※この作品はR-18です。

この元魔王に素晴らしい祝福を!改訂版   作:ボトルキャプテン

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序盤、ユニ視点です。

そしてようやくメリクリウス財団全員登場!!

そんでもって……作品の評価がいつの間にか緑から青に変わってた〜、流石にへこむなぁ……。


101 メリクリウス財団

特別講座の実施が告げられてから2日後。受講を希望した生徒達は、事前説明会が開かれるという会場に呼び出された。呼び出された1人、ユニは会場の1人でオロオロとしていた。

 

「ううむ……ぼくとしたことが、どうやら早く着き過ぎてしまったようだ。教員はおろか、同級生のフクヤマ氏すら来ていない。そしてなにより、ユニちゃんズの2人もおらんではないか……やれやれだ……寝坊・遅刻の常習犯として知られるハイパー低血圧のぼくが、仮面の商人のギラギラするサプリメントを過剰摂取してまで早起きしたのに。だが賢明なるぼくは、かような空き時間さえ無駄にはしない。この貴重なひとときは日ごろ酷使している脳の養生に宛てがうのだ。ふあぁ……端的に換言すれば……座り寝……ぐぅ〜……」

 

ユニはウトウトと椅子にも垂れながら眠っていると、他の女子生徒達が会場に入って来た。

 

「あちらの席が空いてますわ?」

「いま、お待ちになって?その横の席に座ってらっしゃる小さいお方は……ひょっとして、ユニ博士ではないかしら?」

「ユニ博士?在学中に名誉博士号を授かった、学院創立以来の秀才?テレ女七不思議の一つに数えられる、あの幻の!?」

「間違いありませんわ!もはや一般授業には現れず、旧校舎の図書館棟でご自身の論文に打ち込んでいるという、あの孤高の高等遊民!実在されてましたのね!」

 

女子生徒達が恐れおののいてるのを他所に一方、ユニは……。

 

「くか〜すぴるるるる〜」

 

ヨダレを垂らして眠っていた。するとそこに、リュウジが教室に入って来た。

 

「ごきげんようっす……ってあれ、まだそんなに来てないのか……お?珍しくユニちゃん来てるじゃんか」

 

俺はそのままユニの隣にこっそりと座ると、女子生徒がヒソヒソと話し出した。

 

「まぁ、フクヤマさんったら。恐れ多いユニ博士の隣に座りましたわ」

「なんと!なんて無礼な方なんでしょう。いやですわぁ……」

 

なんかめちゃくちゃディスられてるんだけど……あっそっか、ユニちゃんは周りからユニ博士って呼ばれてんだもんな、そりゃ変に思うか。なら、ここらで俺とユニちゃんがなかよしって事を証明してみるか!

 

そう企んだ俺は、居眠りしているユニをまじまじと観察し始める。

 

「うん……寝てんなコレ」

「すぴるるる〜すぴるるる〜」

「さて、どうしたもんか……あっそうだ!……コホン。ユニちゃん?可愛いユニちゃん、お菓子をあげるからこっちにおいで?」

「すぴるるる……おかし?……おかし欲しい……」

 

秘技!『夢の刷り込み』!!寝てる時に外部の音声や情報を取り込むと何故か夢に影響が出てくる謎現象に名付けた技だ!

 

「お菓子欲しいの?ならパパの所においで〜?」

「んがごごごご……えへへっ、パパ〜パパ〜!」

「はっはっはっはっ、パパはここだよ〜」

 

俺が寝てるユニで遊んでいるのに夢中になっていると、いつの間にかチエルとクロエが入って来ているのに気付かなった。

 

「ほらほらー、ユニちゃーん。ボール遊びしよ〜ね〜」

「うへへ〜パパァ〜パパァ〜」

「いや、なにやってんの2人とも」

「えっ!?クロエちゃんチエルちゃん!?いつの間に来てたの!?」

「パパ〜パッ─────ん、んん……んあっ……?」

 

ユニも辺りが騒がしくなって来てようやく起きた。だが、チエルはドン引きしながら俺とユニに言い放つ。

 

「あっどーぞどーぞ、チエル達に気にせずに続けて下さい、自然体なキャラが出ててめちゃ可愛いですよ〜? およそ正気の沙汰とは思えないですけど」

「待って待って、ちょっとふざけてただけだから!やめて、そんな目で見ないで!ちょ、おい、やめろ!コラ!」

「おい、ちょっと待ってくれ。何がどういう事なんだね?何故ぼくにそんな目を向けるのか聞かせてくれないか?」

「こんな大っぴらなところで”おままごと”してる先輩方に理解が追いつかないわ」

 

やべぇっ!めちゃくちゃ誤解されとる!!

 

俺は慌てて状況を把握出来ていないユニを放置してクロエとチエルに訳を説明した。

 

「───って訳よ、別にガチでおままごとしてた訳じゃないから!!」

「それ刷り込みっていうか、それ洗脳の一種じゃね?」

「刷り込みって言葉はこういう時に普通使いませんよね?」

「フクヤマ氏、寝てるぼくに何してくれてるんだね。おかげで青春を望んでたのに先に黒歴史が出来てしまったではないか」

「ごっごめん、まさかこんなに上手く行くとは思ってなくて……」

 

4人で揉めていると、ドアが開かれ、マザー・ヒルダが入って来た。それを見たチエルは残りの3人に注意を促す。

 

「ほら、せんせー来ましたよ?おままごとはこれくらいにしましょ。説明会始まりますよ!早く座れです!」

「おい、君のせいでぼくの誤解が余計こじれたじゃあないか!」

「マジごめん、そんな怒らないで!」

「いーから座れし」

 

俺達が席に着くと、マザー・ヒルダも教壇の前に立ち、挨拶を始めた。

 

「ごきげんよう。皆さんもうお揃いですね、えーそれでは。来たる特別講座に先駆けて、本日は”特別講座の先生方”をご紹介致したいと思います」

 

マザー・ヒルダの話しを聞いていた俺達はヒソヒソと呟いた。

 

「あー、講師ってウチのセンセーとかじゃなくって、なんか外部からヒト呼ぶっつってたっけ」

「どんな人たちが来るんですかね!これはちぇるって来ましたよ!」

「クセの強い人じゃありませんように、クセの強い人じゃありませんように!!」

 

俺はブツブツと祈っていると、マザー・ヒルダは話し続ける。

 

「その活動は、自営会社から事業支援・魔物討伐まで多岐に亘ります。お招きしましょう、王都内でも有数の資産の誇る一流冒険者団──『メリクリウス財団』の皆さんです!」

 

メリクリウス財団だとっ!?

 

俺はその言葉を聞いた途端バッ!と顔をあげると、4人の女子冒険者達が教室に入って来た。赤いポニーテールに真紅のドレスに身を包んだ高貴な女性、キャルと似たような盗賊風で軽装な猫の獣人、見覚えのあるエルフのクルセイダーと青いポニーテールのランサーが現れた。すると、女子生徒達が驚いたように騒ぎ出す。

 

「あの方は、【現場第一猫娘のタマキ】さん!?噂では勇者候補の方から学んだたい焼き屋で年商5億エリスを稼ぐと言われているお方では!?」

「その隣は、【人間そろばんのユカリ】さん!?メリクリウス財団の財務担当をしていると言われている凄腕の方では!?」

「さらにその隣は、【万能敏腕傭兵(アルバイト)】と勇者候補の方々と肩を並べるほどと言われていて、ドラゴンスレイヤーと二つ名をもつ冒険者では!?」

「そして…その方々を束ねるのは、【商才令嬢】と謳われていて、総資産7兆エリスを有する大貴族・ウィスタリア家のご令嬢、『アキノ』さんですわ!!最近の噂では、【魔導飛行船】を何隻も所持しているとか!?」

 

7兆エリス!?めちゃくちゃ金持ちじゃねぇか!?、アキノって確か、ミツルギがクエストで同行したって言ってたっけな……。

 

メリクリウス財団の各メンバーの情報を整理していると、クロエ達もそれぞれメリクリウス財団の力に驚いていた。

 

「魔導飛行船!?あの空飛ぶ豪華客船と呼ばれてる!?」

「なんと、一部の上流階級で実用化されているとは聞いていたが!?」

「マジか、そんなゴージャス乗り物紙コップ感覚で使い捨てるとか」

 

【聖テレサ女学院(なかよし部)平均おこづかい額 5000エリス/月】

 

「魔導飛行船か、これはちょっと欲しい所だな……」

 

【特別編入生 フクヤマリュウジ 総資産11億エリス 平均おこづかい額 クエスト次第】

 

俺達はメリクリウス財団に少し驚いていると、リーダーのアキノが挨拶を始めた。

 

「ごきげんよう皆さま、メリクリウス財団のリーダー。アキノ・ウィスタリアですわ!」

 

アキノが挨拶をすると、なかよし部メンバーはザワザワと騒ぎ出す。

 

「ウィスタリア家って、学院にもジャブジャブ寄付している名門中の名門!!毎年象牙の塔を立て直せる程の大金持ちって話ですよ!?」

「何それスゴい!!」

「ふむっ!聞き逃せないトピックスだなっ!メモメモ」

「うわぁ……顔隠しとこ……」

 

俺はユカリとミフユに顔を見せないように顔を隠し、チエル達が興奮しているのを他所にアキノは話続けた。

 

「今日は皆さまのビジネスアイディアをばっしばっし聞かせて下さいまし!!共に王都を盛り上げて参りましょう!!よろしくお願い致しますわね!この度は誇れある聖テレサ女学院の特別講師としてお招きいただき、我々【メリクリウス財団】一同、光栄に存じております」

 

アキノが挨拶を終えるとマザー・ヒルダが感極まった状態で話し始めた。

 

「まぁ、まぁ、素晴らしい!!お世話になる特別講師の先生方に、さぁ、大きな拍手を!!」

 

パチパチパチパチ!!

 

拍手を止めさせると、マザー・ヒルダはアキノを紹介する。

 

「ことに、アキノさんは皆さんと同世代です。若くして成功されたその秘訣を、大いに見習わせていただくように」

 

アキノの事を聞いた途端、俺達は多すぎる情報量に若干引き始めた。

 

「ふぁ〜、なんてゆうか……チエルわりとセレブのお友達も多い方なんですけど、「兆」って単位は国家予算以外出て来ちゃ駄目なやつですよね?」

「こんなん桁違い過ぎて引くわ。「うらやまー」とか「ねたましみー」とかは逆に出ないわ。もうなんも出ない。いいわ、富め。好きに富め」

「しかし、同世代か……ということは彼女……アキノ君も、事業のかたわら何処かの学院に席を置いて居たりするのだろうか」

「あーなんか貴族って大抵専属の教師を雇ってるらしいから、恐らく学校通ってねぇと思うぞ?」

「確かにあの仕事量で流石にそれは……けど、無いとも言いきれないんじゃね?行動力ハンパなさそうだし……」

「確かに……言えてるな、ならどこ校だろうな?ルーセント学院か?レッドプリズンか?けど、レッドプリズンは紅魔の里だしなぁ」

「どこですかねぇ、とりまルー学やレッドプリズンだったら、ああいう元気な先輩、クラスに5〜6人いそうじゃないです?」

「いるいる、俺も前の学校にもあんな感じの熱苦しい人いたわ」

 

俺とチエルが学校あるあるを話していると、クロエが突っ込んで来た。

 

「リュウジ、チエル。圧倒されて語彙が死んでンのは分かるけど、あの要素ギャン積み姐さんを「熱苦しい元気な先輩」の一言で済ますのは無理」

「だが、さもありなん。言われてみれば彼女には、華やかな才気と同時に、そこはかとないルーセンティズムを感じる」

 

ルー学ってそんなキャラ濃い人いんの?リーンも確かルー学出身って言ってたっけな?

 

「えー、ちょー、どうなん、リュウジ。あんた無駄に顔広いんだからルー学の友達くらいいるっしょ?あの熱苦しい元気な先輩のこと、なんか知ってンじゃないの?」

「無駄じゃないもん!顔を広げて行っただけだもん!、つーか、ルー学出身の友達はいるけど、うーん、どうなんだろうな?Adventuresのメンバーがあの人とクエストをこなした事があるってのは聞いた事があるけど……」

 

俺がふと、メリクリウス財団メンバーの方にうっかり顔を向けると、ユカリとガッツリ目が合ってしまった。俺は咄嗟に首をグキッと音を立てながら顔を横に向けた。だが、ユカリは俺の存在に気付き、近付いて来た。

 

「あれ、キミ……リュウジくんだよね?」

「違います、お、お、おいどんは……リュウジって名前ではねぇっす」

 

精一杯に変顔をしながらユカリから逃れようと試みた。

 

「えぇ!?おいどん!?何言ってるの?リュウジくんだよね?学生してるって言ってたのって聖テレサ女学院だったの?」

「ちげーです、おいどんはリュウジじゃねぇっす」

「うるさい、おいどんおいどんうるさい。なに、変顔リュウジの知り合いなの?」

 

俺とユカリが揉めていると、クロエ達が割って入って来た。それと同時にユカリが説明して来た。

 

「そうなの、そ、そのこないだは……えへへ、恥ずかしいとこ見せちゃって……」

「おい、やめろ。変な言い方すんな」

「は?何あんた、見境無く引っかけてんの?」

「リュウジ先輩……」

「ほら見なよ、チエル絶句してンじゃん。チエルを絶句させるって相当よ?」

 

おっと、ゴミを見る目ですね

 

ユカリとわちゃわちゃしていると、今度はミフユとタマキがユカリの元にやって来た。

 

「ユカリさんどうしたの?……ってああっ!!鋼のリュウジ!!」

「えっ!?ミフユさんも知り合いなの?」

「ええ、つい最近魔王軍の襲撃あったでしょ?その時にね?」

「なんにゃ?誰にゃ?」

 

この中ではタマキだけは初対面だった為、俺は仕方なく諦めて事情を話した。

 

「はぁ……はい、鋼のリュウジです。色々事情があってここで特別編入生をやってます。ウロ……ユカリさんと、ミフユさんとはそれぞれ偶然知り合っただけだ、別にやましい事なんざねぇよ。って訳でよろしく今後もお願いします、タマキさん」

 

俺はタマキに頭を下げると、タマキは驚いていた。

 

「きゅっ急にそんな頭下げるにゃ!びっくりするにゃ!」

「神出鬼没なのは分かったけど、女学院に現れるなんてね」

「そういえば男女共学化を視野に入れてるとか耳にしたわね。まぁキミ見たいな紳士なら女子校でも大丈夫そうね」

 

ユカリが何を根拠に俺に言っているのか分からないが、納得していた。だが、クロエとチエルは不服に思ったのか、文句を言い放つ。

 

「いや、てかさァ、いンだけどさァ……結局ミフユ姐さんとユカリ姐さんと知り合いつって?何なんソレ、マジウケんだけど。きっも」

「そろそろどうかと思いますよ?ません?ますよね?」

 

すげぇ言われようなんだけど

 

だが、ユニは2人とは違い大人の対応をして来た。

 

「彼はそういう男だ、君たちもいい加減適応したまえよ。ぼくはとうに慣れたぞ。今さらエルフの王女やらドワーフの女王やら爆裂魔法しか使わない頭のおかしな紅魔族やら攻撃の当たらないクルセイダーやら、はてはアクシズ教徒の御神体やらが友人にいたと眉一つ動かんさ」

「えっまぁ、いるけど……」

 

そう言い放った瞬間、ユニは目の色を変えた。

 

「ほわぁぁぁぁぁぁー!!!い、い、い、いるのぉ!?まじでぇ!?見たい見たい!連れて来て!!」

「それは無理だぁ、学校壊れるもん」

「いや、学院壊すレベルの冒険者ってナニモンよ、やべー奴じゃん」

 

そして、そんな賑やかな風景を見ていたアキノが、マザー・ヒルダと話し始めた。

 

「あら、こちらの学院は随分と賑やかですのね。事前に伺っていた情報とは少々違うような……?」

「ほほほ、あちらの3人……いえ、4人はその、異端でして……特に、フクヤマリュウジさんが特に腕白でして、その影響かと」

「フクヤマリュウジ……知らない方ですわね?」

「さぁさぁ、挨拶はこれくらいにして、そろそろ本題の方へ」

「そうですわね、では、ミフユさん、ユカリさん、お願いしますわ」

 

詮索されたくないと思ったのか、マザー・ヒルダは慌ててアキノ達に本題を説明させるようにと促した。それにより、アキノはミフユとユカリに指示を出し、指示されたミフユはユカリと共に説明を始めた。

 

「それでは、今回の『起業精神を学ぶ特別講座』につきまして、起業精神というものを座学で学ぶのは非効率的。実践こそが効率的かつ最大の学びである、と私たちは考えました。そこで、先程アキノさん……当方のアキノが申しあげた通り、生徒の皆さんには、新たな事業を興すためのビジネスアイデアを提案していただきたいと思っています」

「次回──特別講座の当日までに『学生らしさあふれる起業アイデア』をご用意ください」

 

ユカリとミフユにそう言われた俺達は、頭を悩ませた。

 

「学生らしさがあふれる……起業……アイデア……?」

「出た。毎度おなじみ、ふわっとしてるやつ」

「起業アイデアねぇ……」

 

ふむ、一旦アクセルの街に戻ってアオイが育てた薬草を貿易に使えるか相談してみるか、それとも……”ハルクバスターのような巨大魔導ゴーレム”の作成でもいいかも知れないな。

 

俺はそう考えていると、ユカリ達は課題の説明を始めた。

 

「皆さんにはその企画を口頭で説明していただいて、それが社会的に通用するものかどうかを、私たちが厳正に審査させていただきたいと思います」

「あたしの審査は厳しいにゃ!美味しいたい焼きのアイデアをガンガン持ってくるにゃー!」

「タマキさん、黙って」

 

俺達は説明を受けたが、イマイチピンと来なくて頭を抱えていた。

 

「うーん、なんかふわっとしててよく分かんないですけど……とりあえず若者っぽいカンジで、なんかたい焼きっぽい新商品とか考えればいいんですかね?」

「うむ、たい焼きはおそらく雑音だが、概ねそういうらことだろう」

「それならチエル、何気にショップ開くのとか興味アリ子ちゃんです」

「へぇー、ちょっと意外だな。どんなショップ考えてたの?」

「今考えてるのは……、可愛い飲み物です!。例えば、ミルクティーとかに、つぶつぶのやつを入れた新感覚ドリンクです!コレやばくないですか!?めっちゃ新しくない!?独創性たっぷり、唯一無二のオリジナルドリンク!チエルの発案の名付けて、『タピチェルミルクティー』!」

「もしかしてタピオカのこと言ってんの?」

「語感が喉越し最悪。てか、チェルってつくもの腹に入れたくない。あとタピってなに?」

 

クロエちゃん知らないのか?あ、そっか、この世界にはタピオカは存在しないのか

 

クロエがタピチェルのタピの事を俺とチエルに尋ねると、チエルはドヤ顔をしながら答えた。

 

「えーっと、確かデンプンで──」

「インスピです!。内なるチエルがタピっと囁いたんです。つまり完全独自のアイデアなのでどこに出しても完全勝訴です」

「リュウジなんか言った?」

「………なんでもない」

「ふむ……なるほど、把握した。今ぼくは講師陣を観察していたのだが、反応は存外に悪くなかった。当講座においては、チエル君のような大胆さこそが、肝要と言える」

「確かに、インパクトはあったからね」

「ビジネスアイデアを出せと言ったな、企画を立て、それを説き、承認を勝ち得てみせろということだ。彼女らの流儀に則って換言すれば、”プレゼンテーション”か」

 

プレゼンテーションか、日本の高校でそんな授業したっけかなぁ?

 

俺は過去の授業を思い出そうと考えていると、クロエがユニに尋ねた。

 

「てゆーと?うちら起業家って体で?新商品とか説明して?メ団のねぇさんたちが投資家っていう体で?審査すると?」

「おー理解理解、たしかにプレゼンっぽいですね、通称プレゼンごっこ」

「ごっこで済ませていいのか?」

 

すると、アキノが俺たちの話しを聞いて突然笑い出した。

 

「おーっほっほっ!プレゼンごっことは、片腹痛いですわ!」

 

笑い方のクセが強いぃっ!!!

 

クロエは挑発され、アキノに言い放つ。

 

「え、なんすか突然、なんで急に煽って来たんすか?」

「えーっと、アキノさん、他になんかあるんすか?」

「その通りですわ、フクヤマさま。私はチャンスを逃さぬ主義。それは同時に、チャンスの創出にも貪欲だということ、生徒のみなさま聞きなさい!今回の特別講座は、ただのごっこ遊びではありませんわよ!」

 

「「「「!?」」」」

 

まさかとは、思ったが……やはりごっこで済む講座じゃなかったか。

 

警戒する俺たちを他所に、アキノは言い放った。

 

「あなた方の提案するビジネスアイデアが、仮に実社会でも通用するほど素晴らしかった場合──我がメリクリウス財団がそのアイデアの実現を正式にバックアップするとお約束いたしますわ!」

 

全面的にバックアップ!?マジかおい!

 

俺はアキノの言葉に驚愕していると、ポカーンとした顔をしてチエルが首を傾げた。

 

「はぁ、それってどういう……」

「言葉通りですわ、起業にいたる必要経費などを全面的に融資、その運用に必要な手続きまで、すべてを支援させていただきます!」

 

チエル、クロエ、ユニも理解出来たのか、目をキラキラさせながら騒ぎ出す。

 

「全面的に融資!!」

「すべてを支援!!」

「やばい、金の匂いしかしない」

「俄然燃えてきたぁぁ!!」

 

騒ぎ出す生徒の前に、ミフユ、タマキはアキノについて教えてくれた。

 

「アキノさんは大雑把で破天荒なところがありますが、ビジネスにおいて見識や嗅覚は本物です」

「あたしのたい焼き屋も目をつけられたしにゃ!」

「王都一の商人、ウィスタリア家直々の事業援助。これは大きなチャンスですわよ!さぁ、どういたします?可愛い教え子のみなさま!」

 

アキノに言われた瞬間、クロエが突然手を挙げた。

 

「さーせん、一瞬待ってもらっていいすか?。ハイ、なかよし部全員集合」

 

クロエの掛け声により、俺達は集まった。

 

「ちぇるーん!」

「ゆにーん!」

「リュウジーン!」

「なんなんこの点呼。で?どーなん今のメ団の話し。いいアイデアには金出すっつってるけど、え、あれガチで言ってんの?」

「本気だろ、出なきゃあんな大口叩かないだろ?」

「はー、どこのちぇるの骨とも知らない、可愛いだけの美少女に投資してくれる人がいたんですねー」

「いや、そうなるかはプレゼンテーションの結果次第だ。遊びではないと豪語する以上、審査は相応に厳しいものとなるはず。だがしかし、晴れて財団の支援を勝ちとることが出来れば、我々には輝けるセレブリティの門が開かれよう、端的に換言すれば……奨学金なんかどーでも良くなる」

「だからごっこで済ませていいのか?って言ったじゃん。俺は君たち3人には遠慮しないからね?本気で行くよ?」

「え、そーなんですか?そーゆーことなら話はちょっと変わってきますよ?モチベーションというか……やる気?」

「まァ、俄然アガるよね」

「然り。後輩たちよ、そういうことだ。この講座はなんとしても成功させるぞ──」

 

「ユニちゃんズの名にかけて!!」

「Adventuresの名にかけて!!」

「「なかよし部の名にかけて!!」」

 

バラバラじゃねぇか!!

 

「いや、ここは合わせようよ!!」

「誰です!?あの言葉を口にした人は!?」

「1人しかいないっしょ」

「おい、後輩たち。ここくらい先輩のぼくを立てるべきじゃないかね」

 

4人で醜い争いをしていると、アキノが見届けながら微笑んだ。

 

「ふふっ、どうやら面白い特別講座になりそうですわね」

 

大金の匂いがする特別講座に向けて、聖テレサ女学院(なかよし部)面々は、かつてないほどの意欲に燃えるのであった。




テレビつけっぱなしで寝てるとなんか眠りが浅いのか、テレビの内容が夢に混ざって来て変な夢見ますよね?、ソレを参考にしてみました。
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