自由になった魔王は足元のアオイとゆんゆんをメリッサに投げつける。ウォルバクとマリューは反撃するが、逆に投げ飛ばされてしまう。俺はアームを上手く使って瓦礫を投げつけるが、魔王はものともせず、迫り来るアクア、セシリー、ミフユさんをトルネードで蹴散らす。その突き出した左手を俺が攻撃し、さらに地上に降りたってカースド・ライトニングを放つが、魔王は弾き飛ばす。そして魔王は何を思ったのか、月に向かって手を差し向けた。
「これでおしまいだ!『カースド・メテオストライク』!!」
魔王が左手を振り下ろすと月から隕石が降り注いできた。
「うそでしょ!?あんなの反則じゃないのよぉっ!」
「散れ散れ!立ち止まると隕石に潰されるぞ!」
隕石の恐ろしさを知っている俺はメンバーに指示し、必死に逃げ惑った。魔王の凄まじい攻撃により、俺達は吹き飛ばされてしまった。
「私に任せて! 大丈夫!」
ミフユさんが物凄いスピードでアクアとセシリーを受け止める。
「ごめんなさい、名前覚えてないけれど!」
魔王軍の総大将の前に、怠惰を司る女神ウォルバクと竜帝マリューが立ちはだかった。
「ウォルバク様、私が時間を稼ぎます!」
「分かったわ!」
「ヴオォォォ!!」
マリューが魔王に襲いかかった。Adventuresが誇る竜帝マリューが魔王を殴りつけて壁に追い込み、そこに数度頭を打ちつける。だが、魔王はマリューの腕を掴んだ。
「貴様、なかなかやるな」
「──────ぐっ!?」
魔王のパンチを受け、マリューは苦しそうに呻き声を上げる。マリューも応戦するが、魔王の方が明らかに強い。マリューの顔に体にパンチを打ちつけ、動きが止まった所で両腕で高く持ち上げると、ドシンと地面に投げつけた。
「ふむ。なかなか楽しめたぞ」
「調子に乗るのも今のうちよ」
怠惰を司る女神ウォルバクが立ちはだかった。ウォルバクは魔法陣を広げ、魔王に向けてオレンジ色のエネルギーの鞭を飛ばす。魔王は飛び上がってそれを躱し、右手からカースド・ライトニングを放つ。ウォルバクはリフレクトを唱えて防ぎ、それをそのまま魔王に押し出す。魔王は左手で吹き飛ばし、カースド・ライトニングを渦巻きの様に固めてウォルバクに向けて飛ばす。
「っち、めんどくさいわね!」
ウォルバクは大きなオレンジ色の魔法陣を広げて粉砕する。まるで多数の紫色の蝶々が飛んでいるかのような美しい光景が一瞬広がる。一進一退の攻防だ。ウォルバクは腕を広げて飛び上がった。その腕は何本もある。日本の阿修羅のように腕を回転させると、何人ものウォルバクが空に浮かび上がった。
「ほぉ?分身も出来るようになったか」
何人ものウォルバクを魔王は驚いて見上げる。そして何人ものウォルバクが同時にオレンジ色のエネルギーの鞭に捕らえられ、魔王軍の総大将も流石に苦しそうにしていた。だが、魔王は左手を上げる。
「『エンシェント・ディスペル』!!」
その一言によりウォルバクの分身はあっという間に消されてしまった。そして念力の様な魔法でウォルバクを引き寄せた。
「腕を上げたな、ウォルバク。だが、一番強力な魔法を使ってないな」
「うぅぅ…………」
ウォルバクは投げ飛ばされて気を失う。とどめを刺そうと魔王は近付くが、俺は行く手を阻んだ。
「おい、次隕石降らせたらただじゃおかねぇぞ」
「鋼のリュウジ、いや、マン・オブ・スティール」
「へぇ、俺を知ってるのか?」
「良く知っている。魔王の異名を持つのはお前だけではない」
「そんなもん、欲しけりゃくれてやるよ!!」
俺は再びマグニート・ハルクを唱えて右腕を巨大化させてパンチした。
「かかってこい!」
間髪入れずにそのままクラーケンのアームで距離を縮めながら飛び蹴りを食らわせ、魔王が戻ってきたところでクリムゾン・レーザーを放つ。
コイツ、ビクともしねぇ!!
俺に近付くと、クラーケンのアームを2本引きちぎった。俺は残りのアームも使って応戦するが、魔王に殴り飛ばされる。そして最強の敵は俺が距離を置くとカースド・ライトニングを放った。俺は残りのアームを犠牲にしながらそれを防ぎ、後退しながらタイミングをはかると、カースド・ライトニングをかいくぐって魔王に近付き、エレクトロを唱えながら左足でキックを見舞う。さらに左拳でブルーインパルスを繰り出して、魔王の頬を掠め、血が流れた。
「悪いな、”約束”でてめぇの横っ面に傷付けたかったんだよ」
「だがそれだけやってもこの程度だ」
魔王は右手でその血を拭いながら呟いた。次の瞬間、笑みを浮かべ、俺の足を取って放り投げた。俺が仰向けに倒れたところを襲いかかり、容赦なくパンチを浴びせて動きを止めると、右手で首を掴んで持ち上げ、左手からパンチを繰り出して大きく殴り飛ばした。激しい衝撃を受けた俺は、鎧の半分を失ってしまった。魔王は笑みを浮かべながら近付く。俺はなんとかヒールを唱えて回復してどうにか立ち上がり、両手でクリムゾン・レーザーを放って必死に堪える。魔王軍の総大将はついに俺を捕らえ、パンチで残りの鎧を破壊した。エレキタイトがネックレス状態になりながらも俺は不意をついて落ちていた剣を拾い突き刺そうとした。
グサッ!
「…………かはっ」
だが、突き刺されたのは剣を奪われた俺だった。