※この作品はR-18です。

この元魔王に素晴らしい祝福を!改訂版   作:ボトルキャプテン

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慎重勇者一行再々登場!

慎重勇者一行の時系列は、弓の修行をしている辺りです。

お気に入り登録がついに200件に到達しました!ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします!!ついでに……このファンでアインズさんが当たりませんでした。


123 竜人化

───その後。挨拶を終えた俺は再びあるえと合流した。

 

「さっきのめぐみんの顔は凄かったねぇ」

「まさか俺があるえの家に泊まってると思ってなかったんだろうな」

「そうだろうね。ゆんゆんも「間違いは起こさないでよ?」って言ってたけどね?」

 

ゆんゆんにも疑われてるんですけど。

 

ゆんゆんに疑問を抱きながら考えていると。

 

「さて、今夜の夕飯は何にしようかな」

「今日は何かなぁ〜?」

「ちょっと買い物をしてから帰りたいから、リュウジは先に帰っててくれるかい?」

「え?買い物なら手伝うよ?泊めてもらってるんだし?」

「帰ってからのお楽しみさ、だから楽しみにしてておくれよ」

「うーん、分かった〜」

 

そう言ってあるえは商業区の方に歩いて行った。俺はあるえを見送って歩き始めたが、ある事を考えた。

 

「このまま帰っても1人じゃ気まずいしなぁ……あっ、天界(うえ)にちょっと行って時間でも潰して来ようかな。セイヤとかいるだろうし、行ってみるか!」

 

閃いた俺はテレポートを唱えて統一神界に向かって行った。

 

────────────────────────

 

統一神界に辿り着いた俺は、一度エリスに顔を出す為にエリスの家に立ち寄った。玄関をノックしてみると、出て来る気配がなかった。

 

「んだよ、留守かよっ!たまには話したいと思ったのになぁ」

 

仕方ないので、俺はセイヤ達を探す事にした。あちこち歩いていると、後ろから声を掛けられた。

 

「あっ、リュウジさん!」

「えっ、あっ!君は確か……」

 

後ろを振り返ると、セイヤの仲間がいた。

 

「あっ!思い出した!仲良し村の有機マッシュルームくん!」

「ナカシ村の勇者マッシュだっ!師匠と同じ間違えすんなよっ!流行ってんのか!?」

「ごめんごめん、マッシュくん。あれ?セイヤとリスタは?」

 

辺りを見渡したが、セイヤとリスタルテは見当たらなかった。

 

「師匠は弓矢の修行を受けに行ってて、リスタはエルルと一緒の筈だぜ?」

「ふーん。んじゃマッシュくんは今何してたの?」

「俺はセルセウスのおっさんの稽古から帰って来たとこなんだ!」

 

ほう、確かに前に比べたら強くなってるな。

 

「んじゃ今暇な感じ?」

「まぁ、暇っちゃ暇だな」

「ならさ、俺と組手しない?」

「リュウジさんとか?」

 

俺は兜を脱いでマッシュから少し距離を取り、ガルーダ様直伝の構えを構えた。

 

「セイヤよりは役不足かも知れないけど、セイヤが戦って来た魔王軍位の戦闘力は持ってるぜ?」

「た、確かに……師匠よりは強く感じねぇけど、なんつーか、この人強そうだなって感じるぜ!」

 

それは褒めてるのかな?

 

マッシュも釣られて構え出すと、俺は提案した。

 

「なぁ、マッシュくん。俺が君から一本取ったら、『竜人化』を教えてくれないか?」

「えっ?『竜人化』をか?」

「ああ、俺のいる世界に、ちょっとヘタレが居てね?そいつをどーしても強くさせたいんだ。俺も武器や防具を作って基礎作りをしているが、進展してなくてねぇ……ダメか?」

 

俺がダメ元で頼んでみると……。

 

「おうっ!良いぜ!俺も勇者だ、困ってる人を助けたいからな!」

「ありがとう。出来ればマッシュくんの本気が見たい。なので『竜人化』しながら来てくれないか?」

「おう、良いぜ!なんか燃えてきたぜ!!」

 

やる気に満ち溢れているマッシュは、修行で強化した竜人化を繰り出し、両腕を強化した。ジリジリと牽制し合った瞬間……。

 

全集中……!!

 

ペコリーヌに教わった呼吸法をしながら俺は一気にマッシュとの距離を縮め、右回し蹴りを繰り出した。だが、マッシュは竜人化させた左腕でガードすると、衝撃波が広がった。

 

「さすがはセイヤの弟子だな、この蹴りを防ぐのか」

「いってぇぇっ!すっげぇ蹴りだな!」

「だけど」

「勝負はこれからだっ!」

 

バク転をしながらマッシュから離れるが、マッシュは突進して来て俺に追撃をして来ようとした。俺は水面蹴りでマッシュの足を取り、バランスを崩した所に渾身の右ストレートを繰り出した。

 

「オルァッ!」

「ぐぁっ!!」

 

数メートル殴り飛ばされたマッシュは直ぐに体勢を直した。

 

「いてて……なんかセルセウスのオッサンより楽しいや!」

 

自分の師匠を比べるなんてな、生意気な小僧だな。

 

「教えを乞う身分がそんな事を言うもんじゃない。最後まで敬い、敬意を払え!」

「おっ、押忍!」

 

マッシュが怯んだ瞬間、俺は隙を突いてマッシュの服を掴みかかり、そのまま背負い投げを繰り出した。

 

「せいやっ!」

「うわあああっ!!」

 

倒した瞬間に拳を顔面に寸止めさせ、勝負を付けた。

 

「俺の勝ちで良いよな?」

「あちゃ〜負けちまった。ああ、俺の負けだ!」

「セイヤとか魔王軍じゃなければマッシュは敵無しだろうな。今後も稽古を怠るなよ?」

「押忍!んじゃ、約束通りに『竜人化』を教えるぜ!」

 

マッシュは服をパンパンとホコリを払い、立ち上がった。

 

「えーっと……確か……」

 

数分後……。

 

「って事だぜ?」

「ふむ、なるほど……冒険者カードに出たかな?」

 

俺は冒険者カードを取り出して見てみると、修得欄に『竜人化』が追加されており、習得スキルポイントは500ポイントだった。

 

流石は異世界のスキル、全っ然足りねぇや。

 

「ありがとう。いい勉強になったぜ!」

「俺も勉強になったよ、ありがとうな!リュウジさん!」

 

マッシュと固い握手を交わしていると……。

 

「あれ?リュウジにマッシュ?」

「ほんとだー、マッシュとリュウジくんだ!」

「お前ら、こんな所で何をしているんだ?」

「っ!?」

 

俺とマッシュが振り向くと、そこにはセイヤとリスタが立っていた。

 

「あんた達、こんな道のど真ん中で何してんの?」

「お前は……トロッコモロッコさん」

 

もう、トロッコモロッコさんでいいよ……。

 

「マッシュくんから聞いたぞ?弓の修行をしてるんだって?それで?成果はあったのか?」

「うむ、とりあえず3発同時に射る事は可能になった」

「ほう、ってか何で弓の修行?」

「あー実はね?、ゲアブランデでちょっと厄介な敵が現れて、この統一神界で弓の修行をしていたのよ。あっ、ちなみに【弓の女神ミティス】様はアクア先輩と同期なのよ?」

「へぇ〜。それでさリスタルテ、エリス見なかったか?」

「エリス?そう言えば見てないわね、家に居なかったの?」

「居なかった」

 

待てよ?居ないということは、何をしてもバレないよな?

 

そう考えた俺は……。

 

「なぁ、セイヤ。俺と戦ってくれないか?」

「はぁっ!?あんた何言ってんの!?自殺行為よ!?」

「セイヤくんに挑戦するなんて、さっき見たロザリーさん見たいだね」

「けど……師匠とリュウジさんの手合わせは気になるな……」

 

俺は準備運動を始めると、リスタルテは慌てて俺に注意する。

 

「やめなって!マジ死ぬから!命を無駄にしないで!?悩んでるの!?悩んでるなら話聞いてあげるし、お悩み相談のカウンセリングとかもしてあげるから!」

「いや、寧ろ俺とセイヤはどれくらいの差があるのか知りたいんだ」

 

手をゴキゴキさせると、セイヤは。

 

「ふむ、相手は素早い奴だが近接格闘をしてくる可能性がある。ここには格闘タイプが少ないしな、良いだろう」

 

承諾したセイヤは剣を地面に置いてファイティンポーズを構える。俺もムエタイの構えると、重苦しい空気になって来た。ジリジリと牽制していると、エルルが突然くしゃみをした。

 

「っくしっ!」

 

「「ッ!!」」

 

俺はドンッと思い切り地面を踏み込んでセイヤに接近した。

 

「うおっ!?さっきより速いっ!?」

「すんごい地面えぐれてるんだけど!?」

「セイヤくんにパンチが!!」

 

貰った!

 

俺の渾身の右ストレートが顔を捉えたと思ったが、セイヤは目にも止まらぬ早さで俺の腕を掴んでいた。俺の攻撃を受け止めた後、セイヤは左手で俺の頬をぶった。

 

ビターン!

 

リスタルテ達が唖然として見ている時、鈍い音が響いた。

 

「おっふぁっ!?」

 

何これ、めっちゃ痛いんですけど!?

 

倒れる寸前に踏ん張った俺は拳を握り振り上げようとすると、既にセイヤは反撃出来るように右手を構えていた。

 

「はい、ストォォォォォップ!!」

 

リスタルテは俺とセイヤの間に滑り込んで来た。

 

「もういいでしょ!?ねっ!?カウンター入ったから!リュウジの負けで良いわよね!?ねっ!?」

 

そして、すぐさまに振り返り、セイヤを叱り始めた。

 

「セイヤ!これ以上弱いものいじめはダメよ!ダメダメ!」

「向こうから殴りかかって来た。これは立派なカウンターだ」

 

ってか待って、弱いものいじめって何よ。

 

「ま、だ、ま、だぁぁぁぁっ!!」

 

俺はそのまま♾の文字を描くように頭を振り、デンプシーロールを繰り出し、そのまま突進すると……。

 

ビターン!

 

「あったぁっ!」

 

ビターン!!

 

「おどれぇっ!!」

 

ビターン!!!

 

「にゃひぃーっ!!」

 

ビターン!!!!

 

「お゛お゛ん゛っ!!」

 

渾身のデンプシーロールは悉くカウンターを合わせられ、遂には完全に止められてしまった。気付いた頃には両頬はモアンモアンと熱くなり、腫れた様な感覚に見舞われた。

 

「ぢぐじょっ!1発もアダラデェ!!」

「リュ、リュウジ!!もういいでしょ!?この子は異常なのよ!?かないっこないわ!!」

「やだっ!同じ日本人なのに……ぐすっ、負けてたまるかぁっ!!」

「子供かっ!。セイヤ!!謝りなさいってば!!ホラ、リュウジがあまりの実力差にショックを受けて今にも泣きそうじゃない!!」

「泣いてねぇっ!」

「セイヤ!!早く謝りなさい!!」

「何を言っている、これは手合わせだろう?」

 

そこへ、バッドタイミングな所にウチのエリス様がやって来た。

 

「あ、あの〜こんな所で何してるの?」

「エリス!?丁度良かったわ!2人を止めて!」

「あたしにはウチのリュウジが一方的に泣かされてる様に見えるけど?」

「ち、違うのよ!?リュウジが実力差を知りたいって言ってウチのセイヤに挑戦したのよっ!そしたらコレよ!」

「返り討ちされちゃったんだね……あーあ、ほらリュウジ、負けたんだから謝りな?」

「まだ負けてねぇっ!」

「ほら、セイヤもやり過ぎたんだから謝りなさい!!」

「謝らん。俺は悪くない」

 

負けを認めない俺、やり過ぎを認めないセイヤ。

 

「いやホントに子供か、アンタら!?どっちでもいいから、さっさと謝れよ!」

「ホントに止めてよ、みっともない!!」

 

セイヤを叱るリスタルテと、俺を叱るエリスを見たエルルとマッシュが呟いた。

 

「なんかリスたんとエリス様って2人のお母さん見たいだね」

「ああ。近所の子供同士のケンカを止めてる母ちゃん見たいだな」

 

リスタルテとエリスは俺とセイヤを離れさせると、俺は唸りながら叫んだ。

 

「ちくしょうっ!次こそは必ずそのツラに1発入れてやるからなっ!」

「ふんっ、今度はもっと素早く動ける様にしておくんだな」

「ガルルルルルル───────ッ!!」

 

俺が怒りに満ちた顔をしながら唸ると、エルルが叫ぶ。

 

「な、なんだか大変だよーっ!!リュウジくん、ライオンみたいに唸ってるよーっ!?」

「エルル。放っておけ。近付くと食われるぞ」

「グルル───────ッ!!」

 

この差が悔しいっ!

 

力の差を実感した俺は悔しくて唸る。マッシュはハラハラしながら。

 

「あのリュウジがこんなに取り乱すなんて……流石は師匠だ……」

「マッシュ。リュウジと手合わせしたのだろう?。さっきのリュウジの踏み込みを頭に叩き込んでおけ」

「おっ、押忍!」

「リスタ。そろそろ戻るぞ。門を出せ」

「あ、……うん。エリス、なんかごめんね?ウチのセイヤが」

「いいのいいの、ウチのリュウジこそ迷惑かけてごめんね?」

「それじゃ私達は行くね?」

「うん、気を付けてね」

 

その後、リスタルテはエリスに見送られながらゲアブランデに戻って行った。

 

「ね?だから言ったじゃん。世界観が違うって」

「ぐすっ……けど、この差はねぇよ……」

「はいはい。悔しいならもっと強くなりなよ」

「ってかどこ行ってたんだよ。家に行っても居ねぇし」

俺がエリスに尋ねると、エリスはどこか言いにくそうに顔を歪めた。

 

「えっーと……しょ、書類整理をしてたんだよ」

「今嘘ついたな、言えよ、何隠してんだ?」

「何でもないよ、気にしないで!」

 

エリスは強く否定したが、頬をかく癖が出ていた。

 

これは絶対隠し事してる顔だよなぁ……。

 

「まぁ良いなら良いけど……。んじゃ、そろそろ帰ろっかな」

「あっ、帰るの?」

「うん。それで大変申し訳ないんですけど、紅魔の里に送って貰えますか?」

「はあっ!?『テレポート』で帰ればいいじゃん!」

「だって4つ場所埋まってるもん、帰れねぇよ」

 

俺がそう言うとエリスはしまったと言わんばかりに頭を押さえる。

 

「もうっ!特別だからね!?」

「はーい」

 

エリスはリスタルテの様に空間に門を開いた。

 

「はい、紅魔の里に続いてるから早く通りな?」

「うん。ありがと、さっさと魔王軍倒して皆で宴会しよ」

「そうだね、楽しみにしてるよ!」

「んじゃ、行ってくるわ」

「行ってらっしゃい」

 

そう言い残し、俺は紅魔の里に続く門をくぐった。見送ったエリスは門を閉じると……。

 

「言い出せなかったなぁ……署長さんの事……」

 

────────────────────────

 

紅魔の里に戻った俺はあるえの家に向かうとすると声をかけられた。

 

「おや?家に戻ったかと思えば散歩かい?」

「おー、あるえ。買い物は終わった?」

 

俺がそう訪ねると、あるえは首を傾げた。

 

「何を言ってるんだい?まだ向かう途中だよ?」

 

あっ、そっか。統一神界に1時間くらいいたけど、こっちでは数分しか経ってねぇのか。

 

「あーいや、家に行こうとしたんだけど、ちょっと魔法の事を勉強したいなぁと思ってさ……あはは」

「ほう?それは関心だね、どんな事を勉強したいんだい?」

「えーっと……アレだ!一度に素早さと防御力と攻撃力を上げる魔法かな?」

 

咄嗟に誤魔化した事を俺はあるえに悟られ無いように話し出すと、あるえは何の疑いもなく真面目に聞いてくれた。

 

「流石に3つの支援魔法を一度に使える魔法はちょっと聞いた事がないねぇ……」

「そっか、そうだよねぇ……無理だよねぇ……」

「どうしてそんな魔法を覚えたいの?」

 

あるえは俺に聞いて来て、俺は頭を抱えながら答える。

 

「いやぁ、もっと力を付けたくてさぁ……あーあ。スキルポイントと経験値が沢山手に入れればなぁ」

 

俺がそうボヤくとあるえは頬に手を当てながら答えた。

 

「それなら、【カモネギ】なんてどうだい?」

 

なんか聞いた事ある名前出て来た。

 

「ねぇ、もしかして可愛い顔したカモがネギを持ってたりする?」

「物知りじゃないか、その通りだよ?」

「えっいるの!?」

「えっ?いるけど、驚く事かい?」

「あっいや、こっちの話し……。そのカモネギはどこにいるの?」

「それがあまり出回ってないんだよ。だから市場に出てもかなりの値が着くんだよ」

 

どんだけ希少価値のあるモンスターなんだ!?

 

「めちゃくちゃ気になる……」

「確か、商業区に値は張るけど売ってた筈だよ。今晩はそれにしようか?」

「マジ!?ならそのカモネギの代金は俺が出すよ!」

「それは助かるよ。なら今晩はカモネギ鍋にしよう」

「わーい!」

 

俺とあるえはそのまま商業区に向かって行った。

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