カズマの姿を見たミツルギは。
「ようやく、本気を出したか…………遅いぞ」
ミツルギはホッとした様子で言うが、その顔面に魔王がキックを食らわせる。
「うおおおおぉ!やってやらぁっ!」
カズマは右手でティルフィングを振り回しながら魔王に向かって駆けていく。魔王も魔法で応戦する。自動回避で攻撃を躱しながら魔王を勢いで押し始めた。更にイージスを投げつけ、ティンダーを唱え、尻尾で殴り、パンチを繰り出し波状攻撃をかける。
「『フリーズ』!!」
ティルフィングに氷を纏わせて氷の刃を作り出し、切りつけた。さすがの魔王も堪らず声を上げて倒れ込む。
「『スパーク』!!」
カズマはティルフィングを右手で突き上げ、雷を纏わせて地面に叩き付け、数倍の威力になった雷で魔王を打ちのめす。
「うおお!とどめだぁっ!!」
声を上げて、倒れた相手に氷の大剣を振り下ろそうとする。だが、この瞬間を狙っていたのか、魔王はカズマの喉元をとらえて、地面に叩きつける。カズマの動きが止まると、魔王は落ちていた剣を手にし、鬼の形相でカズマに襲いかかった。
「調子に乗るなよ蜥蜴小僧ぉっ!!」
怒れる魔王は剣を振り回し、強力なパンチを繰り出し、カズマの脚に剣を突き刺し、その手からティルフィングを弾き飛ばす。
「ヤバいヤバいヤバい!!」
カズマは自動回避で躱しながら倒れ込む。魔王はイージスを手に立ち上がったカズマへの攻撃は緩めず、剣を物凄い力を込めて振り回す。カズマはイージスでどうにか防ぐ。力負けしそうな所に魔王はなおも剣を振り下ろす。そして崩れ落ちたカズマを遠くに弾き飛ばした。魔王は大の字に倒れ込むカズマ。
「長年に渡る我の征服、暴力、虐殺は…………けして個人的なものではなかった」
魔王は廃墟になった城を見回して言った。
「だが、これから、頑固で厄介なお前達の世界を始末するにあたっては、たっぷり楽しませてもらう」
パチン!
魔王が指を鳴らすと滝のように降り注ぐ青い光の中から、各街に進軍していた魔王の忠実な部下達が出て来た。魔王の娘らしき女の姿も見える。その後ろには…………無数の兵士達がいる。さらには巨大なゴーレムが駆け回る。
「ゲホッ!ゲホッ!」
カズマは歯を食いしばってどうにか立ち上がる。すると、ゴーレムの後ろからはドラゴンまでもが飛んでいる。だが、カズマはイージスとティルフィングを手に、魔王に向かう。そこで、何かを耳にした。
「お兄さま、聞こえていますか?」
その声が通信魔石で告げる。
「はぁ、はぁ…………誰?」
カズマは身に覚えがあるのか天を見上げる。そして通信魔石を凝視した。
「お兄さま、アイリスです。聞こえていますか?」
その声が再び告げる。
「お兄さま、左をご覧下さい」
カズマは言われた通り左を見ると、サークルからアイリス王女、レインさん、クレアさんが歩いてくる。…………王都ベルセルク第一王女と両脇をが守りを固めている。信じられないとばかりにカズマは3人を見つめる。アイリスが辺りを警戒していると空には他にもサークルが浮かび上がった。その1つからウォルバクが現れる。その前にはアキノさん、タマキさん、ユカリさんと共に現れた。そして他のサークルからは、
「紳士淑女の皆さん、特別課外授業です。かの”学友”フクヤマ氏を援護するのです!」
魔導書を片手に聖テレサ女学院の教師、マザー・ヒルダが全校生徒を引き連れて現れた。
「これよりベルセルク連合軍も、Adventuresに加勢します!」
「はっ!」
アイリス王女、クレアさんとレインさんが声を上げる。そして、彼女らの背後から勇者候補の冒険者と兵士達も現れる。上空からはメリクリウス財団が所有している飛空挺も浮かんでいる。それだけではない。紅魔の里のアークウィザードのあるえや、ふにふら、どどんこ、ぶっころりーもいた。それと同時にめぐみんとゆんゆんも一緒にいる。サムイドーの農民やアクシズ教団も駆けつけた。ミツルギは魔剣グラムを杖に立ち上がり、俺も上体を起こした。そして最後にド派手に登場して来たのはアイギス。
「これで全員か?」
「ほえぇ!?これでも足りませんか!?」
別のサークルから出て来たアクセルの街の冒険者達と共に現れた元魔王軍のバニルが元魔王軍のウィズに声を掛ける。ウィズが答えた瞬間、
ガーン!ガラガラ!
魔王の城の瓦礫の中から巨大化したマリューが姿を現した。そしてその手のひらを広げると、アオイ、キャルが出て来て杖を構えている。俺とミツルギはカズマの元に集まり、カズマが声を掛ける。
「Adventures…………」
魔法剣ティルフィングとイージスを構えながら、
「全員集合!!」
カズマの掛け声と共にAdventuresと冒険者達が魔王率いる大軍団に向かって駆け出す。