※この作品はR-18です。

この元魔王に素晴らしい祝福を!改訂版   作:ボトルキャプテン

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アクア誕生日おめでとう!


105 なかよし部&メリクリウス財団 vs なかよしX

クロエが一番乗りになかよしXの体に攻撃を仕掛けた。だが、クロエのククリナイフは大きく金属音を立て、なかよしXの体には傷一つ付いて無かった。クロエは手をビリビリ痺れさせながら言い放つ。

 

「ちっ……硬った!、マジか」

「うそーん……!攻撃通ってなくないです!?」

「ふむ、参ったな。勢い込んで大見得切ってみたものの、フクヤマ氏が開発したヴィブラニウム……簡単にはいかないか……。無策のまま吶喊しても勝機が見えんぞ」

「俺たち『なかよし部』なら出来る!オラァッ!!」

 

ガキン!

 

俺はメタルフィストでなかよしXの体に攻撃を仕掛けると、ヴィブラニウムとヴィブラニウムがぶつかり合うと、なかよしXの体に少し傷が付いた。

 

《なかヨシブならデき……る?ガガッ、チェル……チェルラリ》

 

ん?なんだ?

 

俺の攻撃の後、なかよしXの動きが突然鈍くなった。チエルはそれに気付き、なかよしXに指を指した。

 

「あれ?あいつ、なんかちょっとチェるってません?」

「なんだろうか?フクヤマ氏が攻撃した後、機能不全を起こしている?」

「けど、俺が殴ったとこにはユニコプターは積んでねぇぞ?」

 

すると、ユニは何か心当たりがあるのか、アキノに声を掛けた。

 

「ふむ……アキノ君。なかよしXの中枢は、ぼくのユニコプターが基盤と言ったな」

「え、ええ……そうですけど……ですが打撃攻撃ではそんなに簡単には壊れたりしませんわよ?」

「ってことは……そっか!アレと同じで、わりと間抜けな欠陥があるってことですね!」

「う、うむ、まぁ、端的に言うとそうなのだけど、その言い方は先輩ちょっと気になるかな、うん。」

 

手をポンと叩いて閃いたチエルが分析してると、となりでユニは気まずそうにチエルの言葉に頷いた。すると、なかよしXはぎこちなく喋り出した。

 

《ナカヨシ……ガガッ……、なか、なか、よし》

 

「あぁ?さっきからなんなんだよ、このバカ息子めっ!さっさと回収して修理しねぇと……」

 

俺が攻撃を仕掛けようとした時、ユニは首を傾げ、手を叩いた。

 

「なかよし……?そうか、なるほどな、これはしたり、『仲良しだ』」

「なに?どうしたの?ユニちゃん」

「あ?こんなときに、なに突然。パイセン頭ちぇるってんじゃないの?」

 

俺とクロエが尋ねると、ユニは訳を話し出した。

 

「うむ、たとえばそれだ、君のその言い様。なかよしXの性格設定は、暴言女王・クロエ君をモチーフにしたもの」

「あのさ……いいけどそれ───」

「それ、クロエ先輩の解釈そこそこ間違ってますよ?」

「確かに……クロエちゃんは典型的な可愛いツンデレ。それに比べてなかよしXはツンしかないな……」

「同感だ、間違っている。クロエ君は一面的には暴言女王だが、それは本質ではない。クロエ君は愛のある典型的な可愛いツンデレと言うやつだ。魔王を倒すために生み出された故に、彼奴はなかよし部の定義も間違っているだろう。彼奴にとって、なかよし部は魔王軍と同じに集団に見えているのだよ」

 

めっちゃ不具合起きてんじゃん……。

 

「はぁ、ちょっとイミフ」

「10文字くらいにまとまりません?」

「ごめん、俺もよく分からん。この不具合の原因をざっくり言ってくれ」

「アレの弱点”仲良し”」

「なるほどね、りょー」

「りょー」

「りょー」

 

ユニの分析により、弱点を知った俺達は武器を構える。すると、アキノはざっくりの説明のやり取りを見て驚いていた。

 

「今ので分かるんですの!?」

「では、改めて、今度こそ行くぞ諸君!アレをやる!、『ファイナルオペレーションなかよし宣言』!!」

 

何それ!?

 

「ごめん、何それ?、まぁいいや。なかよしXをぶん殴って来る!」

「うん初耳。とりまその作戦の具体的なやつはそっちに任せますわ。こっちはテキトーに、こいつ刻んどくんでッ!」

 

俺とクロエはなかよしXに駆け出すと、なかよしXが再び喋り出した。

 

《損傷軽微、迎撃行動へ移行する。おしゃべり機能──対象、クロエ》

 

なかよしXがクロエを見詰めると、危険を察知したのか、ユニが注意を促した。

 

「むっ!備えたまえクロエ君!あのマザー・ヒルダを一瞬で心神喪失状態に追い込んだ、恐怖のマインドアタックが来るぞ!」

 

クロエは警戒すると、なかよしXはクロエに指を指して話し出した。

 

《お前の顔、恐すぎ、子供泣くわ、マジで》

 

「……はぁ、で?いや、知ってるし、そんなん今更べつに、べつに……」

 

クロエは失速して立ち止まり、少し涙目になって立ち尽くしてしまった。ユニはクロエが泣きそうになったのを見て驚いていた。

 

「おおっ!流石ふてぶてしさには定評のあるクロエ・アイアンハート、精神攻撃がまったく効いてな……え?、効いてないよね、アレ?」

 

なかよしXは畳み掛けるようにクロエに追い討ちをかける。

 

《イキりキャンディ。場末顔、毎日が制服デー。キュート界の自称クール。デレの大安売り。ただの萌えキャラ。王都おもしろネーミングセンス、7兆点優勝》

 

「……き、効いてないし……ぜんぜん、効いてないしっ……!」

「ねぇ?今どんな気持ち?アイツに挑発されてどんな気持ち?」

「うるさいっ!」

「まずいな、息も吐かせぬ怒涛の暴言ラッシュに、さしものクロエ君もうるうると涙目じゃあないか」

「てゆか、何言ってんです、あの不細工ポンコツ?クロエ先輩はそういうところが可愛いんだから、あんなの全然褒め言葉じゃないですか」

「然り、彼女にとって厳しさと優しさは表裏一体、観測者の所感など、どちらの側を垣間見たかに過ぎないのだ。端的に換言すれば、クールでキュートなあんちくしょう!」

「ほらリュウジ先輩も!一緒にクロエ先輩を褒め散らかしてください!」

 

えっ!?褒めろって言ったって……。

 

チエルに促された俺はとりあえず思いついた事を落ち込んだクロエに言い放った。

 

「えーっと、クロエは厳しい時もあるけどちゃんとしっかりしてるし、正義感強いし、何よりカワカッコイイ!!」

 

俺の言葉にクロエは……。

 

「ハ!?、なん……きもっ、え、何ゆってんのあんた、きもっ!」

「きもって2度も言った!!カズマ達にも言われたことなんてないのに!ひどいっ!」

「あ?、いや、べつに……言うなとは言ってないじゃん。なんで、いいよ、アイツ倒す作戦みたいだし、言いたきゃ言えばそれは。てか、まぁ、念のためにホラ、もっかいぐらい言っとき、ん……」

 

チョロ……クリスもこんな感じだったらいいのになぁ……。

 

クロエと俺のやり取りを見ていたチエルとユニはボソッと呟いた。

 

「チョロ……」

「大概だぞクロエ君」

 

すると、なかよしXにさらに異常が現れた。

 

《クロエ、カワカッコイイ……ガガワ、ガッ……》

 

なかよしXの異常に気付いたアキノは作戦を理解したのか、うんうんと感心していた。

 

「効いていますわ!なるほど、弱点は『仲良し』。魔王軍を討伐する目的で開発されたなかよしXは血で血を洗う本来のなかよし部とは正反対の様を見せつける───これこそが伝家の宝刀、作戦名『なかよし宣言』ですのね!」

「アキノ先輩は、ウチのチームを魔王軍か何かと思ってらっしゃるのか?」

 

不具合を避ける為に、なかよしXは狙う相手を変えようとチエルの方に向いた。

 

《ターゲット変更。目標、チエル。自虐風モテ自慢マジうぜー、影でみんな言ってるよー》

 

なかよしXはさっきと同様、チエルにも怒涛な暴言ラッシュを繰り出した。だが、チエルは笑って返した。

 

「わぁ出た出た、「みんな言ってる」はいはい、そういうパターンね。あるあるーでもごめんちゃい!チエルそういうのもう慣れてるんで──」

 

おっ!?言い返した!!いいぞチエル!!

 

チエルが言い返すとなかよしXは……。

 

《騒音妨害、茶番の押し売り、アイドルなりそこなり損ねクソ滑り芸人。実家で声が低そう、ビジネスちぇるーん、奇声と奇行で一生迷走。おまえ結局何がしたいの?》

 

うわぁ……。

 

「はぁぁぁーー!無理こいつマジ無理!ほんと無理だし視界に入ンのすら無理!サイアク、気分悪い、吐きそう、もう帰る!」

「おっ落ち着けチエル!キャラが崩壊してるぞ!!そして帰るな!アイツがまだ残ってるだろ!!」

「知りませんよ!先輩達だけでやって下さい!チエルもう帰りますから!」

 

俺は帰り支度を整えるチエルを引き止めていると、ユニとクロエが宥め始めた。

 

「落ち着きたまえチエル君、ぼくはそう思わんよ。どんな場も華やがせる君の社交精神はとても崇高なものだ。こと人間関係において、君からの学びが如何に多いことか」

「まーね。ある意味ありがたみ。暇なときだったら逆に、こーゆーのが一匹勝手に騒いでるくらいが丁度いいし?つって、ほら、リュウジも思ってること言っとき」

 

えぇ!?ムチャぶりするなぁ……。

 

俺はとりあえず頭に浮かんだ言葉をチエルに言い放った。

 

「チエルがいるとめちゃくちゃ明るくなるし、なにより、たまに出るツッコミがめちゃくちゃ面白い!!」

 

頬をポリポリとかきながらチエルに言うと、チエルは照れ始めた。

 

「えっ……あ、ホントですか。そんなチョクに言ってもらっちゃうと、ふふっ、私ちょっと嬉しいかもです」

 

おおっ……滅多に見れないチエルのデレた……可愛いやん!!

 

俺とチエルのやり取りを見ていたユニとクロエはボソッと呟いた。

 

「チョロ……」

「大概だな、アイツ……」

 

チエルへの言葉により、なかよしXはさらに異常を来たした。

 

《チエル、タノシイ……ガガッガガガガッ》

 

もうちょいか!?肩やら、頭から煙が出てきたぞ!?

 

明らかに弱っていると判断したアキノは俺たちに激を飛ばす。

 

「機体の振動が激しく………!みなさま、もう少しですわ!!」

 

ガタガタと揺れながらなかよしXはユニに目を付けた。

 

《ターゲット変更、ユニ。ぺったんこ》

 

言われた本人であるユニは、ポカーンとした顔をしながらクロエに尋ねた。

 

「クロエ君、彼奴は一体何を言っている」

「人のこと暴言評論家として扱うのやめてもらっていいすか。や、まぁ、たぶん発育関連のことじゃないっすかね?知んないけど」

「それが……暴言?」

 

クロエの解説を聞いたユニは首を傾げ、ため息を吐いた。

 

「はぁ、呆れるほどに前時代的な主観だな。即物的と言ってもいい。肉体など、所詮は魂のまとう服に過ぎないと言うのに。この世界では、身体上の差異など、個性であって優劣ではないのだよ。そも、ぼくの身体は発展途上だ、蛹の段階の話をされてもな。やれやれ、くだらん理系のガラクタ風情では、やはりぼくの静謐な心にさざ波ひとつ立てることはできないようだ」

 

おおっ、これは論破したんじゃないか!?

 

俺はなかよしXがギャフンと言うと思い、見てみると、なかよしXは腕を組みながら言い放った。

 

《おめでてーなチビ、とっくに育ち終わってンだろ》

 

論破されたかと思っていた瞬間、ユニは腕をまっくて騒ぎ出した。

 

「なんだとこのやろう!ぶっつぶすぞ!」

「どーどー、落ち着いてユニ!らしくないぞ!」

「そこをどけ!フクヤマ氏!ぼくがアイツをぶっ飛ばしてやる!」

「ちょーちょーちょ、安い挑発で荒波立てない。パイセンが見た目に反して中身は大人なのみんな知ってるから」

「そうですよ!うちのユニちゃん先輩は可愛いだけじゃなくて、チエルの知らない難しいことをいっぱい教えてくれるんです!ほら、リュウジ先輩もなんか言ってあげて!」

 

また!?もう……何も出ねぇよ。

 

そう言いながらも俺は日頃世話になっているユニに対し、率直な言葉をかけた。

 

「俺はいつもユニには助けて貰ってるし、勉強も分かりやすいし。見た目は子供頭脳は大人のユニは人気ランキングを付けるとしたら絶対1位になってると思うぞ?」

 

そう言うとユニは体をクネクネさせながら照れ始めた。

 

「ええ?いやいや、そうかね?そんなぼくの話なんて、でゅふふふ、見え透いた世辞はやめたまえよ、もほほ」

 

すっごい嬉しそうですけどね?

 

俺とユニのやり取りを見ていたチエルとクロエはボソッと呟いた。

 

「チョロ……」

「大概ですね、あの子」

 

ユニへの言葉を聞いたなかよしXは先程より激しく煙を上げながら音を立てながらガタガタと揺れていた。

 

《ユニ、カシコイ……ナカ、ヨシブ……ナカヨ、シ……!》

 

なかよしXの状態を見てあともう一息と判断したアキノは、俺に激を飛ばして来た。

 

「次で動きを止めることが出来ますわ!フクヤマさん!とどめを!!」

「おしっ!一気に決めるぞ!」

 

俺はメタルフィストをガチンと音を立てながらトドメを刺そうと構えた。

 

《ターゲット変更、リュウジ》

 

「まぁ、何言われてもどーって事無いけどな。ほらほら、かかって来いよ」

 

《全てにおいて中途半端な主人公、強いのか弱いのか分かんねぇヤツ。自虐ネタさむい、童貞、なろう系クソすべり主人公部門優勝、ハーレム気取り、結局お前は何処を目指してんの?》

 

なかよしXの凄まじい暴言ラッシュにより、俺は失速し立ち止まった。

 

あうっ…気にしてる事をペラペラと…

 

「はっはん!そんなも知ってるし、クソ主人公だし俺はどーせ、はー!わざわざご丁寧に紹介して頂いてありがとう────」

 

《喋んな口くせぇ》

 

「悲しいなぁ……息子よ、パパのハートは割れそうだよ」

 

《なら叩き割ってやろうか?》

 

俺は攻撃を中止してその場にしゃがみこんでしまい、戦意喪失してしまった。俺は体育座りをしながら俯いていると、ユニ、クロエ、チエルは俺を励ましてくれた。

 

「何を落ち込むことがあるんだフクヤマ氏。君は頑張っているじゃあないか!マンドラゴラの時といい、今回の時といい君は一騎当千の力を持っている!」

「そーそー、あんた強いンだからさ、自信持ちなよ。Adventuresでしょ?」

「リュウジ先輩元気だして下さい!先輩はなんだかんだ言いながらもチエルのワガママ聞いてくれる優しい先輩じゃないですか!」

 

そう?そう、かなぁ……

 

「もうちょい頑張って見る……」

 

俺は立ち直って再びなかよしXに構えると、なかよしXは遂にショートを起こした。

 

《リュウジ、イッキ……トーセン、ヤサシ……イ》

 

「動きが止まって白い煙を噴いてますわ!最後はノー暴言でフィニッシュですわ!なかよし部の皆さま!」

 

「「「「うおおおおおおお!」」」」

 

俺達は、なかよしXの目の前に立ち、大声で言い放った。

 

「「なかよし部は───」」

「ユニちゃんズは───」

「みんな仲良しっ!!」

 

なかよしXはシューシューと白い煙を立てながら言い放つ。

 

《ナカヨシブ……ミンナ、ナカヨ、シ……、チェルーン、チェル、チェラ、チェロ……ちぇららりらりるるろっぱちょみぴるるみちぇぴぽ、ちぇるぴぷるちぇちぇるーん!》

 

ドッスーン!

 

なかよしXはちぇる語を喋りまくった直後、大の字になって倒れ込んだ。勝利を確信した俺達は武器を下ろし、警戒を解いた。

 

「ぷー……終わりでーす」

「やりましたわ!なかよしX、完全に機能停止ですわ!」

「うむ、我々ユニちゃんズの絆が紡いだ勝利だ!」

「そうですね、我々【聖テレサ女学院(なかよし部)】の絆が紡いだ勝利ですね!」

「アレ?なんだろう……このフラグ的なパターン。なんかデストロイヤーの時に似ている様な気が……」

 

《矛盾ノ解消、不可能。致命的不具合発生》

 

「うん?」

 

《自爆機能発動、残り時間……1分》

 

「ほらぁー!こうなると思ったよ!」

「あああっー!そうだ!コレ最後爆発するやつだった!」

「落ち着きたまえ、諸君。力尽きているタマキ君らを連れて、冷静にここを離れよう。なぁに、猶予はまだ1分もある──」

「そっそうだな、ユカリさん達を連れてとりあえず離れ──」

 

俺はアキノを除くメリクリウス財団を肩に担ぎながら離れようとした、その時。

 

《59……58……ハァ、だる……10……9……》

 

「コラァ!ダルいからってショートカットすなぁー!!」

「あいつカウントチョロまかしましたよ!!クロエ先輩どーしてそういうことするんですか!?」

「いやうちに言われても……つーか、え、コレわりと冗談とか言ってる場合とかじゃなくない?」

「だからそう言ってるじゃないですか!やばいんですよ!ガチで危機バツイチなんですって!」

 

《8……7……》

 

こうなったら仕方ない……!なかよしXを生み出した俺にも責任はある、産みの親として、責任をとらなければっ!!

 

俺は気を失ってるミフユ達を降ろし、なかよしXに向かって走り出した。それに気付いたユニは、俺に声を掛ける。

 

「むっ、フクヤマ氏!?何をする気だ!?」

「アイツを俺の手でぶっ壊す!元の元凶は俺にある!」

 

すると、アキノも剣を片手に俺の隣に並走して来た。

 

「私もお供いたしますわ!」

「おい、良いのか?この至近距離で爆風に巻き込まれるとタダでは済まねぇぞ?」

「構いませんわ!それが【メリクリウス財団】リーダー……いいえ、聖テレサ女学院・特別講師の責任ですもの!」

「そうか……なら、俺が動力炉に繋がる部分を破壊する、アキノさんは剥き出しになった動力炉を破壊してくれ」

「心得ましたわっ!」

 

《6……5……》

 

俺は加速して飛び上がり、両手を構え、攻撃を仕掛けた。

 

「『鉄の暴風(アイアン・ストーム)』!!うおおおおおっ!」

 

ズガガガガガガガ!!

 

何度も何度もなかよしXに俺の拳は雨あられの如くに打ち付けられてなかよしXの身体にベキバキとひび割れを起こしていく。次第に、動力炉が現れて来た。

 

《4……》

 

激しい金属音が聞こえたのか、いつの間にかなかよしXの攻撃で気を失っていたミフユ達が目を覚まして来た。

 

「う、んん……はっ!?アキノさん!?リュウジくん!?一体何を!?」

「えぇ!?リュウジくん、ダメよ!!」

 

《3……2……》

 

「アキノーーー!リュウジくーーん!!」

 

俺は叫び声を聞きながら鉄の暴風を撃ち続ける。そしてついに、動力炉が剥き出しになった。

 

「動力炉が出て来たぞ!アキノさん!、今だ!」

 

《1……》

 

「さようなら、みなさん!これが私の……アキノ・ウィスタリアの!誇り高き生き様ですわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「「「「「「アキノさん、リュウジーーーーー!」」」」」」

 

俺とアキノは動力炉に攻撃を仕掛けようとした瞬間……大爆発を起こした。その直後にもくもくとドクロのキノコ雲が立ち上がった。残されたなかよし部とメリクリウス財団チームはキノコ雲を見上げていた。

 

「無茶しやがって……」

「でも、最&高な最&期でした」

「ああ、なんとも熱い展開だった。ぼかぁ、形而上の涙が止まらないよ」

「アキノさん……鋼のリュウジ、2人とも立派だったわよ……」

「毎日、シュワシュワを捧げるわね……」

「後のことはあたしたちに任せておくにゃ……」

 

「「「「「「「アキノ&リュウジ、安らかに……」」」」」」」

 

「いい話だにゃ〜」

「めでたしめでたしだにゃ」

 

こうして聖テレサ女学院、爆発炎上の脅威は去った。しかし、その代償はあまりにも高いものとなった。炎の令嬢・アキノ、鋼のリュウジ……さらば、そしてありがとう!

 

 

「って……勝手に殺すなぁーーーー!」

「けほっ、けほっ。はぁー、思ったより派手な爆発でしたわ!」

 

俺とアキノはなかよしXの瓦礫の山から這い出てきた。すると、取り残されていたメンバーが言い放った。

 

「わー生きとるー」

「でしょうね」

「うむ。途中から概ねそんな気はしていた」

「高レベルのセレブや冒険者だともはや不死身なんですねぇ」

「あの二人が無駄に頑丈なだけにゃ」

「我がリーダーながら無茶苦茶よね。でも良かったわ、みんな無事のまま最大の問題を片付けられることができて」

「ええ、そうね……残された問題は、学校の、この惨状よね」

 

俺とアキノはススを払い、咳き込みながら何事も無かった様に立ち上がった。

 

「いやぁ〜なかよしXの破片を盾がわりにしたのは正解だったな!」

「そうですわね!灼熱に焦がすほどの斬新なアイデア!最初に約束していただいた通りの結果になりましたわね、聖テレサ女学院のみなさん!おーっほっほっほっ!」

 

その後、メリクリウス財団の働きにより、壊された学院は1晩で修復されて2日後には普段通りの学校生活が始まっていた。ついでに俺はなかよしXの部品をちゃっかり回収しておいた。

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