俺達はアクアを守りながら敵をなぎ倒して行く。すると、相手の兵士がこんな事を言っていた。
「お前ら、聞け!大軍を率いて王都に向かった姫が圧倒しているそうだ!姫が凱旋なされた際に、城を預かる我らが侵入者に手こずっていたとなれば責任問題になるぞ!」
へぇ、凱旋ねぇ。
俺はカズマに顔を向けて不気味に笑う。
「なぁ、凱旋する時に城が崩壊してたらお姫様はどんな顔するんだろうな?」
「おーそうだな、無くなってたらびっくりするんじゃないか?」
カズマも俺が何を考えたのか悟ったのか、ニヤリと笑いながら通信魔石を取り出した。
「めぐみん、めぐみん聞こえるか?」
《はい、こちらめぐみん。どーしました?アクアは見つかりましたか?》
通信魔石からは俺達の下の階を探していためぐみんからだった。カズマはニヤニヤと笑いながらめぐみんに言う。
「アクアは見付けた。ところでめぐみん、このデカい城を吹き飛ばしたくないか?」
その問にめぐみんは、
《なら安心しまし………最後なんて言いました?この城を吹き飛ばしたいかと言いましたか!?》
めぐみんの上ずった声が聞こえて来た。通信の内容を聞いた魔王の兵隊達はざわめきだす。
「お、おい……いま、ここを吹き飛ばすって言ってなかったか!?」
「ま、待て!早まるな!」
「おい、カズマ。向こうが慌て始めた様だよ?」
「そうだなぁ…………」
指を差すミツルギにカズマはすぅーっと大きく息を吸って。
「やってやれ!めぐみん!!」
そう言った瞬間。
ドッカーーーーン!
魔王の城がたちまち崩壊する。めぐみんの爆裂魔法は内部の床も壁も崩し、メンバーは地下に落ちて行く。魔王軍の本拠地は完全に破壊された。俺達は瓦礫に埋もれ、地下には地下水が滝のように流れ込む。マリューがキャルを庇って重い瓦礫を左肩に抱え起き上がろうとする。
「い、息が出来ません!助けてぇ!!」
「天井が崩れて来たべ!」
「マヒル様、アオイ様!早くお逃げ下さい!」
その同時刻。廃墟と化した城の中で俺はカズマに声をかける。
「ゲホッゲホッ、アクアやめぐみん達は?」
「ウォルバクがサークルで避難させてるよ」
俺はそう言って聖盾イージスを指し示す。
「今度これを無くしたら、今度は俺が使うからな?」
俺とカズマが廃墟の中を歩いていくと、岩の上にミツルギが立っていた。俺達はソードマスターの隣に立つ。
「大半の兵隊は下敷きだろう」
「あの野郎、あんな所にいやがったか」
遠くに座っている魔王を見つめて、俺が言う。
「アクア様達は避難した。今度こそ奴を倒そう!」
「今度は容赦しねぇ」
「ラウンド2ってところだな」
カズマが竜人化させながら言う。俺はビリビリとエレクトロを唱えながら近付いた。
「城をこんなにするとは、お前達は頭がおかしいのか?」
近付いてくる3人のAdventuresの冒険者に、魔王が腰を下ろしたまま声をかける。
「世界を征服することで、全てを救えると思っていた」
魔王は3人を代わる代わる見ながら言う。
「なぜ貴様ら冒険者達は我々の邪魔をする?」
「こっちにも色々事情があんだよ」
俺が答える。
「ふん。やはり貴様らは邪魔な存在だ。一度この世界を無に変えて新たな世界に作り直す。感謝に満ちた世界だ」
「そのために血が流される」
残忍な計画を話し終えた魔王にミツルギが言う。
「誰も知ることは無い。お前たちはここで死ぬからだ」
「うおおおおっ!!」
魔王軍の総大将に、ミツルギは魔法剣に炎を纏いながら襲いかかる。俺も高くジャンプしながらライトニングで攻撃し、カズマもイージスを手に飛びかかる。だが魔王はことごとくはじき返す。
「ミツルギ、カズマ、合わせろ!」
俺を中心に2人に声を掛ける。
「『フリーズ』!!」
「『ライトニング』!!」
「『魔法剣・炎龍』!!」
三位一体の攻撃をひとつにまとめて巨大なエネルギー球体を作り出し、それをサッカーボールの様に魔王に向かって蹴っ飛ばした。だが、魔王軍の総大将には効かない。右手から見えない壁の様なものを出して3人の攻撃を弾く。ミツルギは魔法剣で斬撃を飛ばした。魔王は俺を捕まえて斬撃を防ぐ。ミツルギの斬撃を食らって解放された俺は瓦礫の中をゴロゴロと転がって行く。
《ぽーん!マスター、起きて下さい!》
ハーレイが俺に呼びかける。その間に魔王は竜人化したカズマもイージスもろとも殴り飛ばす。続いて瓦礫をミツルギに投げつける。ミツルギは瓦礫を滑り込んで避けるが、魔剣グラムで斬り掛かろうとする時には太刀筋を見切って攻撃を躱す。隙を突き素手でミツルギを打ちのめして、魔法剣も弾き飛ばす。魔王はミツルギを激しく殴りつけ、投げ飛ばし、動きが止まったところで強烈な蹴りを浴びせる。ミツルギはたまらず魔剣グラムを振り回すが、魔王に奪われてミツルギの胸に刺そうとする。ミツルギは腕で庇おうとするが、魔王は強力な圧力をかけて、胸に刺そうとする。
と、その時だった。
氷塊が飛んできて、魔王を打ちのめした。魔王が振り向くとそこには魔法剣ティルフィングと聖盾イージスを手にしたカズマがいた。カズマは盾と魔法剣を構えて魔王を睨み付ける。