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デストロイヤーは機械音声を出しながらビービーサイレンを鳴らしていた。俺達は慌てふためいていた。
「うぉっ、やべぇよ!爆発しそうな雰囲気なんですけど!?」
「ちょ、不味くないか!?」
「リュウジー!なんか変な音声鳴ってるんですけどー!!」
カズマ達も合流して急遽作戦を立てた。
時間がねぇ……早くしねぇと!
「『宝感知』!やたら中心部に強い反応があるな、俺達で奥に進もう!」
《リュウジ様!恐らくそれが動力元かと思われます!急いで下さい、爆発してしまったらここ一体が!!》
すると冒険者達が騒ぎ出した。
なんだ!なんか問題か!?
「カッコつけんじゃねぇよリュウジ!俺達も行く!」
「そーだ!そーだ!」
「俺もレベルが40超えてるが何故かアクセルの街に留まってる!俺達が門を開けるからそのまま突き進め!」
みんな……カッコイイこと言ってるけど……サキュバス喫茶店で見た事ある人達ばっかりなんだけど……。
「「「「「「突撃だぁぁぁぁぁ!」」」」」」
「「「「「「ワァァァァァァ!」」」」」」
サキュバス喫茶店の常連さん達はものすごい勢いで門をこじ開けて進んで行った。
なんという……スケベ根性……。
門を潜るとゲートを守るゴーレムが現れた。
「ここまで来てゴーレムかよ!めんどくせぇ!」
《リュウジ様!時間がありません!お急ぎを!》
「リュウジどうする!?」
「くそ……カズマ、ここは」
「待ってくれ!ここは……ボクに任せ」
「「「「やっちまぇー!ワァァァァ!」」」」
「えっちょっ」
ミツルギは常連さん達にはね飛ばされて置いてけぼりにされていた。そして俺達はミツルギに言い放った。
「先に行ってるぞミツルギ!」
「ちょっと邪魔よ魔剣の人!」
「お先に!」
「ごめんなさい、お先に!」
「あっああ!」
「ミツルギくん!私も戦うよ!」
────────────────────────
ゴーレム達はミツルギとゆんゆんや他の冒険者達に任せて中心部に辿り着いた。そこは真っ赤に光り輝いていた。もはや爆発寸前だった。
「カズマー!なんかやばい雰囲気なんですけどぉー!?」
「つーか、これどうやって取ればいいんだ!?」
「カズマ、これスティール出来ないのか!!」
「えぇ!?いやっあの、それちょっ怖くね!?」
カズマは目をギョッとさせながら後ずさりをする。
コイツ、こんな時に限ってヘタレやがった!!
「他になんかいい方法ねぇか!?」
「ならこの際、コロナタイトをどっかに消してしまえば良いんじゃないか!?」
「あっそれならテレポートでどこかに転送してしまえばどうでしょうか?」
「それだ!ウィズ!頼む!」
「けど……魔力が足りません!」
くそっ!あっ、そういえば俺ベルディアと戦った時のスキルポイント使って無かったな、俺がテレポートでどこかに転送させてしまえば……!
「ウィズ!魔力分けてあげるから俺に『テレポート』教えて!」
「あっはい、あの……リュウジさん、少しだけ魔力貰いますね?」
「よしっ!ドンと来い!」
ウィズと俺は向き合うと、ウィズは頬を赤らめながら俺をギュッとハグした。
他のメンバーは驚いており、それを見ていたクリスは面白くないのか頬を膨らませていた。
「リッチー何気に大胆な事するわね……」
「おい、リュウジ、そこ代われよ」
「え?えぇ!?ウィズ!?なにしてうぎゃぁぁ!」
「ごめんなさい!『ドレインタッチ』!」
「うごぉぉぉぉ!めっちゃ吸われる!干からびるぅ!!」
「頑張れリュウジー!死ぬなぁぁぁ!」
「リュウジ頑張れー!」
数分間ドレインタッチにより魔力を吸われた俺はテレポートが使える程に回復した。
「はー……はー……どう!?テレポート出来そう?」
「はい!出来ます!ですが……『テレポート』は1度行ったことがある所に行かないと教える事も転送もする事が出来ません、ランダムにテレポートする事になってしまいますが……」
「えぇ!?教わる事出来ないじゃん!!」
「ここに来てまさかのトラブル!?リュウジどうする!?」
くそっ、誤算だった!まさかテレポートにそんな条件があるのか、どーする……どーする俺!?
悩みに悩んだ末、俺は決断した。
「一か八か…ランダムテレポートをしよう、運が良ければ海に転送されれば!」
「けどお前!幸運値マイナスは脱出したけど低いじゃねぇか!」
「仕方ねぇだろ!このままだとアクセルの街が消し飛んじまうぞ!ウィズ!もし何かあっても”全責任”は俺がとる!ランダムでも良いからテレポートで消してくれ!」
「はっはい!分かりました!」
「大丈夫よリュウジ!女神の私が付いてるんだもの!大船に乗ったつもりで居なさいな!」
「泥船の間違いじゃね!?」
「リュウジ……良いの?」
クリスは堪らず声を掛けた。俺は真剣な顔をしてクリスの耳元で囁いた。
(安心しろ、お前の世界は壊させやしねぇ)
(うっうん……)
「よし!ウィズ!やってくれ!」
「はい!行きます!『テレポート』!!」
ウィズが発動させたテレポートにより、コロナタイトはどこかに転送されて行き、大爆発を防いだ。俺達は安心してへたりこんだ。
「はぁ……良かったぁ〜」
「焦ったねぇ〜」
「危うく皆さん仲良く土に還る所でしたね……」
「カズマカズマ!「カズマです」これ……」
アクアは日記のような物を持って来た。
これは現代で言う所の報告書的な物かな?
【〇月×日 報告書1】
【設計が上手くいかない……ってか白紙、イメージ浮かばないんだもん……だから助手さんぶたないで!お願いします!やべっ!クモ潰したら汁が付いた】
【〇月×日 報告書2】
【ダメ元でクモ潰した設計書を提出した、なんか上手くいったね!ラッキー!動力はどうすんだよ!ってぶたれた】
【〇月×日 報告書3】
【伝説のコロナタイトを持ってこいって言ってやった!これで少しは休めるだろ!休ませねぇぞ!ってまたぶたれた、コロナタイトなんか早々見つかる訳ねぇじゃんバーカ!】
【〇月×日 報告書4】
【ホントにコロナタイト持って来ちゃったよ……どうしよ、これで動かなかったら死刑だよ……だから動いて下さい!お願いします!】
「ねぇ……これ……」
「うん……言いたい事は分かるから」
アクアは続いて報告書を読んだ、なんとなくオチが見えて来たよ。
【〇月×日 報告書5】
【やった!動いた!やべっ!俺やっべ!俺天才じゃね!?嬉しいから奮発してデストロイヤー内に色々付けちゃお!ロボットアーム的なやつ欲しかったんだよね!いっぱい付けよ!あった方がカッコイイじゃん!】
【〇月×日 報告書6】
【小腹が空いたから台所も作っちゃお、久しぶりにチャーハンとラーメン食べたいな、【想像生産】のチートやべっ!なんでも作れちゃう!】
「アクア、チートって言ってんじゃん」
「うっ……うん」
【〇月×日 報告書7】
【チャーハン作ってた途中にラーメンのダシこぼしちゃった、やべ!なんかバリバリしてんだけど!!やっべ!排水溝作んの忘れてた!】
そして、最後の報告書に目を通した。やらかしたなこれ
【〇月×日 報告書8】
【やべ!暴走始めちゃった!やっべぇ!ノイズ国滅んじゃったよ!なんかスッキリした!ダシの油がこびり付いてて取れません!やっべ!暴走が止まりません!終わったー、ここで余生を暮らそう……コレ作った奴馬鹿だろ……あっ……俺でした٩(๑><๑)】
「…………終わり」
アクア含めその場にいたメンバーは椅子に座りながら息絶えている骸骨に向かって叫んだ。
「「「「「「「「ふざけんな!」」」」」」」」
そしてカズマはアクアに掴みかかり叫んだ。
「ゴラァァァァ!どんだけ適当な人間送り付けてんだゴラァ!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!ほっへひっはらないへ!」
「監獄に帰りてぇ……」
その後、アドベンチャーズはデストロイヤーから脱出する為来た道を戻っている途中だった。
「この残骸どうすんのかな?」
「さぁ?ギルドとか親方達が片付けるんじゃない?」
「ってか、アクア、ダクネスは?」
「あっ……」
「もしかしてあのまま立ってたとか!?」
「そこまでバカじゃないでしょー」
アドベンチャーズと他の冒険者達はダクネスの事を話しながら賑やかにゾロゾロと脱出した。
────────────────────────
「いたし」
「耳まで真っ赤なんですけど?恥ずかしいなら正門まで戻ればいいのに」
「ダクネス帰るよー?」
「ダクネスさん、お疲れ様でした!」
「この私を放置……くっ/////」
いつでもどこでもブレないカズマチームのクルセイダーさん。
すると、再びデストロイヤーから蒸気が大量に噴き出して来た。
恐らく内部に溜まった熱が排出出来なくなった様だ。
「おいおいおいおい!」
「え!?ちょっと!どうするの!?このままだと私たち吹き飛ぶわよ!?」
「………………」
「おっおい!リュウジ!どうするよ!?これどうするよ!?コロナタイト飛ばした意味ねぇよ!?」
「リュウジ〜」
「リュウジさん!」
「リュウジ!!どうする!?」
狼狽えるアドベンチャーズメンバー、俺は目を開けて答えた。
「ここで……ぶっ壊す!!」
「はぁ!?お前正気かよ!?」
「あーそうだよ、イカれてるよ俺は!カズマ、ウィズからドレインタッチを教わって他の冒険者達から魔力を集めてウィズとめぐみんに分けろ!急げ!」
「わっ分かった!」
「カズマさん!こちらに来てください!」
時間が無い中めぐみんとウィズに魔力を分け与え、攻撃魔法が撃てる状態まで溜まった。
「魔力が残ってるウィザード、アークウィザードは自分の最大の攻撃魔法をデストロイヤーにぶっ放せ!Adventures、行くぞ!」
「『カースド・クリスタルプリズン』」
「『ライトオブセイバー』」
「『ファイヤーボール』」
「『ブレードオブウィンド』」
「『花鳥風月』〜♪」
「『エクスプロージョン』」
「覚えたての…『カースド・ライトニング』!!」
ちゅどーん!
アドベンチャーズ、冒険者の集中砲火により、デストロイヤーは粉々に破壊された。
「今度こそ終わりだ!」
今度こそアドベンチャーズ達は勝利を確信した。そして、冒険者ギルドに凱旋し、勝利を分ちあい、みんなで飲んで騒いでドンちゃん騒ぎをしていて、リュウジも気分良く酒を飲んでいた。すると、クリスが俺の耳元で囁いた。
「あっあのさ……ちょっと良いかな?」
「ん?どーした?」
クリスは俺をとある場所に連れて行った。その場所は…2人が初めてこの世界でケンカをした場所でもあるトイレだった。
「なんでここなんだよ……」
「仕方ないでしょ!?それより、こっこの前の事なんだけどね…?」
「あー、あの事か?別に気にしてねぇよ?」
「え?なんで!?あたし…何も知らないで……」
「まぁ、俺も予想外な事だったからな…俺の方こそ勘違いさせてごめんな」
「なんでリュウジが謝るのさ!あたしが悪いのに!」
怯えたネコの様な顔をするクリスの頭をわしゃわしゃしながら答えた。
「こういう時は男が謝って置くのが良いんだよ、気にすんな相棒」
「うぅ〜、バカ!」
2人で話していると、泥酔したリーン、ほろ酔いのウィズがトイレにやって来て2人は慌てて離れた。
「あー!リュウジが女の子をトイレに引き込もうとしてるー!」
「ダメですよぉ〜?リュウジさん?」
「えぇ!?リーンちゃん!?ウィズ!?」
「ふーん、相棒くん、2人と随分仲良しなんだねぇ〜?」
リーンとウィズは酔っ払って俺の体に絡みつく、それをゴミを見るような目で俺を見つめるクリスさん。
「ちっちがう!ちょっと!2人とも離して!?」
「いっや!、ねぇ、あたしも頑張ったんだからナデナデしなさい」
「ズルいです、私にもして下さい!」
「ごゆっくり〜鉄クズ野郎!」
「えっちょ!?クリス様!?クリスさまぁぁぁぁ!!」
《リュウジ様って……意外とモテる……?》
────────────────────────
翌日、賞金首でもあったデストロイヤーの報酬を受け取った俺は大金をしまい、ウィズから借りていた本を読んでいた。すると、クリスが部屋に慌てて入って来た。
「リュウジリュウジリュウジ!」
「はいリュウジです、そんなに慌ててどーしたんだよ?」
「王都からお役人さんが来てて…今すぐギルドに来て欲しいって」
《王都の人間が何の用でしょうかね?表彰でもしてくれるのでしょうか?》
「どうだろうな?行けば分かるさ」
俺はブラックナイトを装備して、冒険者ギルドに出向いた。昨日関わった冒険者、アドベンチャーズも集まっており、そこには眼鏡をかけた鋭い目付きをした女性が立っていた。後ろには王都から来た騎士達が立っていた。
「あなたがアクセルの街で冒険者を集めてチームを組んでいるアドベンチャーズの1人、フクヤマリュウジだな?」
「はい、そうですけど?」
「私は王都から派遣された検察官、セナと申します。単刀直入に言います、フクヤマリュウジ、並びにアドベンチャーズ、貴様らには国家転覆罪の容疑が掛けられている、自分と一緒にご同行願います」
「「「「「「はぁ!?」」」」」」
カズマは慌ててセナと言う女性に反論した。
「ちょっと待ってくれ!俺達が何をしたって言うんだ!?」
「それはだな、テレポートにより転送されたコロナタイトが大領主アルダープ様の屋敷を破壊した為だ」
「え……」
「えっちょっとリュウジ、なにこれ不味くない?」
「マジか……」
「屋敷には誰もいなかったので死傷者は出なかったのが幸いした、よってアドベンチャーズは全員署まで来てもらおう」
それを聞いた途端アドベンチャーズは大騒ぎし始めた。
「リュウジさぁん!?どーするのよっ!私達犯罪者になったわよ!?」
「次の冒険が私を待っている……」
「リュウジどうする……?」
「まさか俺達が犯罪者だなんて……くそったれ!」
「リュウジさん、どうしますか?」
俺はアドベンチャーズの前に出て、こう答えた。
「あの時指示を出したのは俺だ、責任は俺にある」
「ほう、なら首謀者はフクヤマリュウジ、貴様か?」
「ああ、俺だよ」
ここで暴れたら他のメンバーや冒険者達に迷惑がかかる、ここは穏便に済ませるか……。
膝をついてセナの前で土下座を始めた。
「申し訳ないですが、俺の首一つで勘弁して下さい……。他のメンバーや冒険者達を助けてやって下さい」
床に頭を付けて祈願した。
これでみんなが救えれば本望だよ
「おっおい!リュウジ!何のつもりだ!?」
「リュウジさん!?」
「待って下さい!『テレポート』をしたのは私です!」
ウィズが手を上げて俺に近付こうとしたらアクアに止められた。
「ダメよ!ウィズ!リュウジの死を無駄にしないで!」
「お前……サラッとリュウジを見捨てたな……」
呆れた声でドン引きするカズマ、セナは眼鏡をクイッとして、言い放った。
「ほう?罪を自分1人で背負うと?」
「はい、彼らは悪くありません、罰するなら俺だけで勘弁して下さい」
「良かろう、フクヤマリュウジ!貴様を逮捕する!」
俺は手錠を掛けられて警察署に連れて行かれた。
第1章はこれで終了です!次回から第2章に突入します!