紅魔の里編は、紅伝説、Web版、爆焔を!、ゆんゆんの族長試練後半、+αオリジナル展開を織り交ぜて行きたいと思います!。
紅魔の里編は聖テレサ女学院編よりかなり長くなる可能性がありますのでご了承ください。
第6章のテーマソングはAAAの『Wake up!』です!
プロローグ
目を覚ますと、ポロポロと涙を流しながら覗き込むクロエ、ヒールを唱えてチエルの治療をしているユニが目に入った。セレスディナは白目を剥いて横たわってる。辺りを見渡していると、涙を拭ったクロエは俺に声を掛けた。
「勝手に死ぬなし……びびったじゃん……」
「ごめんごめん、俺よりチエルを」
「大丈夫なの!?あんた魔法食らったんだよ?」
「平気平気、ほら行け」
「うっうん」
クロエがチエルの手当に向かうと、俺は体を起こして気絶したセレスディナに近付いた。
「コイツは危険だ、どんなモンスターよりも危険だ。ハーレイ、警察に連絡しろ」
《ぽーん!アロエリーナ署長に連絡しました!5分後に到着します!》
5分後……。
アロエリーナ署長が到着し、俺達なかよし部はその場で事情聴取を受ける事になった。俺はアロエリーナ署長直々に事情聴取を受ける事になった。
「では、彼女は魔王軍幹部の1人なのですね?」
「ああ、奴は人間だけど言葉巧みに相手を支配するスキルを使う。だからコイツには極力人を避けろ、絶対会話をさせるなよ?コイツの目的はアイリス王女を支配して勇者候補を処刑するつもりだったんだ」
セレスディナの目的を洗いざらい話すと、アロエリーナ署長は顔を青ざめた。
「なんと……それは危険ですね。急ぎアイリス王女に報告せねば成りません、この魔王軍はしばらくの間拘留しておきます」
「ああ、頼む……。ああそれと、ちょっと教えて欲しい事があるんだ」
「ん?なんだ?私に出来ることだろうか?」
「うん、簡単なことさ」
────────────────────────
そして、セレスディナが拘留されてから数日後、ユニが開発した傀儡化を解除するポーションで元の生活を取り戻した聖テレサ女学院はいつものように明るい声が聞こえて来る。そんな中、俺はマザー・ヒルダに呼び出されていた。狭い生徒指導室に押し込まれた俺はマザーと話し始めた。
「フクヤマリュウジさん、この度は我が学院を魔王軍の魔の手から命を懸けて守って下さり、ありがとうございます」
「はい」
「聞きたいのですが、なぜ我が学院に魔王軍がやって来たのでしょうか?お聞かせ願いますか?」
「マザー、その話の前にコレを受け取って貰えませんか?」
「はい?何です?」
首を傾げるマザー・ヒルダの前に俺は、『退学届け』を差し出した。そう、俺は……アロエリーナ署長に頼んだのは、退学届けの書き方だった。
「フクヤマさん!コレは!?」
退学届けを見た途端マザーは騒ぎ出したが、俺は土下座をして床に頭を付けてこう言った。
「魔王軍は直接俺の命を狙って来ました。なので、今回の騒動の責任は俺にあります。全校生徒の命を危険に晒したのは紛れもない事実、そんな中なかよし部は懸命俺を助けてくれました。ですので、彼女達を責めないで下さい、全責任は俺にあります。腹を切って詫びたいのですが、魔王軍はまだ力を弱めていませんので死ぬ訳に行きません。なので、代わりに俺はこの学院を出て行きます……命を預かってるお嬢さん達の命を危険に晒して……すいませんでした」
これでいい、あの子達をこれ以上巻き込めない……。
マザー・ヒルダにそう言うと、慌てて俺に駆け寄って来た。
「そんな事はありません!魔王軍と見抜けなかった我々教員にも責任があります!あなた1人で背負う事はないのですよ!?」
マザー・ヒルダは俺にそう促すが、俺は首を縦に振らなかった。
「俺がここに来なければこんな事になりませんでした。コレは、せめてもの迷惑料として奨学金希望者3名の学費、1億エリスを用意しました。これで彼女たちを救ってやって下さい!お願いします!」
頑なに拒む俺を見たマザー・ヒルダは根負けして言い放つ。
「考え直す事はないのでしょうね……。分かりました、このお金はあの3名に使わせて貰います……」
「ありがとうございます。マザー」
「貴方がいなくなると、寂しくなりますね……」
「そんな事なありません、チエルが場を盛り上げたりしますから」
「そうですか……」
「では、失礼します」
俺はマザー・ヒルダに一礼し、生徒指導室を後にして荷物を持って校門に向かうと……。
「待ってくれフクヤマ氏!!」
「リュウジ!!」
「待って下さいよ!リュウジ先輩!!」
俺は振り返ると、ユニ、クロエ、チエルが外靴も履かないで走って来ていた。
どんだけ慌てて来てんだよ……。
俺は足を止め、ユニ、クロエ、チエル達に体を向けると、クロエが突然胸ぐらを掴んで来た。
「何あんた1人で責任取ってんの!?別にあんた悪い事一つもしてないじゃん!あんたが学院辞める必要なんてないでしょ!?」
「ゴメンな、けど何もしないでヘラヘラと学園生活送れないよ」
優しくクロエの手を抑えると、ユニが俺のブレザーを引っ張りながら悲しそうに呟く。
「フクヤマ氏、そんな細かい事はいいじゃないか。これも青春の1ページと考えればいいと思うのだが、それでは無理なのか?、学院を去る。この答えが正しいとはぼくは思っていないぞ?」
「ゴメンねユニ。どんなに考えてもコレしか考えつかなかったよ。また魔王軍が来るかも知れないしね?」
ユニを手を優しく握って離すと、チエルが今にも泣きそうな顔をしながら俺の肩を殴って来る。
「なんで先輩辞めちゃうんです!?別に知らんぷりしてればいいじゃないですか!全然ちぇるってませんよ!ちぇるってるからこそリュウジ先輩ですよ!そんな……そんな……辞めるだなんて言わないで……もっとチエルと遊んで下さいよ……」
遂には泣き出すチエルの頭を撫でながら俺はチエルに優しく答えた。
「何も泣く事ないだろ?別に学校休みの時とか会えるだろ?俺もチエルとバカやってたのはめちゃくちゃ楽しかった。聞いたよ?俺が死んだ時、セレスディナを思いっきりぶん殴ったんだって?ありがと、仇を取ってくれて」
一人一人に言いたい事を言った俺は3人から離れ、テレポートを唱えようとすると、ガシッと3人に抱き着かれてしまった。よく見ると、ユニもクロエも泣いていた。
やめてよ……俺だってホントは残りたいけど…筋は通さないとね……。
「ありがとう、みんな。こんな可愛い友達出来て嬉しかったよ、今度は皆でアクセルの街に遊びに来な?ゆんゆんとアオイと一緒に待ってるからさ」
そう言って俺は3人から再び離れてテレポートを唱えた。そして、最後の最後に俺はなかよし部に言い放つ。
「なかよし部は永遠に不滅だよ!んじゃ、またね!」
俺はテレポートでアクセルの街に帰って行った。
────────────────────────
アクセルの街に辿り着くと、家の近くにシュナイダーとバルターが俺の帰りを待っていたのかと言わんばかりに立っていた。俺は2人に近付き、声を掛けた。
「バルターさん、シュナイダー……」
声を掛けられたバルターは俺に頭を下げ、優しく迎えてくれた。
「おかえりなさい、リュウジさん。どうでした?聖テレサ女学院は?」
「めちゃくちゃ楽しかったですよ?勉強のレベルは高かったんすけどね」
すると、シュナイダーは俺の肩を叩き、声を掛けてきた。
「先程聞きましたよ?学院を辞めて来たんですよね?」
「それを知ってるって事は、事情も知ってるんだよな?」
「ええ、魔王軍が攻めて来て、学院に魔の手が広まるのを必死に守ってくれたと仰ってました」
マザーめ、どうしても止めたいらしいな……。だが、学費を出してくれたのはこの2人だ、謝らなきゃないな……。
そう考えた俺は荷物を置いて、2人に頭を深々と下げた。
「お二人には高い学費を出して貰ったのにも関わらず、勝手に辞めてしまい申し訳ない事をしました。かかった学費は必ず返済します」
そう言うと、シュナイダーは笑いながら答えた。
「はっはっはっ!何を言ってるんです?逆にそれでこそ我々が見込んだ男ですよ。逆に知らん顔されて通学されてたら融資を断っていましたよ!良くぞ、1人で戦いましたね……疲れたでしょう、学院の後始末は我々がやっておきますので、今はAdventuresの皆さんに顔を出して上げて下さい」
「ありがとう、シュナイダー」
俺とシュナイダーは軽くハグをしてカズマ達の事を尋ねた。
「それで?カズマ達は今どこにいるんだ?」
「ああ、彼らは今さっきクエストから帰って来たところですよ。冒険者ギルドにいると思うので早く行ってあげて下さい」
「わかった!ありがとう!」
俺は2人にお礼を言い、冒険者ギルドに向かって走り出した。
久しぶりに皆に会うなぁ、ちょいちょい帰って来てたけど、皆と顔合わせて無かったからなぁ〜。早く会いたいなぁ!!
俺は高まる気持ちを抑えながら冒険者ギルドの門を開けて叫んだ。
「たっだいまぁー!」
大きな声で叫んだ途端ギルドからはこんな声が聞こえてきた。
「カズマさんの子供が欲しいっ!!」
そこには、ゆんゆんが恥ずかしいそうにカズマへ何か喚いていた。ゆんゆんの声により、俺の声は掻き消されてしまった。誰も俺が帰って来たのには気付かず、そろりそろりと近付き、前からその場にいたように話を聴き始めたら。
よっよし、状況を確認しよう……。
俺はとりあえず状況を確認した。まず、顔を真っ赤にしてるゆんゆんを筆頭に、子供が欲しいと言われたカズマは盛大にダラダラと口から紅茶を垂らし、アクアは変な形の石を見せて周り、めぐみんは何故かマントがボロボロになっており、パンツが見えそうになるめぐみんを必死に守るマヒル。ダクネスが呆然とカップを傾けて床に溢し、同じメンバーのメリッサは何処吹く風、アオイはガタガタ震えており、チームリーダーのミツルギは泡を吹いていた。
なにこれ……。えっ、何これ?どういう事!?
腕を組んで考えていると、再び扉が開かれると、ペコリーヌとマリュー、クリスが入って来た。俺は何食わぬ顔をしているとようやく……。
「あれ!?リュウジ、帰ってたの!?」
「あっ!ホントです、リュウジくんですね!おいっす〜☆」
「ようやく帰って来たんですか?この不良……おかえりなさい」
「ただいま、皆!」
俺達が挨拶を交わしていると、ようやくカズマ達が気付いてくれた。
「あっ!リュウジじゃないですか!いつの間にそこにいたんですか!?」
「リュウジ!帰って来たなら声をかけろ!」
「鋼のあんちゃんでねぇか!」
「あら、リュウジじゃない!昨日ぶりね!」
「おー、リュウジ。俺、子作りするわ」
最後のおかしくない?
俺はカズマチーム、ミツルギチームの状況を再確認した。
「まてまて、一体何があったんだ!?ゆんゆんは子作りしたいって言い出すし。めぐみんはマントボロボロでパンツ見えそうだし、ミツルギは泡吹いてるし、何このカオス、教えてくれよ!とりあえず、カズマの家に行こうか。こんな大人数ギルドに迷惑だし」
「そっそうだな、一旦戻るとしよう」
俺とダクネスはミツルギを起こし、俺は声をかけるが……。
「ほらミツルギ!いつまで泡吹いてんだよ!」
「ごめんそーれはめんそーれ」
大変だっ!ミツルギの顔がウェ〜イって感じになってる!
Adventures一行はカズマの屋敷に戻り、状況を順番に整理し始めた。すると、カズマがゆんゆんに訪ね始める。
「もう一度言ってくれるか?」
「カッカズマさんの子供が欲しいって言いました!」
「……俺としては女の子がいいんだけど」
「ダ、ダメです!最初は男の子じゃなきゃダメなんです!」
「勝手に話し進めてんじゃねぇっ!ゆんゆん、テレ女から帰ってた後に何があったんだよ!お前、これクロエ達が聞いたらびっくりすんぞ!」
「そうですよ!女の子だとか男の子だとか!どうしていきなりそんなところまで話が進んでいるのですか!?」
着替えためぐみんと俺がゆんゆんを揺さぶる。
「そ、そうだ、めぐみんとリュウジの言う通りだ、ゆんゆん!カズマと何があったのかは知らないが血迷うな!これがどんな男か知っているのか!?」
「そうよ?ゆんゆん、こんなゴミのどこがいいの?王都に行けば男なんてよりどりみどりなのよ?」
必死な顔をしながら言い出すダクネスと説得するメリッサ。
「チェックメイトです!」
「えぇーっ!クリスちょっと待ってよ!あれっ?ちょっと待って!そうよ、ここよ!ここでいらない子扱いだったクルセイダーを置けば……」
「流石です!アクア様!まだまだこれからですよ!」
騒ぎを気にせず2対1でボードゲームをするアクア&セシリーとエリス。そして、さっきまでガタガタ震えていたアオイがゆんゆんに掴みかかった。
「しょ、しょしょしょ醤油だいすき正太郎!!」
「お前は落ち着けアオイ!深呼吸っ!」
「はっはい!スーハー……正気に戻ってゆんゆん!一体何があったの!?説明して!!」
必死にゆんゆんを止めるアオイ、すると……。
「お茶が入りましたよ〜☆」
「ちょむすけ様、ご一緒にいかがです?」
「な〜う」
そっちはそっちで勝手に茶を入れて来るな!
すると、俺やアオイ、めぐみんに説得されていたゆんゆんが泣きそうな顔で叫び出した。
「だっだって!!私とカズマさんが子供を作らないと世界が!魔王がっ!」
「魔王?」
魔王と聞いた途端、クリスとペコリーヌ、マリューが俺を見る。
俺関係ないでしょ!?
「おっおい、カズマとミツルギもなんか言えよ!ツッコミ切れねぇよ!」
俺がカズマとミツルギに怒鳴ると、カズマがゆんゆんに近付き。
「そうか、世界が……大丈夫だぞゆんゆん。世界も魔王も任せておけ、俺とゆんゆんが子作りすれば、それで魔王がどうにかなり、世界が救われるっていうんだな?この俺が、困ってる人の頼みを断る訳がないじゃないか」
「いやお前それ、ただ一発ヤりてぇだけだろ!?おいっミツルギ!お前自分の仲間が大変な事になってんぞ!?いい加減起きろ!」
俺は余程ショックだったのか、未だに白目を剥いているミツルギの頬を引っぱたき起こそうとすると……。
「ゆんゆんゆゆゆんユートピア」
ちくしょう!コイツはもうダメだっ!
俺がミツルギを引っぱたいてると、ペコリーヌとマリューにまぁまぁと引き止められる。すると、ゆんゆんが。
「めぐみん、紅魔の里が……紅魔の里がなくなっちゃう!」
「はい!?なんですか急に!?」
「おやおや、なんだか穏やかじゃなくなって来ましたね。やばいですね☆」
「ゆんゆん様、そろそろ本題に入りませんか?話が見えないのですが?」
マリューとめぐみんの言葉に、ゆんゆんが無言で封筒を渡す。それを受け取っためぐみんは、封筒の中から2枚の手紙を見つけると。
「なになに……これは、ゆんゆんのお父さん、族長からの手紙ですね。『……この手紙が届く頃には、きっと私はこの世にいないだらう』……?」
えっ、何この急展開、いきなりシリアスになって来たんだけど?
「で?結果やべぇのか?帰って来て早々ヤバい事に巻き込まれる展開なのか?」
「ちょ、ちょっと待ってください。結論をいいますと、現在紅魔の里は魔王軍に攻め込まれてる様です……『族長の座はお前に任せた。この世で最後の紅魔族として、決してその血を絶やさなぬ様に……』ってここにもう生き残りいますけど!?」
険しい顔をして手紙を読んだめぐみんがゆんゆんに突っ込み始めると、ゆんゆんはめぐみんに。
「そこはいいから先を続けて!もう1枚あるから!」
「ここからは俺が読む……色々省略して端的に還元すると?『生き残ったゆんゆんが駆け出しの街で、ある男と出会う事になる。そして、やがて月日は流れ。紅魔族の生き残りと、その男の間に生まれた少年は冒険者だった父の跡を継ぎ、旅に出る事になる。その少年こそが魔王倒す者であると……』はぁ……」
ドラ〇エ感強くない?ファイナルファン〇ジー感少なくない?
その手紙の内容を聞いたカズマが震え出した。
「おっ、俺達の子供が魔王を……!?」
「けどさ、これカズマとは言ってなくない?」
俺の言葉を聞いた途端、ミツルギが飛び起きた。
「そっそうなのかい!?なら、カズマがゆんゆんと結婚する事はないんだな!?」
「うおっ、起きた!?……この手紙を読むとそうなるな……ん?」
俺は手紙の最後の部分をボソッと読んだ。
「『紅魔族英雄伝第一章』著者・あるえ……え?誰この子?」
その名前を聞いた途端ゆんゆんが叫び出し、手紙をぐしゃぐしゃに丸めて投げ捨てた。
「ああああああああーっ!!あるえのばかぁぁぁ!」