※この作品はR-18です。

この元魔王に素晴らしい祝福を!改訂版   作:ボトルキャプテン

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145 博覧会当日★

それから4日後、遂に博覧会の日がやって来た。俺は剣一郎叔父さんに連れられながら会場にやって来ると、様々な企業の社長や、政治家、警察関係の人達がゾロゾロと集まっていた。雰囲気にのまれた俺は緊張しながらキョロキョロと見回っていると剣一郎叔父さんが声を掛けてきた。

 

「さっ、トニーとブルースが待ってる。スーツの準備をしよう」

「はっ、はい!頑張るます!」

「緊張してるのか?リラックスしていけ」

「頑張るます!」

 

緊張し過ぎて口が回らないっ!

 

カチコチに固まった状態でシルバーサムライのスーツのある控え室に向かうと、トニー・スタークとブルース・ウェインが金属のポッドの様な装置の前で待っていた。

 

「やぁ、来たね」

「君の晴れ舞台だ」

「はいっ!」

「トニー、頼む」

「ああ、リュウジ。これが君が今日着るスーツ」

 

トニー・スタークがスマホを操作すると、ポッドが観音開きに開く。その中には、銀色一色のパワードスーツが収納されていた。

 

「世界に発表する日本の平和を守る新世代型【シルバーサムライ】だ」

「うわぁ……」

 

俺は口を開けた状態でスーツに近付くと、ブルース・ウェインが話し始める。

 

「スーツデザインと設計はトニー。開発は剣一郎。会場のセッティングや資金集めは僕が担当した。気に入ってくれたかい?」

「僕が設計したんだ、気に入って貰わないと困る」

「開発は真行寺博士だ。叔父さんが直接手を加えていない」

「もうすぐ時間だ。早く着ろ」

 

トニー・スタークに促された俺はシルバーサムライのスーツを装着し始めた。アイアンマンのスーツの様に前開きに開いてカチャカチャと金属音を立てながら俺を包んで行った。最後にマスクをかぶると、モニターが映し出された。喜びと興奮が一気に爆発した俺は、

 

「ふぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

奇声を上げた。

 

かっこいい!もう、かっこいい!!

 

「ちょ、これ凄くないですか!?ヤバくないですか!?」

「落ち着け若者、玩具を与えられた子供じゃないんだから」

「素晴らしいね。流石はスタークインダストリーズだな」

 

ブルース・ウェインはシルバーサムライを装着した俺をぐるぐると周りながらスーツの性能に舌を巻いた。それを聞いたトニー・スタークは、

 

「会社が凄いんじゃない、僕が凄いんだ」

「おっと、それは失礼。僕の友達もこれくらいのスーツ作れないかな」

「その件は後でゆっくり話そう。さぁ、派手に行こうか!」

「叔父さん達は先に行く。アナウンサーが呼んだらステージが開くからそこから出て来い」

「わ、分かりました」

 

剣一郎叔父さんがそう言うと、トニー・スターク達を連れて会場に戻って行った。俺はスタッフに連れられてガシンガシンと足音を立てながら移動した。10分後、アナウンサーの声が聞こえて来た。

 

《お集まりの皆様、これより我が国日本のテクノロジーを駆使して開発した新たなテロ対策特別措置法の象徴。シルバーサムライをお披露目したいと思います!!。そのまえに、シルバーサムライ計画に大きく貢献した御三方を紹介したいと思います。アベンジャーズBIG3の1人であり、シルバーサムライのデザインと設計を担当したスタークインダストリーズの代表、トニー・スタークさんです!》

 

トニー・スタークの名前を言った途端、会場が大歓声に溢れた。

 

《そして、もう1人。今回の博覧会のプロデュースとスポンサーを担当したもう1人の立役者。ウェイン産業のオーナー、ブルース・ウェインさんです!》

 

スタークさんに負けないくらいの大歓声だなぁ……。

 

《では、矢志田産業の社長。原田剣一郎さんに登場してもらいましょう!》

《皆様、今日の我社の博覧会に来て頂き誠に感謝します。ご存知の通り一時期は窮地に追いやられましたが、親友の2人に助けられました。そのお陰で私は矢志田一族の名誉を取り戻す為に日本の未来を守るため、迫り来るテロリストへの対策を考えました。新たなテロ対策特別措置法の為に開発したパワードスーツ。シルバーサムライを紹介したいと思います》

《それでは、シルバーサムライに登場して貰いましょう!!》

 

「スタンバイお願いします!」

「はい」

 

ステージの扉が開かれ、俺はゆっくりと歩き始めた。すると、

 

《こんばんわ、リュウジ》

「へっ!?もしもし!?」

 

突然スーツの中から男性の声が聞こえて来た。

 

《補助輪プロトコル終了、おめでとうございます。シルバーサムライの全てのシステムがアクセス可能になりました》

 

何これすげえっ!!

 

「あの、なんと呼べばいいですか?」

《はい、私の事は【B.U.T.L.E.R(バトラー)】とお呼びください》

 

なるほど。J.A.R.V.I.S、F.R.I.D.A.Yやカレンの様なAIって事だな?

 

「んじゃバトラー、どこまで歩けばいい?」

《ナビゲーションを開始します》

 

バトラーの指示を確認するとすぐ先で『止まれ』とされていた。俺は階段の途中で止まり、ポーズを決めた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

ポーズを撮った瞬間、カメラマンが前に出て来てバシャバシャとシャッターを切る。俺は叔父さんの指示通りにデモンストレーションとして剣術の形をやり始めた。

 

────────────────────────

 

その頃、クリスとナターシャも博覧会の会場に潜入していた。クリスとナターシャもセクシーなドレスに身を包んでセリーナ・カイルとリュウジの捜索をしていた。クリスは場の雰囲気に飲み込まれそうになっていると、

 

「こんな人混み初めて?」

「は、はい……それにこんなドレス着るの初めてですし……」

「初々しくて可愛いわね」

「あはは……」

 

クリスはジュースを片手にステージを眺めると、銀色のスーツを着ている人に目がいった。ナターシャもクリスの視線を追う。

 

「あれね、トニーが設計したっていうスーツは」

「トニー?ナターシャさんのお知り合いですか?」

 

ナターシャは高そうなスーツを着こなしていてサングラスを掛けている男に指を指した。

 

「ええ。トニー・スターク、スタークインダストリーズの社長でもあり、アベンジャーズの1人。またの名をアイアンマン」

「アイアンマン……あれ?どっかで聞いたような……」

「それはありえないわ。あなたの世界の人間じゃないんだから」

「そ、そうですよね……。その隣にいる人もお知り合いですか?」

 

クリスはトニー・スタークの隣にいる男に指を指した。ナターシャが見つめると、

 

「あっちはブルース・ウェイン。トニーの会社と同じくらいの大きな会社のオーナーね。残念だけど、私の仲間ではないわ」

「凄いなぁ……ん?」

 

クリスはふと、他のテーブルに付いている女性に目がいった。クリスは写真を取り出して顔を見合わせる。

 

「ナターシャさん、ナターシャさん」

「ん?何?」

「あそこにいる人、この人じゃないですか?」

 

ナターシャも写真を確認すると、

 

「ビンゴ」

「これからどうするんですか?」

「会場から出たら2人で取り押さえるわよ?」

「はいっ!」

 

目標の人物のセリーナ・カイルが会場の外に出ると、ナターシャとクリスは後を追った。後を追うと、セリーナ・カイルは化粧直しの為にトイレに入って行くのが確認出来た。クリスはナターシャに合図を送る。

 

「行くわよ」

「はいっ」

 

ナターシャとクリスが中に入ると、化粧を直しているセリーナ・カイルがいた。ナターシャはドレスを捲って太ももから銃を取り出して銃を構えた。

 

「セリーナ、見付けたわよ」

「あら、アベンジャーズのブラック・ウィドウじゃない。こんな所でイケメン探し?」

 

セリーナは慌てる様子も無く、口紅を塗り直していた。だが、ナターシャは話し続ける。

 

「身辺調査の為、貴女に聞きたい事があるの。一緒に来てもらうわよ?」

「大人しくして貰えますか?」

 

クリスもナターシャの反対側に回って逃げ場を塞ぐと、

 

「あら、ナターシャ。いつの間にこんな可愛い妹なんて出来たの?」

「一時的に手を組んでるだけよ」

「セリーナさん、ナターシャさんの言う通りにして貰えますか?手荒な真似はしたくありません」

 

クリスが手を構えると、

 

「お断りね」

 

そう言った瞬間、セリーナはスラリとした足で華麗な回し蹴りを繰り出し、ナターシャの銃を弾き飛ばした。だがナターシャは直ぐに対応してセリーナと格闘をし始める。ドカドカとトイレの壁に穴を開け続け、クリスは咄嗟に2人から離れた。

 

「ナターシャさん、もう捕まえて良いですか!?」

「待って!この距離だと巻き込まれる!!」

「んじゃどうすれば!?」

 

壁に追い詰められたナターシャは、

 

「手伝って!」

「分かりましたっ!」

「ちょっと2対1はズルくない?」

 

セリーナはしなやかにバク転をしてナターシャとクリスから距離を置いた。

 

「今回は別にあんた達と関わる仕事なんて頼まれてないわよ」

「こっちも好きであんたを捕まえに来た訳じゃない」

「セリーナさん、ナターシャさんも落ち着いて下さい!話し合えば」

 

クリスが2人に話した瞬間。

 

「動くな」

 

「「「───っ!?」」」

 

突如女子トイレに覆面を被ってマシンガンを構えた男が入って来た。セリーナとナターシャは大人しく手を挙げると、クリスも2人を真似して手を挙げた。

 

「3人とも出て来い」

 

男に促された3人はトイレから出て来ると、4人の男に囲まれた。するとセリーナとナターシャが声を掛け合う。

 

「あなた達の知り合い?」

「冗談言わないで、あなたの知り合いでしょ?」

「どちらもお知り合いではないと言うと……」

 

ナターシャ、セリーナ、クリスは顔を見合わせ……。

 

「私は右」

「なら左」

「真ん中」

 

そう言った瞬間、3人は同時に男達に殴りかかった。ナターシャは男の頭を両足で挟んでそのまま投げ飛ばし、セリーナは足技でなぎ払い、クリスはバインドを発動させて動きを封じた。そして、最後の1人がマシンガンを構えた瞬間、セリーナが関節を決めると、ナターシャとクリスが同時にハイキックを顔面に食らわせてダウンさせた。ナターシャとセリーナは倒した男達を覗き込むように見つめる。

 

「何者かしら」

「どこかの兵隊のようだけど?」

「とにかく、このお兄さん達を隠さないと」

「そうですね」

 

3人は男達を引きずって女子トイレに隠した。隠し終えた3人は再び出て来るとセリーナが、

 

「こんな格好じゃ不味いわね」

「ならいつものドレスに着替える?」

「あなた持って来てるの?」

「一応ね」

「あ、あの……あたしは?」

「クリスは私のお古があるからそれを着なさい」

 

────────────────────────

 

その頃、俺達は……。

 

「動くなぁっ!!」

 

突如、マシンガンを持った兵隊達が天井に撃ちながら会場に入って来た。会場の観客達はパニックを起こし始め、トニー・スターク達とはぐれた俺は慌てていた。

 

「な、なんだ!?」

《会場に侵入者が現れた様です。スターク様とブルース様に通信を繋ぎますか?》

「うん。お願い、バトラー」

 

通信をすると、トニー・スタークから通信が入った。

 

「スタークさん今どこですか!?」

《無事か?僕はスーツを取ってくる》

「えぇっ!?」

《ピーター・パーカーより大人だろ?頼んだぞ?》

「ちょっ、ブルースさんは!?」

《ブルースならコウモリのお友達を呼びに行った》

 

あー、時間を稼げって事ね……。

 

「分かりました、やって見ます」

《頼んだぞ》

 

俺はスタークさんとの通信を終わらせ、バトラーに問いかける。

 

「バトラー、何か武器ないの!?」

《先程のデモンストレーション用のブレードが使用可能です》

「デモンストレーション用!?斬れないじゃん!!」

《はい。殺傷能力は皆無ですが、アダマンチウムで出来ています。相手を戦闘不能にする事は出来ます》

「はいはい」

《返事は一回で結構です》

「はい……」

 

スタークさん、凝りすぎ。

 

俺は先程のデモンストレーションで使った刀を装備すると、

 

「リュウジ!!」

 

呼ばれて反応すると、剣一郎叔父さんが俺を呼んでいた。俺は近付こうとした瞬間、テロリスト2人がマシンガンを構えて来た。

 

「そこのお前!動くなっ!」

「なんだコイツ、アイアンマンか?」

 

カチンと来た俺は……。

 

「俺はアイアンマンじゃない!!シルバーサムライだ!」

 

俺はテロリストに向かって行くと、相手はマシンガンを撃って来たがなんのダメージも受けずに近付いた。そのままデモンストレーション用の刀で太ももを叩くと断末魔を上げながら倒れた。

 

《お見事です》

「伊達に魔王やってた訳じゃないんでね」

 

そのまま剣一郎叔父さんに付いていたテロリストを倒し、俺は剣一郎叔父さんに声をかけた。

 

「叔父さん、大丈夫!?」

「俺は大丈夫だ。トニー達がいない今はお前だけが頼りだ。こんなテロリスト目じゃないだろ?」

「あっ……」

 

叔父さんの言葉に俺は声を失った。

 

言っちゃったよ、フラグ……。

 

そう思った矢先に突然、会場の窓ガラスが割れて緑色のコスチュームを着た何かが飛んで来た。それと同時に会場の扉からは藍色とオレンジ色に別れたスーツを着た男が入って来た。

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