ぶ厚いファイルを手渡された俺はペラペラと捲って見た。
「【シルバーサムライ計画】?なんですか、これ?」
「博覧会で発表する計画はその事なんだよ」
え?って事は……?
「このスーツを着るのってもしかして俺ですか!?」
「博覧会でテストするだけだよ。リュウジのお爺様にあたり、僕の父でもある市郎と同等の剣術をマスターしたのはリュウジだけだしな。デモンストレーションで少し形を見せるだけさ」
いや、確かに俺の師範はじぃちゃんだけどもこれは超大役!!
「だったら叔父さんが着た方がいいんじゃ……?叔父さんもシルバーサムライっスよね?」
「そうなんだけど、こんなオジサンが着るより君のようなエネルギッシュで若々しい男の方が見栄えが良いだろ?」
「おっと、それは僕に言ってるようにも聞こえるが?気のせいか?」
トニー・スタークが顔をしかめると、ブルース・ウェインが宥め始めた。
「トニー、君は目立ち過ぎなんだ。たまには若い子にもチャンスがあっても良いだろう?」
「それもそうだな」
「それにヒーローってのは、強すぎちゃ面白くないだろ?」
「君、良い奴だな。剣一郎、さっきのは聞き逃すよ」
トニーはニコニコ笑顔になって剣一郎叔父さんに言った。すると、剣一郎叔父さんが、
「リュウジ、やってくれるね?」
「本当に俺でいいんですか?アベンジャーズでもジャスティスリーグでもないんですよ?その辺で女の子のケツを追っかけてるガキですよ!?」
「最後の一言がなければかっこいいんだけどな」
「言えてる」
「大丈夫さ、君なら出来る」
2人の雑音を振り払いながら剣一郎叔父さんは俺を推してくれた。
せっかくの厚意だし、やってみるか!
「分かりました。シルバーサムライのテストスーツは俺が着ます」
「ありがとう、さぁ話も決まった事だし食事にしようか」
「腹ぺこなんだ、スシを頼むよ剣一郎」
「なら僕はニホンシュを頼むよ剣一郎」
「あの、お2人とも……ここ、レストラン。寿司屋じゃないです」
その後、俺は3人から博覧会の事を聞きながら食事を楽しんだ。
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翌日。土曜日になり、シルバーサムライ計画の事を知る為に街に繰り出して喫茶店にやって来た。俺はぶ厚いファイルを開きながらコーヒーを飲んでいた。
「なるほど、テロ対策特別措置としてシルバーサムライを導入させるのか。叔父さんもやるなぁ……。シルバーサムライの装甲はアダマンチウム。細かいパーツはヴィブラニウムなのか……このスーツの創作費いくらよ」
ファイルを眺めていると、
「あっ、リュウジ君!ぐうぜん!」
「へ?」
俺は顔を上げてみると、グレーの髪色で緑のネクタイにワイシャツ、グレーのカーディガンを着た女の子が現れた。
えっ?誰!?
「うそ、何してんの?」
「あ、え……?」
「え、1人?私、ここに座ってもだいじょうぶ?」
「あっ、うん。どうぞ?」
「ありがとね。お邪魔しまーす」
ファイルを閉じて席を譲ると、女の子はこの世界の俺と知り合いなのか直ぐに俺の隣に座った。
この子すんげぇ、フレンドリーだなぁ。
「わぁ、なんかちょっとアレだねー?LIN〇は良くするのに、チョクで会うの久しぶりってか、なんだろう変なカンジ」
「そ、そうかな?あはは……」
「ねぇ?何読んでたの?私にも見せてよ〜」
女の子は俺の近くまで顔を寄せてシルバーサムライのファイルを触りだした。女の子は読んだ瞬間、首を傾げた。
「シルバーサムライ計画?あ、私のおじーちゃんが働いてる研究所のスーツだよね?なんでなんで?リュウジ君がなんでこれ持ってるの?」
え?
「いや、このスーツの装着を頼まれたんだよね。剣一郎叔父さんに」
「えっ!!凄いじゃん!おじーちゃんが携わったスーツを着るなんて!」
女の子は目をキラキラさせながら俺を見つめてきた。
誰のことだ?スタークさん?いや孫いねぇしな。ブルース?こっちも孫って歳じゃねぇしな……。
「誰のこと……?かな?」
「あ、研究所のチーフ【真行寺】博士。そして私は博士の孫【真行寺 由仁】」
ユニと聞いた途端、俺は目をまん丸くして驚いた。
えっ!?ユニ!?全然キャラ違うじゃん!!って事は……この前のLIN〇はユニだったのか!!。
「へ、へぇ〜。シルバーサムライに関係してたんだねぇ」
「うん。なら4日後の博覧会に出るの?」
「そ、そうだよ?これ言って良いのかな?」
「大丈夫大丈夫、私口固いから」
ユニと話していると、店員がやって来た。
「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか?」
「あ、えっと……じゃあエスプレッソを。リュウジくんも何か飲む?」
「あっ、俺はまだあるから大丈夫だよ?」
「そっか。んじゃ、以上で」
「かしこまりました」
店員が去って行くと、ユニはニコニコと笑う。
「はー、たのし、でもごめんね。博覧会の準備邪魔しちゃって」
「いや、そんな事ないよ。それでさ、日曜日の件なんだけど……」
「あ、日曜日?うん、どうしたの?」
「実は、博覧会の打ち上げがあるらしいんだよね………」
「あーそっか……それは仕方ないよね」
ユニはあからさまにしょんぼりして俯き始めた。
ごめんねユニ……。
「その代わりなんだけど、スタークさん達が博覧会に友達を連れて来るといいって言ってチケットくれたんだよね。どうかな?」
俺はポケットからトニー・スタークから貰った博覧会のチケットを差し出した。
「えー?いいの?気にしなくて良いのに。けど、おじーちゃんの研究したものを間近で見られるなら行こうかな」
「俺も顔見知りがいると安心するからさ、来てくれると嬉しいな」
「うん。いいよ?今回に限らず、オフでも全然会うよ、私?じゃんじゃん呼び出して〜?」
彼女かっ!
「あはは……」
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その頃、エリスは。
「ここが……、リュウジやカズマさんやミツルギさんがいた世界なんだ。凄いなぁ」
エリスはガラスに写った自分の体を眺めると、クリスの姿になっていた。
「あれ!?女神の姿じゃなくなってる。ホントに夢の世界なんだなぁ。って、そんな事言ってる場合じゃなかった!リュウジを探さなきゃ!」
クリスは周辺を見渡して見渡せる場所を探す為にビルを飛び上がって屋上に登り始めた。ビルの屋上に上がったクリスは目を凝らしながらリュウジを探していた。
「アクセルの街以上に人が多いなぁ……。これじゃ探せない」
クリスが困っている所に、
「動かないで」
「えっ?」
クリスがこの方向を向いていると、両膝に強力な外的ショックを与えるニーパッド、ユーティリティベルトを付けた黒い戦闘用ジャンプスーツに身を包んだ女性が黒い物をクリスに向けながら立っていた。クリスはダガーに手をかけながら、
「誰!?」
「質問してるのはこっち、あなたは何者?5階建てのビルを軽々と登って来たけど?」
「あ、あたしは……えーっと……クリスって言います」
質問に答えたクリスに対し、謎の女性はクリスが手にかけているダガーに目を向ける。
「武器を持ってるようね、こっちに渡してくれる?」
「待って下さいっ!あたしは人を探してるだけなんです!」
「それは私には関係ないから。とにかくナイフを渡して」
「……分かりました」
クリスはナイフを謎の女性に蹴って滑らせると、謎の女性は近付いて来た。
その時。
「『バインド』!!」
「─────っ!?」
謎の女性はクリスが放ったバインドで拘束され、動けなくなった。クリスは慌ててダガーを拾い、謎の女性にダガーを突き付けた。
「その変な黒い筒の物、捨ててもらえますか?」
「黒い筒の物って……あなた、【銃】を知らないの?」
「じ、じゅう?これは銃って言うんですね。似た様なものは何度か見た事はあります。今度はあたしが質問する番ですね。あなたは誰ですか?」
クリスが謎の女性に尋ねると、
「私の名前は【ナターシャ・ロマノフ】。とある人物を調査す為にこの日本へやって来たの」
「とある人物?あの、それってリュウジって男の子ですか?」
「迷子を探してる訳じゃないの。それと、これ外してくれる?」
「暴れませんか?あたしも人を探してるんです」
そう言うと、ナターシャは気まずそうな顔をしながらクリスに提案を持ちかけた。
「よく分からないけど、あなたも人を探してるんでしょ?ここはどうかしら?私と手を組まない?」
「手を組む……ですか?」
「ええ、こんな所じゃアレだし。そこのカフェでお茶しながらでも話さない?」
ナターシャに言われたクリスは少し考えた結果。クリスはロープを斬り、ナターシャを解放した。
「ありがと。不思議な道具を使うのね、仕組みはどうなってるの?」
「あ、いや……仕組みとか無くて……スキルを発動させてるんです」
「スキル……?まさか魔法とか言うんじゃないでしょうね?」
ナターシャはクリスの手を調べてみたが仕掛けが見当たらず、いぶかしげな顔をする。クリスは申し訳なさそうに、
「あはは……似た様なものです……」
「その顔は嘘ついてる顔じゃないから、そうなのね」
「驚かないんですか?」
「喋るアライグマもいるのよ?今更何が来ても驚かないわ」
「そ、そうなんですね」
クリスが頬をポリポリかくと、ナターシャはクリスの服装を舐め回すように見始める。視線に気づいたクリスは恥ずかしそうに、
「な、なんですか!?」
「その服装じゃ目立つわね。あなた、他に服ないの?」
「すみません……これしかないです……」
「お金もないの?」
「ないです。すいません……」
クリスが困った顔をしながら答えると、ナターシャはため息を吐いて。
「仕方ないわね」
そう言うと、ナターシャはスマホを取り出してどこかに電話をかけ始めた。
「もしもしクリント?私の私服と、財布持って来てくれる?座標は今送るから。え?なんでかって?ちょっとワケありなのよ」
一方的に電話を切ると、どこからともなくジェット機が現れた。クリスは目をまん丸くして唖然としていると、ハッチが空いてバックが落とされた。ナターシャは合図をすると、ジェット機はどこかへ飛んで行ってしまった。
「今のはなんですか!?」
「あなた飛行機も知らないの?一体どこから来たのよ……」
ナターシャはバックを開け、服を取り出して着替え始めた。隠れもせずに堂々と着替え始めたのを目の当たりにしたクリスはただただ驚いているばかりだった。ナターシャは茶色のジャケットに黒のタンクトップに黒のパンツに身を包んだ。
「これで大丈夫ね。まずはあなたの服を買わないとね」
「あたしはどうすれば?」
クリスがナターシャに尋ねるとナターシャは財布を見せながら、
「もし、私から財布を奪う事が出来れば私が買ってあげるわ」
「ほんとですか?」
「ええ、あなたの実力も見たいし───」
「『スティール』!!」
一瞬光を放った瞬間。クリスの手には、ナターシャの財布が手にされていた。クリスはドヤ顔でナターシャに言い放つ。
「これで良いですよね?」
「正直驚くわ……私の仲間でここまで出来る人はいなかった」
「これで信じて貰えますか?」
「良いわ、信じてあげる。行きましょ」
「はっはい!」
ナターシャとクリスはビルから降りて街へ繰り出して行った。ナターシャはクリスの服選びをしてクリスの服を用意した。クリスは青いコートにショートパンツにニーハイの服装に着替えた。2人はそのままカフェに足を運び、お互いの情報交換を始めた。
「まずは、私から教えるわね。私はある組織の諜報員で、その組織の任務を受けてこの女性を探してるの」
ナターシャはコーヒーを退かして1枚の写真をクリスに見せた。その写真には、茶髪のロングストレートでくびれる所とふくらむ所がはっきりした体つきの女性が写っていた。
「綺麗な人ですね」
「名前は【セリーナ・カイル】。ちょっとした泥棒よ」
「ど、泥棒……ですか」
クリスは思い当たる節がある為、少し困った顔をしながら話を聞いていた。
「それで、4日後に行われる博覧会に現れる可能性があるの」
「博覧会?」
「ええ、私の仲間も呼ばれてるんだけどね。それじゃ、あなたの事を教えてくれる?」
「分かりました。信じて貰えないかも知れませんが……」
クリスはナターシャに真実を伝え始めた。ナターシャはクリスの話をコーヒーを飲みながら全て聞いた。ナターシャは真剣な顔つきで、
「にわかに信じ難い話しね。今こうしてる瞬間がその子の夢の世界だなんて」
「バカげた話だと思いますが、これが真実です」
クリスも真剣な顔つきで言い返すとナターシャは、
「信じるわ、屋上で見せて貰った技の事もあるし」
「ほんとですか!?」
「ええ。むしろやんちゃな妹みたいな感じがして逆にいい感じね」
「喜んで良いんですかね?」
「その服の代金分手伝って貰うわよ?よろしくね、クリス」
「こちらこそ、よろしくお願いします。ナターシャさん」
クリスはリュウジを見つける為、ナターシャはセリーナという人物を探す為にお互いは同盟を結んだ。