途中からレオン視点とアオイ視点を交互に書くのでご了承ください。
カズマは例の場所で例の如く、呆然と突っ立った状態で、女神エリスと見詰め合っていた。しばらく二人で見つめ合い。やがて……。
「……どうも、また来ちゃいました。お頭」
「……また来ちゃいましたか。それと、ここでお頭は止めて下さい」
「分かりました。お頭」
「分かってないじゃないですか!」
そこは、カズマやリュウジが何度も殺された時に来た部屋の中。相変わらず人間離れした美しさをしたエリス。その正真正銘の女神様は、困り顔でぽりぽりと指で頬を掻き始める。
「お頭、一体何が起こったんですか?白湯を渡した瞬間までは分かるんですけど?」
「ええっとその……。もう、リュウジみたいにここに来ても動じもしなくなりましたね。慣れるというのは怖いですね……今はリュウジ達が戦闘を行う所です。なのでカズマさんの蘇生は戦闘が終わった後になると思います。今のところ、めぐみんさん達は無事です」
流石出来る方の女神、エリス。カズマが仲間の事を聞く前に、先に安否を答えてくれた。
「……戦闘と言うとやっぱり魔王軍が?」
「ええ、恐らく新手の仲間でしょうね。相手は狙撃が得意の様です」
「スナイパーって事ですか……あのお頭、リュウジやミツルギもヤバい感じですか?」
「いえ、リュウジとミツルギさんはカズマさんと同様に狙撃されて負傷はしていますが重症では無いようです。逆に痛みが続いてるのがちょっと……」
歯切れの悪い言い方をするエリス。現時点カズマは戦力外でなにも出来ることは無かった。
「まぁ、ミツルギとリュウジが無事ならなんとかなりますね。ならここはお頭、モニタリングしながら実況解説でもしませんか?」
「ええっ!?まっ、まぁやる事がないから仕方ないですね、ではこちらを見て見ましょうか……」
エリスは複雑な顔をしながらモニターを呼び出してカズマと共にリュウジ達の映像を見始めた。
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一方、その頃。矢で射抜かれた俺は矢を抜いてヒールをかけながらアオイに指示を出した。
「アオイ、相手は尋常じゃないくらい遠くから狙撃して来てる!」
「分かりました!リュウジさんは動かないで下さいっ!」
アオイはギリギリと弓矢を構えた瞬間、俺の右足に再び矢を射抜かれた。
「ぐあっ!!このクソが……!!」
「リュウジさん!?」
アオイが俺に駆け寄ろうとした瞬間、俺は手を伸ばしてアオイを止めた。
「来るなっ!アオイ!敵に集中しろ!!」
「でっですが!!」
「俺は大丈夫だから、なっ?」
俺が優しく微笑むと、アオイは覚悟を決めて飛んで来た方向を見つめる。
「この密林の中の距離からすると1キロは離れてない……ならっ!」
アオイは目を瞑り、ブツブツと呟き始めた。
「密林の植物さんたち、お願いします。力を貸して下さいっ!」
アオイが囁くと、どこからか声が聞こえて来た。
《こっち、アオイちゃん、こっちだよ》
「えっ?」
アオイが上を向くと、密林の木々や植物達がアオイに話しかけて来ていた。俺は何が起こっているのか分からず、アオイに声をかける。
「アオイ?どうした!?」
「植物さん達が……私に声を掛けてきました!」
「植物……?俺には……聞こえねぇぞ?」
「いえ、確かに聞こえます。植物の皆さん!魔王軍の居場所はどこですか!?」
そう言えば、以前からアオイは植物や動物と会話が出来ると言っていたけど、今まさに会話をしているって事なのか!?
「俺には聞こえないけど、植物達と一緒に狙撃手を倒してくれっ!」
「はいっ!私に任せて下さい!」
アオイは再び集中して植物達と会話を始めた。
《こっち、こっちだよ》
「こっちですね!、植物さん!」
アオイは方向を定めると、植物達がそよ風が靡く様にザワザワと騒ぎ始める。
《この先にいるよ》
《ぼく達は見える様に道を切り開く。アオイちゃんはしっかり狙ってね》
《ならわたし達は相手を捕まえてあげるから!》
「ホントですか!?」
植物達はそれぞれ役目を名乗りだし、勇気付けられたアオイは俺に声をかけて来た。
「リュウジさん!見つけました!私に支援魔法をかけて下さいっ!」
「分かった!思いっきりやってやれ!『パワード』!!」
「ありがとうございますっ!全身全霊を込めますっ!」
攻撃力を高めたアオイはギリギリと弓矢を構えると、木々達がしなり始めて狙撃手への道を開かせた。その先には大樹が丸見えになっていた。
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突然、障害物の植物達が動き始めたのに気付いたレオンはクロスボウを構えながら驚いていた。
「植物達が動き始めただと!?そんな馬鹿なっ!?」
レオンが目を大きくさせて辺りを見渡すと、エルフの少女が矢でこちらに狙いを定めているのを発見した。
「あのエルフの小娘はサトウカズマや鋼のリュウジの仲間か?まぁ、いい。俺は変色させているんだ見付かる訳が無い……当てれるものなら当てて見るがいいっ!」
レオンはクロスボウの引き金を引いて矢を放った。だが、突然。植物のツタが地面から飛び出して来た為、エルフの少女には当たらなかった。
「馬鹿なっ!?何故植物が奴を守ろうとしている!?まぐれだ。まぐれに決まっている!!」
レオンはクロスボウを連射すると、また植物のツタとツルがエルフの少女を守る様に矢に当たった。
「くそったれ!なんで当たらねぇんだ!?」
レオンが再び装填し引き金を引こうとした瞬間、レオンに異変が起き始めた。
「なっ!?なんだこのツタは!?身体に絡み付きやがる!!」
いつの間にか、レオンの体には植物のツタとつる植物がレオンの手足を縛り上げ始めた。そして、クロスボウが握れない程絡み付いていた。
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アオイが狙いを定めていると、再び植物が声をかけてきた。
《アオイちゃん。相手を捕まえたよ!赤い花びらが見える?》
「えっ?あっはい!見えます!」
アオイは千里眼でツタ植物やつる植物の中心に赤い花びらを確認した。
「カズマさんの仇、取らせてもらいます!『狙撃』!!」
強化されて放たれた矢は真っ直ぐに飛んで行き、赤い花びらに命中した。命中した途端赤い血が流れ始める。ツタやつるは拘束を解くと、リザードマンの様な姿を確認した。アオイは千里眼で死体を確認し、討伐を確認した。
「倒しました!」
「ホントか!?」
「はいっ!植物さん達のお陰で倒せました!」
俺は矢を抜きながら駆け寄って来たアオイに念を押すように再び尋ねる。
「死んだフリとかじゃねぇよな?冒険者カードを確認してみろ」
「はい、ちょっとまって下さいねっ!」
アオイがポーチから冒険者カードを取り出して確認してみると、【魔王軍幹部候補リザードマン・レオン討伐】と記されていた。アオイのレベルも2つ上がっていた。
どうやら本当に死んだみたいだな……。
胸を撫で下ろした俺はヒールをかけながらアオイに言い放つ。
「ミツルギは、ミツルギは大丈夫か?」
「あっ、ミツルギさんならアクアさんに治療してもらって今は辺りを警戒しています。カズマさん以外はみんな無事ですよ」
「そうか……良かった」
正直、相手がどんな能力だったのか今じゃ分からないが、もしアオイがいなければ全滅してた可能性があったな……今回はマジでやばかった。
回復を終えた俺は隠れていたアクア達と合流すると、アクアがカズマの蘇生を始めていた。傍では怒り狂うゆんゆんと泣きじゃくるめぐみんがいた。アオイとマヒルは必死にゆんゆんを抑えていた。
「カズマさーん!カズマさーん!もう蘇生は済んだからはやくきてー!めぐみんが泣きじゃくっていて、ゆんゆんがすごく怒っていて、何だか凄い事になってるの!はやくきてー、はやくきてー!」
うん、確かにすんごい事になってんな。
カズマにくっついて離れないめぐみんにゆんゆんが怒鳴り散らしている。
「ねぇ!なんとか言いなさいよめぐみん!どうして!?私やあるえより凄い魔力があって、頭だって一番良くって!ずっと昔から頑張ってきためぐみんが、なんで爆裂魔法しか使えないの!?習得に一番コストが掛かるのに、高威力すぎて使い勝手の悪い爆裂魔法なんて、どうしてそんな魔法にスキルポイントつぎ込んだのよ!?ねぇっ!答えてよっ!!」
「ゆんゆん!落ち着いて!」
「落ち着くべゆんゆん!」
「落ち着いてなんていられないわよっ!私が聖テレサ女学院に行く時だって偉そうにしてた癖に今日まで自分の事は棚に上げてたって事でしょ!?爆裂魔法なんて威力だけのネタ魔法じゃないのよ!」
アオイとマヒルを振り払いながらもゆんゆんの怒りは収まらなかった。すると、カズマは目を覚ました。
「えっ、 えーっと……これは?」
「あっ、お帰りなさいカズマ。今回は駄々こねずにすぐ帰ってきたわね」
「おう、カズマ。今回はマジでやばかったんだぞ?」
カズマが復活したのにも関わらず、ゆんゆんは遂に泣き始めてしまった。
「めぐみん、泣いてないで何か言ってよ!学園時代あれだけ頑張ってきたからこそ、紅魔族随一の使い手を名乗っていいって、卒業の時に許可を受けたんでしょ?ずっと私やあるえの先を進んでたじゃない!だったら、ちゃんと上級魔法の一つぐらい……づかっで、みぜてよおおおおお……!」
「ゆんゆん、もう良いだろ。落ち着け、なっ?」
「だって、リュウジさんやミツルギくんが……カズマさんまで……必死になって戦ってるのに……ぐすっ」
どうやらゆんゆんは今の今までめぐみんが爆裂魔法しか使えないと初めて知った様だな……。めぐみんはめぐみんでそれを悟られない為にゆんゆんをあえて冷たく接していたのか……。
「おい、カズマ。お前今まで楽してたんだからどうにかしろよ」
「カズマさん!お願いします!」
「カズマ!頼む!」
「え待って、俺が収拾しなきゃないの!?」
ようやく落ち着きを取り戻したゆんゆんはめぐみんが少し離れると、今度はめぐみんが口を開いた。
「ごめんなさい、ごめんなさいっ!私がちゃんと魔法を使えていたなら、カズマやリュウジ達に痛い思いをさせずに済んだのに……」
めぐみんが、カズマの胸に顔を埋めた状態で、そんな事を言って泣いている。
えっと、そんな事よりも、昨日のカズマとめぐみんのやり取りのせい変な目で見てしまう……。
カズマはめぐみんを退かして体を起こし、頭をさすりながら辺りを見渡した。
「それより、あのスナイパーは倒したのか!?」
「ああ、今回はアオイのお手柄だったぞ?」
「そうなのか?」
「はいっ!植物さんと絆の力です!」
手柄を立てられて余程嬉しかったのか、アオイは自信に満ち溢れていた。
大ドクマンドラゴラの時といい、今回といい、アオイは心身共にめちゃくちゃ強くなった……俺も負けていられない。
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態勢を整えた俺達はその後、目の前に広がる広大な草原を頭を悩ませながら眺めていた。
理由は遮蔽物がない為、潜伏スキルも使えない上に見通しが良過ぎるからだ。また先程のスナイパーが現れたら今度こそ全滅する可能性がある。かと言ってめぐみんの爆裂魔法を頼ったらそれを聞きつけて他のモンスターに気付かれてしまう。回り道もなく、紅魔の里に行くにはここを通らなければならないと言う……。
様々な意見が上がったが、どれも非現実的であったのでモンスターを見つけたら先手必勝で倒す事になったので千里眼を使える俺、カズマ、アオイとアタッカーのミツルギが先行する事になった。カズマはイージスや弓矢をアクアに渡し始めた。
「アクア、いざって時追いつかれない様に、俺に速度増加の支援魔法を頼むよ」
「おい、なんで俺達にかけるように頼まないんだよ。1人で逃げる気かコノヤロー」
「そうだぞ、逃走スキルを使って我先に逃げる気だろ?」
「ここまで来るとカズマさん潔いですね」
俺達の言葉にカズマは。
「蘇ったばっかなんだから仕方ないだろ。それに、ここいらのモンスターが一匹で来るとは限らないだろ?」
「なんの為のアタッカーだよ。先手必勝じゃねぇのかよ」
「カズマ、遠回しにボクを囮にしようとしてないか?」
「それじゃあ、アクア達は俺達のかなり後を付いて来るんだぞ。見失わない程度に距離を保つこと。何かあったらジェスチャーを送るからな。そしたら、すかさず逃げろよ?」
おい話聞けよ。
「分かったわ!この私に任せておいて!」
話進めてんじゃねぇよ。
「アクアじゃ不安だ、アオイもアクア達と残って辺りを警戒してくれ。めぐみん、マヒル、ダクネス、ゆんゆん頼んだぞ?」
「分かりました!」
俺の言葉に4人は頷いた。作戦変更し、先行するのは俺達男性陣のみとなり広大な草原地帯を歩く事になった。屈んでコソコソと進みながらキョロキョロ見回し、モンスターがいないか確かめた。
「いねぇな」
「確かに、千里眼が届く範囲には影すら見えない」
「よし、女性陣に合図を送ろう」
止まっては確認して6人の女性達に合図を送るという行動を何度も繰り返していると、カズマが急に止まれの合図を出した。
「どーした?」
「あそこにモンスターがいる」
「えっ……?あっ、ホントだ。ハーレイ、アイツは何だ?」
《ぽーん!解析結果。『オーク』と断定》
オークか……バルバロが懐かしいな。
オークとは、豚の頭を持つ二足歩行型のモンスターであり、ゴブリンと同等の繁殖力が高いモンスター。人型の種族なら種族関係なく交配が可能で、捕まったらえらい目に遭うという。
「どーする?殺っちまうか?オークは何気に厄介だぞ?」
「相手は1人だ。群れと合流する前に倒した方が賢明な判断だろ」
「ならどうする?ボクが斬ろうか?」
俺達の視線に気付いたのか、オークはこちらに向かって歩いて来た。自然に俺達は戦闘態勢に入る。
「……ジ……ズマ……の人……!!」
ん?何か聞こえるな。
俺は振り返って見ると、何かを叫んでいる女性陣の必死なジェスチャーが見て取れた。俺はカズマとミツルギに声をかけた。
「おい、カズマ。女の子達がなんか言ってるぞ」
「あん?……逃げろ?」
「なんで逃げろなんだろうか?」
「もしかしてオークが見えたんじゃねぇか?もし、そうだとしたらオークは女の匂いを嗅ぎ取ったのかも知れないな……」
そう解釈したカズマはクリエイト・アースを唱え始め、左手に目潰し用の土を生成し始めた。
なるほど、不意討ちするつもりか。
「ったく、どの世界のオークも品のねぇ野郎だ」
「まったくだ。ゆんゆんとアオイに手出しはさせない」
俺とミツルギも戦闘態勢に入ると、オークの顔がハッキリと見える位置まで近付いていた。だが、俺が見たオークはどこか変だった。鼻と耳は確かに豚なのだが、どこか人間に近いものを感じる。衣服を纏い、特徴的な髪型をしていた。
「こんにちは! ねぇ、男前のお兄さん達。あたしの集落でいい事しないかい?」
よく見るとオークに4つの”おっぺぇ”が付いていた。コイツはメスの様で、甲高い声で流暢に言葉で話しかけて来た。
良く考えればオークも種族、メスがいたって違和感がない。だが、俺達はオークについていくほど落ちぶれていないし欲求不満でもない。
俺達は顔を見合わせながら答えた。
「お断りします」
「右に同じく」
「右に同じく」
紳士的に断るが、それを聞いてもオークは顔色変えることなく。
「あらそう、残念ねぇ。あたしは合意の方が良かったんだけど」
「何言ってんだコイツ」
「俺達はあんたに危害を加えるつもりは無いんだが?」
「ボク達はここを通りたいだけなんだ。通してくれるならお礼に食料をわけてもいい。どうだろうか?ここは穏便に───」
「そんな物どうでもいいわ。ここはあたし達オークの縄張り。通ったオスは逃がさない。お兄さん達からは強い生存本能を感じるわ。あたしの勘はよく当たるのよ。さぞかしあんた達の間には強い子が生まれるでしょうね!。……さぁ、3人まとめて相手して上げる!いい事しましょ!」
おっと……コイツはアカン。
俺はアオイに援護射撃を求めようと後ろを振り返った。相変わらず5人の女子共は逃げろのジェスチャーを繰り広げる。よく見ると、ダクネスは羨ましそうにモジモジしている。そんな俺の行動を見て、オークも後ろの女性陣に気付いた。
「あら、あそこにいるのは……ちっ、全員メスのようね……彼女たちは見逃してあげるわ。あんた達は、そうねぇ……3日、いや、4日ほどウチの集落に来て頂戴? うふふ、夢のようなハーレムよ?……ニチャア」
涎をダラダラ垂らすオークを見た途端、俺達はゾッと青ざめると、カズマが咄嗟に魔法を唱えた。
「『ウィンド・ブレス』!!」
「ッ!?」
チャンス!!
俺とミツルギはカズマに合わせて同時に攻撃を仕掛けた。
「『ゴッドブロー』!!」
「『ルーンオブ・セイバー』!!」
カズマの先制攻撃をきっかけに俺とミツルギは同時に雌オークに攻撃を仕掛けた。失神したのを確認した俺達はホッと胸を撫で下ろすと、後ろからは慌てて女性陣が追いかけて来た。
「どーした?こんな近くまで来ちゃ俺達の意味がないだろ。もっと後ろをあるけよ」
「安心してくれ、オークはボクらが倒したよ」
「つーか、なに5人揃って顔を青ざめてるんだ?」
俺達の言葉に、
「何言ってるだか!?あんたらはオークを倒しちまったんだど!?」
「マヒルの言う通りです!3人はオークを倒してしまったんですよ!この平原はオーク達の縄張りです。つまり、この草原を抜けるまでカズマ達は狙われるって事なんですよ!」
なんだそんなことか。
「俺達が狙われるなら好都合じゃないか。なんの為に身軽になったと思ってるんだよ」
「そーそー、仮にも大の男がオークにビビってどーすんだよ」
「うん。ボクらが皆を守るからね!」
性欲旺盛なオーク達。コイツらが捕まって輪姦されたらたまったもんじゃねぇよ。
そう考えていると、アクアとアオイが言った。
「そーいえばあんたらはこの世界の常識をしらない3バカトリオだったわね。しょうがないからこの私が教えてあげ……いたいいたい!肩をパンチしないで!」
「あのですね?言い難い事なんですが、現在この世に、オークの雄はいません」
「「「「えっ」」」」
アオイの言葉に、俺、カズマ、ミツルギ、そして何故かダクネスが同時に声を上げる。
「オークの雄達は、とっくの昔に絶滅しました。今ではたまにオークの雄が生まれても、成人する前に雌の餌食になって乾涸びて死にます。それが災いして様々な種族の遺伝子が混ざり合い、もはやオークとは思えないモンスターと進化して行きました。さらに遺伝子を受け継がせる為に縄張りに入った他種族の雄を捕らえ、集落に連れ去り、それは悪夢を見させるという男性にとっての天敵なんです。その……リュウジさん、ミツルギさん、カズマさんは……」
アオイが説明しながら最後になると言い難いのか、顔を赤らめて震えだし始める。
「まて!アオイ!オークと言えば女騎士の天敵だ!性欲絶倫で、女と見るや即座に襲いかかる、あのオークの雄が!」
「もう居ません。図鑑にも正式に記載されてるので間違いないです。あっ……」
「ん?どーした?アオイ?」
ダクネスが打ちひしがれた様に倒れ込む中、アオイが真っ青になりながら指した方向には。先程失神させたオークを筆頭に、大勢のオーク達がズラリと並んでいた。そして、先程失神させたオークが言った。
「あんた達ってホントにいい男ね!夢の4Pが実現しちゃいそう!誰一人逃がさない。気に入ったわ、あたし、あんた達の子を産むわ!!」
吐き気をもようす子作り宣言と同時に、オークが荒い息を立てながら飛びかかって来た。
狙撃戦は呆気ないと思いがちと思いますが、映画の狙撃戦もそんな感じだったので参考にして見ました。