タキオン・フィールドを発動させた俺が構え、バットマンがデスストロークの部下の装甲車を左側から追い越そうとしたその時、
《今だ、斬れ!》
「うおおおおぉっ!!」
ジャギギギーン!!
俺は磁力操作装置を利用して道路スレスレに横になりながら装甲車の左タイヤ前後を一気に切り裂いた。装甲車はそのまま制御不能となり、スピンしながら横転した。
《良いぞ、その調子だ》
「よしっ、次!!」
バットマンは更にスピードを上げると、前にいた他の装甲車がマシンガンを乱射して来た。俺は目元をガードしながら身をかがめる。
めんどくせぇ、一気に潰してやる!!
「ブルースさん!このまま突っ込んで下さい!」
《何か方法があるのか?》
「全部ぶった斬ります」
俺がそう言うと、バットマンはニヤリと笑った。
《良いだろう、間違って押し潰されるなよ?》
「はいっ!」
俺はバットマンの装甲車の先端に移動すると、デスストロークの部下の装甲車にぶつかった。そして、
ズバッ!!ギギギギッ!!
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
相手の装甲車を縦に一刀両断した。部下達は左右に別れて横転していき、警官達に取り押されられた。
「これで全部かな?」
《そうらしいな、トラックが高速を降りた。俺達も高速を降りるぞ》
「はいっ!」
俺とバットマンがトラックを追うと、コンテナが積み重ねられた埠頭に辿り着いた。バットマンは装甲車を止めて俺と降りた。刀を背中にしまいながら辺りを見渡す。
「どこだ!?」
「トニーはどこだ?」
《ここだよ、コウモリくんとサムライくん》
俺とバットマンが上を見ると、空からアイアンマンが飛んで来た。俺とバットマンはアイアンマンに近付いた。
「スタークさん、トラックを見ませんでしたか?」
「トラックならそこの倉庫に入って行ったぞ?」
「ならそこに向かおう。セリーナ達は?」
「ナターシャと一緒にいた美人の事かな?彼女達なら僕の仲間を呼びに行ったよ」
仲間?フューリー長官の事かな?
「とにかく倉庫に行きましょう、クリスを助けなきゃ」
俺達は倉庫の中に入ると、トラックが確かにあった。そのまま荷台を覗くとオレンジ色のボールの様な物だけが数十個置かれていただけだった。すると、オレンジ色のボールはピーピーと機械音を鳴らしながら光り出した。
「不味いっ!!2人とも逃げ────」
ドーーーーン!!
俺、バットマン、アイアンマンは爆風で外まで吹き飛ばされた。コンテナに叩きつけられた俺達はムクリと起き上がると、
「招待状は受け取って貰えたようだな?」
「フハハハハハ!俺の【パンプキンボム】の威力はどうだ?」
コンテナの上にはデスストロークと、グライダーに乗ったグリーンゴブリンがいた。デスストロークがバットマンに指をさしながら、
「バットマン、勝負だ!!来いっ!!」
「俺はスレイドを追う、そっちは頼んだぞ!!」
バットマンはそう言ってデスストロークを追って行った。グリーンゴブリンはグライダーに乗りながら先程の爆弾を投げ付けて来た。
「フハハハハハ!もっと吹き飛べ!!」
「そうは行くか」
アイアンマンがリパルサー光線でパンプキンボムを撃ち落として爆発させると、グリーンゴブリンは爆発に紛れながら俺に突っ込んで来た。
「ぐぁっ!!」
「フハハハハハ!まずは小僧、貴様からだ!」
コンテナの上に降ろされた俺はグリーン・ゴブリンにマウントを取られた。俺はグリーン・ゴブリンを殴るが、ビクともせずに真顔のまま俺を殴り続けていた。
コイツ、どんだけタフなんだよ!!
殴り続けていたグリーン・ゴブリンは俺を軽々と片手で掴みあげた。
「そのスーツは俺が緑色に変えて大事に使ってやる」
「ざけんな、叔父さんやスタークさん達が作ったスーツをお前になんかやるか!!」
俺は背中から刀を取り出し、グリーン・ゴブリンのスーツに打撃を与えた。グリーン・ゴブリンは少しよろめき、俺を離した。
「やるじゃないか」
「それはどうも」
刀を構えた瞬間、
「デキる男は隠し球を持ってるんだよ───っ!!」
俺の後ろからアイアンマンが現れ、リパルサー光線を浴びせた。アイアンマンは右手をかざしながら、
「オズボーン、白い髪のレディはどうした?どこへやった?」
あっやべ、少し忘れてた。
「そうだ!クリスをどこへやった!?」
刀を構えながらグリーン・ゴブリンに尋ねると、ムクリと起き上がって。
「白い髪のお嬢さんならあそこだ」
グリーン・ゴブリンの指を指す方を向くと、気を失っているクリスが巨大ガントリークレーンに吊るされていた。クレーンの先端をズームすると、宙吊りになっているクリスを確認した。
「クリス!!」
「コイツは僕がやる。君は早く助けに行ってやれ」
「分かりました。気を付けて!」
俺はコンテナを渡りながらクリスの元へと駆けて行くと、バットマンとデスストロークが戦っていた。デスストロークは俺に気付き、棍棒を片手に俺に向かって来た。
「小娘を助けに来たか、だがそうはさせない」
「うるせぇっ!どけぇっ!!」
「生意気な小僧だな」
俺とデスストロークはそのまま戦闘になり、刀と棍棒の鍔迫り合いになった。だが俺は力負けすることなくデスストロークを後ろ回し蹴りでコンテナから突き落とした。だが、デスストロークは棍棒を上手く使って鉄棒のように回転して再び俺の元に戻って来た。
「筋力が足りないな」
「こうなったら……『タキオン・フィールド発動』!!」
刀のグリップのボタンを押して刀を光らせた。刀を見た途端、デスストロークは……。
「競走が激しいな。だが、いい機会だ」
デスストロークは背中から刀を抜いて俺と似た様な構えをした。
「はぁぁぁっ!!」
「うおおおおぉ!」
刀と刀が交わる瞬間、俺の刀がデスストロークの刀を焼き切った。すんでの所でデスストロークは体を捻って刀を躱し、距離を取った。
「良い刀を持っているな、俺が奪ってやる」
「誰がやるかよ」
待てよ?そう言えばクリスはこの夢の世界でスキルを使えてたな。なら、俺も魔法を使えるんじゃね?
そう考えた俺は刀をしまい、ビシッと指を突き付けた。
「デスストローク、俺はこの世界じゃ考えられない力を使える」
「この世界じゃ考えられない力だと?まさか魔法とでも言うつもりか?」
「ああそうさ、アイアンマンより強力なレーザーが撃てるぞ?命が惜しければ降参する事だな」
デスストロークにそう啖呵を切るとデスストロークは両手を広げて笑いながら言った。
「フハハハハハ、面白そうだな。撃てるもんなら撃ってみろ」
「言ったな?後悔するなよ?『カースド・ライトニング』!!」
・・・・・・・。
「どうした?」
「ちょ、ちょまて!『セイクリッド・ライトニングブレア』!!」
・・・・・・。
もう、なにこの世界!?ハーレイもなくなってるから嫌な予感はしてたんだよ!!。
俺は何事も無かったかのようにデスストロークから離れてクリスの救出に向かった。デスストロークはハッと我に返って、
「散々啖呵を切っておいて堂々と逃亡するとは……ぶっ殺してやる!!」
デスストロークは怒りに満ちた声を出しながらコンテナを登り始めた。その間、俺はガントリークレーンに辿り着いていた。そのままクレーンを登りつつけ、クリスの真上に来た。
「クリス!!」
俺が叫び呼ぶと、クリスは目を覚ました。
「うわぁっ!?なにこれ!?高っ!!」
「待ってろ、今引っ張ってやるからな!!」
俺はワイヤーを引っ張ってクリスを助けようとすると、
「全部隊、クレーンにいる2人射殺しろ!」
デスストロークが無線で言い放った。すると、どこからともなくデスストロークの部下達が現れ、マシンガンを構えた。
「やばい!狙われてる!!」
「リュウジ早く引っ張ってよ!」
「わーってるよ!魔法が使えたなら良かったわぁー!」
嘆きながら引っ張っていると、
《あら、お取り込み中だったかしら?》
「「えっ?」」
俺とクリスの前には……。
ギュイイイイイイン!!
アベンジャーズでおなじみの戦闘機、クインジェットがボバリングしながら現れた。窓にはブラック・ウィドウとキャットウーマンがチラリと見えた。
《周りの雑魚は私たちが片付けるわ、早く逃げなさい》
ブラック・ウィドウの音声が響くと同時に、ガトリングガンでデスストロークの部下達を一掃し始めた。それを見ていたグリーン・ゴブリンが、
「邪魔が入ったか……」
グリーン・ゴブリンが腕に付いているデバイスを操作し、グライダーから蝙蝠を模した手裏剣のような武器をクインジェットに向けて放った。手裏剣がクインジェットに当たった瞬間……。
「ドカーン」
ピッ!
俺とクリスがクレーンを降りようとしたその時、ボォン!と爆発が突然起きた。クインジェットは黒い煙を上げながらフラフラと不安定に飛び始めた。
「ナターシャさん!セリーナさん!」
クインジェットはフラフラと少し離れた場所に緊急着陸した。俺は直ぐにズームして2人の安否を確認した。
「バトラー、ナターシャさん達の安否は?」
《生命反応が2つあります、大丈夫です。お2人はご無事です》
「そうか、良かった」
「ねぇ、ナターシャさんたち大丈夫なんだよね!?」
「ああ、2人とも確認した。俺達も降りるぞ」
「うん」
クレーンのアームをゆっくり降りている所をグリーン・ゴブリンがアイアンマンと戦いながら見ていた。アイアンマンも視線に気付き、声を荒らげる。
「あの2人に構うなオズボーン!!」
「邪魔をするなと言われると余計したくなるものだ」
グリーン・ゴブリンはグライダーに乗りながらガントリークレーンの本体にパンプキンボムを数個投げ付けてガントリークレーンを破壊した。それにより俺とクリスのアームがバランスを崩した。
「きゃあっ!?」
「クリス!!」
クレーンが揺れた反動でクリスは梯子から手を離してしまった。
この高さはいくらクリスでもヤバいっ!!
「クリスーーーー!」
俺もクリスに向かって飛び降りた。アイアンマンはオズボーンを追いかけるの止めてクリスの救出に向かう。すると、トニーから通信が入った。
《お前は飛べないんだぞ!?何を考えてるんだ!!》
「黙って見殺しになんかできません!」
《僕が助ける!!》
アイアンマンが猛スピードでクリスに近付いた瞬間……。
「させるかぁっ!!」
《ぐあっ!!》
グリーン・ゴブリンがグライダーでアイアンマンにぶつかって来た。それにより、飛行方向がズレてしまった。
ヤバッ!あと100メートルもないのに!!
俺も倒れかけているアームを地面に向かって走り、勢い良く飛び上がって手を伸ばした。
「これ以上、誰も……死なせない!!」
後10cmという時に。
「そこいたか小僧ぉっ!!」
コンテナの上から激昂したデスストロークが俺に飛びかかって来た。それによりクリスから離れてしまい、コンテナの上に落下した。デスストロークを追っていたバットマンが、
「─────っ!!」
腰のベルトからフック付きのハンドガンを取り出し、コンテナに撃ち込んでそのままスイングしながらクリスを抱き抱え、マントをコウモリの形にしながらコンテナの上に着地した。
「大丈夫かい?」
「あ、ありがとうございま……す」
クリスをお姫様抱っこをしながらバットマンは尋ねると、突然バットマンはマスクの上から涙を流し始めた。クリスは不思議に思い、
「大丈夫……ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
俺がコンテナを乗り降りしてデスストロークから逃げた先にバットマンとクリスを見付けた。
「ブルー……バットマン。クリスは!?」
「大丈夫、無事だ」
バットマンがクリスを降ろすと、クリスは俺に抱きついて来た。
「リュウジ!!」
「ごめん、なんでか俺魔法とか使えないから遅くなった」
「うん!、うん!」
俺がクリスの頭を撫でているとバットマンが、
「俺はレイチェルを失った……。家族も失った……。彼女を家族を守れなかった。一生自分のことは許せない、だから君の気持ちは痛い程分かる。分かるからこそ、俺のようにならないで欲しい」
えっ?
「もしかして……俺の事を初めから知ってて」
いや、ここは夢の世界だからブルースさんもスタークさんも分かってるんだな。
「さぁ、話は終わりだ。スレイドとグリーン・ゴブリンとやらを倒そう」
「クリスはナターシャさん達を見て来てくれるか?」
「うん、任せて!」
クリスはコンテナをジャンプして行ってクインジェットが墜落した場所に向かって行った。その場に残った俺とバットマンは、
「さぁ、俺達もケリを付けよう」
「そうですね、いい加減俺もこの世界とおさらばしたくなりました」
《おいおい、寂しい事を言うなよ》
上を見上げると、アイアンマンが飛んで来て俺達の前に着地した。
《話は聞いた。そろそろクライマックスだろう?》
「そう言う事だ」
「あーあ、どうせならワンダーウーマンとも会いたかったなぁ」
《ちょっと待て、誰だワンダーウーマンってのは?》
「スタークさん、見たらヤバいっすよ?ワンダーウーマンはソーと同じで神様って感じの人種なんですよ!!」
「止めておけ、あの女は中々─────」
「見付けたぞ小僧っ!!」
「フハハハハハ!まだ生きていたか!!」
話が盛り上がってる中、デスストロークとグリーン・ゴブリンが現れた。
先週はすいませんでした。日曜日にかぎって体調を崩してしまい1話分しか書けませんでした……。