ブルータルアリゲーターの報酬でAdventuresの結成をお祝いしたその後の帰り道、俺、クリス、ウィズは帰り道にウィズの店に立ち寄っていた。
「なんだかんだで報酬全部使っちまったな、魔剣は手に入ったけど」
「折角苦労して倒したのに勿体ないね」
「まぁ今回は仕方ないよ、計画話すタイミングがあの時がベストだと思ってたし、また稼げば良いだけさ」
「それはそーとさ、あたしもメンバーに入ってるの?」
「は?今更何言ってんだよ入ってるよ?」
「ホントに!?良かった〜あたしだけ除け者とかだったら嫌だからさぁ」
「そこまでするかよ、子供じゃねぇんだから、クリスからは玄武の涙貰ったし何かと色々助けて貰ったしな?」
「あはは!アレのおかげか!あげといて正解だったね!」
「幸運値もようやくマイナスから脱出出来たし?」
「え?嘘でしょ!?」
「嘘じゃないよ、冒険者カード見てみろよ」
俺は冒険者カードを取り出してクリスとウィズに見せた。するとクリスとウィズは驚いていた。
「レベル低いのに何このステータス!?」
「筋力、生命力、魔力がダクネスやめぐみんさんより高いですね」
「カズマに頼んでレベルドレインして貰ったからかな?、今回のブルータルアリゲーターの時にして貰ったらこの状態になってた」
「えぇ!?カズマくんそんなスキル覚えてんの!?」
「うん、そこでなんだけど、スキルは大体必要最低限のモノは覚えたし、そろそろ本格的に魔法を覚えようと思ってさ」
俺は考えていると、ウィズが提案してくれた。
「私から提案なんですが、全ての魔法を取得するには厳しいですが、属性を絞ればなんとかなると思うのですが?」
するとクリスが魔法の属性を答えた。
「えっと、確か火、水、雷、氷、風、光、闇、神聖、支援、状態異常、特殊魔法とかだよね?」
「はい、例えば私の場合は『氷』、めぐみんさんなら『爆裂魔法』、アクア様なら『神聖』という感じですね」
「なるほど、属性魔法か……」
《これは悩みますね、魔王の時ならこんな事考えずに覚えてたのですがね?》
「リュウジさんが”魔王の時”に覚えてたのは何属性だったのですか?」
「!?」
ウィズとリュウジの会話を聞いていたクリスは少し動揺した。
(え?リュウジウィズさんに魔王って言っちゃったの!?)
「うーんと、魔王の頃は闇?かな?『ダーク○○』が多かったから」
「まぁ魔王ですからね、なら『カースド魔法』はどうでしょうか?」
「カースド魔法?ウィズが使ってる『カースド・クリスタルプリズン』みたいな感じの?」
「はい、他にも『カースド・ライトニング』『カースド・ダークネス』などがありますよ?」
「なるほど……どうしようかな〜?」
「あっ!ちょっと待って下さいね!」
ウィズは店の奥から古めかしい本を持って来た。
「良ければコレを読んでみて下さい!」
「この本は?」
「私が駆け出しの頃に読んでた魔術書です、様々な属性の魔法が載ってますから良ければお貸ししますよ?」
「ホントに!?助かるよ!ありがと!さっそく家で読んでみるよ!」
クリスが店の中をキョロキョロしていると棚から水晶玉を手にした。
「ウィズさん、コレなんですか?」
「あっそれは『仲良くなれる水晶』ですよ?ですが熟練の魔法使いでないと上手く使えないんです」
「へぇー!ねぇねぇリュウジやって見てよ!」
クリスはニヤニヤしながら水晶玉を持って来た。
仲良くなれるか……まぁ使ってみても悪くは無いか
「俺1人でやれって事?」
「うん!説明書には魔力を込めると色んな過去が見えるってよ?」
え?過去って……魔王の頃が写ったりしたらどーすんだよ!?モザイク必須だぞ!?
「過去!?無理無理!やりたくない!」
「なんで?やって見てよ、何を見ても怒ったりしないから、ウィズさんもリュウジの過去知りたいでしょ?」
「え!?いやっあの……気にはなりますけど……」
「ウィズまで!?ぇぇぇぇ……」
なんなの2人揃って!?俺の正体を知ってるのはこの2人だけだけど……でもありのままを観てもらった方が後々楽かな……?嫌われたらそれまでの男って事だし!やってみるか!
「2人に言っとくけど覚悟出来てんの?俺魔王だったんだよ?」
「だから?」
「気にしてませんよ?」
クリスとウィズはケロッとした態度で答えた。
「もうどうなっても知らねぇからな!?」
やけくそ気味に俺は水晶玉に手をかざし、魔力を思い切り込めた。すると、周りが暗くなり多くのモニターが生まれて行った。
「わぁー、これがリュウジの過去?」
「魔力が強ければ強いほど多く出ますからね」
(ダメだ……やっぱり怖い……見られたくない…あの頃の姿は……)
思わずリュウジは俯いてしまった。
確実に失望されたに決まってる、終わった、クリスに頼んでもう監獄に帰ろう……
「あはははははは!」
「リッリュウジさん……クスクス……」
(え?なんで2人共笑ってんの?笑われる事なんてして無いはずだけど?)
リュウジは恐る恐るクリスとウィズを見ると……モニターを見て大爆笑をしていた。俺もそのモニターを見て見た。
「おぬあぁっ!?」
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1つ目のモニターを見たら監獄に収監していた頃の映像だった。そこには、数多くの悪者達が集まる場所でもある食堂で様々な悪魔や魔物達がこぞって牛乳1つのためにジャンケンをしていた。
「あぁぁぁぁ!?あの時の!?」
「ちょっとリュウジ!!牛乳1つでどんだけ魔族達が争ってんの?あはははは!!ジャンケン負けてるし!!めちゃくちゃ悔しがってるし!」
床をドンドン叩いて悔しがってる俺を見たクリスはゲラゲラ笑い転げていた。
「やめてぇぇぇぇ!見ないでぇぇぇ!」
「あっあの、クリスさん、こっこっちの映像が……」
2つ目の映像を見ていたウィズに関しては最早プルプル震えながら笑いを堪えていた。ウィズが見ていた映像は他の魔物達とドッチボールをしている所だった。
「わあ゛あぁぁぁ!!!」
《「おい、リュウジ!今当たったじゃねぇか!さっさとコートから出ろ!」
「はぁ!?何月何日何時何分何秒に当たったか言ってみろや!」
「ガキかてめぇは!?」
「んだとゴラァァァ!!」
《そーよそーよ!横暴だわ!リュウジ様!やっちゃいましょうよ!》
ピピーッ!
笛を鳴らしながら看守が走って来てリュウジを追いかけ始めた。
「コラッー!またお前か!0072番!また懲罰房に行きたいのか!」
「やべぇ!看守だ!逃げるぞ!」
「おい、リュウジ!賭けてた冷凍みかん置いてけや!」》
「やめでぇぇ!もう見ないでぇぇぇ!」
《クリス様!ウィズ様!お願いします!もう見ないで下さい!》
「ねぇここホントに監獄なの!?」
「そこの角で遊んでる子供達と変わらないんですが……」
「こっちの映像は……」
3つ目の映像には教室が映し出されて何かの授業をする前なのか魔族達が机に座っていた、すると俺が黒板消しを入口に設置してクスクスと笑っていた。
ガラガラと教室に講習担当の看守が入ってきた。
「はーい、講習始めますよー」
その瞬間、黒板消しが看守の頭に落下して黒板消しがぼふんっと辺り一面真っ白にさせた。
《「ギャハハハ!ざまぁぁぁぁ!」
「看守の野郎引っかかっりやがった!、賭けはリュウジの勝ちか…ほらよ、ミルメークいちご味5人分一人勝ちだ!」
「んだよ!またリュウジの一人勝ちかよ!」
「ひゃっほーい!」
「コラァァー!またお前かっ!0072番!最下階の懲罰房行きだ!」
「うぃーっす」》
「わぁぁぁぁぁぁ!見るなぁぁぁぁぁ!!」
「ねぇリュウジ、なんで甘い物ばっかり賭けてんの?」
「あの頃は甘い物が高級品だったんだよ……」
「ミルメークいちご味粉ばっかりでしたが?牛乳貰えたんですか?」
「あの後ご飯にかけて……もういいでしょ!?もう辞めたいんだけど!?」
俺はパッと手を離すと、映像は消えてしまった。
「あー面白かった!ねぇ?甘党の魔王様〜?」
「うっうるせぇ!ウィズ?そろそろ帰るね?この本少し貸してね?」
「はい!またいらして下さいね!」
俺とクリスはウィズの店から出て夜道を歩いていた。
「すっかり遅くなっちまったなぁ」
「甘党の魔王様、なんかホッとしてるね?」
「その甘党の魔王やめろ!──まぁ正直言うと怖かった……」
「ん?悪い時の過去が出ると思ったの?」
「うん……」
「ふーん、あたしは別に見ても何とも思わないよ?」
「え……なんで!?」
月夜に照らされたクリスは髪をそよ風になびかせながら答えた。
「だって、リュウジは全然悪い人じゃないよ?確かにやった事や監獄であーいうのはダメだけど、向こうの世界の勇者達を助ける為に魔族になったんでしょ?やり方は間違ってるかも知れないけどさ、リュウジなりに頑張ったじゃん」
クリスの優しい言葉と眼差しを見ていたら急に涙が止まらなくなった。
《リュウジ様!?どうなされました!?》
「あれ……?なんで……?涙が……」
「えっ!?どうしたの!?もう〜泣かないでよ、男の子でしょ?」
「分かんない……止まらねぇ……」
「もぉ〜しょうがないなぁ〜」
クリスは俺をギュッとハグをした。
「大丈夫、大丈夫だからね?頑張って魔王倒そう?ね?」
「ごめん……」
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しばらくすると、俺も落ち着きを取り戻した。泣いてスッキリしたのか、俺は吹っ切れたかのような顔をしていた。
「ごめん、みっともない所見せちゃったな」
「気にしないよ?少しは落ち着いた?」
「うん、大丈夫……」
「ほら、帰ろ?」
その後、無言のまま俺とクリスは家の前まで辿り着いた。
「おー、暗いけどこんな立派な家だったんだね!頑丈な扉だなぁ…」
(言えない…お前が入って来れない様に作っただなんて今更言えない)
「おっおう、もう遅いし……今日は……泊まってけよ」
俺は言いにくそうにクリスに言った。今まで散々帰れ帰れと追いやってたのに虫が良すぎると思ったからだ。
「珍しいね!?キミから言ってくれるなんて!お邪魔しまーす」
「ここまでしてくれるんだもん、ちゃんと応えないとな…なぁクリス?」
「ん?なに……?」
家の中に入った途端、意を決したリュウジはクリスを見つめた。
(断られるかも知れない……)
「魔法……クリスが選んでくれないか?」
「えぇ!?」
「どんな魔法でもマスターして強くなってみせるからよ」
「ふーん、んじゃ〜選ばせて貰おうかな!」
クリスはウィズから借りて来た魔術書を開いて読み始めた。
「んー、色々あって迷うね〜──あっ!雷魔法なんてどう?」
「雷?」
「『スパーク』『ライトニング』『ライトニング・ストライク』『カースド・ライトニング』雷魔法は結構多いし、貫通性のある魔法もあるからうってつけじゃないかな?」
言われてみれば他の魔法よりもジャンルが多いな、んじゃ雷にするか
「分かった、んじゃ雷魔法を重点的に覚えるよ、ビーム見たいに出せたら嬉しいし」
「ビーム?」
「この世界の住人のクリスに言っても分かんないだろうけど、俺やカズマが住んでた国にはアイアンマンって言う勇者がいるんだ、その勇者の様にビーム出せたら嬉しいなぁと思ってさ」
「へぇ〜、リュウジの国にも勇者はいたんだね」
「まぁな、明日ウィズやゆんゆんに相談して見るわ、教わっとけば何時でも覚えれるしな?」
「確かにゆんゆんやウィズさんなら知ってそうだね!」
「だろ?もう遅いし、風呂入って寝るか、風呂沸かすから待っててくれ」
「それにしても広いね〜」
「不動産屋いわく5人位住めるらしいぞ?部屋もあるし、なんなら一部屋使っていいぞ?」
「え?良いの?」
「別にいいよ、俺とマリューしか住んでねぇし、その内仲間でも集めて住まわせるさ」
「んじゃお言葉に甘えて一部屋借りようかな、着替えとか洗濯したかったし」
そう言うとクリスはリュックを持って部屋に向かって行った。その間にリュウジは自分の部屋でブラックナイトを脱ぎ、魔剣グラムを立て掛けた。
「なぁ、マリュー?」
《はい?なんですか?》
「失望したか?この俺を」
《そんな事ありませんよ?リュウジ様が例え魔王だろうと、勇者だろうと、一生ついていくと決めたのは私ですから1番付き合いの長いのは私ですからね、悔いなき道を進んで下さい》
「トゥリナやリファナが見たらどう思うだろうな?」
《あのお2人も同じ事を言うと思いますよ?》
「ははっ!……だと良いんだけどな!そろそろ沸いたかな?」
俺が浴室に向かうと丁度いい湯加減になったので、クリスを呼びに向かった。
「クリス?風呂沸いたぞ?」
「はーい、今行くー」
クリスが上がるまで魔術書を読んでいると様々な魔法を知る事が出来た。
例えば、『スパーク』という雷属性の魔法があり、効果は…静電気くらいの威力しか出せない初級魔法などがあった。そしてとても興味が湧いた魔法がさっきウィズも言っていた『カースド・ダークネス』この魔法は自由に呪いを設定出来るという闇魔法、これはクリスに内緒で覚えよう。
そして数十分後……クリスが風呂から上がって来た。
「ふー!さっぱりした!ねぇねぇ、洗濯した物干したいんだけど、どこ使えば良いかな?」
「洗濯物?何洗ったの?」
「何言い出すのさ!マントとかパッ…パンツとかだよ!」
「あの、下着類は自分の部屋に干してもらうと助かるのだが?」
「ヤダよ!部屋干しすると臭くなるじゃないのさ!」
「まったく…んじゃ奥行って右の部屋が物干し場だからそこ使えよ、ちなみに俺のもあるから」
「はーい」
その後、物干し場の場所の日当たりが悪いだのどーのこーの文句を言われた。カースド・ダークネス覚えてイタズラしてやろう。
オリジナル魔法である『スパーク』のポイントはティンダーやクリエイト・ウォーターと同じ1ポイントです!
魂の救済ってこんな感じだろうか?