それから俺はベルディアと激しい攻防戦により、あたりの林はなぎ倒され、林道はクレーターだらけになっていた。ベルディアと俺は雨が降る中戦い続けていた。
「うぉぉぉぉ!!」
「はぁぁぁぁぁ!!」
ガキン!ガキン!と金属音、火花を散らしながら2人は死闘を繰り広げていた。魔王の頃なら秒殺出来た相手だが今は人間、アンデッド相手には不利な状況だった。
「はぁ……はぁ……」
「人間如きがアンデッド相手になかなかやるではないか、殺すのが惜しくなって来たぞ?」
「はぁ?、てめぇら見てぇな中途半端な魔王軍に何か誰が入るかよ」
「なんだと!?我らの君主である魔王様を侮辱するか!!」
「だったらもうちょいまともな幹部でも連れてくるん だなっ!」
そう言い放ち、俺は右手に力を込めてベルディアに突進して行くと、ベルディアは渾身の力で大剣を振るった。ベルディアの目には俺の姿が消えていた。
「なっ!?どこに行った!?」
「ここだよボンクラ」
「!?」
ベルディアが自分の大剣を見ると、俺は大剣の上に乗っかっていた。
「いっいつの間に!?」
「うおおおおお!!」
ガキーン!
俺はそのままベルディアの体を思い切り殴り、そのまま追い討ちで飛び膝蹴りを繰り出した。ベルディアはたたらを踏んだ。
「ぐっ……お……」
「一気に畳み掛けてやる!」
《リュウジ様!今が好機です!》
俺はガードを固めて小さく揺れながらベルディアの懐まで接近して行くと♾を描く様に動き始めた。その動きは鋭く素早くなって行った。ベルディアは咄嗟に顔を守った。
これが今の俺が今の状況で出来る最強の攻撃手段……ゴッドブローを連発で応用した接近攻撃だ!
※デンプシーロールをイメージして下さい※
「くらぇぇぇぇ!『ゴッドブロー』!!」
「我が魔王様の加護を受けたこの鎧を砕く術はないのだ!耐え切って見せるぞ!」
「うぉぉぉぉ!!」
ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!
「うぐぅぅ!!素手だと言うのになんという威力だっ…!!」
「まだだぁぁぁぁ!」
「なっ舐めるなぁ!『魔眼』!!」
ベルディアは俺が攻撃する直前に頭を上に投げ飛ばし、魔眼を発動させた。ベルディアも俺に反撃をし始めた。
「ガハハハハハ!これで貴様の攻撃はもう当たらん!俺の大剣で切り刻まれて死ねぇ!」
「来ると思ってたぜ……『魔眼』!!」
「なにぃいい!?」
「これで五分だな?」
俺も攻撃をしながら魔眼を発動させてベルディアに対抗した。2人は互いの攻撃を受けながらも攻撃を続けていた。俺は兜を弾き飛ばされても突き進み、鎧は徐々に傷付いて行き、顔等にも傷を追って行ったが攻撃を止めようとしなかった。男同士の意地と意地のぶつかり合いに発展して行った。
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ーカズマ視点ー
一方、ウィズにリュウジの伝言を伝えに行ったカズマはマジックショップに辿り着き、ウィズを呼んだ。
「ウィズー!いるかぁ!」
「ほわぁ!っ、カズマさん!?どうしたんですか!?」
「はぁっ、はぁっ…リュウジが、ベルディアってやつの所に……1人で乗り込んで行ったんだ!」
「リュウジさんがですか?」
「ああ、「ウィズによろしく」って…ウィズ、早く追いかけねぇと!」
「いえ、リュウジさんなら大丈夫ですよ?」
「はい?今なんて?」
カズマは顔を引き攣らせてウィズに聞き返した。ウィズはニコリと笑って答えた。
「リュウジさんが私によろしくって言ったのは、「またね」、っていう事ですよ…私は「結界の維持をする以外協力しない代わりに魔王軍にも敵対しない」条件があるので私は行けません、ですが大丈夫です、リュウジさんは明日にはまた元気な顔をしてこのお店に来てくれますから、なので私はここで待っています」
ウィズはにこやかな笑顔で頑なにリュウジの後を追いかけることを拒否した。
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ーーダクネス視点ーー
カズマがウィズの店に向かっている時に、ダクネスは他の冒険者と共に住民の避難を指示していたクリスを見つけていた。
「クリス!ここに居たのか!?」
「ダクネス!?、どうしたの?魔王軍は大丈夫なの?」
「その事なのだが…リュウジが魔王軍の本拠地に1人で乗り込んで行ったんだ!リュウジは私とめぐみんを庇って『死の宣告』を受けている!早く助けに行かねば!」
一瞬クリスはピクッと動きを止めたが、再び動き始めて作業を止めなかった。
「ふーん、そっか」
「なっ!?「ふーん」って何を悠長な事を!?我々はアドベンチャーズなのだぞ!?、早く助太刀に行かなければ!!」
「大丈夫だよダクネス?、アイツはそんな簡単に死ぬ奴じゃないから大丈夫大丈夫!、ダクネスが想像してる以上に強いし、賢いから……」
「クックリス!?」
「アイツが戦ってるんだし、あたしが今出来る事は街の人達を守る事、ほらダクネスも手伝って!」
「あっああ……」
クリスもリュウジを追いかけること拒否した。
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その頃リュウジは……
《リュウジ様!危険です!一旦離れて体勢を整えて下さい!》
(悪ぃ、今攻撃を止めたら魔力はまだ残ってるけどスタミナが切れて俺は多分動けなくなる……)
《そっそんな!?》
「けど、ここで止まったらまた
「グッゥゥ!?」
ドスドスドス!
怒涛の攻撃を続けたが…、遂に俺の体に限界が来てしまった…。
「ぐっ……はっ……ぐぅっ!……はっ……」
俺の力のないパンチは遂にベルディアの体にすら届かなくなっていた。
「はぁ……はぁ……」
「フッフフ……フハハハ!なん……だ!大した事ないな!」
「ちっく……しょう……」
ドサッ
俺は地面に倒れてしまった。
《リュウジ様!立ってください!立って戦って下さい!》
「グハハハ!にっ人間如きが魔王軍に逆らうからだ!」
ベルディアは啖呵を切っていたが、足をガクガクさせながら大剣を杖にしながら立っていた。
ベルディアも強がってはいるが相当弱っているようだ。
(ちくしょう……カースド・ダークネスじゃなくて雷魔法覚えくんだったなぁ……ごめん……エリス……魔王討伐無理そうだわ、 ん?ちょっと待てよ?雷?カースド・ダークネス?……あっ…なるほど、こういう使い方もあるのか……)
《リュウジ様!?》
「ベルディア…確かにおめぇはつえーよ、俺はもう”体力”が0だわ」
「ハッハッハ!俺の勝ちだな!鋼のリュウジ!貴様の負けだ!」
「体力は0だけどな……”魔力”はまだ残ってんだよ!『カースド・ダークネス』!!くらぇぇぇぇ!『落雷に撃たれ続ける呪い』!!」
「なにぃぃ!?『カースド・ダークネス』だと!?」
俺が魔法を発動させると、空が段々雲行きが怪しくなり、空がゴロゴロと鳴り始めた。
「魔力を全て出し切った、ベルディア……てめぇの負けだ!」
「ふんっ!『カースド・ダークネス』で俺が負けると思って」
ゴロゴロ……ドッカーーーーン!
「あばばばばばばばばばば!?」
「くくく……上手くいったな、くたばれ!」
「クレーターに水が!?たった助けてえぇ!!」
ゴロゴロ……ドッカーーーーン!
クレーターの中に閉じ込められたベルディアは雨水で濡れて更に感電しやすくなり、雷が更に強くなっていた。堪らずベルディアは大剣を離してしまい、落雷をくらい続けた。
「いぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
落雷の轟音はアクセルの街まで響き渡り、カズマ達も空を見上げていた。
「なんだ!?あの雷は!?」
「ちょっと!?なんなのよあの落雷!?雷様でも落ちたのかしら!?」
「わっ私の爆裂魔法の威力ほどはありませんでしたね!」
「どう考えてもリュウジがやったんだろ!」
「サトウカズマ、住民の避難は既に済んでる!リュウジの元に行くぞ!」
「私はクリスを呼んでくる!先に行っててくれ!」
アドベンチャーズのメンバーは廃城に向かい、リュウジの元に駆けて行った。
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落雷が治まると空は晴れていくと、リュウジの前には巨大なクレーターが出来上がっており、ベルディアは木っ端微塵に吹き飛んでいた。残っていたのはベルディアの大剣のみだった。
「はぁ……はぁ……俺の……勝ちだ……」
《おめでとうございます!リュウジ様の勝ちですよ!》
「悪い…魔力が切れた、ちょっと休ませてくれ……」
俺は意識を失い、気絶してしまったら。マリューは驚き、騒ぎ出した。
《リュウジ様!?リュウジ様!?どなたか!?誰かいませんか!?》
すると遠くから声が聞こえて来た。
おーい!リュウジー!?無事かー!?
リュウジー!?無事なの〜?
リュウジー!!
おーい!
あっ!倒れてる!?カズマ、魔剣の人!早く運んで!
リュウジさん!?生きてますか!?
俺はそのままミツルギとカズマに運ばれて行った。俺が少しずつ意識を取り戻し始めた。俺の目には小さいお山が2つ見えてその上には銀色の髪をなびかせてるクリスがいた。
(うっ……う〜……?あっあれ?頭がめちゃくちゃ柔らかい、ようやく見える様になってきたな……ん?クリス……?)
俺が意識を取り戻したのを確認したクリスは俺に声を掛けた。
「あっ、起きた?」
えぇ!?おっ俺ひっ、膝枕されてりゅ!?マジ!?やだ……恥ずかしい!!つーかコイツめっちゃ石鹸のいい匂いすんだけど……ハッ!! イカンイカン、平常心平常心!
「え?……クリス……、いつ来たんだ……?」
「え?リュウジが倒れた時にみんなで迎えに行ったんだよ!?大丈夫なの?どこか痛くない?」
「いや、特に怪我はしてないけど、ベルディアは?」
「あのデュラハンの事?デュラハンなら大剣以外塵一つ落ちてないよ?」
「そっか、良かった……」
一安心していると、アドベンチャーズが俺の周りに集まって来た。
「おっ?リュウジ、目が覚めたのか?」
「リュウジ!無事か!?」
「まったく、心配しましたよ!雷はリュウジがやったのですか?」
「とてつもない雷だったが、何をしたのだ?」
「まさかとは思いますが、リュウジさん『カースド・ダークネス』を使ったんですか?」
ゾロゾロと雁首揃えて俺に怒涛の質問責めが始まった。
明日には死ぬのになんだこの扱いは?とにかく、クリスには謝っておこう、どうせ明日には死ぬんだ、悔いのない様にしないとな……。
「なっなぁ?クリス?」
「ん?どうしたの?」
俺は頬をポリポリかいてクリスから目を逸らしながら気まずそうに言い放った。
「その……今まで色々ごめんな……」
「え?どっどうしたのさ、やっぱりどこか頭ぶつけたの!?」
「ぶつけてねぇよ、本当はな?……俺はお前とコンビ組みたかったんだよ、けどな……お前色々忙しそうだったから言うに言えなかったんだよ…危険なクエストにも連れていきなくなかったしな……」
「そうだったんだ……気にしなくて良いのに……」
「俺は『死の宣告』で明日には死ぬからよ……言いたい事言ってから死ぬ事にするわ」
「え?何……?」
俺は真剣な眼差しをクリスに向けた。
「まぁ色々楽しかったよ、相棒…、今度はマトモな奴と組むんだぞ?」
「…………あっあのね?リュウジ」
いつもと違って真面目に言われたので顔を赤らめるクリスはなんとか止めようとするが、リュウジはベラベラと喋り続けた。
「あーあ、お前とケンカしなけりゃもうちょい楽に出来ただろうなぁ」
「うん、うんうん、わかった!わかったから聞いて!」
「なんだよ!人が真面目に言ってんのに!明日には死ぬんだぞ!?」
2人が揉めている所にアクアがズカズカやって来た。
「あんた達いつまで痴話喧嘩してんのよ、それとリュウジ?あんたの呪いはもう寝てる間に解呪してあるわよ!」
はい?あの、今なんて?
「え?だって、『セイクリッド・ブレイクスペル』でも解呪出来なかったんだぞ!?」
「冒険者のあんたの魔法じゃ解呪出来ないわよ、それに私は女神よ?こんな鼻くそデュラハンの呪いなんて訳ないわ!」
「あっなるほど、本家本元の魔法と付け焼き刃の魔法じゃ威力も違うわな……あっ……」
俺は数秒前の事を思い出した、死ぬと思い込んでとんでもない事を口走ってしまった事を……。クリスはブラックナイトのマントをクイクイと引っ張ってリュウジに声を掛けた。
「あっ……」
「あはは……恥ずかしいけど、これからもよろしくね相棒?」
「リュウジ、あんた結構クサイ事言うのね、ロマンチックじゃないけど、私は良いと思うわよ!?」
「「色々楽しかったよ……相棒」」
「カッカズマ、モノマネはちょっと……ブフッ」
「リュウジさん、さっきの言葉はかっこ良かったですよ!」
「リュウジ、さっきの言葉は確かに男が聞いてもかっこ良かったぞ!」
アドベンチャーズにサラッといじられ始める。俺は堪らず両手で耳まで赤くした顔を隠した。
「あぅぅ……もうヤダァ……」
その後、ギルドに戻るとアドベンチャーズ全員が歓声を浴びて1番の功績を残した俺が胴上げされた。
胴上げだなんて大袈裟だなぁ。
すると、ルナさんに呼ばれた。
「リュウジさん、魔王軍討伐ご苦労さまでした、報酬の件なのですが……」
「あっはい、ありがとうございます!」
「今日はリュウジの奢りだぞー!」
ひゃっほーーーい!
騒ぎ立てる冒険者を他所に、ルナさんがとても言いづらそうに俺に言い放つ。
「あのですね?リュウジさんが戦った場所も領主の領地でありまして、先程連絡を受けたのですが……かなり損傷が激しいもので……弁償して欲しいとの事です……費用がまだ不明なので報酬は領主様次第となります……それと、爆裂魔法で廃城もかなり損傷が激しかったのでカズマさん達にも弁償してもらうそうです……」
その場にいた冒険者、アドベンチャーズは一気に凍りついた。
その後、アクセルの領主から受け取った請求額は1億9500万エリスだった。
魔王軍幹部・勇者殺しベルディア討伐報酬…2億エリス
領地、及び周辺の修繕費…1億9500万エリス
カズマ一行 廃城修繕費…3億エリス
私個人の意見ですが、クリスとエリスが同一人物なのがあまりにも惜しいです、この2人が別人だったらこんなに迷う事ないんですけどね……ちなみに私はあくまでも盗賊クリスが好きなんです!( *¯ ꒳¯*)ドヤァ