※この作品はR-18です。

この元魔王に素晴らしい祝福を!改訂版   作:ボトルキャプテン

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慎重勇者一行再登場!、更にミフユねぇさん登場!

すいません、次回はお待ちかねの淫夢回です!



関係ないけど、ゴブリンスレイヤー第2期決定おめでとう!!


98 聖水塗れ

アオイとゆんゆんを見送った放課後、どっと疲れが出た俺は別荘に戻って来た途端ベットに倒れ込んだ。

 

「はぁ……鎧を付けてない状態で戦ったのは冬将軍以来だなぁ。ふぁ〜、寝ようっと……」

 

俺が目を閉じようとしたその時……。

 

『魔王軍襲撃警報!、魔王軍襲撃警報!現在、魔王軍と見られる集団が王都近辺の平原に展開中!騎士団は出撃要請、今回は魔王軍の軍勢が以前より更に多い為、王都内の冒険者の方々も強制参戦を要請します!……』

 

マジかよぉぉぉ!

 

「行きたくねぇ……なぁ、けど、行かなきゃ〜」

 

フラフラとレッドウォーリアを装着させ、他の冒険者が待つ城門までやって来た。

 

「冒険者の方は、こちらに集まって下さい!皆さんへの特別な指示はありません!皆さんは集団による軍事訓練を受けてる訳ではありませんので、騎士団とは別行動、自由に戦って頂いて構いません!戦闘に参加する前に冒険者カードをチェック致します!。今回は以前より遥かに数が多いので注意して下さい!。戦闘後に記載されているモンスター討伐数により、特別報酬が出ますのでご武運をお祈り申し上げます!」

 

俺はカードを提示してギルド職員に確認をしてもらい、騎士団と冒険者達を眺めながら順番を待った。近くには見覚えのある武装している女性がいた。それは以前、金獅子状態で会ったことのあるクレアが号令を下していた。

 

「魔王軍討伐連合隊、出陣!」

 

他の冒険者達と共に俺はモンスターの軍勢の元に向かって行った。俺が請け負った場所は以前、カズマがコボルトの集団にリンチされた場所だった。

 

思い出したくない場所だなぁ……。

 

そんな事を考えていると、俺や他の冒険者の前には……。武装したゴブリン、ホブゴブリン、ゴブリンチャンピオンが立ちはだかった。

 

「あれはエルフの森で戦ったチャーリーんとこの残党か?」

「おっおい!ありゃ、鋼のリュウジじゃねぇか!?」

「なんだと!?あいつ、”死んだ”筈じゃなかったか!?」

 

俺はザワつくゴブリン達が言った言葉にピクっと反応した。

 

死んだという情報が広まったんだな、だけどどうやって生き返ったかというのは知らないみたいだな。

 

「構うもんか!鋼のリュウジを殺せぇぇ!!」

 

ゴブリン達は他の冒険者達には目もくれず向かって来た。俺は迎え撃つ為に手をゴキゴキと鳴らして構えると、後ろから物凄い声が聞こえて来た。

 

「てぇぇぇぇい!」

 

突然、俺や他の冒険者達を押し退けて、鎧を着た女性が槍を片手にゴブリン達に向けて突撃して行った。唐突に槍を突かれたゴブリン達は驚愕していた。

 

「なっなんだ!コイツ!?突然走って来たと思えば攻撃して来やがったぞ!!」

「なんだてめぇ──ぎゃああああ!!」

 

なんだなんだ!?

 

稲妻のごとく突如現れた女性は、ポニーテールで青い髪を靡かせながら槍をブン!と振って立ち止まった。

 

「流石に数が多いわね、1人じゃ効率が悪いわ」

「おいおい、俺らの分も残して置いてくれよ」

「そーだ、そーだ!突然現れといてなんなんだアンタ!。それに、アンタの担当はここじゃないだろ!」

 

他の冒険者が突っかかると、その女性は振り返った。

 

「あら、ごめんなさい。私、夜勤を抜け出して来たから忙しいのよ」

 

夜勤を抜け出して来た!?

 

俺や他の冒険者達は色んな意味でザワザワと騒ぎ始めると、その女性は時間が勿体無いのか、多事多端の様子で魔王軍と戦い始めた。勢いに呑まれた俺や他の冒険者達も遅れをとらないように戦い始めた。

 

────────────────────────

 

数時間後……。担当した区間の討伐を完了した俺達は、冒険者ギルドに行って報酬を受け取ろうと立ち寄った。俺は報酬を受け取り、別荘に戻ろうとしたその時、駆け足で入って来た冒険者とぶつかってしまった。

 

「あっ!ごめんなさいっ!」

「こちらこそ……あら、キミ!」

「あんた……えーっと、忙しい人!」

 

俺が指さした女性は足踏み状態を止めて足を止め、俺に答え始めた。

 

「私の名前はミフユよ。以後お見知りおきを。キミの名前、聞いてもいかな?」

 

ミフユと名乗った女性は俺に名前を尋ねて来た。俺はパンパンと鎧を払い、自己紹介を始めた。

 

「俺はフクヤマリュウジ、アクセルの街では鋼のリュウジと呼ばれていて。Adventuresという冒険者集団を率いている」

「あらそうなの?、私は『メリクリウス財団』に所属している……報酬次第でなんでもこなす、”傭兵”よ!」

 

自慢げに話したミフユはご丁寧に自分を紹介し始めた。俺は聞き覚えのある言葉を聞いて首を傾げた。

 

メリクリウス財団……あれ?ここに来て誰かに聞いたような…。

 

そうブツブツ考え込んでいると、ミフユが咳払いをしながら俺に言い放った。

 

「ところで、さっきのキミの格闘術。モタモタしてて見ていられなかったわ。キミは、戦いに一番必要ものってなんだと思う?」

 

はぁ?近接格闘スキル習得してるのに俺の動きにそんなムダがあったか?

 

「技術……いや、インスピレーションかな?」

 

俺がそう答えると、ミフユは少し考え込んで答えた。

 

「うーん、確かにインスピレーションも必要だけど、それだけじゃないのよ?」

「それだけじゃない?他に何があるってんだ?」

「『効率』よ!!」

 

はぁ?、効率?、何言ってんのこの人。

 

「最短の動きで最高の効率を得る、それこそが、私の目指す最強の傭兵。時は金なり、時間は待ってはくれないの!」

「ふーん、へー」

 

俺は鼻をほじりながらミフユの話を聞いていると、ミフユは食ってかかって来た。

 

「ちょっと鼻ほじって聞かないでよ!」

「あのなお嬢さん。効率って言ってもな?効率だけを考えて動いてたら……守れるものも守れねぇぞ?」

「随分自分に自信があるようね、いいわ、表に出なさい。少し相手になってあげるから」

 

そう言い放ったミフユは、路地に向かって歩き、人通りがない所に連れて来た。辿り着いた途端、ミフユは槍を構えた。

 

「いい根性ね、なら見せてあげるわ、効率のいい攻撃ってやつを!」

「時間が勿体ねぇ、早くかかってこい」

 

構えながら手をクイクイと手招きした。ミフユは煽られてカチンと来たのか、顔をしかめた。

 

「敵を一撃で2匹仕留めるには……最初ドーンといって、グイッと来てこうっ!」

 

そう説明しながらミフユは槍を俺に目掛けて突きつけて来た。素速く、鋭く、突かれた槍を俺はいとも簡単に右手で掴んだ。

 

「ドーンといってグイッとして?それから?どーするんだ?」

「くっ、言うだけあるわね!」

 

俺は槍を手放し、ミフユはバックステップをして俺から距離を置いた。ミフユの目付きは先程とは打って変わって、キリッと鋭くしていた。

 

あからさまに警戒していやがる、俺を舐めてた見たいだな。

 

「今度は俺の番だよな?」

 

俺は拳をバチバチと魔力をほとばしらせ、ミフユに向かって地面を抉りながら踏み込み、あっという間に間合いを取った。

 

「こうやって、一気に間合いに入り込んで一気に──」

 

俺はビックパンチを見せ付けながらミフユに殴りかかろうとしたその時突然、叫び声が聞こえて来た。

 

「ミフユさん!なにやってんですか!夜勤の休憩時間とっくに過ぎてますよ!?工場長がてんてこ舞いになってます!早く戻って下さい!」

 

拳をビタ止まりさせた俺は、そっと拳を下ろし、ポンと肩を叩き、耳元で囁いた。

 

「本当の効率ってのは、殺意を込めて1匹、1匹一撃で仕留めるって事さ……」

 

そう言い残して俺は別荘に帰って行った。とり残されたミフユは唖然としていた。同僚らしき人はミフユの肩を揺すると、ハッと我に返った。

 

「ごっごめんなさい!すぐに戻るわ!先に行っててちょうだい」

「分かりました!すぐに来てくださいよ!良いですね!」

 

そうミフユに言い放った同僚は忙しなく駆け出して行った。それを見届けたミフユは抉られた地面を眺めながらこう呟いた。

 

「あんな効率的な攻撃当たってたらひとたまりもなかったわね……鋼のリュウジ、覚えとくわ……って早く夜勤に戻らなきゃ!!」

 

ミフユもバタバタと駆け出して同僚を追いかけて行った。

 

────────────────────────

 

別荘に戻って来た俺は鎧を雑に脱ぎ捨てながらベットになだれ込んだ。

 

「流石に疲れた……寝よう……ってもう朝じゃ〜ん……」

 

窓をチラッと見た瞬間、朝日が登っていた。

 

徹夜しちゃったよぉ〜。

 

俺はボリボリと頭をかきながら窓に近付いて風景を眺めた。

 

「あと3時間くらいしたら学校じゃん……行くのやだなぁ…」

 

そんな事をボヤきながら俺はふと閃いた。

 

「あっ、統一神界に行けばすんごいゆっくり出来るんじゃねぇか?神界で計算すると……少なくとも1週間くらいは、そうと決まれば久しぶりに行くか!!」

 

俺は脱ぎ捨てたレッドウォーリアを再び着て『テレポート』を唱えた。統一神界に辿り着いた俺は、エリスの部屋に向かった。

 

「あれ……セイヤ?おーい、セイヤ〜!リスタ〜!」

「あらリュウジじゃない、久しぶりね!」

「ああ……たしか、トロッコモロッコさんだったか?」

「一文字も合ってないんだけど!?リュウジだよ、リュウジ!!」

 

他の異世界を担当している竜宮院聖哉達と出会した。だが、今回は2人ほど、増えていた。

 

「あれ?セイヤ、後ろにいるのは新しい仲間か?」

 

セイヤとリスタの後ろには、銀の鎧を身にまとい、鳶色の髪の毛をした活発そうな男の子。そしてローブを羽織ったクルクル巻き毛の赤髪の女の子がいた。リスタは俺に紹介してくれた。

 

「丁度いいわ、リュウジに紹介するわね?、男の子は『マッシュ』女の子の方が『エルル』って言うの。この2人はね、竜族の末裔なんですって!凄くないっ!?」

 

ほぇー、竜族末裔!こりゃ初めて見たな。

 

俺はエルルとマッシュと呼ばれた2人に挨拶をした。

 

「はじめまして、セイヤとは別の異世界を担当している冒険者。フクヤマリュウジって言うんだ、鋼のリュウジで通ってる。よろしくね?」

「よろしくな、鋼のリュウジさんよ!俺はマッシュ!竜族の血を引く戦士だ!」

 

 するとローブを羽織った巻き毛の女の子も挨拶する。

 

「へへっ!私はエルル!マッシュとは同じ村の幼馴染みなの!。私も竜族の血を引く魔法使いだよっ!別世界だけど、お互いこれから一緒に頑張ろうね!」

 

ほう、竜の戦士に魔法使いか、こりゃ特殊なスキルや魔法を使えるんだろうな……。

 

俺は2人と固い握手をした俺は再びセイヤに声を掛けた瞬間、それは起こった。

 

「久しぶりだなセイヤ、この2人は──」

 

突然俺の頭に、セイヤは懐から取り出した聖水を有無を言わさず振りかけていた。

 

ジョボ、ジョボ、ビチャビチャ。

 

「……ん?」

「ふむ、本物の様だな」

 

 聖水塗れで呆然とする俺。

 

「セ、セ、セイヤァッ!?アンタ、リュウジ”にも”かけるの!?」

「うおっ!!師匠!?この人と友達なんだろ!?何やってんだよ!?」

「やだあっ!!セイヤくん、お友達”にも”聖水かけるの!?」

 

にもって、なんだよ。

 

俺は何食わぬ顔をしながらかけられた聖水を拭ってセイヤに尋ねた。

 

「それで?ゲアブランデで何があったんだ?」

「ごめんね!?ほんとにごめんね!?キレてる?ねぇ、キレてる?」

 

キレてないっすよ

 

「何事も無かったかのように話し始めたぞ?」

「きっと、セイヤくんのやり方に慣れてるんだろうね」

「実はな、このマッシュとエルルと出会う時、アンデッドが神父に化けていてな」

「あーやっぱり潜り込んでたのか、そりゃ疑うわな」

「おい、むしろ許しちゃったぞ!?」

「うわー、優しい人だねぇ!」

 

それから俺はセイヤ達にあの後何があったのか事情を尋ねた。リスタ達が言うには、マッシュとエルルに出会う時にアンデッドに化けた神父がいてそれが原因で俺が聖水をぶっかけられる羽目になったと言う。その後、マッシュが魔王軍四天王に捕まり、マッシュが重症を負わせられたがなんとか2人目の四天王を撃破することが出来たらしい。それでマッシュとエルルが足でまといにならない程度に修行させ、尚且つセイヤ自身もセルセウスとは別の神に稽古をつけてもらうために再び戻って来たという事だった。

 

どんだけ戻って来んだよ

 

「ふむふむ、色々思う所はあるけど、マッシュくんとエルルちゃんの稽古をつけてもらうために来たって訳か。なぁ、リスタ、良ければ俺にも2人のステータスを教えてくれないかな?世界観は違うけど、アドバイス的な事は言えるかもしれない」

 

それを聞いたリスタルテは考え込み、俺に答えた。

 

「それもそうね、っていうかアンタも『能力透視』覚えれば?」

「覚えたいけど、エリスに怒られるし」

「うっ……んじゃ今回も私が教えてあげるから黙って聞いててね」

 

そう言われた俺はリスタの隣に立ち、マッシュとエルルのステータスを教えて貰った。

 

マッシュ

 Lv16

 HP1381 MP0

 攻撃力921 防御力877 素早さ790 魔力0 成長度47

 耐性 火・氷・毒・麻痺

 特殊スキル 攻撃力増加(Lv5)竜人化(Lv1)

 特技 ドラゴン・スラスト

    ドラゴン・スラッシュ

 性格 勇敢

 

エルル

 Lv10

 HP384 MP220

 攻撃力101 防御力172 素早さ88 魔力196 成長度38

 耐性 火・水・雷

 特殊スキル 火炎魔法(Lv4)補助魔法(Lv1)

 特技 ファイア・アロー

 性格 明るい

 

ほう、これは中々じゃないか。竜人化して戦うアタッカーに、サポート魔法……担当している世界の違いか、めっちゃ役に立つスキルや魔法ばっかりだな……羨ましい。

 

俺は純粋にマッシュとエルルに答えた。

 

「2人ともその若さでその強さはすげぇよ、こっちの同じ位の子とは全然比べ物にならないくらいだと思う」

「ホントか!?」

「やったね!マッシュ!『大きくて愉快な手』が褒められたよ!」

「やめろ!その名前言うなっ!」

 

マッシュは慌ててエルルの口を塞いだ。『大きくて愉快な手』というのは恐らく竜人化した時の腕なのだと思い、優しくマッシュに言い放った。

 

「まだまだコントロールが出来ないだけさ、例え『大きくて愉快な手』でもいずれは『おっかない手』になるだろう。自信を持て!」

「それ励ましになってねぇよ!アンタもバカにしてんだろ!?」

 

マッシュは『大きくて愉快な手』を発動させながら俺に食ってかかって来た。俺はぐわんぐわんされながら答えた。

 

「嘘っ、嘘だから!暇な時俺も格闘の修行手伝ってやるから、な?格闘スキルだけなら俺はマッシュくんより上だからな!」

「ホントか!?嬉しいぜっ!」

 

マッシュは子供のようにはしゃぎ始めた。

 

なんか弟が出来たみたいだなぁ

 

そんな事を考えていると、リスタが俺に尋ねて来た。

 

「それで?リュウジはまた何しにここへ来たの?アンタも自主トレ?」

「いや、さっきまで魔王軍とやりやっててさ、徹夜しちゃったからちょっと休憩を取りにね」

「おぉい!ここ(統一神界)はホテルじゃねぇんだよ!」

「ちょっと寝るだけだから、それで?あんたら一行はどれくらいいるんだ?俺は1〜2日はいるつもりだけど?」

「私達はセイヤ次第だから少しはいると思うわよ?」

「そっか!、まぁ時間が空いてたら声掛けてくれ。俺はエリスの部屋にいるからさ。んじゃ、また後で!」

 

俺はセイヤ達にそう言い残し別れ、エリスの家に向かった。その後、俺はエリスの家に辿り着き、窓から家の中を覗いてみるとエリスは居なかった。

 

ほっ、書類整理の仕事か、死者を転生させる部屋にいるんだろうな。

 

カギは空いてるのを知っていたので俺は堂々と中に入り、鎧を脱いでベットに倒れ込み、くつろぎ始めると……眠気がやって来て俺は意識を手放した。

 

────────────────────────

 

2時間後、ガーガーといびきをかいていると、エリスが帰って来た。リュウジを見付けた途端、ため息を吐き、リュウジに近付いて声を掛けた。

 

「リュウジさーん?リュウジさーん」

「ぐぅぅぅ〜」

「なんでまた天界に来てるんですかぁ〜?おーい……はぁ、起きなさい!!フクヤマリュウジ!!」

「ふあだぁっ!」

 

突然の大声に驚いた俺はベットから転げ落ち、顔面を強打した。顔をおさえながら俺は起き上がってエリスに声を掛けた。

 

「おっおっ、お疲れ様っす」

「はい、お疲れ様です。で?また何しにここに来たの?」

「きゅっ休憩しに……」

「自分の家や別荘があるでしょ!?時間の感覚がおかしくなるから来ちゃダメだってば!何度言ったら分かるの!?いい加減にあたしも怒るよ!?」

 

エリスは腰に手を当てながら俺を怒鳴りつける。俺は正座しながらここへ来た理由を正直に話した。訳を聞いたエリスはやれやれと言わんばかりに呆れていた。

 

「まったく……けどまぁ、学校と冒険者の両立は難しいからね、今回は特別に許してあげるよ」

「へい、あざーす」

「それと、セイヤさんとリスタが帰って来た見たいだね」

「ああ、知ってたのか。まだ若い冒険者を連れてな」

「強そうだからってケンカ吹っかけちゃダメだからね?」

「はいはい」

 

ケンカはしないよ、ケンカは……。

 

頭をボリボリとかきながら歩き回ると、とある写真立てが目に止まった。俺はその写真立てを手に取って見るとそこには、エリス、ネメシス、リスタ、そして黒髪のツインテールで背が低く白い服を纏った女性とカラフルな髪色している女性が写っていた。

 

「おい、エリス。この2人誰?」

「ん?2人?誰の事?」

 

呼ばれたエリスは写真に目を向けながら俺に答えた。

 

「あー、『ヘスティア』と『アメス』の事?」

「ヘスティア?アメス?」

「そっ、ヘスティア。彼女らは『炉』を司る女神・ヘスティアと『夢』を司る女神・アメスだよ」

「炉?囲炉裏とかの?そんでこっちが夢の女神?」

「うん。2人とも面白くてすっごいいい子なんだよ?暫く会ってないけどね」

 

そう言ってエリスは写真立てを元の場所に戻した。すると、エリスは突然、俺に言い放った。

 

「あっそうそう。格闘技の神様が見つかったよ?」

「え?マジ!?どんな神様なの?リスタ見たいなリアクション芸人はお断りだぞ?」

「大丈夫大丈夫、そんなんじゃないから」

 

ほう、これは期待出来そうだな。

 

だが、俺は腑に落ちない事があり、首を傾げながらエリスに尋ねた。

 

「あれだけ修行はダメだ、稽古はダメだと言ってたのにどういう風の吹き回しだ?」

「それはね、ダメと言ってもキミはやるだろうからね。どうせなら怖い神に頼んでキミにトラウマを植え付ければ、もうここに来なくなるだろうと思ってさ」

「ほう、言うじゃねぇか、で?、その神様ってのは何の神様なんだ?」

 

俺がエリスに尋ねると、エリスはクスクスと笑いながら答えた。

 

「『ムエタイの神・ガルーダ』っていう神様だよ」

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