ベルディアが使っていた眼の技を自分なりに分析して見ました。
魔王軍の暗黒騎士がクレームを入れた瞬間、集まった冒険者達はザワザワし始めた。
爆裂魔法って……めぐみんとカズマ何かやらかしたな?
「爆裂魔法ってあの子の事じゃないか?」
「たしかに……」
「あっあの頭のおかしい子か」
ざわめく冒険者達。俺は咄嗟に後ろを振り向き、冷や汗をダラダラかいているカズマとめぐみんに一応訪ねた。
「一応聞くけどめぐみんさん、あんたら一体何したの!?」
「何って?決まってるじゃないですか?、あの廃城に爆裂──」
「バッカヤロー!こっちから宣戦布告してんじゃねぇかよ!」
すると暗黒騎士はワナワナと苛立ちを見せながらめぐみんに言い放った。
そうだよね、怒って当然だよね、そりゃ毎日爆裂魔法撃たれたら頭に来るよね?
「お前か!?毎日毎日俺の城に爆裂魔法ぶち込んで行くバカヤローは!?俺が魔王軍幹部ベルディア様だと知っていて喧嘩を売っているなら、堂々と城に攻めてくるがいい!その気が無いのなら、街で震えているがいい!何故こんな陰湿な嫌がらせをするの!?魔王様にアクセルの街に変な光があるから見て来いって言われただけなのに!!」
馬に乗りながらワナワナとプンプンと苛立ちを見せる暗黒騎士ベルディアさん
《マリュー、デュラハンって知ってるか?》
《……あーなんかいたような気がしますね、勇者に倒されましたけど、まぁ我々の世界の暗黒騎士はあんな風にクレームなんて入れませんでしたけどね?》
はぁ……これはこの世界の魔王に問題あるわ、上がダメだからこんな奴が出て来るんだよ、俺の幹部だった連中はこんなんじゃねぇぞ?
ベルディアと名乗った暗黒騎士は余裕の表情でめぐみんに言い放った。どうやら今日はクレームを入れに来ただけの様だ。
「フンっ!まあいい…とにかく、俺はお前ら雑魚共にちょっかいかけにこの地に来た訳ではない、この地に”ある調査”に来たのだ、しばらくはあの城に滞在する事になるだろうが、これからは爆裂魔法は使うなよ?いいな?」
「それは、私に死ねと言っている様なものなんですが?紅魔族は日に1度、爆裂魔法を撃たないと死ぬんですよ?」
「おい、めぐみん!あまり奴を刺激するな!」
ダクネスはめぐみんの口を覆い隠した。
「お、おい!そんなの聞いた事ないぞ貴様!嘘をつくな!」
「思っきし嘘ついたなおい……」
「アクア、アイツはアンデッドだよな?お前の浄化魔法でなんとかならないか?」
カズマはベルディアに指を刺して指示を出した。アクアは手をゴキゴキ鳴らせて戦闘態勢に入った。
「そうね、ちょっとやっちゃいましょうかねぇ?行くわよ?」
デュラハンは、アクアが魔法を唱えようとするよりも速く、その右手の人差し指をめぐみんとダクネスに突き出した!
この感じ……アイツ何かする気だな!?
《リュウジ様!あのデュラハンは『死の宣告』を使うつもりです!》
《何!?》
俺は咄嗟に駆け出した瞬間、デュラハンは大声で叫んだ
「お前とついでにそこのクルセイダー!!、明日死ぬからな!」
デュラハンは人差し指でめぐみんとダクネスを指すのと、俺がめぐみんとダクネスの首根っこを掴んで吹っ飛ばした瞬間と同時だった。
「えぇ!?リュウジ!?一体何を!?」
「リュウジ!?一体何のつもりだ!?」
めぐみんとダクネスが叫ぶと同時、俺の身体が一瞬だけ黒く光る。
「ちっ……余命明日か……」
「きっ貴様!?何をしてるんだ!?」
「何ってこの2人を守ったんだよ」
「ほう?貴様、なかなか度胸があるな…俺の『死の宣告』を受けて恐れないとはな!」
「別に?死ぬのは慣れてるからな」
俺とベルディアの間からピリピリした様な雰囲気が出始めた。ベルディアは念押しにめぐみんに言い放つ。
「と、とにかく!これに懲りたら俺の城に爆裂魔法を放つのは止めろ!そこの鎧を来た男よ、呪いを解いて欲しくば、1人で俺の城に来るがいい!城の最上階の俺の部屋まで来る事が出来たなら、その呪いを解いてやろう!……だが、城には俺の配下のアンデッドナイトやゴーレム達がひしめいている。ザコの冒険者のお前達に、果たして俺の所まで辿り着けるかな?ガハハハハハハッ!」
デュラハンはそう宣言すると、大笑いをしながら、首の無い馬に乗り、そのまま城へと去って行った……。カズマ達は俺の周りに集まり出した。
「おっおい……リュウジ……大丈夫か?」
「リュウジ……すいません……私達を庇って……」
「私がいながら……すまん……」
「『セイクリッド・ブレイクスペル』!!」
俺は解呪魔法を唱えたが……解呪されなかった。
どうやら死の宣告のスキルは強力な呪いの様だ……。
「ちっ、解呪出来ねぇか」
「ちょっと、リュウジがいつもより真剣な顔をしてるんですけど!?」
しょうがない明日死ぬなら最後くらい
「さて、時間も無いし、ちょっとベルディアとケンカしてくるわ」
「はぁ!?お前何言ってんだよ!」
「そうですよ!とち狂ったんですか!?」
「正気かリュウジ!?考え直せ!」
「えぇ!?リュウジマジですか!?マジで1人でカチコミに行くの!?」
「うるさい、なぁ、カズマ…申し訳ないんだけどウィズとクリスによろしく伝えといてくれ」
「おっおう……わかった……」
俺はその足でベルディアが陣取っている廃城に向かって行った。カズマ達は俺の雰囲気に呑まれてしまい、止めることが出来なかった……。
それに水を指すようにアクアが小さく呟いた。
「ねっねぇカズマさん、リュウジに掛かってる呪い解呪しなくて良かったのかしら?私の『セイクリッド・ブレイクスペル』でならリュウジの呪い解けたわよ?」
その言葉に凍りつくカズマ、ダクネス、めぐみん
「「「えっ」」」
カズマは思い切りアクアの頭をスパンと叩いた。
「このバカッ!それならそうと早く言えよ!リュウジのちょっとカッコイイ雰囲気が台無しじゃねぇか!」
「いったいわね!こんな胸熱展開になると思ってなかったのよ!どーするのよ!リュウジ多分白熱胸熱スタイリッシュなバトル展開になると思ってるわよ!?」
「とっとにかく、ウィズとクリスに伝えねぇと!」
「なら私がクリスに伝えてくる、カズマはウィズの方を頼む!」
「わかった!ダクネス、頼むぞ!!」
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俺はめぐみんが爆裂魔法を放っていた廃城が見える林道に辿り着き、廃城に向かって大声で叫び出した。
「ベェェルゥゥディィィアァァァァァァァァ!!」
俺の雄叫びはベルディアにも聞こえたのだろう、ベルディアは城から見下ろしていた。
「ほう…まさか本当に1人でここに乗り込んで来たか、その見上げた根性気に入った!者共よ!あの男を討ち取って来い!」
ベルディアはアンデッドナイトやゴーレムを出撃させて俺に襲わせた。
「「「「「「ヴォォォォォ!!」」」」」」
魔物達は俺に向かって駆け出し、森林に囲まれた林道で俺はたった1人魔王軍と戦おうとしていた。俺はものともせずに首や手をコキコキ鳴らせた。
「マリュー!行くぞ!」
《はい、リュウジ様!なんだかこの緊張感久しぶりですね……》
《そうだな強いて言うなら…勇者達と戦ってた頃を思い出すな》
「ふぅ……うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ドス!バキ!ボキッ!
俺は1体のアンデッドナイトの胸を右ストレートで貫き、そのアンデッドナイトを投げ飛ばし、ゴーレムの頭をアームハンマーで叩き潰した。そのままゴーレムを踏み台にして他のアンデッドナイトをかかと落としで潰した。その場所に巨大なクレーターが出来た。
「オラァァァァ!どうしたぁぁ!そんなもんかぁ!!」
「ヴォォォォォ!!」
別のゴーレムが俺に殴りかかったが、俺は避けてアッパーを繰り出し、浮き上がった所に回し蹴りをして吹き飛ばした。魔竜は逐一俺に状況を報告していた。
《リュウジ様、ベルディアが近付いて来ます!》
「へっ……ようやくお出ましか?」
俺の目の前にドス黒い渦が現れてその中からベルディアが現れた。
「名のある勇者と見た!貴様……名を名乗れ!」
「名乗る時は……まずは自分から名乗れよアホンダラ」
「フハハハハハ!それもそうだな……我が名は魔王軍幹部『勇者殺し』ベルディア!」
ベルディアが俺に向かって指を指した。俺は不気味に笑いながら言い返した。
「勇者殺しのベルディアか……俺の名前は……鋼のリュウジだ」
俺が名乗り上げた途端俺からはとてつもない魔力が解放されて地面にクレーターやヒビが入った。
「ほう、鋼のリュウジよ、俺に素手で勝負を挑む気か?」
「俺の武器は……この拳だ!!」
俺は地面を抉りながらステップインしてベルディアの右脇腹を狙いボディーブローを繰り出した。
「人間を……舐めるなっ!」
「早いっ!?おおおおお!」
ガキーーーーーン!
ベルディアは自分の大剣でガードして俺のボディーブローを防いだ。返す刀でベルディアは大剣を振り上げたが俺は体を捻って大剣の刃を避けた。捻った反動を利用して俺はオーバーヘッドキックをベルディアの右腕に当てた。
「ぐぅぅ!?なんて奴だ…俺の大剣を避けながら反撃して来るなんてな!」
「まだまだこれからだっ!!」
俺は左フックを繰り出し、ベルディアの頭を狙ったがベルディアは片手で大剣を振り回し、距離を取った。俺はバク転をして大剣を避けてベルディアから離れた。
《リュウジ様、このベルディア……なかなかやりますね》
《ああ、そして奴のプレッシャー…この前の一撃熊と戦ってて良かったな》
俺はファイテングポーズをしながら体をゆらゆら揺らしながら様子を伺った。恐らくベルディアは死の宣告の他にもスキルを持っているはず、死の宣告も魅力的なスキルだが、他のスキルも見てみたい……ここは少し煽って引き出して見るか……。
「なぁ、ベルディア?お前他にもスキル隠してんだろ?」
ベルディアは見抜かれ、少し笑いながら答えた。
「ほう?、俺が他にも技を隠していると見抜いたか…どうしても見たいか?お前は死ぬ事になるぞ?」
「どうせ明日死ぬんだから勿体ぶらずに見せてくれよ冥土の土産にするからよ?」
「フンッ!ならば見せてやろうでは無いか!『魔眼』!」
ベルディアはポーンと頭を上空に放り投げるとベルディアの頭の後から巨大な眼の様なものが現れた。
「ゆくぞ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
俺はフェイントを混じえながらガードを固めてベルディアに突進していったが、全てのフェイントが通じず、ベルディアは大剣を俺の左肩に当てて来た。アダマンチウムで補強していた為ブラックナイトは破壊されずに済んだ。
「俺のフェイントが通じない!?」
「ふん、この『魔眼』は死角を無くし相手の動きを全て見切れる様になるのだ、フハハハハハ!これで貴様の攻撃はもう当たらんぞ?」
「ふーん……」
俺は構えを解いてゴソゴソと胸元から冒険者カードを取り出すと魔眼が習得可能になっていた。
魔眼の習得に必要なポイントは250ポイントか……。
ピッピとカードを操作して俺は上級者殺しと一撃熊を倒した時に獲得した残りのスキルポイントの250ポイントを魔眼を習得した。ベルディアは冷や汗をかいて俺にアワアワと指を指した。
「きっ貴様!おっ俺の魔眼を習得したのか!?」
「え?なんで?ダメなの?」
「だっダメじゃないけど……おっ…おま、ここは普通魔眼を自力で打開するような展開だろ!?相手の技を習得するなんてお前、頭おかしいんじゃないのか!?」
「あ?これも立派な打開策だろ?てか調子に乗って自分の手の内ペラペラ喋るのが悪いんだろ?それでも騎士か?」
「ふっふぐぅ……おのれぇぇ!!」
何故か急に怒り出したベルディアは大剣を振り回し始めた。
どうやら自分の必殺スキルを習得されたのが気に入らない様だ。
「うおおおおおおおお!殺してやる!よくも俺の魔眼を習得しやがったな!死ねぇ!死ねぇ!」
「使って見るか……『魔眼』!!」
俺の左目がオレンジ色になり爬虫類の様な瞳になった。俺の見る風景は全てが赤く染まっていた。魔眼の効果はベルディアの言う通り相手の動きがグラフィックで表示され、相手の攻撃パターンが分析出来るようになった、まるで千里眼の暗視の時と同じアイアンマンのディスプレイの様だ。
案の定ベルディアの大剣を全てかわしきった。
「なっ!?きっ貴様!!魔眼を使いやがったな!?」
「うん、凄いなこのスキル。気に入ったよ」
「おのれぇぇ!!」
「さて、『ゴッドブロー』!!」
ガスーーン!!
俺のゴッドブローはベルディアの腹に直撃した。ベルディアはクリーンヒットしたのか断末魔を叫びながらゴロゴロとのたうち回っていた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「少しは効いたか、けど流石に浄化効果はないな」
「ぜー、ぜー、きっ貴様、本当に駆け出しか!?」
「まぁな……オラ立てよ、もっと戦おうぜ?」
「こっこのぉぉ!勇者殺しを舐めるなぁぁぁ!」
ベルディアは大剣を杖のように使ってよろよろと立ち上がったが、ベルディアの足はガクガクしていた。アンデッドでもこの辺は人間っぽいのが伺えた。
「それでこそ魔王軍幹部だ……オラァァァァ!!」
俺は再びベルディアに向かって行った。