孤児院から帰って来てあるえからプレゼントしてもらった【蒼き稲妻】のコートをクローゼットに片付けようとしたら胸ポケットに何か入っているのに気が付いた。
「あれ?なんだろう、鍛冶屋さんのレシートかな?にしても固いし……?なんだろう……?」
俺は胸ポケットから取り出して見ると……。
「えっ……えっ!?なっなん!?ん!?」
俺の手には……1枚の写真があり、写ってるのは……ルームウェアを着ているあるえだった。しかも、自分で撮ったのか、その写真は胸元を強調されており、写真の裏には『しばらくはこれで我慢しておくれよ』と書かれていた。
「あるえのやつ大胆だなぁ。どーせまたからかってんだろう?けど、これは……俺のお宝にしておこう」
クローゼットからは浮遊マントがふわふわと何かを訴えていた。
「……!!……!!」
「よく分からんなぁ……。しばらく留守にしてて怒ってるの?久しぶりに天日干ししてあげるから、この写真は内緒にしててくれよ?」
クローゼットに蒼き稲妻を片付けて、浮遊マントを天日干ししていると、突然……目の前がぐらぐらし始めた。
あれ?
「なんだ……これ……」
バタンッ!!
「体が動かねぇ……意識も……」
俺が意識を無くしてしばらくすると、エルフの森に行っていたマリュー、ペコリーヌ、コッコロが帰って来た。
「あれ?鍵開いてますね?」
「ホントですか?っと言う事は……リュウジ様?帰ってるんですか?」
「リュウジさま〜?ただいま帰りましたよ〜?」
「あれれ?返事がありませんね?どこか出かけたんでしょうか?」
「どうでしょうか、リュウジ様〜?」
マリューが部屋をノックする。
「リュウジ様?帰って居られるのですか?開けますよ?」
マリューがドアを開け、ようやく俺の倒れた姿を目の当たりにした。
「リュウジ様!?どうしたんですか!?」
「マリューさん?どうしたん……リュウジくん!?」
ペコリーヌは俺を抱き抱え、俺を揺すぶる。
「リュウジくん!リュウジくん!?しっかりして下さいっ!」
「ペコリーヌさま。落ち着いて下さいまし……わっ、凄い熱です!!」
「とりあえず、ベッドに寝かせましょう!!」
マリューは俺をベッドまで運び、コッコロは慌てて洗面器に水を溜めてタオルを濡らし、俺の頭に置いた。俺は息を荒く呼吸し、息苦しくさせていた。
「コッコロちゃん!リュウジくん、大丈夫ですよね!?」
「大丈夫かと……恐らく疲労が祟ったのでしょう。しばらくはわたくし達3人交代で様子を見ないといけませんね」
「そうですね。長々と子供食堂を休ませてましたし、これ以上休む訳にはいきませんからね。明日また考えましょうか」
「わたくしは病に効く薬草を調べて参ります」
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一方その頃、孤児院ではミソギ、ミミ、キョウカ、こめっこが4人揃って話し合いをしていた。キョウカ達はこめっこに自己紹介を始めた。
「えーっと、こめっこちゃん。はじめまして!私の名前はキョウカって言います。種族はエルフです」
「私はミソギだよ〜!人間族だよ!」
「わたしはミミだよ〜。ミミは獣人族だよ?よろしくね?こめっこちゃん」
「よろしく。こめっこはこーまぞく」
たどたどしい自己紹介を終えると、キョウカが話し始めた。
「えっとね?私はこの4人でチームを作ろうと思うんです!」
キョウカの言葉に3人は首を傾げる。
「チーム?ミツルギお兄ちゃん達みたいなこと?」
「そうです!カズマさん達だけではこの先心配ですからね!なので、私達4人でチームを結成しましょう!」
「わー!かっこいい!!にーちゃんみたいなチームだね!」
「おーー!ねーちゃん見たいなのかっこいい!!こめっこもなる!」
ミソギとこめっこがはしゃぎ始めると。
「そうですね!なんだかワクワクして来ました!」
「キョウカちゃん、チーム名はどーするの〜?」
「こめっこかっこいい名前がいいっ!」
すると突然。
「よーし!なら、今日から私たちは、『ミソギ冒険隊』だぁー!」
「「「えっ?」」」
ミソギの言葉にキョウカ、ミミ、こめっこは同時に首を傾げた。そして、キョウカが言い放つ。
「ミソギ、その名前は却下です。4人のチームですから、個人名をつけるのはどうかと思いますし、付けるなら、せめて”リーダー”の名前をつけるべきです」
キョウカがそう言うとピクっと耳を動かしたミソギとこめっこは食ってかかる。
「だーかーらー!ミソギがリーダーだってば!こういうのは、いちばん強い人がリーダーなの!」
「それならこめっこがいちばん。こめっこがいちばん強いもん」
こめっことミソギがそう言うと、キョウカは困った顔をして……。
「いちばん強い?私には、剣を持ってるミミが強そうに見えますが……ミツルギさんに稽古付けてもらってますし?」
そう言い返すとミソギは指を振りながら。
「ちっちっちー。ミソギの強さは外見なんかじゃわからないんだよ。私だってリュウジにーちゃんに鍛えて貰ってるからね!」
「ミツルギお兄ちゃんも優しくて強いもん!」
「確かに、ミツルギさんもリュウジさんも強いです。2人が羨ましいです。私は誰にも稽古を付けてもらってませんから!」
「キョウカにはカズマにーちゃんがいるじゃん!」
「あっ、あんなへんたいさん嫌です!」
「こめっこちゃんには、お稽古してくれる人いるの?」
ミミがそうこめっこに聞くと、こめっこはふんすっと鼻息を荒らげながら答えた。
「こめっこには強くてかっこいいねーちゃんがいる。食べ物の取り方だって教えてくれたり、ザリガニの釣り方だって教えてくれた」
「めぐみんさん!?紅魔族は知力が高いと聞きましたが……そんなにサバイバルな生活をしてるとは知りませんでした」
「ねーねー、ザリガニって食べられるんだっけ?」
「ミミ、食べた事ないからわかんないよぉ」
それから話が脱線しては戻してを繰り返し、議論を続けた結果……。
「では、チーム名【リトルリリカル】を結成し、チームリーダーはいちばん年上のミミって事で良いですね!」
「わかった〜♪」
「さんせー」
「年上なら仕方ない」
1時間後、チーム名とリーダーがようやく決まった。そして、こめっこが首を傾げながら手を挙げた。
「チームって何するの?」
その言葉にキョウカ、ミソギ、ミミは固まった。
「そ、それは……冒険したり?」
「おー!冒険好きっ!」
「みんなとご飯食べたり?」
「みんなとご飯!?じゅるり……」
「お兄ちゃん達は普段冒険以外何してるんだろ〜ね?ミツルギお兄ちゃんは稽古をしたり、魔法のお勉強をしてるって言ってたよ?」
「こめっこ勉強きらい。外で遊びたい」
「困りましたね……では、私達なりに考えて活動しましょう。今日の活動はミミに決めてもらいましょう!」
キョウカが唐突にミミに丸投げすると、ミミは困った顔をした。
「えっ!?ミミが決めるの!?うーん……お絵描き?」
「こめっこもお絵描きする!」
「なら、今日のチーム活動はお絵描きにしましょう!」
「分かったー!ミソギは何書こうかな〜!」
リトルリリカルの4人は、可愛らしいチーム活動を始めた。リトルリリカルのメンバーはクレヨンと画用紙を持って来て外で絵を描き始める。ミミは楽しそに絵を描くと……。
「みてみて〜ウサギさんの絵〜かわいいでしょ〜♪」
「う〜ん、かわいいけど……一撃ウサギ見たいに角を付けた方がかっこいいよ!えいっ!」
ミミのウサギの絵に勝手にひと手間加えてウサギさんを一撃ウサギさんへと進化させた。すると、ミミはムッとした顔をしてミソギに言い放つ。
「だ、だめだよ〜ミソギちゃ〜ん!」
「なら翼も付けた方がかっこいい!えいっ!」
ミソギの真似をしてこめっこもミミの絵にひと手間付け加える。
「こめっこちゃん!?……ミミの絵が……うえ〜ん」
「こめっこ!ミソギ!ミミが泣いちゃったじゃない!あやまりなさいっ!人の絵にイタズラするなんてダメだよ」
「はーい。ごめんね?、ミミ」
「こめっこもごめんなさい……」
こめっことミソギがミミに謝ると、ミミは泣きやんだ。
「うん。もう、良いよ?大丈夫」
そして、仲直りしてから30分後……。
「お絵描き飽きた〜!つまいないー!チーム活動ってもっとかっこいい事すると思ってたのにー!」
「ミソギはワガママだな〜」
「んじゃこめっこ知ってるの?」
ムッとしたミソギはこめっこに尋ねると、こめっこは話し始めた。
「知りたいなら鎧のにーちゃんとか、ねーちゃんに聞けばいいじゃん」
「あっ!そっか!にーちゃんに聞けばいいのか!ねぇねぇ、ミミ、キョウカ。4人でにーちゃん達から聞きに行こうよー!」
「えっ!?リュウジさんに聞くの?」
「リュウジお兄ちゃんなら優しく教えてくれるよ〜♪」
「ミソギ、確かリュウジさんのお家知ってるよね?」
「うん!知ってる!なら今からしゅっぱーつ!!」
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リトルリリカルがリュウジの家に辿り着き、ミソギが小さい手でドアにノックした。
「こんにちはー!にーちゃーん!にーちゃーん!」
はーい!どなたですかー?
ドアが開かれると、ミソギ達の前にはリュウジではなく、ペコリーヌが現れた。ミソギはポカンとした口を開けていた。
「おや?小さくて可愛らしいお客さんですね!おいっす〜☆」
「こんにちは〜♪」
「こんにちは!ペコリーヌさん!」
ミミとキョウカがペコリーヌに挨拶すると、ペコリーヌはこめっこの存在に気が付いた。
「あれ?初めて見る子がいますね〜?新しいお友達ですか?」
ペコリーヌがこめっこを見つめると……。
「我が名はこめっこ!紅魔族随一の魔性の妹!」
「「「っ!?」」」
ミソギ達はこめっこの初対面の人に対しての挨拶に驚きを隠せなかった。
「こめっこはいつもそんな自己紹介するの?」
「うん!紅魔族はこれが出来ないと1人前じゃない」
「そーなんだー!こめっこちゃんすごいね〜♪」
「ペコリーヌねーちゃん!リュウジにーちゃんは?」
ミソギの言葉にペコリーヌは顔を歪めた。
「リュウジくんに御用だったんですね。けど、ごめんなさい。リュウジくん熱が出ちゃって今眠ってるんです」
ペコリーヌが事情を話すと、リトルリリカルメンバーは顔を青ざめた。
「えっ!?にーちゃん風邪ひいたの!?」
「最近寒いからリュウジお兄ちゃんお風邪引いちゃったんだね〜」
「まったくあの人は!自己管理がなってませんね!」
「じこかんり?キョウカ、じこかんりってなに?」
「うがい手洗いをしていないって事です!」
「それで、ペコリーヌねーちゃん。リュウジにーちゃん大丈夫なの?」
ミソギが不安そうな顔をすると、ペコリーヌはくすくすと笑い出した。
「おやおや、リュウジくんはモテモテですねぇ。大丈夫ですよ、今さっき調べたらカモネギのネギを首に巻くと風邪に効くらしいので直ぐに治りますよ?けど、わたしは今忙しいですからねぇ……困りました……」
ペコリーヌが困った顔をした途端、ミソギが手を挙げた。
「んじゃ、ミソギ達がカモネギのネギ取ってくるよ!」
「えっ!?ミソギ!?」
「ミソギちゃん、ミミモンスター怖いよぉ……」
「カモネギ!?親子丼とか作れる!?」
「こめっこちゃんはいつもお腹すいてるの〜?」
「うん!じゅるり……」
4人は多種多様な顔をすると、ペコリーヌが腕組みをして考え始めた。
「うーん……けど、小さい子を危ない所に行かせるとリュウジくんが怒りそうですからねぇ……」
「大丈夫だよ!にーちゃんにバレる前に帰ってくるから!」
淡々とミソギが勝手に話を進めると、キョウカが……。
「ミソギ!勝手に決めないで!モンスターは危険だってクリスお姉さんが言ってたでしょ!?」
「そーだよミソギちゃん。ミミ達だけじゃあぶないよぉ……」
あまり乗り気じゃないキョウカとミミに対して、こめっこが言い放つ。
「だいじょーぶ。こめっこがみんなを守る!」
「ほらー!こめっこもいるんだし、大丈夫だよー!それに、前に白と黒い熊のモンスターやっつけたじゃん!」
「うーん……今回はこめっこもいますし、さっきの悪魔さんがいるから大丈夫だとは思うけど……」
「ミミ、まだあの悪魔さん怖いなぁ……」
「え?悪魔?」
ペコリーヌが首を傾げると、ミソギは慌てて誤魔化した。
「うーうん!なんでもないよー!ペコリーヌねーちゃん、カモネギがいる地図とかある〜?」
「えっ、あるにはありますけど〜」
ペコリーヌが地図を取り出すと、ミソギがバッと奪い取った。
「わわっ!ミソギちゃん、ダメですよぉ!」
「大丈夫大丈夫ー!ちょっと貸してねー!」
「ミソギ!?ほんとに行くの!?ちょっと待っ……ペコリーヌさん、あの地図ちょっと貸して下さい」
「待ってよ〜ミソギちゃん、キョウカちゃ〜ん!」
「しょうがねぇなぁ……ばいばい!おっぱいでっかいねーちゃん」
「おっ、おっぱい!?」
リトルリリカルメンバーはアクセルの街の門に向かって走り始めた。ペコリーヌは唖然としながら見送っていた。
「それにしても……さっきの子は紅魔族の妹って言ってましたが、お姉さんは誰だったんでしょうか……?」