を傾げていた。
「いい雰囲気ぶち壊しだよ」
「や、それとこれとは別の話じゃん。やっぱ欲しいもんは欲しいっていうか……やめて、そんな目で見つめないで」
「いや、アオイ君、フクヤマ氏、違うのだよ?これはあくまでも学術的研究の観点から、マンドラゴラの培養と流通をだね!?」
「なーにが、学術的研究の培養と研究だよ。売りさばこうとしてんじゃねぇか!なんだ、君らは友情より金を取るのか!?」
「リュウジ先輩が引いてる!?ほらほら、かわいいチエルですよーちぇるーん♪ごまかせない?やっぱり?でしょうね!」
まったく、奨学金が欲しいのは分かるけど……もうちょいオブラートに考えられないのかねぇ……。
俺はため息を吐きながらユニ達に言い放った。
「他にも金稼ぐ方法あるだろー、なかよし部を大々的に使ってさ〜」
今の言葉を聞いて、チエルが突然手を叩いた。
「なかよし部を大々的に使う……あっそうだ閃いたっ!今回の事件を冒険小説にして出版するとかどうですー?」
なろ〇系小説かっ!
「誰が書くの……あーでもそれ、ガチでやったら奨学金審査の課題に提出出来ンじゃね?」
「そうは言っても生半可な気持ちでは小説は書けねぇぞ?」
「なるほど、妙案だな。ならば早速ユニちゃんズの活動報告として、レポートをまとめてみようではないか」
「素敵!じゃあ全部お願いしますねーユニちゃんズのリーダー!」
ユニちゃんに丸投げする気か!?、まぁ、妥当だけど。
「それな、それだわ。ユニちゃんズさいこー」
「お願いしますよー、ユニちゃんズリーダー!」
俺、クロエ、チエルがおだてると、ユニが目をキラキラと輝かせ始めた。
「なんと!とうとうユニちゃんズが認められた……!なんたる僥倖!よかろうよかろう!かわいい後輩たちと同級生!頼れるユニ博士が、血湧き肉躍る最高のレポートを作成してやろうじゃないか!」
「「この先輩ちょろいわ」」
確かにちょろいなぁ……まぁ丸く治まったからいいけど。
俺達の薄汚い光景を見ていたアオイとゆんゆんはいつの間にか泣き止んでいて、クスクスと笑っていた。
「ふふ、ふふふふ………」
「ふふふふ……なんか、カズマさん達見たいだったね」
「私達、皆さん出会えて本当に良かったです!」
「素敵な思い出が出来て良かったです!」
泣き止んだ2人を見たなかよし部達は嬉しそうに返した。
「ぼくもだよ」
「チエルもっ!」
「右に同じ……ていうか、まぁ……うん、うちも良かった」
「俺も、久しぶりにバカやったなって感じして楽しかったよ」
そして、アオイとゆんゆんは荷物を持ち、涙を拭った。
「じゃあ私達、行きますね……」
「手紙とか、フルーツとか豚の丸焼きとかいっぱい送りますね!」
「んじゃ、2人とも。カズマとミツルギ、クリスによろしくな?」
「はいっ!」
最後にゆんゆんがモジモジしながらなかよし部に言い放った。
「あっあの!また会えた時は、私……その、友達になりたいです!」
そう言い残し、アオイとゆんゆんは走って行ってしまった。ポカーンと見ていた俺達は首を傾げた。
「すげー走って行っちゃったな」
「逃げるように走って行ったな」
「だね……最後になんかゆんゆん言ってたけど」
「ホントですよ、何言っちゃてんだか」
「まったく、おかしなことを言うものだ。ゆんゆん君、君とアオイ君は我々とは、もはやとっくに──」
「「「「友達だよ」」」」
走ってゆくアオイとゆんゆんの後ろ姿に手を振りながら、なかよし部の俺達は優しく微笑むのだった。
もしかしたら別作品で劇場版的な感じで『この元魔王に素晴らしい祝福を!』を書くかも知れません。