夜のアクセルの街に繰り出した俺は新たな装備、金獅子を装備して颯爽と駆け回っていた。ステータスが異常に上がってるおかげかブラックナイトより軽量の為ものすごい素早さで走る事が出来ていた。屋根から屋根を飛び回り、忍者さながらの動きが出来ていた。
「おおっ!?俺ってこんなに早く走れたの!?」
《元々ブラックナイトは防御力重視ですからね、金獅子はその分軽量化してますからそりゃ素早さが増しますよ、サルのように動きますね》
「ひゃっほーい!スパイダーマンになった気分だ!」
エリス教の教会の塔に登ってそよ風に赤いマフラーを靡かせ、辺りを見渡していた。その時、ウィズがさまよう魂を天に還す作業をしているのが見えた。
「あっ、ウィズだ……」
《あーやって定期的にいらっしゃるんですね、さすがはアンデッドの王ですね、素晴らしい行為です》
「アレをしてる時のウィズって凄い綺麗なんだよなぁ、女神見たい」
《おや?リュウジ様ったらいつからウィズ様に鞍替えしたんですか?いつからプレイボーイになったんですか?いやらしい!!》
「いやらしいって…ってかそういうつもりで言った訳じゃ」
《クリス様といい、ウィズ様といい、リーン様といい、誰が1番なんですか?まさか取っかえ引っ変えですか!?》
「ざけんな、そんなんじゃねぇ……みんな違ってみんな良い性格してるからな、1番なんて決めれねぇよ…純情で頑張り屋のクリス、お淑やかで優しいウィズ、真面目でしっかり者のリーンちゃん、俺には勿体ない人達ばっかりだよ……」
《刀の勇者もですか……?》
「ラフタリアか?あの子もな…強くて凛々しい子だったなぁ……って何言わせてんだよ!もうあの子は関係ないんだから会話に出すなよ……女々しく感じるだろうが!」
《ふふふ、からかいがいがありますねリュウジ様は、人間に戻ってから随分優しくなったじゃありませんか、自己犠牲は変わりませんがね?》
「そう見えるか?そりゃここに来て大分経つからな、情も移るって」
《私も人間だったらリュウジ様に恋してたかも知れませんねぇ……》
「ドラゴンの癖に何言ってんだよ…気持ち悪い…さて、そろそろ帰るか?色々見て歩いたけど、アクセルの街の夜って平和なんだな」
《そうですね、帰りましょうか?》
コソコソ自分の家に戻り、俺は部屋の窓から戻って行った。念の為クリスの部屋を覗いてみるとなんとまぁスヤスヤと眠っていた。
服は乱れてないし大丈夫見たいだ。
「さて、この金獅子をどうやって隠そうかな〜?」
《隠す必要ありますか?クリス様に見せても宜しいじゃありませんか》
「いや、金獅子は隠す、むしろ金獅子の時は皆には正体は明かさない様にしたいんだ、バットマンやスパイダーマンも正体隠してヒーロー活動してたからな、俺もマネしようかと」
《何を言ってるのか私には理解しかねますが、それなりに隠す理由があるならお好きになさって下さい、私は黙ってますから》
「そうして貰えると助かるな、ってかミツルギとゆんゆんまだ帰って来ないなぁ、どこほっつき歩いてんだかあのバカップルは」
ブツブツ文句を言いながら本棚を改造して、隠し扉を開発した。ブラックナイトを立て掛けている所がスライドする仕組みにして奥に金獅子を隠せる様にした。
「さて、そろそろ寝るか……ってもう朝だよ……」
《そっそうですね……徹夜しちゃいましたね》
俺とマリューが外を見ると朝日が登っていた。
「んじゃ〜、朝飯作るか〜」
《えぇぇ!?本気で休まず生活する気ですか!?》
「うん、そのつもり、なんか眠くないしね〜フレンチトーストでも作るか〜」
俺はそのまま朝食の支度をしていると、クリスがいつもの服を着て起きて来た。
「ふぁ〜、おはよー」
「はよー、随分早起きだな?」
「うん、今日も初心者のヘルプでね、明日から天界に行かなきゃないし……」
「へ?天界?また?」
「うん、死んだ人もいるし書類とか色々やらなきゃ無いんだよ〜、アクア先輩がこっちにいるから仕事が2倍だよ〜、まぁ天界にいても同じだけど……」
天界でもアクアはロクなことしてねぇな……
「で?いつ頃帰ってくるの?たまには……その……」
「ん?なに?」
「2人で…ダンジョン探索行きたいんだけど」
「聞こえないよ!」
俺はヤケクソ気味にクリスに言い放った。
「弁当のお礼したいから2人でダンジョン探索行かないか!?」
「え?……えぇぇ!?リュウジから誘って来た!?」
「でも忙しいならいいけど」
「行く!さっさと終わらせて帰ってくるから!」
クリスは目をキラキラさせながら俺にグイグイ近付いて来た。
「おっおう……顔近い……」
「スンスン……ねぇ?何作ったの?」
「あっフレンチトースト作ったんだけど、食べる?」
「え!?リュウジって料理出来るの!?」
「出来るよ!これでも勇者の時は仲間にご飯作ってたんだけど!?」
「へぇー!そんな事もしてたの?料理スキル持ってるの?」
「スキル?そんなもんに頼らなくても作れるんだけど?」
「見た目に寄らずにそんな事もしてたんだ……」
んー、前々から思ってたけど、どうもこの世界はスキルに頼りすぎる所が見えるなぁ、まぁ、この世界のルールだから仕方ないけど。
「食べてみな?味は保証するから」
「うん、いただきまーす!」
クリスはナイフとフォークを使い、フレンチトーストを食べ始めた。
「ハムハム……」
「あの、そんな真剣な顔で食べられるとプレッシャーヤバいんだけど」
「ん?そう?ちゃんと味わいたいからさ!」
「うっうん……、やっぱり料理スキル必要?」
「そんな事ないよ?スキルないのにここまで出来たら凄いよ!」
(すごい……美味い……)
コーヒーを啜りながら俺は自分で作ったトーストを食べてみた。
うん、悪くないと思う
「ご馳走様!そろそろ行くね!」
「うん、洗い物は俺がしとくから行きな?」
「ありがと……」
「洗濯物は?」
「そっそれは良いから!自分でやるから!」
「そりゃ下着は自分で洗って下さいよ、他のやつ言ってんだけど?」
「あっそっち!?んじゃ〜シーツとか……お願いします……」
「りょ〜か〜い」
クリスはそのまま冒険者ギルドに向かって行った。
さて、お洗濯でもしようかしら
俺がパタパタと家事をしていると、ドアが叩かれた。
「おはようー、リュウジ!ボクだ!ミツルギだ!」
「リュウジさーん、おはようございまーす」
「お!?帰って来たか!?」
俺はドタバタとドアを開けると、荷車を引いているミツルギとゆんゆんがいた。
「おー!おはよー、2人ともおかえり、長かったな!?」
「ああ、遅れてしまって済まない!実は…ドラゴンの死体の件なんだが……」
「うん、手に入れたのか!?」
興奮する俺を宥めながらゆんゆんは言いずらそうに答えた。
「あのですね…実は私のライトオブセイバーとかでドラゴンが粉々になっちゃいまして……」
「えぇぇ!?それで!?」
「代わりと言っちゃアレなんだが…これで許してくれないか?」
荷車のシートを剥がすと…マリューの新しい体となる母体があった。
「いやコレ…パンダじゃん!?」
「いや、違うんだ、これは一撃熊の変異種シロクロクマという──」
「パンダじゃん!シロクロクマって最早コレ、パンダじゃん!」
《リュウジ様!?まさかこのクマの中に入れって言いませんよね!?》
《動かせなかったら諦めるよ、けど、動かせるならお前それな?》
《そっそんな!!》
《ほら、動かしてみろ》
マリューは俺の背中から出てミツルギ達に見つからない様にシロクロクマの体内に入って行った。パンダに入ったマリューはピクピクと動き始めた。
マリューのやつ、動かせた見たいだな……。ちょっとミツルギ達を脅かしてやるか。
「おい、ミツルギ、ゆんゆん後ろ見てみ?」
「「え?」」
ミツルギとゆんゆんは振り向くと、パンダは起き上がって立ち上がり、両手を広げてミツルギ達を脅かした。
「ガオ〜!」
「「うぎゃぁぁぁぁ!!」」
動き始めたシロクロクマを見た瞬間ミツルギは気絶し、ゆんゆんはパンツ丸出しにしながら腰を抜かしていた。
「あわわわわ!?……ラッライトオブブブブブ!!」
「落ち着いてください、ゆんゆん様」
「え?え?クマが喋ってる!?シロクロクマは喋れるんですか!?」
「いえ、私が特別なだけです、何もしませんよ?それよりリュウジ様!ゆんゆん様が腰抜かしちゃってますよ!?」
「え?リュウジさん!?どういう事ですか!?」
「あのね、ゆんゆん、こいつの名前はマリュー、俺の仲間だ」
「仲間!?リュウジさんクマとお友達だったんですか!?」
あっダメだ、ゆんゆんの頭の中がパニクってる
俺はマリューの事を秘密にする事を条件に、事実を明かした。
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「なるほど、ではマリューさんは元々はドラゴンだったのですね?」
「はい、なのでミツルギ様とゆんゆん様にお願いしてドラゴンの体を手に入れるつもりだったのですが……」
ズーンと落ち込むマリュー。だがその見た目は可愛いとしか言えなかった。ゆんゆんもモフモフしたいのかソワソワしていた。
「あの、マリューさん、モフモフして良いですか?」
「え?あっはい、どーぞ?」
ゆんゆんはオドオドしながらマリューの顔や背中、お腹などを撫で始めた。
「わわっ!フワフワしてて気持ちいいですね!」
「なんか……複雑な心境なのですが……喜ぶべきなんでしょうか?」
「まぁ良いんじゃない?今後は癒し系になればいいじゃん!」
「この姿みたらクリス様びっくりするんじゃないでしょうか…?」
「まぁするだろうな、っという訳でマリューの経緯はメンバーには内緒にしててね?”ゆんゆんとクリスしか”知らないからね?」
「わっ私だけしか知らない!?」
(なっなっなんだか2人だけの秘密見たいでかっこいい……!!)
なんだか知らないが1人で盛り上がっているゆんゆん。
「という訳だからさ、ミツルギには適当に誤魔化しといてね?実は生きていたけど仲間になったとか言ってさ?」
「分かりました!ミツルギくんには申し訳ないですけど、誤魔化します!」
「うん、んじゃお願いね!」
「はい!任せて下さい!では、リュウジさん、マリューさんお邪魔しました!」
ゆんゆんは気絶したミツルギを引きずりながら帰って行った。その後、俺とマリューは今後の事を話し合い始めた。
「どうしましょ?私、冒険者になれますかね?」
「どっどうだろうな……とりあえずギルドに行ってルナさんに聞いて見るか?」
「はい、まぁダメでもリュウジ様について行きますけどね?」
「あっそう……」
俺とマリューはそのまま冒険者ギルド向かった。行く道中にマリューは珍しいのか子供達には集られ、「クマだ!」と騒がれながらも俺達は冒険者ギルドに辿り着いた。冒険者ギルドの中にいた冒険者達はマリューを見て驚いていた。
リュウジのやつ何連れてきたんだ?
ありゃシロクロクマじゃねぇか!?
モフモフしてそうだな
冒険者達の会話がヒソヒソと聞こえてくる。二足歩行のマリューは視線を浴びて気まずそうに受付に近付いた。
「ルナさん、ルナさん!」
「あっリュウジさん、おはようごさ……きゃぁぁ!!」
「あはは、びっくりします?」
「しますよ!あの、飲食する場でもあるので動物はちょっと……」
「動物ではありません!マリューです!」
「えぇぇ!?クマが喋ってる!?」
ですよねー、当然のリアクションですよね……?
「あの、動…モンスターも冒険者登録とか出来るんですか?読み書き出来たり会話も出来るくらいの知性はあるんですけど?」
「えーっと……すいません、ちょっと聞いてきますね?何分初めてのケースなので私の一存では決めかねますので……」
「あっはい……」
そう言うとルナさんは奥に引っ込んで職員達と話し出した。「は?クマ?」っていう言葉が聞こえて来たが、数分後、ルナさんが戻って来た。
「お待たせしました、えーっと、マリューさんとお呼びすれば良いのですか?」
「はい、マリューで結構です、大丈夫ですよ危害は加えません」
「はっはぁ…、一応この水晶玉に手?足?をかざして貰えますか?」
「はい」
マリューは前足をポンと置くと、激しく光出した。ルナさんはマリューのステータスを見て騒ぎ出した。
「えぇぇ!?リュウジさんの時より凄いですよ!?なんですか!?このステータスは!?「筋力」「生命力」「知力」「魔力」「器用度」「敏捷性」「幸運」バランス良く高いですよ!?なんですかあなたは!?」
すいません……この子一応元ドラゴンなんです
「このステータスならどんなクラスにもなれますよ!?どうしますか!?」
「リュウジ様?どうしますか?リュウジ様の言うクラスにしますから」
「うーん…そうだな、んじゃ『狂戦士』で」
「『狂戦士』!?まっまぁ、『狂戦士』は固有のスキルはありませんがその代わり”どんな武器”も装備出来るクラスです、なのでマリューさんにはピッタリかも知れませんね?」
ほぼチートじゃねぇかよ
「そうですね、アークウィザードでも良いと思いましたが、ウィズ様やめぐみん様、ゆんゆん様も居ますしね?前衛の方が良かったですね」
「俺より強いんじゃね?」
「そんな事ありませんから!一度リュウジ様に負けてますから!」
「まぁ、とりあえず登録出来たし、ジャイアント・トードで肩慣らしして見たら?」
「はい!」
俺とマリューは肩慣らしを兼ねてジャイアント・トードのクエストを受注した。
狂戦士のスキルなどが不明だったので予測で書いてみました。
マリューのモデルはカンフーパンダです!